ビオトープ 金魚 メダカ

ビオトープの作り方

初めての人でも簡単に始められるビオトープの作り方を解説!必要なものやレイアウト、管理方法、おすすめの生き物などをご紹介します。


ビオトープとは

ビオトープとは

ビオトープとは自然の生態系を再現して、生き物や植物を育てることを指します。

名前はギリシャ語の『bio(命=生物) + topos(場所=環境)』を組み合わせた造語ですが、最近では『生き物が快適に、自然に近いかたちで住める場所』といった意味合いで使用されることも増えています。

睡蓮鉢や屋外用の飼育容器を使うことで、限られたスペースでも自然に近い環境で生き物を飼育できることが大きな魅力です。

こちらのページではビオトープの特徴や作り方を解説し、「ビオトープとは何か?」「生態系とは?」「管理法は?」などの様々な情報を紹介します!

ビオトープのサイクル(生態系)

ビオトープは様々な生き物が、お互いに作用しあうことで水質浄化のサイクルが完成します

ビオトープのサイクル 生態系

水質浄化の流れは下記のとおりです。

  1. メダカが微生物を食べてフンをする

  2. エビがコケなどを食べる

  3. タニシやドジョウが底砂を耕す

  4. 底砂の中のバクテリアや微生物が汚れを分解

  5. 分解後の養分を水草や植物が消費=水が清浄に保たれる

サイクルができると水質が安定し、掃除などをほとんど行う必要がなくなることが、水槽飼育との大きな違いです。


ビオトープのサイクルには日光が欠かせません。水草や水生植物だけでなく、生き物が成長するうえでも日光浴は大切です。ビオトープは常に風雨にさらされますが、豪雨でなければそのまま飼育できます。


雨で飼育水はあふれないのか?

ビオトープの水があふれても、生き物が流されることはあまり無いです。

ただし、急激に水が増える豪雨などの悪天候時には、屋根を付けるなどの対策を行いましょう。


ビオトープのはじめ方!作り方やおすすめの魚・水草・場所を解説します!

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ビオトープを作る

ビオトープを作るのに必要な基本アイテムは5個です。

  1. 飼育容器(睡蓮鉢など)
  2. 生き物(メダカ、エビ、金魚など)
  3. カルキ抜きした水
  4. 底砂・砂利
  5. 水草・植物

それぞれのポイントやおすすめのアイテムをご紹介します。

これら以外に日差しや天候、飛んでくる昆虫などに応じて、『すだれ』や『波板』『金網』『ネット』を用意しましょう。


設置手順とポイント

  1. まずは、日当たりと風通しの良い場所に飼育容器を設置します。日光浴だけでなく、植物同士が蒸れない環境づくりも大切なポイントです。風通しが良ければ急激な水温上昇も防げます。
  2. 植物は必要に応じて、ポットに植え込んでから配置しましょう。
  3. 水は底砂を舞い上がらせないように、ゆっくりと注ぎます。水が落ちるポイントを受け止めるように、手のひらを添えて注ぐと水の勢いを調節できます。
  4. 水を入れた後、約7~10日間ほど経ってから生き物を導入します。はじめの1ヵ月はメダカ2~3匹程度から飼育をはじめ、水質が安定したら追加しましょう。

あとは様子を見ながら、水位が減っていたら足し水をし、ビオトープを管理しましょう。


生き物はすぐに入れない!

設置したばかりのビオトープは、底砂の養分が漂うなど水質が安定していません

植えつけた植物や水草も、まだ底砂(土)に慣れていない不安定な環境です。

10日ほど経てば植物が順応し、養分などが落ち着くため、生き物を入れてもトラブルが起こりにくくなります。

もし枯れてしまった植物がある場合は取り除きましょう。


生き物たちは必ず新しい飼育水に慣れさせてから放ちます。袋のまま水に20分ほど浮かして水温に慣れさせたら、次に『水合わせ』を行い導入しましょう。

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作ったあとの管理方法

ビオトープの管理は忙しいものではありません。

基本的には『足し水』で、容器内の水量を維持することと、水草や植物をトリミングすること、生き物に餌を与えることだけです。


ビオトープ 管理方法


足し水が必要な状況とは?

下記のような場合は水量に気を付けましょう。

  • 暑い日:水が蒸発し、水質が変化しやすいです。足し水で水質を維持します。
  • 寒い日:冬は凍結の危険があります。保温のためにも水位は高めにしましょう。
  • 青水が濃い:濃すぎると生き物に悪影響がある場合があります。底が見える程度に維持します。

水位を調節できるように、飼育容器は深めのものがおすすめです。


足し水も、日光に1~2日ほどさらしてカルキを抜いた水が良いです。カルキが抜ける時間は、季節や地域・紫外線の量によって変わりますが、良く晴れた日であれば確実に抜くことができます。

カルキ抜きの間に天候が変わり、雨水が多少入っても問題になることはほとんどないですが、荒天の際には移動させましょう。

足し水は、水温・水質を調節する効果がある!


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ビオトープの水草・植物

「どんなビオトープに仕上げたいか」で選びますが、四季のある日本では水温変化に耐えられる種類が育てやすいです。

水中に日陰を作れるホテイソウやウォーターポピーなどは、生き物の隠れ家にもなります。


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ビオトープの完成図をイメージして選ぼう!



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底砂・土

赤玉土が人気ですが、育てる植物や生き物によって最適なものを選びます。

水生植物には荒木田土が、メダカの繁殖には赤玉土以外にメダカ用ソイルが採用されることが多いです。

底砂・土は用途や目的にあわせて選ぼう!


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飼育水作りに必要な物

  • フレックスバケツ 強化型 15L ブルー

    バケツ

    フレックスバケツ 強化型 15L ブルー

    一言にバケツと言っても、サイズや形状は様々です。使わないときはコンパクトにたためる折り畳み式バケツなどもありますが、ビオトープではそれなりの水量が必要なので、丈夫なバケツを選びましょう。注ぎ口がついているものや、水量メモリがついているものなどがおすすめですよ。

水の汲み置きには、バケツなどの容器が不可欠です。

容量に余裕があると振動などでこぼれにくいため、迷ったら大きめのサイズを購入しましょう。

汲み置き用のバケツは10L以上のサイズがベスト!


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おすすめのレイアウト

  • 水草を重視したレイアウト

    水草や浮草を複数種盛り込んだビオトープです。

    メダカやヌマエビなどの水生生物の生態系を作りやすく、豊かな緑も楽しめます

    冬になると多くの水草は枯れてしまいますが、なかには暖かくなると再び育ち始める水草種もあります。

  • 生き物を重視したレイアウト

    メダカや金魚など、生き物の飼育をメインとしたビオトープです。

    最低限のレイアウトといった印象を受けますが、生き物の状態を観察しやすいメリットがあります。

    メダカの繁殖を狙う場合は、卵の回収が簡単なホテイソウやマツモを中心に入れると良いです。

  • 植物を重視したレイアウト

    水生植物をメインとしたビオトープで、暖かい季節には美しい花を楽しめます。

    水生植物用の肥料は、生き物に悪影響を与えることがあります。

    導入前には、生き物を飼育できるかを必ず確認しましょう。

ビオトープのレイアウト!おすすめ水草・植物から組み合わせを考える

ビオトープのレイアウトについてはこちらのコラムもご覧ください。

ビオトープのレイアウト!おすすめ水草・植物から組み合わせを考える https://t-aquagarden.com/column/biotope_layout

ビオトープのレイアウトは他にもたくさんあります。

飼育容器の形状やサイズに合わせて、世界に一つだけの特別なビオトープを作りましょう。

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