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水槽用クーラーの設置方法を画像で解説!ポンプとの接続や温度設定方法

水槽用クーラーは様々なメーカーから販売されていますが、初めて設置する場合は接続に手間取どることも珍しくありません。

水槽用クーラーは精密な機器ですので、誤った方法で設置をすると、正常に機能しなかったり漏水してしまう可能性があるため、まずは水槽用クーラーの正しい設置方法を学んでおきましょう。

このコラムでは人気が高く初めての方でも扱いやすい『ゼンスイZCシリーズ』を用いて、水槽用クーラーの正しい設置方法をわかりやすく解説していきます。
ぜひ参考にしてください。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにご紹介


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

5000件を超える水槽の設置実績がある東京アクアガーデンのスタッフは、水槽機材の取り扱い方法や、効率の良い使用方法を日々研究しています
初めて水槽用クーラーを設置する前に知っておきたい注意点や、最適な設置場所、接続や設定の仕方などを解説していきますので、ぜひご覧になってみてください。

水槽用クーラーの設置方法・基本的な流れ

水槽用クーラーは通常、以下のような手順で設置を進めていきます。

  1. 設置場所を決める
  2. ポンプを選定する
  3. ホースを接続し、通水する
  4. 温度を設定する

このページでは初めて水槽用クーラーを購入した方でも迷わず設置ができるように、各手順の要点や注意点を画像つきで解説していきます。
特に設置場所やポンプの選定はかなり重要な上に多くの人が迷う部分でもあるので、このコラムでしっかりと確認しておきましょう。

おすすめな人気の水槽用クーラーについては以下の記事で詳しく解説していますので、購入がお済みでない方はこちらもぜひご一読ください。

設置手順1:水槽用クーラーの設置場所を決める

水槽用クーラーは割と大きく存在感があるため、水槽台の中に収納して景観をスッキリさせたいと考えている方が多いと思います。

しかし、水槽用クーラーを水槽台の中に収納するには、吸排気口を設けたり換気をする必要があったりするなど、ある程度の条件をクリアしなければなりません。

まずは、

  • 水槽用クーラーの「吸排気」とは何か
  • 水槽台内に収納する場合について
  • 水槽台外に設置する場合について

これら3つの観点から、水槽用クーラーの設置場所の決め方を解説していきます。

■水槽用クーラーの「吸排気」とは何か

水槽用クーラーのほとんどは、空冷式チラー(チラー式)と呼ばれる仕組みで水を冷却しています。

この仕組みをわかりやすく説明するために、手をアルコール消毒する場面を思い出してみてください。

アルコール液が手や腕に触れると、スーと冷たい感覚がしますよね。
これはアルコール液が冷たいからというわけではなく、アルコールが蒸発する際の気化熱によって、一瞬冷えたような感覚がするのです。

空冷式チラーの水槽用クーラーでは、アルコールではなくフロンガスを利用して、飼育水を冷却しています。
内部にフロンガスが詰められており、周囲の空気を取り込んで風のように当てて気化熱を発生させ、水を冷却しているのです。

この、『周囲の空気を取り込む』という作業が、水槽用クーラーの『吸気』に当たります。

さらに、この一連の仕組みを作動させるためには、圧縮した空気の力を動力とするコンプレッサーと呼ばれる装置が必要となります。
コンプレッサーが作動すると水槽用クーラー内で熱が発生するため、その熱を外に逃がしてやる必要があるのです。

この、『熱を外に逃がす』という作業が、『排気』に当たります。

もし吸排気が満足にできなければ、正常に作動しないどころか、逆に水温が上がってしまう可能性も考えられます。
スムーズに吸排気が行なわれるよう、風通しが良く、水槽用クーラーまわり20cm以上は何もない場所に設置しましょう。

■水槽台内に収納する場合について

水槽台の中に水槽用クーラーを収納する場合は、水槽台の側面に吸排気のための開口部を設けましょう。
実際に水槽台内に収納し、吸排気の位置に合わせて開口部を加工します。

また、ただの開口だと水槽台の中が丸見えとなってしまいますので、気になる場合は上の画像のように、ダクトルーバーと呼ばれる加工を施すのもおすすめです。
その場合はなるべく、隙間のある風通しの良い加工方法を選定してください。

実際設置して水槽台内に熱がこもる場合は、扇風機やファンを設置し強制的に換気しましょう。

■水槽台外に設置する場合について

水槽台の外に水槽用クーラーを設置する場合は、風通しが良く、周囲20cm以上は何もない場所に置くのが鉄則です。

特に本体の背面からは熱風が排出されるため、背面に壁がある場合はなるべく距離を取って設置をしましょう。

設置手順2:水槽用クーラーに使用するポンプを選定する

多くの水槽用クーラーは、飼育水を通水するためのポンプが必要です。

ここからは以下の手順に沿ってポンプを選定する方法を解説していきます。

  • 水槽用クーラーの「ポンプ流量」を確認する
  • 水槽用クーラーの接続方法を検討する
  • 適合するポンプをピックアップする

■水槽用クーラーの「ポンプ流量」を確認する

水槽用クーラーに接続するポンプを選定するために、まずは必要なポンプの流量を確認してみましょう。
ポンプの流量は水槽用クーラーの仕様書に記載されています。

例として『ゼンスイZC-100α』の仕様書を見てみると、ポンプ流量は5~15 L/minと記載がありました。
これはつまり、1分間に5~15Lの水を吐出できるポンプを使用するべきだということです。

水槽用クーラーの接続方法を検討する

水槽用クーラーは、オーバーフロー式と外部式フィルターで使用できます。
水中ポンプ、外部ポンプを使用した場合の接続方法と、外部式フィルターを使用した場合の接続方法を図でご説明します。

オーバーフロー式:水中ポンプで水槽用クーラーを使用する

ろ過槽に水中ポンプを設置し、飼育水を汲み上げて水槽用クーラーへ運びます。
飼育水を直接通すため、効率よく水を冷やすことができる接続方法です。

オーバーフロー式:外部ポンプ(循環ポンプ)で水槽用クーラーを使用する

主に海水魚のオーバーフロー式水槽に用いられる接続方法です。ろ過槽からくみ上げた水を冷却して水槽に戻します。外部ポンプは水中ポンプよりも場所を取るため、水槽台の中にスペースがない時には水槽用クーラーを外置きにすることがあります。

外部フィルターで水槽用クーラーを使用する

外部フィルターで汲み上げた水を水槽用クーラーで冷却して水槽に戻す接続方法です。外部フィルターで水を汲み上げるためポンプを用意しなくて良いのが利点です。ただし、水槽用クーラーを通すことでフィルターの流量が下がってしまうため、飼育生体にもよりますが、適合水量に余裕のあるフィルターの機種が推奨されます。

接続方法によって必要になるポンプが異なりますので、冷却効率やご自分の水槽の環境にあった接続方法やポンプ選びましょう。

もし接続方法に迷うようならば、筆者のおすすめは『水中ポンプを使用してろ過槽から水槽用クーラーに接続する』方法です。水中ポンプを使用することで、他の方法にはない以下のようなメリットが得られます。

  • ろ過槽内にポンプを設置するためスペースを節約でき、60cm水槽の水槽台にも納めやすい
  • ポンプのスペースを節約できる分、ろ過槽を大きくできる=ろ過能力が高められる
  • ろ過槽内に設置するので、ホースが外れても水漏れの可能性が減る

適合するポンプをピックアップする

ポンプ流量を確認し、設置方法を決めたら、今度は適合するポンプをいくつかピックアップしてみます。

試しにゼンスイ ZC-100αに適合するポンプを探してみたところ、以下のものが当てはまりました。
例として、水中ポンプを使用して接続すると場合におすすめな機種をピックアップしています。

  • エーハイム コンパクトオン1000(流量4~10L/min)
  • カミハタ Rio400(流量5.6~6.8 L/min)
  • カミハタ Rio600(流量6.8~10 L/min)
  • カミハタ Rio800(流量8~11.2 L/min)

このように適合するポンプの中でしたら、どれを選んでいただいても構いません。
ただし、筆者の場合でしたら『エーハイム コンパクトオン1000』か『カミハタ Rio600』の、どちらかで購入しやすい方を選びます。

理由は下記2点です。

  • Rio400は流量がギリギリなため、劣化し流量が少しでも落ちれば、水槽用クーラーの推奨流量に届かなくなる可能性が考えられること
  • Rio600と800を比較した際に、Rio600の方が価格が安いこと

このような点を参考にしていただき、ポンプを選定してみましょう。

設置手順3:水槽用クーラーへホースを接続し、通水する

水槽用クーラーを所定の場所に設置したら、配管を接続していきましょう。
ここでは、水中ポンプを使用しているオーバーフロー式水槽に、水槽用クーラーを接続する方法を実践例として写真付きでご紹介します。

■水槽用クーラー接続の実践例で使用した機種

  • 水槽用クーラー:ゼンスイ ZC-200α
  • ポンプ:エーハイム コンパクト600(水中ポンプ)

※エーハイム コンパクト600は現在生産が終了しています。後継機はエーハイム コンパクトオン600となり、流量が変更になっていますが接続方法はほぼ同じです。

ホースを接続する

ホースは適合する径のものならなら、お好みのものを使用できます。
実践例では、流量を極力落とさないために、防藻構造のホースを使用しています。

まず、水槽用クーラー上部に付属されているユニオンとガスケットを反時計回りに回して、外していきます。


次に、用意していた内径12mm/外径16mmのホースにユニオンとガスケットを差し込んでから、水槽用クーラー本体のチラーネジに奥まで差し込みます。


ガスケットを被せたら、ユニオンを時計周りに回ししっかり締めます。


水槽用クーラーのIN口に差し込んだホースをろ過槽内の水中ポンプまで伸ばし、適当な長さでカットしてポンプに接続します。
外れないよう、ホースを結束バンドで締めましょう。

OUT口のホースもろ過槽まで伸ばし、希望の場所でカットします。


 

水槽用クーラー本体に水温検知器があるため、ポンプやヒーターのサーモセンサーからはなるべく離して設置すると、効率良く水を冷やすことができます。
接続が完了したら、いよいよ通水を行います。

水槽用クーラーへ通水する

水槽用クーラーとポンプの電源を入れて、通水を開始します。
クーラー本体のユニオン付近から水が漏れていないか確認しましょう。

問題なく通水できれば、水槽用クーラーの接続は完了です。
オーバーフロー接続のように、塩ビ配管や塩ビボンドを使わないでもできるため、初めての方でも簡単にできる作業だと思います。

設置手順4:水槽用クーラーの温度を設定する

水槽用クーラーの設置やポンプとの接続が完了したら、最後に温度を設定しましょう。

ここでも、ゼンスイZCシリーズの設定方法を例に、画像つきで解説していきます。

温度の設定方法

ZCシリーズの場合、本体正面のUPボタンを5秒間押して数字が点滅したら、UPかDOWNボタンを押して任意の設定温度に合わせましょう。
ボタンから指を離して10秒ほど経過すると、水槽用クーラーが設定した温度を記憶します。

また、別売りのヒーター専用サーモスタットを使用する場合は、ヒーター用サーモスタットの設定温度を水槽用クーラー設定温度から1℃下げて設定しましょう。

水槽用クーラー設定温度が26℃の場合は、ヒーターサーモスタット設定温度は25℃にするということです。

メーカーにより水温検知に多少の誤差が出ますので、水槽用クーラーで冷やした適水温をサーモスタッドが誤感知して水槽用ヒーターが作動してしまう、という同時作動のトラブルを防ぐために行ないます。

念のため、日々のメンテナンス管理でも、水槽用クーラーと水槽用ヒーターが同時に作動していないか注意して確認しましょう。

万が一、同時作動があった場合、1℃の差幅でなく2℃に広げて様子を見るのがおすすめです。

おすすめの設定温度

温度設定ですが、高温に極端に弱い飼育生体がいない場合は、水槽用クーラーを26℃設定にしておくことをおすすめします。

本来は25℃に設定するのが一般的ですが、そこをあえて26℃にする理由は、水槽クーラーの稼働時間を抑え、なるべく長期的に使用するためです。

大まかな流れのご紹介でしたが、接続の基本はこのような手順です。

26℃に設定してもほとんどの熱帯魚には問題ありませんが、心配な方は以下の記事で高水温に弱い生体を解説していますので、確認してみてください。

まとめ:水槽用クーラーの設置方法を画像で解説!ポンプとの接続や温度設定方法

今回は水槽用クーラーの設置場所からポンプの選定、接続、温度設定の方法までを解説してきました。

水槽用クーラーは使用方法が難しそうでハードルが高く感じるかもしれませんが、ホースでポンプと繋いで設置するだけなので、初めての方でも簡単に使用を始めることができます。

海水魚やサンゴ飼育、高水温に敏感な熱帯魚など、ワンランク上のアクアリウムを楽しみたいときには水槽用クーラーは欠かせない機材です。
大切な飼育生体が一日でも長く快適に過ごせるように、まだ設置を悩んでいる方はぜひこの機会に水槽用クーラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

水槽用クーラーの接続について良くあるご質問

水槽用クーラーはどうしたら使用できますか?

水槽用のポンプか外部式ろ過フィルターが必要です。
水槽用クーラーは自ら水流を起こす機材ではありませんので、ポンプ機能を持つ機材と組み合わせて使用します。
そのため、水槽用クーラーを使用する場合は、オーバーフロー式か外部式のろ過方式で水槽を運用します。

水槽用クーラーを接続する際の注意点とは?

排気に気を付けることです。水槽用クーラーの排気は熱を含んでおり、設置場所の換気が不十分だと冷却力に影響したり故障の原因になったります。
熱がこもるような設置場所ではトラブルを起こす可能性があるので、水槽台に排気口を確保する・喚起をしっかり行うなどの対策を行いましょう。

水槽用クーラーをつけたら水流が弱まりました

水槽用クーラーにはポンプ機能がついていないため、接続することで水の動線に抵抗が生まれ、水流が減少傾向になります。
そのため、十分なパワーを持つポンプや外部式フィルターをあらかじめ選定しましょう。
また、配線や配管を工夫することで、水の抵抗を減らすこともできます。

夏以外も水槽用クーラーは接続したままですか?

海水魚など水温管理が重要な生き物には一年を通して水槽用クーラーを使用します。
水槽用ヒーターを併用しながら、常に同じ水温に維持して飼育します。
水槽用クーラーは初期費用は高いですがエアコンよりもランニングコストが安いなどのメリットもあり、飼育できる生き物の幅が広がります。

 

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
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