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【プロが教える】地震でも倒れない水槽にするには!? 耐震アクアリウム

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地震でも倒れない水槽を設置しよう


アクアリウムの地震対策はしっかりと行っていますか?

日本は地震と隣合わせです。アクアガーデンでは熱帯魚水槽がご自宅にある方は、地震対策ができているかを見直すことをおすすめしています。

地震対策ができている水槽と、できていない水槽では被害が大きく変わります。
今回のコラムではアクアリウム水槽の構造と、実践的な地震対策について解説していきます。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

【重要】地震に対する熱帯魚水槽の弱点とは

水槽の一番の弱点は、その頭でっかちな構造にあります。
上部が重いと、揺れや振動に弱いといえます。

アクアリウムは、一般的にガラスやアクリル製の水槽部分と水槽台の部分に分かれます。

水槽部分は水が満載されていますが、水槽台の中は濾過槽や機材などが入っているだけです。
ですから、どうしても水槽台より水槽が重くなってしまうのです。

つまり、頭でっかちな構造と言え、上が重いぶん倒れやすかったり、揺れて水が溢れやすかったりします。
また、ひとたび水があふれれば、水槽の下にはコンセントなどがある場合が多く、漏電や下手をすると発火する可能性まであるのです。

この構造上の欠点をどのように補うかが、今回のコラムのテーマです。

水槽の地震対策を動画で知る

アクアリウム水槽の地震対策は、YouTube動画でもご覧いただけます。

耐震設計の考え方や、水槽の揺れを軽減する方法などを音声付きで解説しています。

人気の記事動画をYouTubeチャンネルトロピカチャンネルで随時配信しています。

水槽で多い悩み(コケ対策、病気など)の解決法から生体の飼育ポイントまで、続々アップしていきます。

ぜひチャンネル登録をお願いいたします。

水槽の地震対策、プロが教える厳選8つ

水槽を数多く管理している、プロのアクアリストはどのように地震対策を行っているのか。
8つのポイントを厳選してご紹介いたします。

水槽の地震対策1:水があふれにくい水槽に変更しよう

アクアリウム用水槽はおおまかに分類するとガラス製とアクリル製があり、それぞれの材質の特性により水槽の造りは異なります。
材質ごとに、どのような地震対策が良いのかを解説いたします。

ガラス水槽の場合

ガラス水槽は、ガラス板をシリコンで接着した構造で作られています。
最近ではシンプルな、フチなし水槽(オールクリア水槽)を使用している方が多いです。

スタイリッシュで水槽レイアウトもしやすいのですが、オールクリア水槽は最も地震に弱い水槽だといえるでしょう。

開口部分が広いため、揺れたら水があふれてしまうからです。

水槽上部にガラスフタを締めていても、地震の揺れでは簡単にフタが持ち上がって水があふれでます。私の経験では、3.11地震でもこのタイプの水槽が一番多く水あふれが発生しました。
これは、構造上の仕方のない問題です。
耐震性を追求するならば、できれば、フランジありのアクリル水槽に変更することをおすすめします。

しかし、水槽はすぐに交換できるというものではありません。応急処置として、少し見た目が悪いですが、水槽上部をラップで巻いてフタを固定するなどの対策をするとよいでしょう。
また、フレーム付きの水槽(フチあり水槽)も、フランジほどの効果ではないですが、水の飛び出しを抑えることができます。
さらにフレーム付き水槽はオールクリア水槽よりも耐久性が高いです。

アクリル水槽の場合

透明度の高いアクリル素材を使用した水槽のことです。
衝撃を受けたときにガラスのように砕け散ることがなく、安全性の高い水槽として広く採用されています。
耐震に重点を置くならば、アクリル水槽の使用を強くおすすめしています。

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アクリル製の水槽は、上部にフランジがある水槽がほとんどです。

フランジとは?

アクリル水槽の内側に付属している、補強枠のことです。

内周を囲んでいるのがフランジ(もしくはリブ)、中央に橋状にかかっているのがセンターフランジという名称です。
アクリルは内側からの水圧で膨らみやすい素材のため、このフランジをつけることで強度を高めており、フランジが割れてしまうと強度が保てなくなり水槽自体が破損を起こします。

構造上、水槽内の水のストッパーとなり、水槽外へあふれるのを防ぐことができるため安全性が向上します。

上記の効果があるフランジが標準的に付属しているため、アクリル水槽は地震の揺れにはある程度強いです。
ガラス水槽の場合でも、本来はつける必要はないのですが耐震の重要なパーツとして追加加工されることさえあります。

しかし、3.11では揺れが強く、フランジ付きでも水があふれるケースがありました。もっと溢れにくい水槽にするためには、上部の蓋を水槽と固定するなど工夫をしましょう。

固定する方法は、ホームセンターなどで市販されているマジックテープを貼り付けるだけでも、十分効果があります。

また、アクリル水槽の利点として追加できる加工が多いということがあります。
フタをボルトで固定する『ボルト止め加工』があり、耐震には有効です。
これからアクリル水槽を購入される方は、フタを固定する仕様の水槽を購入されてはいかがでしょうか。

フランジなどアクリル水槽の構造についてはオンラインショップで細かく解説しておりますので、ご参考までにご覧ください。

水槽の地震対策2:水槽と水槽台を固定しよう

水槽と水槽台は、通常は固定されず、水槽を乗せただけです。
固定されている方のほうが珍しいと思います。しかし、効果的な地震対策としては、水槽と水槽台を固定してください。
また、滑り止めとしてセーフィティマット(水槽の下に敷く専用のマット)は必ず敷きます。

地震のとき上下が別々の物体で、固定されていないと理論上は水槽と水槽台がバラバラに動きます。
よって、水槽が滑り落ちて割れるなどの被害が出てしまいます。

耐震バンドなどがあると良いですが、水槽サイズによっては強い両面テープで固定するだけでも効果は得られます。

水槽の地震対策3:水槽台と床を固定しよう

水槽と水槽代を固定も大切ですが、床とも固定すると揺れには相当強くなります。
しかし、そのような施工は一般家庭ではかなりハードルが高いです。

商業施設やオフィスに設置されている水槽は、アンカーなどで床と水槽台が固定されているケースが多くあります。
ここまでの2、3を行うと、床から水槽台、水槽まで一体化します。
よって揺れによる水溢れや転倒に強い水槽が出来上がります。ただし、一般家庭では、ここまで難しいですので、次の『水槽の地震対策4』をご覧ください。

水槽の地震対策4:水槽台の中におもりを置こう

本来は『水槽の地震対策3』をしてほしいのですが、一般家庭だと難しいところです。

手軽に揺れへの耐性を上げたい場合は、水槽台の中におもりを置いてください。
これによって、水槽の重心が下がります。
つまり、揺れにくくなるのです。これは、手軽な方法ですし、袋に入れた砂や石などを置くだけでも構いません。

水槽の地震対策5:壁と水槽・水槽台を固定しよう

地震対策2と3もしくは4は実施されている場合は、壁と固定するのも有効です。

地震対策用の固定バンドなどを使用するとよいでしょう。
当社ではこのように使用しています。これで、少なくとも水槽が滑り落ちる危険性がなくなります。
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水槽の地震対策6:水槽内のレイアウトを変更しよう

地震によって水槽内のレイアウトが崩れて、水槽の内側に激突してしまい、内側から水槽が割れるケースがあります。
これは、盲点でしたが、東日本大震災の時実際に起こったのです。
海水魚水槽のことで、レイアウトとして積み上げていたライブロックが地震の揺れによって水槽内で崩れ、水槽の内側にぶつかって水槽が割れました。

対策としては、レイアウトはなるべく重いものを高い位置には持ってこず、仮に内側から崩れても水槽に影響しないような配置にするなど、レイアウトを工夫しましょう。

また、割れた例の水槽はガラス製でした。
『水槽の地震対策1』でも書きましたが、こういう不慮の事故に備える上でも、アクリル水槽の方がより安全といえます。

水槽の地震対策7:コンセントの位置に気をつけよう

水槽台のすぐ脇の床にコンセントを置いていると、仮に水が漏れたり溢れたりした際に、水がかかる危険性があります。
水が掛かれば、電源がショートして通電しなくなり魚の命に影響します。

また、海水など掛かってしまったら発火の恐れもあるので気をつけましょう。
対策として、コンセント類は床には置かず、工夫して少し高い位置でできるだけ水槽から離して設置しましょう

水槽の地震対策8:水槽周りに危険なものがないか確認しよう

これも、実際に震災のときに起こった事件です。

地震の揺れによる損傷は問題ありませんでしたが、たまたま水槽の横に置いてあったゴルフバックが倒れて激突し、水槽が割れてしまいました。

平常時は危険性を見逃しやすいものです。
水槽の近くに倒れやすく重いものはないか、ぜひご確認ください。

地震に備えるアクアリウム

以上8つの対策を見てきましたが、どの対策も大切です。
すぐに採り込める対策と、そうでないものがあります。
しかし、無理のない範囲でもできる限り取り入れていただきたい対策ばかりです。

ぜひ、1つ1つ項目を確認しつつ、水槽の地震対策に活かしてください。

他の地震対策方法はこちらにも載っています

水槽が割れたら、それは大惨事を招きかねません。
この事実は水槽を楽しむうえでの大きなデメリットですが、アクアリウムを取り扱う者として、しっかりとお伝えております。

水槽の割れ+電源ショートなどが連鎖して起これば、どんな状況になるかは明らかです。
私の体験では、水槽が割れた次の瞬間、電源に水がかりショートして室内が真っ暗になってしまいます。

その後、真っ暗で静まり返った中、魚が床でピチャピチャと苦しむ音が聞こえてきました。
そこからの掃除や復旧作業は思い出したくないほどに大変でした。

もし、大規模な地震が起きた際には、電源のショートは命とりです。
皆様には、絶対にそんな経験をしてほしくありません。

地震が起きて、水槽が割れてしまった場合はこちらの対応方法を試してください。

また、水槽自体の重さも、補強を行う上では大切な情報です。
こちらで水槽の重さを『自動計算』できるので、一度お試しに算出すると対策を行いやすいです。
少しの工夫で、対策できるものもありますので、早速始めてみてください。

水槽の地震対策について良くあるご質問

水槽の地震対策ですぐにできるものはありますか?

水槽台の中に砂袋などの重りを入れることが、最も手軽に行える地震対策です。
台よりも水槽が重いと揺れに弱いため、アクアリウムの重心を下げることで補強します。
決定的な対策ではありませんが、水槽の転倒をある程度予防できます。

アクリル水槽は耐震に向いているのですか?

アクリル水槽はガラス水槽よりも軽量で、割れても飛散しないことから耐震に向いています。
基本構造としてフランジ(上部内側の補強枠)がついているため、揺れによる水の溢れも抑えやすいです。
そのため、地震対策用の水槽としても人気があります。

ガラス水槽での地震対策は何が良いですか?

ガラス水槽はフチなしのものが多く水が溢れやすいです。
身の回りのものですぐにできる対策としては、ラップを巻いてフタを固定する方法があります。
ガラスの性質上、割れると飛散するので、水槽台は水槽をしっかり固定できる、落とし込み加工のついているものがおすすめです。

地震時に水槽の電源を守る方法はありますか?

水槽の電源で一番怖いのは、水がかかりショートすることです。
電源のタップは水槽よりも高い場所か水槽台内など、水がかからない位置に収納しましょう。
タップは防水のものが安全です。
停電になってしまった時のために、電池式のエアーポンプを備えておくと安心できます。

 

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執筆者 戸次

知る人ぞ知る、東京アクガーデンのトップ代表CEO。魚の知識は少ないけれど、熱帯魚業界は熱く語ります。20キロ痩せたことが一番の自慢、ダイエットも仕事も同じだー!!

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