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ドクダミは、建物の陰や少し湿気のある場所を好んで自生する野草です。
独特の香りがあり、ドクダミ茶などにも用いられる日本固有種ですが、実はドクダミは水槽で育成できます。
今回のコラムでは、ドクダミを水槽で育成する際のポイントと、ドクダミ以外にもアクアリウムで活用できる野草をご紹介します。
また、これらの植物を水中で育てる際の注意点についても解説しますので、水草育成の楽しさや興味深さを知るきっかけにしてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにドクダミや野草は水槽で育てられるのかを解説
このコラムは、東京アクアガーデンのスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
私たちの身近にあるドクダミや野草ですが、時にはその繁殖力から厄介な雑草として扱われてしまうこともあります。しかし、種類によっては水中で育成できるなど、アクアリウムの楽しみ方を広げてくれる植物でもあるのです。
コラムを参考に、水槽で育てられる野草を見分けられるようになれば、田んぼのあぜ道、庭などに生える雑草を見る目が変わるかもしれません。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ドクダミや野草は水槽で育てられるのかを解説します。
ドクダミは水中化すれば水槽で育成できる
『ドクダミ』は、可愛らしいハートの形をした葉や美しく可憐な白い花から、近年人気が急上昇している野草です。
ガーデニングはもちろん、抽水植物としても育成できるなど、幅広い環境で楽しめることから注目されています。とても強健で繁殖力も旺盛なため、植物を育てるのが初めての方でも、安心して育てられるでしょう。
このようなドクダミを、探求心から「水槽でも水草として育成できないのか?」とチャレンジするアクアリストもいるのです。そして、結果的にドクダミの水中化に成功して、水槽で育てている方もいます。
「ドクダミは水中化すれば水槽で育成可能」というニュースは、日本に自生する野草の、新しい可能性を感じさせてくれますね。
ドクダミの仲間である水草もある
北米原産の「サウルルス」という名前で流通している水草は、実はドクダミの仲間です。
日本のドクダミと同じく、独特の芳香があり、葉の質感や形も良く似ています。
サウルルスの葉は深い緑色ですが、『レッドサウルルス』という赤みの強い水草があります。レッドサウルルスは、日本で良く見かけるドクダミと、葉や茎の赤色がそっくりです。
しかし、野草のドクダミをいきなり水槽に入れ水中化させるのは、難易度が高いでしょう。その点、もともと水草として流通している種類であれば、手軽に水槽に導入して楽しめます。
可愛らしいハート型の葉を気軽に楽しみたい方は、サウルルスやレッドサウルルスがおすすめです。
ちなみに、サウルルスは水草として古くから親しまれていますが、アメリカハンゲショウという別名があります。
近縁種である『半夏生(ハンゲショウ)』は日本の水辺に自生するおなじみの野草で、こちらもドクダミの仲間です。
ビオトープでも育成できる
ドクダミは湿度を好むため、水辺の抽水植物としても育成できます。
ビオトープで育成する方法は、ドクダミを完全水中化させるよりも簡単で、アクアリウム初心者の方もチャレンジしやすいでしょう。
ドクダミの根が水に触れる程度の場所に植えてあげれば、初夏には白いきれいな花を咲かせる様子も観察でき、観賞性も高いですよ。
人気の高まりとともに、改良品種の八重咲きドクダミや斑入りドクダミなど、さまざまなバリエーションのドクダミが流通しています。
色々なドクダミを、好みに合わせて選ぶのも楽しいです。
ドクダミ以外にも!水草になる植物とは
身近なドクダミが水草として育成できると聞くと、自生する他の植物も同じように水槽で育てられるのではないか、と可能性が広がりますよね。
そこで、ドクダミ以外にも水草になる植物の、見分け方と実例をご紹介します。
水中葉と水上葉がある植物は水中育成が可能
植物の中には、水位の変化に対応するために、水上葉・水中葉を切り替えられるものが多く存在します。
このような植物は、田んぼのあぜ道や河川の土手などに自生していることが多く、季節によって水上化・水中化を繰り返すのです。
日本に自生している身近な植物も、水中葉に切り替わる植物であれば、水草として水槽で育てられます。
水草として有名なところでは、ロタラの仲間は水上葉と水中葉がしっかりと切り替わるため、水上・水中のどちらでも育成可能です。水上葉から水中葉に切り替わる過程で、一度水上葉は枯れてしまいますが、水中に適応して根や葉を新たに展開していきます。
水草水槽立ち上げ方法の1つである「ミスト式」は、この切り替えを活用した定着方法です。湿度の高いミスト状態で、水上葉をしっかりと環境に定着させてから水を入れるため、安定した水中葉が展開していきます。
水草として育てられる植物例
水中葉と水上葉が切り替わる水草は、環境変化への適応能力が高いため、水草としても育てやすいのが特徴です。
ここでは、水草として育てられる植物例をご紹介します。
なお、自生している植物を育てる場合には、必ず土地の管理者や所有者に確認してから採取するようにしてください。
ミズハコベ
『ミズハコベ』は、日本の河川や田んぼに自生する1年草ですが、水中化することで多年草になります。
明るい緑色をした葉は観賞性が高く、水槽でも美しい群生を見せてくれる水草です。
アクアリウムでは南米産ミズハコベが流通しており、定期的な水換えを行うことによって、前景から中景を草原のように埋め尽くしてくれます。
ウォーターマッシュルーム
『ウォーターマッシュルーム』は、水生植物としてビオトープなどに良く採用される、ウチワゼニクサという和名も持つ水草です。水中化することで越冬できる、といったメリットがあります。
丸い葉はとても可愛らしく、濃い緑の葉は水景に彩りを加えてくれるため、メダカの飼育に特におすすめです。
キカシグサ
『キカシグサ』は、日本や中国、インドなどに広く分布している抽水植物です。強靭な野草として知られており、田んぼのあぜ道や湿地帯に自生しています。
アクアリウムではロタラ・インディカとして流通している場合があり、水上葉から水中葉への切り替えも容易です。
植物を水中で育てる際の注意点
水上葉から水中葉に切り替わる植物は水槽でも育成できますが、やはり注意が必要なポイントもあります。
ドクダミや野草を水中で育てる場合の注意点について解説しますので、参考にしてください。
長く育成できないこともある
野生のドクダミは水中化できるとはいえ、水槽の中で美しい姿を長持ちさせるのは難しいでしょう。
ドクダミは本来ジメジメした陸上を好んで自生しているため、水槽内での飼育は水中に沈んでも生き延びている、といったイメージです。
そのため、水草として長期間楽しみたい場合は、最初から水草として販売されているサウルルスを購入するのがベストでしょう。
ドクダミのように水草として取り扱われていない植物は、水中では長く育成できないこともある、という点をあらかじめ理解しておきましょう。
水槽用照明の選定が大切
野外に自生している植物は、太陽光を直接浴びて成長しています。
そのため、室内の水槽で水中化させるためには、強力な水草育成用の照明が必要です。また、植物育成用の照明を活用するのも良い方法でしょう。
ただし、まだ定着していない植物に強い光を当ててはいけません。新芽や発根が確認できるまでは、少し弱めに調整し、環境に慣れてきたら強めの光を当てるようにしてください。
また、液肥やCO2添加など、光合成を促す水草育成設備があると、より育てやすくなります。
まとめ:ドクダミや野草は水槽で育てられるのか?水草になる植物の特徴を紹介
日本に自生しているドクダミは、水槽でも水草として育てられる植物です。
ドクダミ以外にも、田んぼのあぜ道や川沿いに自生するミズハコベ、キカシグサなどの野草は水中で育成できます。
これらの植物は、環境変化に合わせて水上葉と水中葉を切り替えを行うなど、適応能力が高く強健な種類が多いのが特徴です。
なお、本来陸上で自生しているドクダミや野草を、長期間水中で育成することはなかなか難しいものです。ドクダミに良く似たサウルルスを購入したり、強めの水槽用照明を用意したりすることで、植物を水中で育てる楽しみ方が広がります。
ドクダミをはじめ、身近な野草を水槽で育てられる可能性があるため、コラムを参考にぜひ足元や周囲を良く観察してみましょう。
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