ビオトープの酸欠対策!生体別・メダカなどの酸欠への強さも解説です

投稿日:2025.08.22|
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夏の強い日差しにさらされるビオトープで特に注意したいのが、高水温が原因で発生する酸欠です。
「ビオトープの魚が水面で口をパクパクしている」「エビが元気をなくしている」といった不調は酸素不足のサインであることが多く、放っておくとビオトープ全体が調子を崩してしまうことになりかねません。
本来、ビオトープの中では小さな自然のサイクルが出来上がっており、水草や水辺植物が光合成をすることで水中に酸素を供給しています。
しかし近年の猛暑や生態系のバランスなどの影響によっては、思わぬ酸欠が起きることもあるため、不調が見られたら早めに対策をしましょう。
今回は、初心者の方でも実践できるビオトープの酸欠対策を解説します。
ビオトープでおなじみの生き物の酸欠の強さも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにビオトープの酸欠対策を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
気温が高くなる夏は、ビオトープで酸欠が起きやすいです。
当然ながら生き物は酸素が不足すると死んでしまう危険があるため、手遅れになる前に対策をしましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ビオトープの酸欠対策を解説します。
ビオトープでも酸欠になる!

水草や水棲植物をたくさん配置したビオトープは、植物の光合成の力で水中に酸素を供給できることから、室内水槽に比べて酸欠が起きづらいと考える方は多いでしょう。
しかし、実はビオトープも環境によっては酸欠になるもので、特に猛暑と言われる夏の高温期は要注意です。
水の中に溶け込む酸素(溶存酸素量)は温度が上がるほど減って行く傾向があり、例えば水温25℃で溶存酸素量が100%とした場合、30℃では約91%、35℃では約84%にまで低下します。
水温は気温より2℃ほど低くなると言われますが、近年の猛暑では外気温が40℃近くまで上昇することから、ビオトープも35℃以上の高水温になることが少なくなく、水温の上昇とともに溶存酸素が減り、魚やエビが酸欠を起こすケースが増えているのです。
ビオトープの酸欠対策

ビオトープで酸欠を防ぐためには、いくつかの工夫が必要です。
ここでは誰でもすぐに実践できる代表的な酸欠対策をご紹介します。
大切な生き物の命を守るためにも、有効な対策を確認しておきましょう。
エアレーションする
酸欠対策としては、やはりエアレーションをするのが一番です。
以前は電源の無い屋外に機材を設置するのは困難でしたが、最近は電池式やソーラー式のエアレーション機材が充実してきており、ビオトープでもエアレーションがしやすくなっています。
噴水や小さな滝のような水流を作れるタイプのポンプならば、鑑賞性も上がって一石二鳥です。

屋外で電源式のエアーポンプを使用する場合は、雨風を避けられるようボックスに収納するか、屋根のある場所で安全に運用しましょう。
飼育密度を減らす
飼育密度を減らすのも酸欠対策として有効です。
過密飼育を避けるのはもちろん、程よい飼育数を保っている場合でも酸欠のサインが出ているときは、飼育容器を分けたり大きなものに変更したりして水量に対する匹数に余裕を持たせることで、酸素不足を解消できるでしょう。
ちなみに、同じ容量の容器でも開口部が広いものの方が多くの酸素を取り込めます。
一般的な水量の目安としては、メダカ1匹につき750ml~1L程度確保できるのが望ましいです。
水草・水生植物の量を調整する
酸欠対策に有効と考えられる水草や浮き草も、多すぎると逆効果になる可能性があります。
植物は光が当たる日中は光合成をして酸素を作りますが、夜になると水中の酸素を消費するため、量が多すぎると夜間酸欠を引き起こすリスクが高まるのです。
特に夏は高水温で酸欠リスクが高い上に、植物が繁茂しやすいことから植物由来の酸欠が起こりやすくなります。
朝方にだけ魚が苦しそうな様子を見せるのが夜間酸欠の特徴ですので、この場合は植物の量を見直してみてください。
水草が伸びすぎたときはトリミングをして量を調整することも大切です。
また浮草が多すぎると水面に風が当たらず、酸素を取り込みづらくなってしまいます。ホテイソウなどの浮草は水面の3割程度にとどめるよう意識しましょう。
水換え・掃除をする
すぐにできる酸欠対策としては、こまめな水換えや足し水がおすすめです。
暑い時期は全体の1/5程度を目安に毎日水換えをすると、水温を下げつつ酸素を供給することができます。
また、枯れた水草やゴミが底に堆積しているとバクテリアが汚れを分解するのに酸素を大量に消費してしまうため、こまめに網などで取り除き、環境を清潔に保つことも意識してみてください。
ビオトープの生体別!酸欠への強さ

ビオトープで飼育されるのは、基本的に水質や水温の変化に強い丈夫な生き物ですが、酸欠に対する耐性は品種によって違いがあります。
ここでは、生き物ごとの酸欠への耐性をご紹介します。飼育している生体の特性を理解し、トラブルを予防しましょう。
メダカ:酸欠への強さ★★★
水槽の上層を泳ぐ習性があるメダカは、水面から溶け込む酸素を取り込みやすく、酸欠にも強い傾向があります。
野生でも浅い田んぼや小川など酸素量が不安定な場所で暮らしており、その適応力の高さが家庭のビオトープでも活かされるでしょう。
体が小さくてあまり酸素を消費しないのもポイントです。
しかし強いからと言って過信は危険で、特に体力が少ない稚魚や若魚は酸欠になったときに影響を受けてしまいがち。
複数のメダカが水面近くに集まってパクパクしている様子が見られたら、酸欠の対策を実施してください。
金魚:酸欠への強さ★★☆
金魚はメダカに比べて体が大きく酸素消費量が多めなので、やや酸欠の影響を受けやすいです。
酸欠気味になると、水面でパクパクする鼻上げをするようになるため、このような行動が続く場合は速やかに対処しましょう。
金魚水槽の酸欠対策としては、こまめな水換えや飼育密度を減らす工夫が有効です。
特に水換えは、新鮮な水を好む金魚の健康維持にも効果的に作用します。
錦鯉:酸欠への強さ★☆☆
体長50cm以上と非常に大型に成長する錦鯉は、十分な水量が確保できる大きな池などで飼育される生き物でしたが、飼育環境に広さに合わせて成長が止まることから、最近はプラ舟を使って自宅で飼育する方が増えています。
ただ、やはり体が大きく酸素をたくさん消費することから、プラ舟の水量だと夏場に酸欠を起こしやすいです。高水温時に酸素を供給しないと、数時間で弱ってしまうケースもあります。
このような事情からビオトープで錦鯉を飼育する場合は、エアーポンプなどの機材を使ってエアレーションができる環境をしっかり整えることが重要です。
ヌマエビ:酸欠への強さ★★★
体が小さくて酸素消費量が控えめなヌマエビは、酸欠にもかなり強い生き物です。
室内では、エアレーション機材のないボトルアクアリウムのような閉鎖的な環境でも問題なく飼育ができます。
ただ、一方で高水温には弱く水温が上がると体力を消耗してしまうため、そこに低酸素が重なるとあっという間に全滅してしまう危険があるでしょう。
動きが鈍くなったり水面付近に集まったりするようになったりしたら、密度を抑えてこまめな換水を心がけると安心です。
ドジョウ:酸欠への強さ★★☆
ドジョウは魚の中でも特に酸欠に強いと言われます。その理由が腸呼吸です。
水面に上がって空気を飲み込み、腸の血管で酸素を吸収するというユニークな呼吸法を持っており、低酸素状態でもある程度は耐えられる丈夫さがあります。
ただ、いくら強いといっても無限に耐えられるわけではありません。頻繁に水面に上がって口を出しているときは、水中の酸素量が限界に近づいているサインで、そのまま放置すると体力を消耗し、死んでしまうこともあります。
酸欠のサインが見られたら、手遅れになる前にエアレーションの設置や水換えなどで対応しましょう。
ヒメタニシ:酸欠への強さ★☆☆
ヒメタニシなどの貝類は、酸素を効率よく取り込む仕組みがないため、低酸素状態が続くとすぐに弱ってしまいます。
特に夏の高水温期や、夜間に水草が酸素を消費する時間帯はリスクが高まるため要注意です。水面付近に上がっている姿が見られた場合は、酸素不足のサインと考えてください。
ヒメタニシも生き物である以上酸素を必要とします。
お掃除役として飼育していると、つい生体としてカウントし忘れてしまいがちなのですが、ヒメタニシも含めた上で生体数を調整すると、バランスを取りやすいです。
まとめ:ビオトープの酸欠対策!生体別・メダカなどの酸欠への強さも解説です

ビオトープでの酸欠対策について解説しました。
ビオトープは自然に近い環境を再現できる魅力的な飼育方法ですが、猛暑や環境の変化によって酸欠が起こることがあります。
エアレーションや水草の管理、水換えなどの対策を組み合わせることで、安定した環境を保つことが可能です。
また、生体ごとに酸欠への強さが違うことを理解しておくと、トラブル時の対応もスムーズになります。
小さな工夫を積み重ねて生き物たちにとって快適な環境を作り、ビオトープを長く楽しみましょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。
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