初めての人でも簡単に始められるビオトープの作り方を解説!必要なものやレイアウト、管理方法、おすすめの生き物などをご紹介します。
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ビオトープとは
ビオトープとは自然の生態系を再現して、生き物や植物を育てることを指します。
名前はギリシャ語の『bio(命=生物) + topos(場所=環境)』を組み合わせた造語ですが、最近では『生き物が快適に、自然に近いかたちで住める場所』といった意味合いで使用されることも増えています。
睡蓮鉢や屋外用の飼育容器を使うことで、限られたスペースでも自然に近い環境で生き物を飼育できることが大きな魅力です。
こちらのページではビオトープの特徴や作り方を解説し、「ビオトープとは何か?」「生態系とは?」「管理法は?」などの様々な情報を紹介します!
ビオトープのサイクル(生態系)
ビオトープは様々な生き物が、お互いに作用しあうことで水質浄化のサイクルが完成します。
水質浄化の流れは下記のとおりです。
メダカが微生物を食べてフンをする
エビがコケなどを食べる
タニシやドジョウが底砂を耕す
底砂の中のバクテリアや微生物が汚れを分解
分解後の養分を水草や植物が消費=水が清浄に保たれる
サイクルができると水質が安定し、掃除などをほとんど行う必要がなくなることが、水槽飼育との大きな違いです。
ビオトープのサイクルには日光が欠かせません。水草や水生植物だけでなく、生き物が成長するうえでも日光浴は大切です。ビオトープは常に風雨にさらされますが、豪雨でなければそのまま飼育できます。
雨で飼育水はあふれないのか?
ビオトープの水があふれても、生き物が流されることはあまり無いです。
ただし、急激に水が増える豪雨などの悪天候時には、屋根を付けるなどの対策を行いましょう。
ビオトープについてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープのはじめ方!作り方やおすすめの魚・水草・場所を解説します! https://t-aquagarden.com/column/biotope_startビオトープの雨対策についてはこちらのコラムもご覧ください。
メダカのゲリラ豪雨対策!メダカ鉢・ビオトープを守る3つの方法! https://t-aquagarden.com/column/medaka_heavy_rain2
ビオトープを作る
ビオトープを作るのに必要な基本アイテムは5個です。
- 飼育容器(睡蓮鉢など)
- 生き物(メダカ、エビ、金魚など)
- カルキ抜きした水
- 底砂・砂利
- 水草・植物
それぞれのポイントやおすすめのアイテムをご紹介します。
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飼育容器 睡蓮鉢
信楽焼 10号灰釉流し すいれん鉢 メダカ鉢 睡蓮鉢 スイレン鉢 金魚鉢 水鉢 陶器 su-0194 (灰釉流し色)
通常のアクアリウムのように横から鑑賞するのではなく、上から鑑賞するビオトープに適した構造をしている鉢型の容器がおすすめです。
特に睡蓮鉢は日光や雨風に晒される屋外に設置することを目的に作られており、陶器で作られているため丈夫です。
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生き物 メダカ
【めだか物語】めだか色々お楽しみ 稚魚 SS~Sサイズ 10匹セット [生体]
メダカは日本の風土や気候に適応しており、初心者でも育てやすいため、ビオトープにおすすめです。
ラメが入ったように光るメダカ、変わった色合いのメダカなど、品種改良がすすみ鑑賞性が高いことから年々人気を集めています。
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カルキ抜きした水 バケツ
トンボ バケツ 10L 日本製 本体 手付き ブルー トンボバケツ 新輝合成 10型
水質浄化のサイクルができているとはいえ、水は定期的に足す必要があります。
ビオトープに使用する水は、水道水からカルキを抜いた水を使いましょう。
『カルキを抜いた水』は中和剤を使用するよりも、汲み置きしてカルキを抜いた水がおすすめです。より、自然に近いかたちで生き物を飼育できます。
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底砂・砂利 赤玉土
国産 めだかの土 2L 焼赤玉土 水が濁りにくい メダカのための土
底砂・砂利は育てる植物や飼育する生体に合わせて選びましょう。メダカを飼育する場合は、赤玉土やメダカ用のソイルがおすすめです。
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水草・植物
めだか飼育用水草セット(アナカリス 5本+ホテイアオイ 2株) / ホテイ草 [生体]
水草、植物はビオトープの目玉です。飼育する生体との相性やレイアウトを加味して選びましょう。
数ある水草の中でも、浮草は見栄えがよく、メダカなどの小型魚との相性もよいのでビオトープでは定番の水草です。
これら以外に日差しや天候、飛んでくる昆虫などに応じて、『すだれ』や『波板』『金網』『ネット』を用意しましょう。
設置手順とポイント
- まずは、日当たりと風通しの良い場所に飼育容器を設置します。日光浴だけでなく、植物同士が蒸れない環境づくりも大切なポイントです。風通しが良ければ急激な水温上昇も防げます。
- 植物は必要に応じて、ポットに植え込んでから配置しましょう。
- 水は底砂を舞い上がらせないように、ゆっくりと注ぎます。水が落ちるポイントを受け止めるように、手のひらを添えて注ぐと水の勢いを調節できます。
- 水を入れた後、約7~10日間ほど経ってから生き物を導入します。はじめの1ヵ月はメダカ2~3匹程度から飼育をはじめ、水質が安定したら追加しましょう。
あとは様子を見ながら、水位が減っていたら足し水をし、ビオトープを管理しましょう。
生き物はすぐに入れない!
設置したばかりのビオトープは、底砂の養分が漂うなど水質が安定していません。
植えつけた植物や水草も、まだ底砂(土)に慣れていない不安定な環境です。
10日ほど経てば植物が順応し、養分などが落ち着くため、生き物を入れてもトラブルが起こりにくくなります。
もし枯れてしまった植物がある場合は取り除きましょう。
生き物たちは必ず新しい飼育水に慣れさせてから放ちます。袋のまま水に20分ほど浮かして水温に慣れさせたら、次に『水合わせ』を行い導入しましょう。
水合わせについて、詳しくはこちら
熱帯魚・観賞魚の水合わせ方法!水温合わせや点滴法・使う道具を解説します! https://t-aquagarden.com/column/water_matchingビオトープのベランダ・バルコニーへの設置についてはこちらのコラムもご覧ください。
ベランダにビオトープを作ろう!作り方をご紹介!マンションでも作れます https://t-aquagarden.com/column/biotope_balcony作ったあとの管理方法
ビオトープの管理は忙しいものではありません。
基本的には『足し水』で、容器内の水量を維持することと、水草や植物をトリミングすること、生き物に餌を与えることだけです。
足し水が必要な状況とは?
下記のような場合は水量に気を付けましょう。
- 暑い日:水が蒸発し、水質が変化しやすいです。足し水で水質を維持します。
- 寒い日:冬は凍結の危険があります。保温のためにも水位は高めにしましょう。
- 青水が濃い:濃すぎると生き物に悪影響がある場合があります。底が見える程度に維持します。
水位を調節できるように、飼育容器は深めのものがおすすめです。
足し水も、日光に1~2日ほどさらしてカルキを抜いた水が良いです。カルキが抜ける時間は、季節や地域・紫外線の量によって変わりますが、良く晴れた日であれば確実に抜くことができます。
カルキ抜きの間に天候が変わり、雨水が多少入っても問題になることはほとんどないですが、荒天の際には移動させましょう。
足し水は、水温・水質を調節する効果がある!
ビオトープの高温対策についてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープの高水温対策!メダカやヌマエビたちを暑さから守ろう! https://t-aquagarden.com/column/biotope_hot_day3
飼える生き物
昼夜の気温差や、季節の変化に順応できる生き物が飼育できます。
代表的なのが、メダカやヌマエビなどの日本の風土にあった生き物です。タニシは水質浄化にも役立ちます。
ビオトープの生体についてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープにおすすめの生体7選!飼いやすい魚・エビ・貝をまとめました https://t-aquagarden.com/column/biotope_creaturesビオトープでのメダカ飼育についてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープでメダカを飼ってみよう!初心者向けポイントとおすすめ水草・メダカ品種 https://t-aquagarden.com/column/medaka_biotope環境に合った生き物を飼育できる!
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ビオトープの水草・植物
「どんなビオトープに仕上げたいか」で選びますが、四季のある日本では水温変化に耐えられる種類が育てやすいです。
水中に日陰を作れるホテイソウやウォーターポピーなどは、生き物の隠れ家にもなります。
ビオトープの水草についてはこちらのコラムもご覧ください。
【初心者でも簡単!】ビオトープに人気でおすすめの水草10選 https://t-aquagarden.com/column/biotope_aquaticplantsビオトープにおすすめの寒さに強い水草についてはこちらのコラムもご覧ください。
寒さに強い水草の種類と冬越しのポイントとは!ビオトープにおすすめ https://t-aquagarden.com/column/aquaticplants_over_winterビオトープで育てられる花についてはこちらのコラムもご覧ください。
メダカのビオトープで花を育てよう!睡蓮などおすすめの植物・水草7選! https://t-aquagarden.com/column/flowering_aquaticplantsビオトープの完成図をイメージして選ぼう!
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ビオトープの容器・フタ
底が深く、大きめの容器が水質を管理しやすいです。
睡蓮鉢などを使用することが多いですが、容器の安定性や、設置場所やイメージに合わせて選びましょう。
ビオトープの容器についてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープは睡蓮鉢で決定! メダカや金魚におすすめな睡蓮鉢の種類別15選 https://t-aquagarden.com/column/biotope_waterliliybowl設置場所や冬・夏の気候を参考に選ぼう!
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底砂・土
赤玉土が人気ですが、育てる植物や生き物によって最適なものを選びます。
メダカの繁殖には赤玉土以外にメダカ用ソイルが採用されることが多いです。睡蓮を育てるなど、水生植物の育成がメインの場合は荒木田土を使用することもあります。
底砂・土は用途や目的にあわせて選ぼう!
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飼育水作りに必要な物
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バケツ
一言にバケツと言っても、サイズや形状は様々です。使わないときはコンパクトにたためる折り畳み式バケツなどもありますが、ビオトープではそれなりの水量が必要なので、丈夫なバケツを選びましょう。注ぎ口がついているものや、水量メモリがついているものなどがおすすめですよ。
水の汲み置きには、バケツなどの容器が不可欠です。
容量に余裕があると振動などでこぼれにくいため、迷ったら大きめのサイズを購入しましょう。
汲み置き用のバケツは10L以上のサイズがベスト!
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おすすめのレイアウト
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水草を重視したレイアウト
水草や浮草を複数種盛り込んだビオトープです。
メダカやヌマエビなどの水生生物の生態系を作りやすく、豊かな緑も楽しめます。
冬になると多くの水草は枯れてしまいますが、なかには暖かくなると再び育ち始める水草種もあります。
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生き物を重視したレイアウト
メダカや金魚など、生き物の飼育をメインとしたビオトープです。
最低限のレイアウトといった印象を受けますが、生き物の状態を観察しやすいメリットがあります。
メダカの繁殖を狙う場合は、卵の回収が簡単なホテイソウやマツモを中心に入れると良いです。
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植物を重視したレイアウト
水生植物をメインとしたビオトープで、暖かい季節には美しい花を楽しめます。
水生植物用の肥料は、生き物に悪影響を与えることがあります。
導入前には、生き物を飼育できるかを必ず確認しましょう。
ビオトープのレイアウトについてはこちらのコラムもご覧ください。
ビオトープのレイアウト!おすすめ水草・植物から組み合わせを考える https://t-aquagarden.com/column/biotope_layoutビオトープのレイアウトは他にもたくさんあります。
飼育容器の形状やサイズに合わせて、世界に一つだけの特別なビオトープを作りましょう。