水草を育てるために必要なことをわかりやすくまとめています。
初めて水草を育てる人だけではなく、水草水槽に挑戦中の人、水草について悩みがある人にも役立つ情報を集めました。
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水草・水草水槽のことはこのページですべて解決
アクアリウム初心者の人でも安心して水草水槽に挑戦でき、アクアリウム上級者の人のお悩みを解決する水草情報をまとめています。
水草育成のコツや水草水槽の作り方、水草の種類や、水草のトラブルシューティングなどもありますので、ご活用ください。
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水草を育てるために必要なことをわかりやすくまとめています。
初めて水草を育てる人だけではなく、水草水槽に挑戦中の人、水草について悩みがある人にも役立つ情報を集めました。
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水草とは植物の中でも葉や枝などの一部、または全体が水中に浸かっている植物、もしくは水中に浮いている植物のことです。
アクアリウムでは自然を表現する大事なアイテムとして愛用されていますが、水草は奥が深く、水草をメインにした水槽(水草水槽、ネイチャーアクアリウムなど)があるほど愛好家が多いです。
世界的なアクアリウムコンテストでも水草水槽の部門があり、有名なアクアリストがこぞって注目しています。
芸術的な見た目を作れるという魅力だけではなく、水質管理や熱帯魚の健康管理にもつながるため、水草は淡水アクアリウムでは欠かせない存在です。
根が水底の土壌中にあり、茎や葉など植物体全体が水中に没しているものを指します。
ただし、花に関しては茎をのばすなどして、空気中で咲かせる品種が多いです。アクアリウム用に流通している品種としては、ナヤスやクリプトコリネ系などが挙げられます。
根が水中にあり、葉などの植物体は水面に浮かぶものを指します。
アクアリウムにおいては、植えたり活着させる手間がいらないことや、再配置が容易なことから管理しやすい水草です。
主な品種としては、サンショウモやホテイアオイ(ホテイ草)などが挙げられます。
根が水底の土壌中にあり、茎をのばして葉が水面に浮かぶ形態を持つ水草です。
国内ではスイレンが代表的で、花も水面に浮かぶようにつける品種が多いです。
アクアリウムではヒルムシロやアサザなどが良く使用されます。
根が水底にあり、茎や葉を伸ばして水上に出る形態を持つ水草を指します。
国内で見られる品種としては、池などで水面から葉をのぞかせているハスなどが代表的です。
アクアリウム用に流通している品種としてはオモダカやコウホネなどが知られています。
根が水中の土壌中にあり、水位が高い時以外は植物体のほとんどが空気中に出ている種類です。
根を中心に呼吸組織が発達している品種もありますが、その他の点については陸上の植物とあまり変わりません。
アクアリウムではホシクサやカキツバタなどが人気です。
種類についての補足
種類についてご紹介しましたが、これらの分類に当てはまらない品種も数多くあります。
例えば、初心者向きとされているアヌビアスナナやアマゾンソード、ハイグロフィラなどは完全に水に沈んだ状態でも、根だけが水に浸かっている状態でも問題なく成長できるのです。
また、マツモは沈水性の浮遊植物と言える特徴を有しているので、これらの分類は生態を考えるための便宜的なものと捉えておいてください。
水草を育成するために必要なことは水草水槽づくり × メンテナンス管理 × トラブル対応です。
水草育成は難しいという人もいますが、それは光と温度、養分によって成長する通常の植物と違い、『水質』も重要だからです。
安定した水槽、適切なメンテナンス、万が一にトラブルが起きたときの対応を心がければ、水草はどんどん成長します。
楽しく水草を育てられる方法やコツをまとめましたので、下のリンクからご確認ください。
この項目では水草水槽を設置する方法や、水草水槽のレイアウトについてまとめています。
何事も最初が肝心というように、水草育成も準備が大切です。
初めてアクアリウムに挑戦する人でもわかりやすいように、順を追って説明します。気になる項目がある人は下のリンクからショートカットできますよ。
水槽
アクアリウム初心者の人には、水質管理がしやすい横幅60cm以上の水槽がおすすめです。
水槽台
水槽は水などすべてを入れた状態だと数十kgになるので、専用の台を使いましょう。
ろ過装置
水草水槽では外部式フィルターの使用が一般的です。
底砂
ソイルが最適ですが、細目の砂利でも育成可能な水草種もあります。
照明
水草育成に欠かせない機材です。強い明るさのものを選びましょう。
エアポンプ
CO2添加を行う場合、水草の光合成による、夜間の酸欠を防ぐために必要です。
水草
水草は水槽のサイズや表現したいレイアウトに合わせた種類、量を購入しましょう。
初めて水草水槽を作る人はバランスよく複数の種類がまとめられた『水草セット』がおすすめです。
「セットを購入したけどどんな特徴の水草なのかわからない」という場合や、水草の育成方法については水草検索機能をご活用ください。
水槽はもちろんのこと、水草は通販で購入することができます。
熱帯魚にもいえることですが、植物や生体をネット通販で購入できる、宅配で届くというのは初心者にとっては驚きですよね。
初めて水草を通販で購入する人でも安心していい買い物ができるように、注意点や特徴などをコラムにしましたので、ぜひ購入前に一度ご確認ください。
CO2添加装置
水草の光合成を活性化させ、水草をよりよい状態で育成することができます。
水草用肥料
水草に必要な養分をバランスよく与えることが出来る為発色がよくなります。
水質チェック
水質チェッカーやテスターを使って水草に適した水質か確かめられます。
水草水槽は熱帯魚やエビなどの生体を入れることをお勧めします。
魚や生き物がフンをして、それが分解されることで水草が成長するための養分になるからです。
自然に生えている水草も成長に必要な養分を上記のような自然の分解サイクルから得ています。そうした自然環境を水槽内に再現するためには、生き物の飼育が欠かせません。
水草水槽と相性がいい熱帯魚
テトラ系
ネオンテトラなどの小型魚は、水草水槽にぴったり
ラスボラ系
ラスボラ・エスペイなどの温和な小型魚
エンゼルフィッシュ
水草のなかを泳ぐ姿が美しい魚種
お掃除生体
オトシンクルスなどのコケを食べる生き物
水草水槽と相性がいいメダカ
楊貴妃メダカ
初心者でも育てやすく水草を引き立てる体色がポイントです。
黒メダカ
野生に近い品種なので日本の自然を表現した水草水槽におすすめです。
幹之(みゆき)メダカ
キラキラと光って見える特徴があり、カラフルでいろんな品種がいます。
青メダカ
青白い繊細な体色が水草によく映えるので鑑賞性が上がります。
水草水槽と相性がいいエビ・貝
ミナミヌマエビ
コケ取り生体の定番種!柔らかいコケが得意です。
チェリーレッドシュリンプ
カラフルなコケ取り生体。コケが少ない時は別途エサをあげましょう。
シマカノコガイ
繁殖力が強い貝が多い中、淡水では繁殖しないのでお勧め。脱走注意。
フネアマガイ
コケ取り能力が高く、混泳にも向いています。たまにソイル(底砂)の中に潜るので注意。
水草水槽に入れるときは注意が必要な生体
生き物のなかには水草と相性が悪いものもいます。
金魚のように草食性が強い生き物は水草食べたり掘り起こしたりしてしまうし、ベタのようにヒレが長い魚種は固い葉の水草にひれが引っ掛かってしまう破けてしまうことも。
またヤマトヌマエビなど一部の生体はコケ取り生体としても優秀なのですが、餌が不足すると柔らかい水草の新芽を食べてしまうことがあります。
絶対に水草水槽に入れてはいけないというわけではないので、それぞれの問題をクリアできる水草の種類を選んで、最適な環境を作りましょう。
水草を食べてしまう生体
金魚など食欲旺盛な魚は柔らかい水草を"おやつ"として食べてしまいます。葉が固い水草を選ぶと食べられにくいです。
水草を抜いてしまう生体
コリドラスなどはソイル(底砂)の中に潜る習性があり、植えたばかりの水草は抜けてしまいます。活着水草や浮草がおすすめです。
ヒレが長い生体
ベタや、各熱帯魚のロングフィン品種などは、水草の葉が固いとヒレが傷つきます。葉が柔らかい水草がおすすめです。
必要なものは以上です。すべてを一度にそろえるのではなく、熱帯魚・生体は基本アイテムの後に用意しましょう。
『あったら育てやすいアイテム』は、水草の種類や水槽の環境によっては必要ないこともあります。水草水槽を管理しながら必要だと思ったときに購入するのがおすすめです。
水草水槽を立ち上げるために、まずは下準備をしましょう。
料理と同じように下ごしらえが大切です。
水槽のセッティングをしましょう。簡単な作業に思えますが気を付けたいポイントがあります。
水槽は水などをすべて入れれば数十kgになります。水槽専用の台か、重いものを載せられる丈夫な場所に置きましょう。
水槽が傾いていると重心も傾いて負荷がかかり、ひび割れや水漏れがおきる可能性があります。水漏れの危険性とご相談はこちら
水平器など角度を測れる道具を持っていたら使いましょう。
使用する機器類を設置、底床材を敷いてから、水草を植えましょう。
ろ過装置の配管やエアーポンプなどは、水質維持に重要な機材です。水草でふさいでしまうと水質が悪化しやすくなるため、レイアウトを考慮して水がうまく循環するようにしましょう。
しっかりと根を生えさせるためには5cm程度の厚さが必要です。根を張らない水草を植える場合は2~3cm程度でも大丈夫です。
詳細や必要なkg数の計算方法はこちら
水草は正面側に背が低いものを、背面側に背が高いものを植えると見た目が整い、照明の光がすべての水草に行き届きやすくなります。詳しくはこちら
最後に水や熱帯魚を入れましょう。
注水の際は水に手を添えて水勢を分散し、水草が浮いたり底砂が舞ったりしないように静かに注ぎましょう。
設置直後の水槽はまだ不安定な状態です。ソイルや肥料を使用する場合は養分が安定するまで5~7日は生き物の投入を控えましょう。
最初から大量の生き物を入れてしまうと、水質が急激に悪化してしまいます。最初はパイロットフィッシュ1~2匹程度から始めると安全です。
生き物を導入する際には水合わせが必須です。水合わせのやり方はこちら
水槽のレイアウトとは配置や構図のことで、見た目を大きく左右する重要なものです。
初めて水草水槽づくりに挑戦するという人は、これからご紹介するレイアウトの基本ポイントをご確認ください。
水草水槽に挑戦してみたけど理想のイメージとは全然違う見た目になってしまったという場合は、構図がはっきりとしていないのかもしれません。
構図には、水草に光や水流が行き届くようにする狙いもあります。水草水槽ならではのポイントをご紹介しますので、これを元にご自分の水槽を見直してみてください。
三角構図
左右どちらかの片側に山を作り反対側に向かって傾斜を付ける、正面から見てレイアウトのあるエリアが三角形になるような構図です。
三角構図とは!凹型構図
正面から見て”凹”の字のように、左右に山があり中央がへこんでいる構図です。広がりとダイナミックさを表現しやすいので大型水槽で人気です。
凹構図とは!凸型構図
正面から見て”凸”の字のように中央に山がある構図です。視線を中央に集めることが出来るので小型水槽でも見ごたえがあります。
凸型構図とは!水草を植える位置
水槽内をより良く観賞できるようにすることと、照明の光が満遍なく水草に行き届くことを意識するのがポイントです。
背の高い水草は奥に、背の低い水草は手前に配置するのがベストであることは歴然ですね。
また、水槽の水流は背面付近から吐出させることが多いので、そうした位置関係のほうが水流を阻害しません。
水草の量と配置バランス
水草は植える段階で密度を持たせたくなりますが、成長とともに茂っていくので最初は少なめに植えていきます。
植えつける間隔が狭いと、光や栄養が行き渡らないことがあります。また、排水パイプのそばで茂りすぎると水流を弱めてしまう原因になります。
まずは事前に完成イメージ図を用意しておくと、レイアウトを整えやすいです。
水草には様々な種類があります。
葉が大きいもの、横に広がっていくもの、強い照明を必要とするもの、底砂への植え付けを必要としないものなど、それぞれの特性を解説します。
また、この項目にある水草の種類絞り込み機能を使うと選びやすいですよ。
ぜひご活用ください。
有茎草やロゼット型など、草姿だけでもいくつもの分類があります。まずは、植えるのに最適な位置で分類していきましょう。
次に特徴、性質、植え方の分類をご紹介します。
植える位置による分類 | |
前景草 | 正面から見て手前側に植える水草。成長しても背が高くならないものや、パールグラス・オーストラリアンノチドメなど横向きに成長していく水草。 詳しくはこちら |
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中景草 | 前景草と後景草の間のエリアに植える水草。 詳しくはこちら |
後景草 | 正面から見て奥側に植える水草。成長すると背が高くなるので奥行き感を演出することができる。 詳しくはこちら |
特徴による分類 | |
有茎草 | 茎がしっかりとあるタイプ。前景~中景におすすめ。ロタラやルドウィジアなど。詳しくはこちら |
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ロゼット型 | 根元から葉が生えているタイプ。中景~後景におすすめ。ミクロソリウムやエキノドルスなど。詳しくはこちら |
テープ状 | 長くしなやかな葉のタイプ。後景におすすめ。バリスネリアやアポノゲトンなど。テープ状水草の代表種・バリスネリアの詳細はこちら |
性質による分類 | |
耐陰性 | 強い光量が無くても育つタイプ。背の高い水草とも組み合わせやすい。アヌビアス・ナナやボルビティスなど。詳しくはこちら |
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光量が必要 | 十分な光量が必要なタイプ。グロッソスティグマなどの背の低い水草や、ロタラインディカのような赤い水草など。水草の光、照明についてはこちら |
ランナー | 地下茎のこと。ランナーから子株が発生することも。バリスネリアやピグミーチェーンサジタリアなど。詳しくはこちら |
植え方による分類 | |
植え付け | ソイルや砂利に植えつけて育てる。有茎草やロゼット型水草など、根から栄養を吸収するタイプ。詳しくはこちら |
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活着 | 流木や岩などに根を延ばして固着さえる育成方法。ミクロソリウムなど根張りが良い陰性水草が多い。詳しくはこちら |
浮草 | 水中に浮かしているだけで育つ水草タイプ。マツモやアマゾンフロッグビットなど。詳しくはこちら |
上記のほかにも水上葉と水中葉、葉の色が赤や白、オレンジなど変わった色のもの、花が咲くものなど様々な水草の種類があります。
コラムでは水草に関する情報をたくさんご紹介していますので、ぜひご覧ください。
絞り込みメニュー*探したい条件を選択するとピッタリな水草が表示されます
見た目の特徴・レイアウト
性質の特徴・植え方
植えつけた後、成長していく水草をより健康的に育てるためには、こまめなお手入れが必要です。
伸びてしまったらハサミで剪定(トリミング)したり、枯れてしまったら植え替えたりなど、様子を見ながらメンテナンスをしていきましょう。
水槽は定期的に水換えを行います。(水換えの頻度についてはこちら)
水草は水中の有機的な汚れ成分を吸収してくれるので、たくさん育成していると水質が悪化するペースは緩やかになります。
しかし、養分が完全に消費されることはないため、放置してしまうとアッという間にコケが生えてしまいます。お掃除はペースを決めて欠かさずに行いましょう。
水換え前に水草のトリミングしておくと、葉の破片などを回収しやすく、スムーズです。
水草水槽を管理していると、自分がやっている管理方法は正しいのか?と不安になることもあるかと思います。
そんなときはこちらの水草の状態を見極めるポイントを解説しているコラムをご確認ください。
水草水槽だけではなく、水槽、アクアリウムを綺麗に保つためには水温や水質などを適正な値に保つことが重要です。
水草にあった水温やpH値などをご案内しますので、ご参考ください。
水草水槽管理の指標 | |
水温 | 水草の飼育に適した水温は、種類によって微妙に異なりますが、大部分は20~28℃の範囲です。適した水温域から外れると枯れてしまう場合もあるので、特に夏と冬は温調機器を用いて水温を調節してください。 |
---|---|
水質 | 水質はpH5~7の弱酸性から中性を保てば問題ありません。特に南米が原産の種類は弱酸性を好む傾向にあるので、お住まいの地域の水道水が弱アルカリ性だった場合は、底砂やpH調整剤を用いて調節すると良いでしょう。 また、水草は軟水を好み、適したGH(総硬度)は0~6°dH(ドイツ硬度)の範囲です。日本の水道水はほぼ軟水なので、あまり気にする必要はありませんがやはり地域差があり、水槽のレイアウトによってはGHが上昇することもあります。 GHとpHを一度に調べられる検査キットも市販されているので、定期的に調べることをおすすめします。 |
CO2 | 水草を含む植物は光合成を行うことにより水とCO2から、自身の体を構成する炭水化物を合成して成長します。よって、CO2は健全な育成に欠かせない要素なのですが、水槽という狭い空間では不足しがちなので、外部から供給してあげる必要があります。 最近では、CO2を添加するための機器類が全てセットになった「CO2フルセット」が市販されているので、それを利用することが簡単です。添加量に関しては種類間の差異が大きいので一概には言えません。 初心者向きと言われているアヌビアスナナやマツモなどはあまり添加を必要としない一方で、グロッソスティグマなどは添加が必須です。ご自身が飼育したい水草について、ショップに問い合わせるなど良く調べてから添加してください。 |
肥料 | 水草の育成に必要な栄養素は様々なものがありますが、中でも不足しやすいものはカリウムと鉄です。これらは水槽内で発生する機会がほとんどなく、不足すると色落ちするなどの症状が出るので、折を見て施肥により供給してあげる必要があります。 |
水草をより美しく育てる方法として『CO2添加』があります。また、液肥などを定期的に添加することで、発色を高めることも可能です。
アヌビアスナナなど根茎を伸ばして成長していく品種は、株分けによって増殖させることが可能です。
子株に葉と根がある程度の数付くようにしてカットすると、親株から切り離されても順調に成長します。
アマゾンソードなどは、「ランナー」と呼ばれるツル状の器官を伸ばして、その先に子株を形成します。子株の葉がしっかりとしてきたらランナーをカットしても成長するので、レイアウトに応じて植え替えると良いでしょう。
分裂はシダ類や浮遊植物に多いタイプの増殖法です。
葉の裏に「胞子のう」と呼ばれる器官が付いており、そこから子株が出てきます。子株が出た葉は子株の方に養分を回すため、だんだんと枯れてしまいます。
子株が出た葉をカットして水に浮かべたり、流木などに巻き付ておけば子株が成長するので、ある程度大きくなったところで任意の場所に植えると良いでしょう。
マツモやミズハコベなどの、有茎水草と呼ばれる種類に多い増殖法です。
マツモの場合は特に容易で、茎にある節を3~4節含むようにカットして、飼育水中に置いておくだけでカットした部分から新芽を出して成長していくため、簡単に増やすことが可能です。
また、ミズハコベなどは植物体の中央辺りにある節の下からカットして、上の部分を底砂に植えておくだけで新しく根を出して成長します。
残った下部も切断部の脇から新芽が出てくるので、やはり容易に増殖させることが可能です。
このページでは水草には照明の光が必要であると解説してきていますが、光が強すぎても『葉焼け』してしまう水草もあります。
ミクロソリウムなどの陰性水草(耐陰性)は特に葉焼けしやすいです。
調子が悪い場合などは以下の方法を試してみてください。
また、エビやオトシンクルスなどのお掃除生体に餌が行き届かないと水草をかじってしまう(食害)ことがあります。コケを食べる=草食性が強い生き物なのである程度は人工飼料を与えるのが良いです。
水草が食害に!水槽の水草を食べる熱帯魚やエビの種類と対策とは
そうした異変にすぐ気づけるように、日頃から水槽をよく観察しましょう。何かおかしいなと思ったらこのページの水草トラブルシューティングを見るか、お悩み相談を利用してください。
水草は陸上の植物とは異なり、光や温度(水温)、養分だけではなく水質の影響もダイレクトに受けます。
熱帯原産の種類が多いため、水温が低いとすぐに枯れてしまうこともあるんです。
「元気が無いな」「状態がおかしい」と感じた場合は、すぐに対処しましょう。
あなたのお悩みは?
水草が枯れる・溶ける・変色・斑点が出る
水草にコケが生える・物体が付着する
謎の生き物が大量発生
水草が食べられる・抜かれる
CO2関係のトラブル
照明関係のトラブル
水草の成長が遅い・大きく育たない
水草水槽の水質トラブル
水草が枯れる・溶ける・変色する・斑点ができるときの原因と対処法
以下の可能性があります。
→水槽用照明を強いものにする、生体の数を増やすかCO2添加を行うのも良いです。また、水流が適切でないと淀みが生まれ、水質悪化が起こることがあります。
→根元から不調になる・葉も下の方から色が茶色くなる、溶けるといった状態です。解決策としては、定期的な水換えを行い、水草の種類に合った水質になるようにすることと、底床掃除を徹底すると良いです。
→水槽用ヒーター・サーモスタット、水槽用クーラーなど保温機材を設置し、通年で一定の水温を維持します。夏場は水温が上がるので要注意です。
→栄養が不足していると茎が細くなってきたり新しい葉が白くなって枯れる、栄養過多だと水質悪化して溶ける。栄養不足の場合は液肥など水草用の肥料を添加する。栄養過多の場合は水が濁ったり臭うことがありますので、水換え頻度を増やします。
→ハサミの刃が太すぎると、水草をカットしたときに断面がつぶれて傷いて、そこから傷んでしまう。定期的にハサミのメンテナンスや交換もしよう
水草にコケが生える・物体が付着する時の原因と対処法
水槽内の栄養素が多く、日照時間が長いと水草が成長しやすいですが、水中にあるコケの胞子も成長してしまうため、コケが生えやすくなります。
水草や流木にふわふわしたものが付着していたら、高い確率でコケです。
コケを防止する為には水中の栄養素と照明時間を調整する、もしくはコケ抑制剤を使用することが効果的ですが、これは水草にも影響が出来ます。
水槽の壁面についたコケなどはヘラで掃除し、水草や流木についたコケはお掃除生体に食べてもらいましょう。
謎の生き物が大量発生する時の原因と対処法
水槽内に入れた覚えのない巻貝などが発生することがあります。無農薬の水草は安全ですが、巻貝(スネール)や寄生虫などの有害な生き物の卵がついていることがあるため、トリートメントしてから水槽に入れるのがおすすめです。
購入した水草は水槽に入れる前にトリートメント剤『水草、その前に・・・』を使用しましょう。
もし水槽の中にスネールなどが大量発生してしまった場合は、手で取り除くかスネールを食べてくれる『スカーレットジェム』などのお掃除生体を導入しましょう。
スネールは繁殖力が強いので、気づいた時には大変なことになっていることもあります。あらかじめトリートメントなどを徹底するようにしましょう。
水草が食べられる・抜かれる時の原因と対処法
金魚や大きな魚、食欲旺盛な魚は水草を食べてしまったり、水草で遊んで抜いてしまう事があります。
金魚だけでなく熱帯魚のなかでも、底床付近で生活する『底物』と呼ばれる魚種は、水草を掘り返してしまいがちです。
コリドラスやクーリーローチなどを飼育する場合は、植えつける水草ではなく、流木などに生やす『活着水草』を活用しましょう。
CO2添加をしても効果が見えない時の原因と対処法
水草は生き物なので、CO2添加や液肥などを与えてもすぐに効果が目に見えてわかることはありません。
1~2週間は様子を見て、それでも効果がない場合は水質・水温など別の問題があることが考えられます。
水草の状態が思わしくない場合は、水質などの水槽環境を確認してみましょう。
照明を付けているのに枯れるときの原因と対処法
光合成は光だけでは出来ません。水中に含まれる二酸化炭素や硝酸塩などの栄養素が必要です。
レイアウトによっては大きな水草が光をさえぎって小さな水草に光が届かないというケースもあります。また、水草の密度が高すぎると、根元に水流や光が行き届かず底から枯れてしまうことがあります。
まずは、水質チェックとレイアウトチェックを行いましょう。
葉や枝が大きく育たないときの原因と対処法
大きく成長する水草種なのに育たないという場合は、以下の可能性があります。
→どちらが足りないのかを見極めて、光不足の場合は照明や照明時間の調整、CO2が足りない場合は生体を増やすか、CO2添加装置を使用します。
→水換え頻度を増やすのが最も手軽です。その他に、KHを下げる添加剤を投入する・ソイルが劣化していたら新しいものに交換、KHを上昇させやすい石などを使用している場合は取り出す、という方法があります。
→水草用肥料を添加するのが効率的です。水草の症状を見て、液肥か固形肥料化を選びましょう。赤い水草は鉄分が高いと発色が良くなりやすいなど、水草タイプごとに好む栄養素がありますので、確認して添加しましょう。
複数の原因が組み合わさっていることもありますが、一つ一つ確認と対処をしていくことで、持ち直します。
水草水槽の水質トラブル
水草はバクテリアが産出した硝酸塩を吸収して成長するため、水質維持にも役立ちます。しかし水草が原因で水質が悪化することもあります。
水草が原因で水質悪化するケース
ろ過装置などの配管のそばに水草があることで、水流が妨げられると淀みが発生しやすくなります。
淀みが発生することで水草にコケが生えると、光合成が上手くできなくなることがあります。また、他の水草への光を遮ってしまい、枯れてしまうことがあるため、定期的にトリミングしましょう。
腐った水草、枯れた水草は水質を悪化させます。
よくあるケースでは、トリミングはさみの切れ味が悪くカットした断面の細胞がつぶれてそこから傷んでしまったというもの。
トリミングは切れ味がいいハサミをつかい、もし枯れている水草を見つけたら取り除きましょう。
また、一度に大量の水草をトリミングすると、水草からの分泌物で水が汚れることがあるため、水草の種類ごとにカットするペースを決めていくのが望ましいです。