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真ん丸の目が可愛らしい二ホンアマガエルやでっぷりとした体のヒキガエルなど、日常でも目にする機会が多いカエル。
両生類や爬虫類を好む方の中では古くからポピュラーなペットとして飼育されていますが、近年ではYouTubeやSNSの発信をきっかけに、海外に生息するベルツノガエルやヤドクガエルなどカラフルでユニークな姿のカエルが広く知られるようになり、より広い層へと人気が拡大しています。
そんなカエルは、しっかりと管理をすれば意外と長く飼育を続けられる生き物で、5年程度から品種によっては10年以上も長生きしてくれることも。
長期飼育のポイントをしっかり押さえて、カエルの長期飼育につなげましょう。
今回のコラム記事ではカエルの寿命に注目し、カエルを長生きさせる飼育環境の整え方について解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにカエルの長期飼育ポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
冬眠をして冬を越すことができるカエルは、爬虫類用のヒーターや餌を工夫して適切な環境を整えてあげれば、かなり長く飼育を楽しむことができます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、カエルの長期飼育ポイントを解説します。
カエルの寿命とは!種類別の寿命を紹介
生き物の中には飼育することでかえって短命になってしまうものもありますが、カエルは野生よりも飼育環境下でのほうが長生きしてくれやすいです。
元々カエルは数年~十数年程度は生きることができるポテンシャルを備えているのですが、自然の中では、天敵に襲われたりや気候の変化に影響をうけりしやすく、長く生きることが難しいと考えられます。
品種ごとの平均的な寿命は以下の通りです。
特徴 |
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二ホンアマガエル |
日本で良く見かける体長5cmほどの小さな樹上棲ガエルです。野生での寿命は平均3~5年ですが、飼育時には最大で10年近く生きることもあります。環境によって寿命が左右されやすい傾向が強く、飼育の仕方次第で寿命を延ばすことができる種類です。 |
ツノガエル |
種類が多いツノガエルは品種によって寿命が異なります。ペットとして人気の小型種の場合、野生での寿命は2~5年ほどですが、飼育下では5~10年程度まで長生きさせることが可能。 ベルツノガエルでは15年ほど生きた例も報告されています。 |
クツワアメガエル |
カエルらしいグリーンが印象的な、オーストラリア原産の大型樹上棲ガエルです。非常に長寿なことで知られる品種で、大切に育てれば約15年ほど飼育を楽しむことができます。 |
ヤドクガエル |
青や赤、黄色などどの品種も鮮やかな体色を持つカラフルさが人気のヤドクガエルは、小型~中型の熱帯カエルです。野生での寿命は5~10年ほどですが、飼育下では10年以上生きた事例もあります。 |
イエアメガエル |
二ホンアマガエルに似たオーストラリア原産の樹上棲ガエルです。体長が10cmを超えることもある大きめの品種ですが、愛らしい見た目から高い人気を誇ります。環境がよければ15~20年ほど生きることもある、とても長寿なカエルです。 |
外敵や変化がない水槽では、カエルの特性に合わせた適切な環境を維持し大切に育ててあげることで、より長生きさせることが可能です。
カエルに快適な環境を作ろう!
カエルを長生きさせる重要な要素が、飼育環境です。
カエルは、品種ごとに本来生息する場所によって適切な飼育環境が大きく異なります。飼育する品種の特徴をよく理解したうえで、水槽を整えましょう。
ここでは、種類別に最適な飼育環境とカエルの餌について、長生きのポイントを押さえながら解説します。
カエルの種類別の飼育環境
飼育用に流通しているカエルは、生息環境によって水棲・半水棲、陸棲、樹上棲・半樹上棲の3タイプに分類されます。
飼育する場合は、ご自分のカエルがどのタイプに分類されるのかを確認しながら飼育環境を整えるのがおすすめです。
水棲カエル・半水棲カエル
■水棲・半水棲カエルの主な品種
水棲:アフリカツメガエル、バジェットガエル、ヘルメットガエル など
半水棲:トノサマガエル、アカガエル など
水棲ガエル、半水棲ガエルは水中や水辺を主な生活圏としていて、泳いだり潜ったりするのが得意なグループです。
水棲に分類される品種は生涯のほとんどを水中で過ごしますので、飼育する場合も、カエルが水面から顔を出せる程度の深さまでしっかり水を張ります。陸地は必要ありません。
半水棲の品種は水中と陸地を行き来するため水棲と同じ程度の深さに水を張り、水槽の一画に高さを出して陸地を作ります。
飼育容器は最低でもW30×D30×H30cm以上のケージや水槽がおすすめです。
水場には投げ込み式や水中フィルターなどを設置し、こまめに水換えをして飼育水を清潔に保ちましょう。
温度変化に弱いグループなので、水槽用ヒーターを設置して保温すると安心です。
陸棲カエル
■陸棲カエルの主な品種
ベルツノガエル、ツノガエル、アメフクラガエルなど
土の中に潜ったり物陰に隠れたりすることを好む陸棲カエルの飼育は、通気性と保温・保湿のバランスを保つことが重要なポイントです。
まず、好みの環境に近づけるために水槽の底にはソイルやヤシガラ、腐葉土などを必ず敷いてあげてください。
さらに、流木やシェルター、観葉植物で隠れ家を作ってあげるとストレスを軽減できます。
湿度保持には1日2回程度の霧吹きか、ミスト装置が必須です。水場は無くても問題ありませんが、乾燥が心配なときはお腹が浸る程度の小さな水入れを設置しましょう。
保温のため保温用のパネルヒーターも設置します。
掃除は約3〜4週間に1回、土の汚れがひどい部分を取り除きましょう。
また湿度が高く底砂をしっかり敷いた環境は、通気性が悪いとカビや病気の原因となる菌が繁殖しやすいです。
このことから、通気性の高い飼育容器にはW30×D30×H30cm以上の前面開放式ケージがおすすめで、湿度を損なわない程度に空気の入れ替えを行うことを意識してみてください。
樹上棲カエル・半樹上棲カエル
■樹上棲・半樹上棲カエルの主な品種
樹上棲:イエアメガエル、二ホンアマガエル など
半樹上棲:ヤドクガエル など
森や熱帯雨林といった植物が豊富な場所に生息する樹上棲・半樹上棲は、別名ツリーフロッグとも呼ばれる華やかなカエルが多いグループです。
コケや観葉植物を多く配置したテラリウムとの相性が非常によく、鑑賞用のレイアウト水槽にも向いています。
飼育容器は高さのあるW30×D30×H45cm以上のゲージが最適です。
樹上棲は生涯の多くの時間を植物の葉や木の上で過ごします。上に登ることを得意としているので、高さのある流木や観葉植物でレイアウトを組んであげるのがおすすめです。
半樹上棲は木の上と陸地や水辺を行き来するため、樹上棲ほどの高さがなくても飼育ができます。水入れも必須ではありませんがレイアウトに応じて用意しても良いでしょう。
大き目のケージには、こちらのような加湿器もおすすめです。
乾燥には弱いため、多湿を意識した湿度管理を行います。UVB照明は必須ではありませんが、観葉植物育成用として設置するのも有効です。
ちなみに二ホンアマガエルは冬眠するカエルですが、25〜28℃をキープすれば年間を通して活発な状態で飼育ができます。
ただ、しっかり太らせてから冬眠を経験させた個体の方が長生きしやすいという話もあるため、飼育スタイルに合わせて冬眠の有無を決めてください。
カエルにおすすめの餌
カエルは品種に関わらず基本的に肉食性で、野生では昆虫や小魚、ネズミなどの小さな動物を捕獲して食べています。
このことから、飼育環境でもコオロギやデュビア、ミルワームなどの餌用小型昆虫をピンセットやエサ皿で与えるのが定番です。
ウシガエルなどの大型種ならばさらに、メダカなどの小型魚やピンクマウスを与えるのも良いでしょう。
ただ、これらの活餌は食いつきが良い一方で栄養が偏る傾向があるため、カルシウムパウダーなどをダスティング(まぶす)して、不足しがちな栄養素を足してあげると長生きに繋がりやすくなります。
また、アフリカツメガエルなど人工餌にも慣れやすい一部の品種ならば、人工餌をメインにすることも可能です。
人工餌は活餌に比べて栄養バランスが良いのが一番の利点ですが、ずっと同じものを与えていると飽きて食いつきが悪くなったり、サイズが口に合わず上手く食べれなかったりといったことが起こりやすいので、しっかり食べられているか、体格に異変が出ていないかを観察しながら与えていきましょう。
カエルを長生きさせる飼育ポイント
カエルの健康を維持するには、ストレスの少ない環境を作ることも大切です。
ここからは、すべてのカエルに共通する長生きのポイントを3つご紹介します。
水場の掃除や換気をこまめに行う
多くの時間を水の中で過ごす水棲・半水棲のカエルは特に水場の掃除が重要です。
カエルは活餌を好むうえにカエル自身も様々な菌を保持しているため、水量が少なく閉じられた水槽の中では飼育水が汚れやすくなります。
熱帯魚などと同じく飼育水の水質が悪化すると、ストレスから体調を崩してしまいますし、皮膚炎などの病気にもかかりやすくなるため、週1〜3回を目安にこまめな水換えを心がけましょう。
陸棲や樹上棲・半樹上棲のカエルは、床材を清潔に保つことが健康に繋がります。
湿度の高いパルダリウムは、適度に換気をしないとケージが蒸れてし、床材が菌やカビの温床になってしまうことも。
傷んだ床材はカエルの健康を損なう大きな要因になりますので、通気性の良い場所にケージを設置し、温湿度計を適宜確認しながら1日1回は換気をしましょう。
複数匹を1つのケージで飼わない
基本的にカエルは、一つのゲージに一匹の単独飼育が推奨されています。
同種でも、体の大きさに差があると共食いをしてしまう危険があるからです。
また、複数匹飼育すると水や底床材が汚れるスピードが上がって、ゲージ内を清潔に管理し続けるのが難しくなります。
もし、何らかの理由で複数匹を一緒に飼育したいときは、最低でも横幅45cm以上の大きなゲージで隠れ家をたくさん設置してあげると、比較的ストレスの少ない環境を維持しやすくなるでしょう。
魚と一緒に飼わない
水場と陸地があるアクアテラリウムのような環境で、メダカなどの小さな魚とカエルを一緒に飼育しようと考える方もいるかもしれませんが、魚とカエルはお互いが補食関係にあるため、基本的に混泳はできません。
小さな魚とカエルではカエルが魚を食べてしまいますし、大型魚が相手だと反対にカエルが魚に襲われてしまいます。
さらに、カエルの持つ菌が飼育水を悪化させて魚にダメージを与えてしまう可能性があるため、魚とカエルを一緒に飼育するのは避けましょう。
まとめ:カエルを長生きさせたい!カエルの長期飼育ポイントと飼育環境について
SNSやYouTubeの配信をきっかけに人気が高まっているカエルは、長生きできるポテンシャルを秘めたユニークな生き物です。
外敵がいない飼育環境下では、工夫次第で野生よりも長生きさせやすいため、大切に育てましょう。
カエルは生息場所によって水棲・半水棲、陸棲、樹上棲・半樹上棲の3つのグループに分けられます。
水棲・半水棲のカエルは顔が出せる程度の水場を用意し、水の汚れに注意することが大切です。
陸棲は、湿り気を保ちやすいソイルや腐葉土などを底に敷くのが環境維持のポイント。
樹上棲・半樹上棲は、植物をたくさん配置したテラリウムのような環境が最適です。
また、どのカエルを飼育する上でも換気やこまめな掃除をして、ゲージ内を清潔に保つことを意識してください。
種類ごとの長期飼育のポイントを押さえて、可愛いカエルをぜひ長生きさせてあげましょう。
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