アクアリウムコラム
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水槽用クーラーのZC-αシリーズとは!特徴と選び方を取材!人気機種のメリットも解説

コラムでは各社アフィリエイトプログラムを利用した商品広告を掲載しています。

水槽用クーラーの中で、絶対的な信頼と人気を誇る機種があります。
それが、ゼンスイ株式会社ZC-αシリーズ(通称:ZC)です。

東京アクアガーデンでも、ほとんどすべての水槽にこのZCを使用しており、安定した水温管理を行う上で必須のアイテムだと感じています。

今回はZCの開発背景やおすすめの設置環境、選び方、省エネ構造や安全性などについて、ゼンスイの担当者様に徹底取材しました。

発売から長く愛される定番シリーズをより深く知ることで、魅力を再発見していきましょう。

水槽用クーラーのZC-αとは

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-100α

水槽用クーラーには主に2タイプ存在します。

  • ペルチェ式:ペルチェ素子による熱交換を利用した冷却方式
  • コンプレッサー式:別名チラー式。冷たい内部を循環させることで水を冷却する方式

ZC-α(ZC)はコンプレッサー式に該当し、対応水量さえ合えば大型水槽でも確実に冷やすことができます。
この技術は、ゼンスイ株式会社の水風呂システムにも応用されているとか。

コンプレッサー式の水槽用クーラーは、有名アクアリウムメーカー各社が販売していますが、ゼンスイの製品は揺るがない人気を誇っています
その秘訣について、著者が感じたポイントを交えながらZCシリーズについて紹介していきます

ZC-αシリーズの開発背景

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-1000α 海水・淡水兼用

まずは、ZCシリーズ開発のきっかけを伺いました。

アクアリウムブームが起きたばかりの頃、水槽用クーラーは日本製が主流であり本当に高価な製品でした
そんな中、日本でアクアリウムが一般的になるに連れて、水槽を冷やす需要が増えていったのです。

著者の記憶でも、熱帯魚飼育だけでも特別な時代に、水槽用クーラーはまるで雲の上の存在であったと覚えています。

なんとかもっと手の届きやすい価格で水槽用クーラーを提供できないかと考え、一大決心し製造を海外で行うことといたしました。

国内生産ではどうしても、価格帯を下げることができない・・・その問題をクリアするために、製造拠点を海外に移したとのことです。
結果として、現在の看板商品であるZCが生まれることになったので、英断だったと言えるでしょう。

「品質」と「価格」の間で何度も検討と試作を繰り返し、数年の歳月を経てZCシリーズの生産・発売を開始
おかげさまで、ZCクーラーは長年にわたりアクアリストの皆様にご愛用いただける、ベストセラー製品となりました。

ZC-αシリーズの特徴

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-500α

確かな機能で人気のZCですが、その特徴とより冷却効果を発揮するための方法についても解説します。

静音性とヒーターコンセント

水槽用クーラーは排気が出るため、ある程度の稼働音は必ず発生します。

東京アクアガーデンではレンタル水槽などでZCを使い続けていますが、ZCは水槽用クーラーの中でも静かであると感じています。
このことについては、ゼンスイの担当者様も取材でお話くださいました。

ZCシリーズは静音モデルとなりますが、特に100αと200αは抜群の静音性となっております。
さらに別売のヒーターを接続することで、一年中水温管理を行うことも可能です。

そして、ZCやZRの機種には、水槽用ヒーター用のコンセントが備わっています。

このコンセントについて、著者の感じるメリットをご紹介します。

  • 電源の数を圧迫することなく、水槽用ヒーターが使用できる
  • オーバーフロー式水槽の、ろ過槽内にヒーターを投入しやすい

という点です。
プロテインスキマーなど、複数の機材を使用する水槽では大変便利と言えるでしょう。

見やすいコントロールパネル

水温変化をデジタル表示でわかりやすく目視できるのも、大きな魅力です。
東京アクアガーデンでも長年使用されてきたZCですが、その理由の一つに「コントロールパネルの表示がはっきりしている」というものがあります。

  • 温度表示パネル
  • ヒーターランプ
  • クーラーランプ
  • オーバータイムランプ
  • クリーニングランプ

などがコントロールパネルに集まっているので、機体の状態などが一目でわかるのです。

設定水温から±2℃の水温変化があった際、デジタルパネルに「Hi」「Lo」の表示を行います。
この機能によって、大きな水温変化があった場合には、ユーザー様へお知らせします。

温度感知が高性能なため、設置水温からずれると表示してくれる機能があるのも特徴です。

15℃にも冷却可能!低水温も維持できる

東京アクアガーデンのコラムでは、ZCシリーズを「信頼できる水槽用クーラー」と幾度も紹介してきました。
その根拠として挙げたいのが、水温10~15℃を維持できる冷却力の高さです。

ZCシリーズは低温設定にも強いため、アクアリウムのみならず、飲食店様の活魚温度帯(15〜18℃)でも長期的にご使用いただけます。

設置場所の気温と水量にもよりますが、以下のような条件で冷却できます。

ZC-αシリーズの冷却水温例
25度設定 15度設定 10度設定
ZC-100α 気温30℃:~約100L
気温35℃:~約70L
気温30℃:~約40L
気温35℃:~約25L
気温30℃:~約20L
気温35℃:~約15L
ZC-500α 気温30℃:~約450L
気温35℃:~約315L
気温30℃:~約150L
気温35℃:~約85L
気温30℃:~約70L
気温35℃:~約85L
ZC-1000α 気温30℃:~約950L
気温35℃:~約665L
気温30℃:~約350L
気温35℃:~約245L
気温30℃:~約170L
気温35℃:~約120L

川魚や海水魚などにも対応できるため、多くの水槽で採用可能です。
ただし、低水温時には気温との差で水槽が結露するので、適宜ふき取る・エアコンをつける・水槽の下に受け皿を用意するなど対策をしましょう。

ZC-αシリーズの選定方法

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-700α

ZC-αシリーズは、全部で6機種が展開されています。
どれが最適なのか悩んでいる、という方も多いでしょう。

水槽用クーラー選定の際には、「設定水温」「設置場所の夏場の周辺気温」「水槽サイズ」「併用する機器の消費電力」「ろ過槽容量」をご考慮いただく必要があります。
例えば、設定水温25℃・周辺気温30℃の環境では、ZC-100αで60cm規格水槽の冷却が概ね可能です。

しかし、近年は猛暑が続き、35℃や38℃以上になる日も増えています。
そのため、著者としてはワンランク上の対応水量を持つ機種をおすすめしたいです。

ゼンスイの担当者様も以下のように語っています。

「水槽サイズが大きくなった」「周辺気温が高い」など、条件に合わせてより大型の機種をお選び下さい。

また、株式会社ゼンスイの公式サイトでは、『クーラー選定ツール』を公開しており、合計水量などからぴったりの機種を選定可能です。
水槽以外の機材(照明など)による損失熱量も、条件に含められます。

活用すると便利です。

ZC-αシリーズの省エネについて

ゼンスイ 小型循環式クーラー ZC-200α

ZCシリーズは、省エネな機種というのもセールスポイントです。
東京アクアガーデンでも、「初期費用は高めだけど、ランニングコストが安い」という紹介をさまざまなコラムでしています。

ZCシリーズと、60cm規格水槽(W60×D30×H36cm)に適合する機種と比べてみると、以下のような消費電力の差があります。

ZC-100α 価格:約45500円~ 消費電力:50Hzで120W、60Hzで140W 対応水量:~70L(気温35度・設定水温25度の場合)
ZC-200α 価格:約67000円~ 消費電力:50Hzで120W、60Hzで140W 対応水量:~140L(気温35度・設定水温25度の場合)
ZTK150 価格:価格約100800円~ 消費電力:50Hzで155W、60Hzで180W 対応水量:~170L(気温35度・設定水温25度の場合)
他社の機種 価格:約37000円~ 消費電力:50Hzで120W、60Hzで140W 対応水量:~100L(気温35度・設定水温25度の場合)

 

こうしてみるとZC-200αは同サイズ帯の中では価格と消費電力、そして冷却力のバランスが良いと言えますね。

また、ZC-αシリーズは耐用年数が7~8年と非常に長いため、最終的にはコスパ良く運用できます。
ゼンスイは、「水槽用クーラーは高額な製品のため、せっかくご購入いただいた方には長く使用してもらいたい!」という想いを持つ企業です。

このような背景から、アフターサービスも充実しています。

  • 故障・修理受付
  • クーラーの無料点検
  • クーラーのオーバーホール
  • クーラー代替機の貸出しサービス など

「クーラーの調子が悪い」「飼育水があまり冷えない」という場合には、お客様サポートを利用してみましょう。

冷却効率を上げる方法

担当者様は、冷却効率を上げるために必要なことも語ってくださいました。

クーラー前面のフィルターがホコリで詰まってくると、冷却能力の低下だけでなく、電力消費や故障率の上昇にもつながります。
そのため、2週間に一度、清掃いただくことを推奨しております。

フィルターのホコリ詰まりは、水槽用クーラーの稼働を大きく妨げ、故障の原因になります。
掃除機や付属のブラシでしっかりと清掃することで、省エネ効率が上がるのです。

また、水槽の3面を断熱材で覆うことで電力消費を抑える、という方法もあります。
水温の上昇を抑えつつ、同時に製品寿命を延ばすことにもつながるため、比較的実施しやすい方法としておすすめです。

寿工芸 eco断熱スクリーン 1200

断熱材は観賞性がやや下がるのが難点ですが、省エネに関しては非常に高い効果を発揮します。
思うように冷えない場合や、気温・室温が特に高い場合におすすめの保冷方法です。

ZC-αシリーズの安全性とメッセージ

ZC-αシリーズの、気になる安全性についても伺ってみました。

クーラー内部、冷却の心臓部であるコンプレッサーには、過電流を防ぐ専用プロテクターが付いています。
また、本体にヒューズを搭載しておりますので、何らかの影響で大きな電流が流れた場合にも内部機器を保護します。

落雷などの影響も受けにくい心強い設計ですね。
実際に、東京アクアガーデンで使用していても、落雷や停電で故障したことはありません。

ただし、唯一の弱点とも言える注意ポイントもあります。

本体に防水性はないため、特にコントローラー部やコンセント部に水がかからないよう、ご注意いただければと存じます。

水槽回りで使用するのに防水性がないのは、少し心もとないと感じる方もいらっしゃるでしょう。とはいえ、普通に使用するには全く問題ありません

水槽用クーラーは精密機械ですから、漏電には弱いです。本体に水が掛かったり入り込んだりしないよう、気をつけましょう。

最後に、ゼンスイの担当者様からメッセージをいただきました。

現時点で新たなバリエーション展開の予定はありませんが、水槽用クーラーの定番機種として、今後も皆様のアクアリウムライフをお手伝いさせていたけたらと存じます。

より大型の水槽には、「ZRC」や「ZRW」といったパワフルな機種もご用意しております。
ZCシリーズ以外の機種についても、ぜひご覧いただけますと幸いです。

ゼンスイの水槽用クーラー「ZC-α」 一覧リスト

ZC-100α ZC-200α ZC-500α ZC-700α ZC-1000α ZC-1300α
ZC-100αの特徴 ZC-200αの特徴 ZC-500αの特徴 ZC-700αの特徴 ZC-1000αの特徴 ZC-1300αの特徴
最大70~100L 最大140~200L 最大315~450L 最大455~650L 最大665~950L 最大910~1300L
120/140 120/140 170/200 210/240 280/320 400/450
265×390×400mm 265×390×400mm 320×500×420mm 320×500×450mm 320×500×515mm 420×520×480mm
10kg 11kg 16kg 16kg 23kg 27kg
46,100円~ 67,800円~ 128,599円~ 155,450円~ 177,999円~ 215,850円~

※記載されている情報は各ショップ販売時の情報に基づいています。価格などは時期により変動する事がございますのであらかじめご了承ください。

まとめ:水槽用クーラーのZC-αシリーズとは!特徴と選び方を取材!人気機種のメリットも解説

株式会社ゼンスイのZC-αシリーズは、コンプレッサー式(チラー式)の水槽用クーラーです。
10~15℃の低水温維持も可能な冷却力と、静音設計やヒーター用コンセント、見やすいコントロールパネルなどの充実した機能を搭載しています。

選定が難しい印象のある水槽用クーラーの中でも、多くのアクアリストに愛用されるベストセラーシリーズです。
東京アクアガーデンでも多用され、安定した水温管理でプロのアクアリストからも高い信頼を得ています。

さらに、修理サービスやオーバーホールサービスも行っているなど、サポートも充実。高額な機材ですから、手厚いサポートがあるのは大変ありがたいですよね。

ZC-αシリーズは、今後も水槽用クーラーの定番として活躍していくでしょう。



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執筆者 アクアガーデン

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