
水槽用ウールマットとスポンジの違い!メリット・デメリットとおすすめ製品
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水槽の水を清潔な状態に保つには、ろ過フィルターとその内部にセットするろ材が非常に重要です。
ろ材として採用されることの多いものとしては、水槽用ウールマットが挙げられます。しかし最近では、同じくマット状のフィルタースポンジの製品も増えています。
混同されることも多いウールマットとスポンジですが、ろ材として果たす役割には大きな違いがあるのです。
この違いをしっかり理解したうえで使用すれば、ろ過フィルターの能力を最大限に引き出せるでしょう。
今回のコラムは、水槽用ウールマットとスポンジの違いとメリット・デメリット、おすすめ製品についてご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽用ウールマットとスポンジについて解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
見た目からも比較されやすい水槽用ウールマットとスポンジですが、それぞれ役割や、得意不得意が異なります。
知識を深めることで、より良いアクアライフにつながるでしょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽用ウールマットとスポンジについて解説します。
水槽のウールマットとフィルタースポンジとは
水槽のろ過に使われるウールマット(ろ過ウール)とフィルタースポンジは、見た目が少し似ているために混同されることがありますが、それぞれ異なる役割を持つろ材です。
ウールマットは繊維状のマットで、水中のゴミや汚れを物理的にこし取る、物理ろ過を担当するろ材です。
一方、フィルタースポンジは多孔質のスポンジ状ろ材で、水中の有害物質を分解するバクテリアの住みかとなり、生物ろ過を促進します。
それぞれの果たす役割としては、ウールマットは水をきれいで透明にする役目、スポンジは水質を安定させる役目と考えると分かりやすいでしょう。
ウールマットは物理ろ過が得意!
水槽用ウールマットは、細かな繊維が何層にも重なったマット状のろ材です。
繊維の目が細かいため、水槽内を漂う微細なゴミや残餌をしっかりとキャッチしてくれます。そのため、飼育水を澄ませる能力に特に優れていると言えるでしょう。
ウールマットにも多少のバクテリアは棲みつきますが、汚れが溜まって水通しが悪くなるとろ過能力が低下してしまいます。物理ろ過用の、使い切りタイプのアイテムと考えましょう。
フィルタースポンジは生物ろ過が得意!
フィルタースポンジは、ウレタンなどの素材でできたスポンジ状のろ材で、大きな多孔質構造を持つため水通しが良く、内部に多くのバクテリアが定着できるのが特徴です。
スポンジはウールマットに比べて目が粗いため、大きなゴミはキャッチしますが、微細な汚れは内部をすり抜けていきます。その分目詰まりしにくく長期間水流を確保できるため、生物ろ材として機能するというわけです。
フィルタースポンジはウールマットに比べて厚みや弾力があるため、洗って繰り返し使えるのも特徴の1つです。適切にメンテナンスをしていれば、1〜2年ほどは継続して使用できます。
ただし、汚れが蓄積すると目詰まりして水通しが悪くなるため、月1回程度を目安に飼育水ですすぎ洗いをしましょう。
スポンジの弾力が失われてきたり、潰れた状態になったりしてきたら交換のサインです。
ウールマットとスポンジ、それぞれのメリット・デメリット
水槽用のウールマットとスポンジには、得意分野の違い以外にもメリット・デメリットがあります。
ウールマットとスポンジを上手に使い分けるために、それぞれの特性を理解しておきましょう。
ウールマットの特性
安価で使用しやすいウールマットの特性についてご紹介します。
さまざまなろ過フィルターに使用可能
ウールマットは、フィルターのサイズや形状に合わせてハサミで簡単にカットできるなど、柔軟に形状を変えられます。そのため、外部フィルター・上部フィルター・底面フィルター・オーバーフロー水槽用のろ過槽など、幅広いフィルターに使用可能です。
どんなフィルター構造でもピッタリ合うため、最初にゴミをキャッチする物理ろ材としてセットしやすいのがメリットです。
また、ろ材以外にもメダカ鉢のフチに掛けて固定し、鉢の適正水位をキープすることにも利用できるなど、その通水性とカスタマイズのしやすさから様々なシーンで活躍します。
さらに、安価で購入でき、ホームセンターなどでも手に入る手軽さも大きなメリットです。
基本は消耗品!こまめな交換が必要
ウールマットは目が非常に細かく、短期間で汚れが蓄積して通水性が落ちるため、使い捨てが前提のろ材です。
目詰まりしたウールマットをそのまま放置していると、フィルター全体の流量低下や汚れの蓄積による水質悪化を招いてしまいます。
そのため、定期的なチェックと交換が不可欠で、一般的には数週間~1か月に1度の頻度で新しいものへの取り替えが必要です。
洗って再利用することも可能ですが、繊維の劣化によってろ過性能は低下してしまうため、交換頻度が高い点はデメリットとなるでしょう。
フィルタースポンジの特性
長寿命で経済的なフィルタースポンジの特性についてご紹介します。
通水性が良く寿命が長い
スポンジろ材はウールマットよりも目が粗く、水流を妨げにくいのが特徴です。
目詰まりしにくいので長期間安定したろ過能力を発揮しますし、素材が丈夫で繰り返しの洗浄にも耐えるため、1年以上にわたって使用できます。
こまめにメンテナンスをしていれば数年使えるケースもあり、経済的かつ環境にも優しいろ材と言えるでしょう。
目詰まりするとバクテリアにダメージが出やすい
通水性に優れたスポンジですが、使用していくうちに表面にフンや残餌などの汚れが溜まると、やはり水流は徐々に弱まります。
特に目の細かいタイプのスポンジを使っている場合や、生体数が多くて汚れが大量に生じる環境では、定期的なすすぎ洗いをして汚れを落とすことが必要です。
スポンジを洗う際は、定着しているバクテリアが死なないように飼育水で洗浄しましょう。なお、スポンジ自体が潰れて弾力を失ってきたら交換時期です。
おすすめウールマットとフィルタースポンジ製品5選+番外編
水槽用ウールマットとフィルタースポンジの、おすすめ製品5選をご紹介します。
サンミューズ ファインマット ビッグ
『サンミューズ ファインマット ビッグ』は、繊維密度が非常に高い、高級ポリエステル素材を使用した大判ウールマットです。
長さ2mのロングサイズなので、そのままオーバーフローのウールボックスにも使用できますし、ハサミでカットして上部フィルターや外部フィルターなどに使うのもおすすめです。
弾力性・耐久性に優れており、型崩れせずにオーバーフローの強力な落水にも耐えるなどメリットが多く、東京アクアガーデンでも採用しています。
価格は1本あたり1000円前後とコスパも良く、ウールマット選びに迷ったらまず試して欲しい製品です。
コトブキ工芸 薄型高密度マット
『コトブキ工芸 薄型高密度マット』は薄型を特徴とするウールマットで、様々なメーカーの上部フィルターに使用可能です。
薄型ながら繊維はしっかり高密度で、耐久性にも優れています。
実際に使用した方の声として、「薄手なのにコシがあり、水中で繊維がバラけたり流出しない」「きめ細かく柔らかい質感で扱いやすい」といった評価が寄せられています。
上部フィルターはウールマットの交換頻度が高めですが、10セットで販売されていてコスパが良い点もおすすめです。
スドー ハードマット
『スドー ハードマット』は、ポリエステル製で厚手タイプのろ過マットで、汚れやゴミを絡め取りながら長期間安定したろ過能力を発揮してくれます。
製品名のとおり、適度な硬さがあって型崩れしにくいため、繰り返し洗って使用でき経済的です。
メーカーも「数週間〜1ヶ月に一度、飼育水ですすぎ洗いすれば長く使える」としており、通常のウールマットよりも交換サイクルが長いのもメリットでしょう。
ウールマットとスポンジの中間のような素材感で、バクテリアの繁殖床としても活躍してくれます。
マツダ ハイパーフィルター ブラックスポンジ
『マツダ ハイパーフィルター ブラックスポンジ』は、上部フィルターや外部フィルターなど、様々なフィルターにカットして使えるブラックスポンジマットです。目の粗い黒いスポンジ素材でできており、通水性が非常に高い特徴を持ちます。
セラミックろ材よりもさらにバクテリアの繁殖に優れているとされ、スポンジ内部に多くのバクテリアが定着しやすい構造になっています。
フラットな形状で軽くすすぐだけで汚れが落ちるため、メンテナンスが楽な点もおすすめです。
コトブキ工芸 立体マット
『コトブキ工芸 立体マット』は、波形の特殊加工によって全体の表面積がアップしたウールマットです。
波形のおかげでろ過槽内に水を均一に行き渡らせる効果もあり、水の流れが偏りなくスムーズになる設計になっています。これにより、ろ過バクテリアへの酸素供給もムラなくよりスムーズです。
サイズは各メーカー共通で、45cm水槽用や60cm水槽用が用意されており、ハサミでカットして使用できます。
番外編:ヤシガラマット
ウールマット・スポンジとは異なりますが、じわじわ人気が高まっているのが自然素材のヤシガラマットです。一見すると、粗いフィルタースポンジのようにも見えますね。
繊維質で適度な硬さと通水性があり、物理ろ材・生物ろ材どちらにも向いています。
大きなゴミを受け止めてくれるうえ、繊維間に隙間が多く通水性・通気性に優れます。そのため、水が良く通り目詰まりしにくく、ろ過槽内の水の流動を妨げません。
また、ヤシガラは高耐久で、多孔質ではありませんが表面積は広いです。そのため、バクテリアが付着して生物ろ過を助ける効果も期待できます。
繊維が水に触れることで水が茶色になる場合があるため、事前にあく抜きをしておくと安心です。ハサミで簡単にカットできるのもメリットでしょう。
まとめ:水槽用ウールマットとスポンジの違い!メリット・デメリットとおすすめ製品
今回は、水槽用ウールマットとスポンジの違いについて解説しました。
ウールマットとスポンジは、どちらも安価で使いやすいろ材です。
見た目は似ていますが、それぞれに得意な役割があり、メンテナンス方法も異なります。
飼育水を透明できれいな状態に保つためには、物理ろ過に優れたウールマットがおすすめです。
また、バクテリアの定着を促し、長期的に水質を安定させるためには、生物ろ過を得意とするスポンジを採用しましょう。
それぞれの特性とメリット・デメリットを理解して使い分けられれば、効率的にかつ長期的に水槽をきれいに保てるのです。おすすめ製品と合わせ、ぜひ参考にしてください。
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