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SNSで炎上!?アートアクアリウム問題を4つの観点で考える!金魚が病気になる要因とは

今年から東京は日本橋で常設展示となった、金魚の一大イベントアートアクアリウム美術館。

カラフルな照明と、今まで見たことがない奇抜な水槽仕様となっていることから、2020年7月末までに、1000万人の入場者を動員するほどと、大変多くの来場者を魅了し虜にしてきました。

しかし、そんなアートアクアリウム人気に厳しい指摘が集まっていることをご存知でしょうか。

2020年8月28日から初の試みとして、アートアクアリウム美術館としてオープンをしたものの、水槽の状態が不安定なことをテレビやSNSといったネット上において指摘をされ、炎上の兆しを見せています。

白点病というアクアリウムの代表的な病気が蔓延している金魚が大々的に放映されてしまったことで、アートアクアリウム運営陣における水槽管理が疑問視されているのです。

今回は、トロピカ目線で今回のアートアクアリウムにおける問題を考えてみました。

トロピカの運営母体である東京アクアガーデンも当然ながら生き物を扱っています。
動物の命を扱い展示するには強い責任感が必要です。
動物愛護の観点からもしっかりとこの問題を捉える必要があるでしょう。

アートアクアリウムの炎上問題点を4つにわけて考える

冒頭でも解説しましたが、今回問題視されているアートアクアリウム美術館については、以前から飼育環境について不安視されているケースも少なからずありました。

しかし、今回のように病気の金魚が目立って特集されることがなかったこと、そして水槽管理がしっかりなされていたことで、満足度も高く注目されたアクアリウムのイベントとして成立していました。

では、今年は何故このような状態になってしまったのか。一体何が原因なのかをさらに細分化をして探りたいとおもいます。

問題点1:金魚の飼育環境・過密飼育について

水槽水量に対し、金魚が過密に飼育されているという件ですが、確かに一般鑑賞レベルを大きく超越した飼育匹数であることは間違い無いでしょう。

ある程度数を入れなければ水槽内が寂しくなり、イベントとして満足度が低下してしまうことも分かります。

とは言え、白点病などの病気が蔓延している水槽状況においては、数を減らして水質改善、そして病気の改善をすることが最優先です。

現状の問題を早急に対処するためにも、金魚にとって余裕ある水槽環境を整えてあげることが必要かとおもいます。

アートアクアリウム主催者がテレビで、金魚の養殖場ではもっと過密環境だと言ってましたが、実際にたしかにそのように見えることもあります。

しかしよく見ると、養魚場では金魚が水面よりを泳いでおり、水槽底付近にはそこまで滞在していない、ろ過設備もしっかり作り込まれており金魚のプロが良い塩梅で管理しているとおもいます。

しかし、アートアクアリウムは金魚飼育ではなく展示なので、水槽全体に泳がせる手法をとります。

金魚飼育の管理と同等のレベルで比較するのは、少し違和感を覚えました。

問題点2:金魚の病気について

今回のアートアクアリウム美術館において、病気が発症しているという問題は事実です。

筆者も写真や動画を拝見しましたが、たしかに実際に発症していることを確認しました。

アートアクアリウムの水槽管理者も金魚のプロなので対応しているかとおもいますが、あの金魚の数を一気に展示しながら治療することは非常に難しいと言えるでしょう。

ここは無理をせず、金魚に余裕がある程度まで数を減らして、まずは治療優先で対応することを望まずにはいられません。

問題点3:過激な照明の問題について

SNSの金魚愛好家の方、または自宅で金魚飼育をしている方からも指摘されていますが、常時色味が変化した照明を当て続けることで、金魚にストレスがかかり、病気に罹りやすい、そして衰弱しやすいということが問題視されています。

たしかに、強力な明るさで光の色が変わることは、ここに来た金魚達がはじめて経験する事象となこともあり、通常よりストレスがかかるかもしれません。

これについては直接金魚がダメージを受けた確固たる証拠があるわけでは無いのですが、せめて金魚が調子を取り戻すまでは、光を和らげて金魚にかかるストレスを軽減するべきでは無いかとおもいます。

問題点4:主催者側の説明について

今回のアートアクアリウムが炎上している件について、プロデューサーがテレビで説明してました。

しかし、あえて厳しい言葉でお話しすれば、残念ながら逆効果だったかとおもいます。

とくに気になったのは、現状について仕方ないといったニュアンスで説明していることです。

コロナウイルスにより工期が遅れた、そして金魚の入荷が不安定だったなど開催者側には不備がないというように感じ取れました。

おそらく、多くの方がこのような印象を受けたとおもいます。

筆者としては、ここは正直に「真摯に改善へ努めます」と謝罪したほうが良かったとおもいます。

「ご指摘されていることは最もで、プロとして情けない結果になってしまった。一旦休館し完璧に仕上げてから再オープンさせていただきます」というような言葉を添えれば、ここまでの炎上にはならなかったとおもいます。

結果論ですが、やはり誠実に対応することが1番ではないかとおもいます。

まとめ: SNSで炎上!?アートアクアリウム問題を4つの観点で考える!金魚が病気になる要因とは

アートアクアリウムの炎上問題について、トロピカなりに解説しました。

いろいろな情報が出回っていますが、主催者は今まで何度もアートアクアリウムを開催、運営しているので、金魚飼育の実力はあるのです。

コロナの影響で工期が遅れたり、金魚の手配に戸惑ったことでこのような結果に繋がっている事実もあることでしょう。

しかし、命ある生き物を扱う以上、生き物優先でイベントを行うことを忘れてはいけません。

イベントの開催日が決まっていたとしても、例え、機会損失が出てたとしても、命ある生き物を最優先として開催していただくことを強く望みます。

トロピカとしては、アートアクアリウムの更なる飛躍を切に望みます。

しかし、そこには命ある生き物を最優先であることを忘れてはならないのだと思います。
生き物と展示のバランスがとれたイベントにしていただくことをトロピカとして願っています。