アクアリウムコラム

ウーパールーパーの陸化とは!3つの原因と陸化するメリット・デメリット

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ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)は、フサフサの外鰓につぶらな瞳、薄ピンク色のふっくらとした体など、可愛らしさがギュッと詰まった大人気の両生類です。

愛らしい見た目に惹かれて飼育を決めたという方も多いかと思いますが、実は、飼育を続けていくうちに見た目が大きく変わってしまう、陸化が起こることがあるのをご存じでしょうか?
陸化はウーパールーパーが持つ生存戦略の一つで、環境に合わせて陸上に適応すること。適切な飼育環境を維持していれば、陸化することはないため、正しい知識を持って対応することが大切です。

今回のコラムでは、ウーパールーパーの陸化について3つの原因やメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
ウーパールーパーを飼育中の方やこれから飼育したいと考えている方は、ぜひこのコラムを参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにウーパールーパーの陸化を解説

ホースとバケツで海水魚水槽の換水作業を行うスタッフ
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

飼育しているウーパールーパーの見た目や様子に変化があったら、陸化の前兆かもしれません。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ウーパールーパーの陸化を解説します。

ウーパールーパーの陸化とは


ウーパールーパーの陸化は、簡単にいうと陸上に適応できるように体が変化し、成体になることです。

成体というとすべての個体が陸化するように思われるかもしれませんが、ウーパールーパーは、幼生の姿のまま成熟し水中で繁殖まで行うネオテニー(幼形成熟)という特性を持っているため、通常は陸化することはほとんどありません

ここでは、ウーパールーパーが陸化する原因や前兆を解説します。

陸化=成体になるための変態!

陸化はウーパールーパーが水から上がり、陸上で生活できるよう適応することで、見た目や特性に以下のような変化が現れます

  • フサフサの外鰓が無くなり、肺呼吸になる
  • 背中から尾にあるヒレが吸収されてすっきりとした印象になる
  • 皮膚のぬめりが無くなり、爬虫類のようなざらざらの質感になる
  • 目にができる
  • 手足が太く力強くなる
  • 体色が濃くなる・黒っぽい模様が現れる

水中で使っていた器官が退化し、陸上で必要となる部分が発達していきます。

ゆったりとした柔らかさを感じる水中の姿から、引き締まった印象のいわゆる「サンショウウオ」の姿に近くなるため、初めて見た方はあまりのギャップに驚くことでしょう。
とはいえ、陸化後のウーパールーパーは怪獣のような格好良さを感じられるため、また違った魅力があることは間違いありません。

陸化する主な3つの原因


前提として、ウーパールーパーは幼体のまま一生を水中で過ごすことができる生き物で、自然界でも飼育環境下でも陸化が起こることはめったにありません
陸化するのは生息環境の悪化など、緊急事態が起こった時。限られた環境で生き延びるための最終手段として、本能的に陸化を選択することがあると考えられています。

飼育環境で陸化が起こる原因は次の通りです。

  • 原因1:水位が低下し、体が水から出てしまう状態が長く続いた
  • 原因2:25℃以上の高水温や水質の悪化した状態が長く続いた
  • 原因3:甲状腺ホルモンを刺激するヨウ素を含む薬剤や餌を過剰摂取した

いずれも生命の危険を感じさせるもので、特に夏場の水温管理が行き渡らず高水温が続くと陸化が起こりやすくなります。

陸化する前兆

ウーパールーパーの陸化は短期間で劇的に変化するものではなく、約1〜2カ月をかけてゆっくりと進みます
以下のような様子が見られたら、陸化が始まった前兆ととらえ、水中から陸上への飼育に切り替える準備を進めましょう。

  • 水面で息継ぎする回数が増えて、空気をパクパク吸うようになる
  • 外鰓のフサフサがボリュームを失い、しぼんでくる
  • 突然餌を食べなくなる

陸化によってエラ呼吸から肺呼吸に切り替わると、水中での呼吸ができずに溺死してしまう危険があります。陸化したからといって水中に入れなくなるわけではありませんが、しっかり肺呼吸ができる陸上部分を用意することが大切です。

陸化を防ぐには

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ウーパールーパーの陸化を防ぐのに特別なことは必要なく、定期的な水換えや水温管理を徹底していれば、通常は幼体のまま飼育を続けることができます

水中で暮らしていけないと感じさせるような、危機的な状況を起こさないことを意識して、飼育環境を整えましょう。

ウーパールーパーが陸化するメリット・デメリット


陸化したウーパールーパーは、見た目だけでなく性質や住環境なども大きく変化します

ここではウーパールーパーを陸化させるメリット、デメリットを解説します。
それぞれを比較して、健康的に飼育できる環境を整えましょう。

メリット:最終的な生態が観察できる

ウーパールーパーを陸化させるメリットは、なんといっても変態していく過程と最終的な成体の姿を観察できることでしょう。

野生のウーパールーパーが暮らす地域は一年を通して適水温が保たれている上に、餌から陸化の原因となるヨウ素を取り込む可能性もかなり低いため、自然に陸化することはめったにありません
一方、人工飼料や保温機材で摂取する栄養素や環境をコントロールできる飼育水槽ならば、あえて陸化の条件を作り出し成体に変化させることができるというわけです。

ただし、一度陸化したウーパールーパーを元に戻すことはできませんし、以下で解説する通り陸化には相応のデメリットがあるため、よく考えてから変態させるかを決めることをおすすめします。

デメリット1:寿命が極端に縮む


陸化したウーパールーパーは、幼生のままでいる個体に比べて寿命が短くなる傾向があります。
通常のウーパールーパーは10年前後、長寿なものでは20年近く生きる個体もいる一方、陸化すると平均して3~5年程度で命を落としてしまうこともあるようです。

寿命が短くなるのは、陸化がウーパールーパーに与える負担が非常に大きい証拠でしょう。
繰り返しになりますが、ほとんどのウーパールーパーは水中で一生を終えるため、体も水中生活に特化した作りになっています。陸化は生き残るための最終手段であり、生命力を使って体を変化させていることを忘れてはいけません。

また、陸化したウーパールーパーも幼生の時と同じく低温を好みますが、ケージの温度を下げる方法が室内のエアコンのみとなり、管理が難しくなる点も覚えておきたいポイントです。

デメリット2:飼育環境が大きく変わる

陸化したウーパールーパーは陸上または半陸上で飼育をすることになるため、それに合わせて飼育機材の購入・レイアウトの変更などのコストや手間がかかります

また、アクアリウムの感覚で飼育ができる水中から、爬虫類と同じような陸上飼育に切り替えると、温度管理や環境維持の難易度がグッと上がるところもデメリットでしょう。

陸化したウーパールーパーの飼育方法


もし飼育しているウーパールーパーに陸化の兆候が見られたなら、陸化後の飼育イメージを固めながら準備を進めておくことが重要です。

陸化は生体への負担が大きいですし、飼育方法もガラッと変わります。変態が完了する前に、あらかじめ環境を整えておきましょう

湿り気のあるテラリウムでの飼育がおすすめ

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陸化したウーパールーパーは肺呼吸に切り替わるため、長時間水中にいることができなくなりますが、乾燥が苦手なことに変わりありません
皮膚が乾いてしまうと体調を崩してしまうため、ケージ内の湿度を保つ工夫をしましょう。

陸化後のウーパールーパーにおすすめなのが、程よい湿度がキープしやすいテラリウムです。
コケを維持するため定期的に霧吹きやミストで保湿するテラリウム水槽は、ウーパールーパーの飼育環境と類似点が多く、見映えもよくなるので一石二鳥

さらにウェットシェルター水入れを用意してあげると、より健康を維持しやすくなります。

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活きた昆虫が餌

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水中のウーパールーパーは、人工飼料を中心に何でも積極的によく食べてくれますが、陸化すると人工飼料よりもコオロギなどの活餌を好むようになる個体が多いです。

陸化直後は健康維持のためにも食いつきの良いコオロギを中心に与え、環境に慣れてきたら昆虫成分が多く含まれる人工飼料に切り替えていくと、餌付きやすくなるでしょう。

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まとめ:ウーパールーパーの陸化とは!3つの原因と陸化するメリット・デメリット


ウーパールーパーは、通常は幼生のまま水中で一生を過ごすネオテニー(幼形成熟)という性質を持っており、自然界でも陸化することはほとんどありません
しかし、高水温や水質の悪化、ヨウ素の過剰摂取などの異変が続くと、生存本能により陸化することがわかっています。

陸化したウーパールーパーは肺呼吸に切り替わったり、見た目がワイルドになったりといった大きな変化が起こるため、状況に合わせて飼育環境を切り替えていくことが重要です。

ウーパールーパーの最終形態を見られる陸化は、飼育における一つの目的にもなりえますが、一方、生体に負担をかける行為であるのも事実。
陸化によるメリット・デメリットを理解し、飼育できる環境を整えたうえで、実施を検討してください。また意図せず陸化してしまった場合も、最後まで責任をもって飼育を続けましょう

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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