CO2添加の発酵式とは!簡単・電気を使わないCO2添加方法を解説のページ

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水草が繁茂する美しい水景に憧れてアクアリウムを始める、という方も多くいらっしゃるでしょう。

水槽内で水草を美しく育てるために役立つのが、CO2の添加です。

高圧ボンベを使用して、強制的に水中へCO2を送り込む方法が一般的ですが、初期費用が高く、ボンベ代などの維持費にも費用がかかります。また、器具類の接続方法も複雑で、初心者の方には手が出しづらい面もあるでしょう。

そこで、今回のコラムは器具の接続も簡単で電気を使わない発酵式のCO2添加について紹介します。

具体的なやり方や必要な材料、メリットとデメリット、発酵式がおすすめな水槽 からおすすめのCO2発酵式キットまで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにCO2添加の発酵式を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

発酵式のCO2添加と聞くと、難しそうなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際にはシンプルで、簡単に始められるCO2添加方法です。

初期導入・維持管理のコストも安価なため、CO2添加未経験の方もチャレンジしやすいでしょう。

「発酵式のCO2添加が気になっていた」「発酵式のメリットとデメリットが知りたい」という方にも、役立つ内容となっています。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、CO2添加の発酵式を解説します。

CO2の発酵式とは

発酵式のCO2添加は、コストパフォーマンスに優れており、初心者の方も手軽に始められます。

「発酵」という生物反応を利用しているため、予期せぬ事故などの心配も少ないでしょう。

CO2の発酵式について、具体的な仕組みと材料・設置方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

イースト菌を使ったCO2生成・添加方式

発酵式の仕組みは、イースト菌が糖分と反応した際に発生する二酸化炭素(CO2)を水槽に添加するという方法です。
CO2ボンベを使用する強制添加式(ボンベ式)よりも手軽で、初期費用も安価で導入できることから、根強い人気があります。

室温15度以上〜30度程度でイースト菌が活性化し、発酵が始まった直後が最大値で、時間の経過とともにCO2生成量は低下していきます。

イースト菌のコンディションは気温によって変化し、糖の消費スピードもそれに伴って変わるため、夏などは1〜2週間で作り直さなければならない場合もあるでしょう。メンテナンス頻度を抑えるためには、寒天を混ぜてイースト菌の反応を限定的にし、長持ちさせる方法も有効です。

発酵式と似た添加方法として、化学反応式というCO2の添加方法もあります。
発酵式はイースト菌と砂糖+ぬるま湯でCO2を生成しますが、化学反応式はクエン酸と重曹+水の化学反応を利用する方法です。

CO2発酵式のやり方

発酵式のCO2添加方法についての、具体的な材料や接続方法をご紹介します。

発酵式に必要なものや手順はシンプルなので、初心者の方もすぐにスタートできるでしょう。

CO2発酵式の材料

CO2を発酵式で発生させるための基本的な材料は、イースト菌、砂糖、炭酸水の500mlペットボトル、中栓、ぬるま湯、エアーチューブ、CO2拡散器です。

アクアリウムメーカー各社から発酵式に必要な材料がセット販売されているので、キットを購入すれば簡単に始められます。

CO2発酵式の接続方法

発酵式の接続方法はとてもシンプルです。用意したペットボトルと水槽をチューブでつなぎ、CO2拡散器を水中にセットするだけで完成します。

簡単にセットできますが、一定のペースで添加できるわけではないのでスピードコントローラーは使用できません。そのため、厳密に添加量を管理したい場合は、ボンベを用いた強制添加式がおすすめです。

また、電源を使用しないため、CO2添加の一時停止もできません。植物の光合成量が低下する夜間も変わらずに添加されるので、夜はエアーレーションを併用しましょう。

発酵式のメリット・デメリット

発酵式を検討している場合は、メリットとデメリットを理解した上で導入することが大切です。

CO2添加方法にはさまざまなスタイルがあるため、強制添加式や化学反応式などと比べながら検討しましょう。

メリット1:手軽な材料でコスパ良くCO2が作れる

発酵式の最大のメリットは、初期費用と維持費が非常に安いことです。

発酵式に用いる主な材料はイースト菌と砂糖であり、1週間〜1か月単位での定期的な交換が必要ではあるものの、継続の負担は大きくありません。

気温さえ維持できれば安定して添加できるため、他の方法と比べてもコスパの良い添加方式と言えるでしょう。

メリット2:省スペースで設置できる

発酵式は、500mlペットボトルなどを使用するため、大きなスペースを必要としない点も大きなメリットです。

高圧ボンベを使用する強制添加式では、外部フィルター並みの高低差が必要ですし、ボンベは基本的に縦置きしなければなりません。

発酵式の場合はそれほど圧力が大きくないため、横置きでの設置も可能です。

デメリット1:気温が低いと発酵が遅くなる

覚えておきたい発酵式のデメリットは、CO2生成量が気温に左右されてしまう点です。

容器の温度が15度以下になると発酵が遅くなり、CO2がほとんど発生しなくなります。

冬は室温を管理したり、ペットボトルにカイロを貼り付けるなどして、適温を維持しましょう。ただし、それでもCO2発生量は不安定である、ということも覚えておいてください。

デメリット2:入れ替え作業がやや手間

発酵が終わった中身(培地)は、その都度交換する必要があるため、維持に手間がかかる点もデメリットです。

イースト菌と砂糖の入れ替えは数週間〜1か月に1回ほどの交換頻度ではありますが、気温が高いと間隔が短くなるため、入れ替え作業がやや手間に感じる場合もあるでしょう。

発酵式がおすすめな水槽

GEX AQUARIUM グラステリア300キューブ 水槽3年保証フレームレス水槽W30×D30×H30cm 約24L

発酵式は、30cm〜45cm程度の小型水槽におすすめです。

それ以下のサイズの水槽では、CO2添加量を細かく調整できないため、水量に対してCO2が過剰になる恐れがあります。水中の生物がCO2中毒になる可能性があり、超小型水槽にはおすすめできません

また、発酵式は強力にCO2を添加できるシステムではないため、大型水槽にも不向きです。


おすすめのCO2発酵式キット

アクアリウムメーカー各社から、使いやすい発酵式システムがセット販売されています。

初心者の方も安心してスタートできる、おすすめのCO2発酵式キットを紹介しますので、参考にしてください。

GEX 発酵式水草CO2 スターターセット

ジェックス 発酵式水草CO2セット - - -

『GEX 発酵式水草CO2 スターターセット』は、手軽に発酵式を導入できる、初心者の方におすすめな定番キットです。

交換用の詰め替えパウダーや部品販売も充実しており、継続して使用しやすい点もおすすめですよ。

GEX BIO CO2

ジェックス BIO CO2 発酵式水草CO2システム 低圧システム 水草を強力育成 ディフューザー 水槽 二酸化炭素 水草成長 CO2発生

『GEX BIO CO2』は、特殊なステンレス製ボトルにより蓄圧が可能な発酵式システムで、発酵式の弱点の1つだった圧力の低下を解消できるアイテムです。

圧力を維持できるため60cmレギュラー水槽でも使用でき、レギュレーター付きなのでCO2吐出量も調整できます。

見た目もシンプルかつスタイリッシュなので、水槽周りもスッキリまとまるでしょう。

タイムストップ NEO CO2 50DAYS

タイムストップ NEO CO2 30DAYS

『タイムストップ NEO CO2 50DAYS』は、専用の培地で50日間CO2を添加できるキットで、自作するよりも長持ちなので交換頻度を抑えられます。

シンプルで使いやすく販売価格も安価なので、初心者の方も導入しやすい安心感のあるおすすめキットです。

まとめ:CO2添加の発酵式とは!簡単・電気を使わないCO2添加方法を解説

CO2添加の発酵式について解説しました。

発酵式とは、イースト菌と砂糖の発酵を利用したCO2の添加方法で、簡単にセットできて安価なため、初心者の方も安心して導入できるシステムです。電源も使わないので、水槽周りもスッキリまとまります。

発酵式のキットは自作もできますが、アクアリウムメーカー各社から専用キットが安価で販売されており、キットを購入するのもおすすめです。

多くの導入メリットがある発酵式ですが、気温が低いとCO2生成量が低下することと定期的な入れ替えが必要な点はデメリットとして覚えておきましょう。
また、基本的にCO2の添加量は細かく調整できないため、超小型水槽や大型水槽には不向きです。

CO2の添加方法は発酵式だけでなく、強制添加式や化学反応式などもあり、それぞれメリットとデメリットがあります。
コラムを参考に、どの添加方法が最適なのか、ぜひいろいろと検討してみてください。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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