
エコなアクアリウムで目指す環境にやさしい・サステナブルな熱帯魚飼育
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家庭で楽しむアクアリウムというと、珍しい魚の飼育に挑戦したりインテリアとしてのクオリティを高めたりといったことを目的にする方が多いです。
そんな中、近年は水槽を維持するための電気や資源をできるだけ節約して、環境に優しい水槽を目指す『エコなアクアリウム』が注目されています。
SDGsなどの取り組みがメディアで取り上げられて、温暖化や自然保護への関心が高まる昨今、熱帯魚飼育でもサステナブルを意識してみませんか?
本記事では、環境負荷を減らしながらアクアリウムを楽しむコツや、プロのアクアリストが厳選したエコなアクアリウム用品をご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにエコなアクアリウムについて解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
自然をテーマにしたアクアリウムとエコは実はとても相性が良いです。
少しの工夫でエコで地球に優しく、アクアリウムを楽しむことができますので、できることから始めてみませんか?
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、エコなアクアリウムについて解説します。
エコなアクアリウムとは?
エコなアクアリウムとは、環境に配慮して電気や水の消費を抑えつつ、魚や水草が健康に育つ環境を整えていく今注目の水槽管理スタイルです。
アクアリウムは美しい熱帯魚を鑑賞したり、幻想的な水景を自宅に再現したりできるのが魅力ですが、この水槽を維持するためにはろ過フィルターや水槽用ヒーター、水槽用照明などの機器を常時稼働させなければならず、電力や資源の消費が避けられません。
しかし、アクアリウムとは自然を慈しみながら水景を楽しむのが本来の姿であるはず。
そこでエコなアクアリウム作りが、にわかに注目を集めています。
電気や水の消費を抑えたアクアリウム
アクアリウムで電気や水の消費を抑えるには、機材の選び方がとても大切です。
例えば省エネ性能の高いLED照明は、通常の照明に比べてかなり電気を節約できます。
ろ過能力の高いろ過フィルターに変えれば、水換えの回数を減らせて水の消費を抑えることが可能です。
電気や水の節約は、すなわち電気代や水道代の削減にもつながります。最近はエネルギーの高騰により電気代や水道代が軒並み値上がりしているため、こうしたエコなアクアリウムを実践して負担を減らそうという動きが加速しているのでしょう。
もちろんやり過ぎは禁物で、飼育している生き物や水草に影響が出ない範囲で工夫をするのを第一としてください。
すべてを一気にエコ仕様へ切り替えるのは大変ですので、まずは照明の時間帯を見直すなど、できる範囲から始めてみるのもおすすめです。
自然の力を取り入れたアクアリウム
水草やバクテリアの働きを高めて、自然の浄化作用を最大限に活かすというのも、エコなアクアリウムの一つの考え方です。
自然環境では、生き物が出したフンや汚れをバクテリアが分解して硝酸塩に変えてくれます。次に水草が硝酸塩をエネルギーとして吸収して光合成を行い酸素を生み出し、生き物やバクテリアは水草が生み出した酸素をエネルギーとして活動します。
この自然なサイクルは、環境を整えれば水槽内でもいわゆる生物ろ過として機能します。
特に屋外のビオトープなどでは、水草やバクテリアの活動が活発になりやすいので、ろ過フィルターに頼らずに、自然の浄化力だけで水中の環境を健全に保つことが可能です。
また、水草は光合成の際にCO2も吸収してくれるため、CO2削減という点からも環境に優しい第一歩として取り組む価値が十分にあるでしょう。
環境に優しいアクアリウム用品5選
エコなアクアリウムを実践する上で大切なのが、機材やアイテムの選び方です。
ここでは、自然環境に優しいアクアリウム用品を5つご紹介します。
使用するアイテムを変えて上手に活用することで、サステナブルな飼育スタイルに近づくことが可能です。
1:省エネタイプのLED照明
電気の節約を考えたときに一番手っ取り早いのが、省エネタイプの機材に変えることです。
中でもLED照明は機種によって消費電力を大幅にカットできるので、エコなアクアリウムを目指すならばぜひ活用したいアイテムの一つ。
購入費用は少々高めですが、 長寿命で頻繁に交換する必要が無いので長期的見ればコスパが良いです。
熱がこもりにくいので水温の上昇を抑えられて、夏場の水槽用クーラー稼働を減らせるケースもあります。特に90cm以上の水槽では、省エネタイプのLEDの効果を実感しやすいでしょう。
様々なカラーを再現できるマルチカラータイプならば、タイプの違う水槽にも流用しやすいのでエコに使い続けられます。
2:バイオボールやセラミックリングなどの高性能ろ材
ろ過装置の心臓部ともいうべきろ材は、エコを考えるならば耐久性が高い素材を選ぶのが良いです。
ろ材は使用を続けていくうちに汚れたり形が崩れたりするため、定期的に交換が必要ですが、交換のたびにバクテリアが減少してしまうのが難点。またゴミが増えるのも悩みどころです。
そんなとき、機能性と耐久性を備えたろ材ならば、交換の頻度を下げられて無駄なく長い期間使用を続けられます。
表面積が広いバイオボールやセラミックリングは、有害物質を分解するバクテリアが棲みつきやすく、素早く水質を安定させられるおすすめの素材です。
近年は丈夫で軽量なタイプが増えており、長期に渡って使用がしやすくなりました。
ろ材は、水槽が大型になるほどコストがかさむので、耐久性が高いのは魅力的ではないでしょうか。
ろ材を交換せずに済めばバクテリアの減少を抑えられて、水質が安定しやすくなります。結果的に水換えの頻度を減らして水の消費量を削減できますし、排水が減れば下水の処理負荷を軽減することにもつながるので、ろ材の耐久性にも注目してみましょう。
3:ソーラーパネル対応のエアポンプ・フィルター
ベランダや庭先などの屋外でビオトープを楽しむ方におすすめなのが、動力にソーラーパネルを使ったエアーポンプやろ過フィルターです。
ソーラー式で不安なのが、雨の日や夜間などの日差しが無い時間帯に機材が停止してしまうのではないかというところですが、最近は蓄電池を備えた日差しや時間帯に関わらず安定して稼働を続けられる製品が増えてきています。
もちろん、晴れの日には電力がほぼかからないので、とてもエコです。
ソーラー式の機材は屋外に電源が無い環境でも使用できるので飼育環境の構築に最適ですし、エアレーションをすることで水をきれいにするバクテリアの働きが活発になり、さらにエコな飼育に近づけることができるでしょう。
現在のところ寿命は製品によってまちまちではありますが、エコという観点ではこれから期待したいアクアリウム用品です。
4:自然な素材を使ったアクアリウム用品
近年はSDGsの考えから、環境への負荷が少ない素材で作られたアクアリウム用品が注目されています。
例えばメダカの産卵床は、棕櫚(シュロ)などの天然素材の製品が人気です。
植物由来のアイテムは、使用後に留め具などを外してよく乾燥させれば可燃ごみとして廃棄できるのもポイント。
環境にかける負荷を減らすことができる、まさにエコなアイテムと言えるでしょう。
5:オーガニック原料のフードや添加剤
化学合成成分を抑えたオーガニックフードや天然由来の成分でできた液肥などは、水換えの時に出る排水に含まれる化学物質が少ないので、環境へかなり配慮された製品と言えるでしょう。
飼育面でいうと、水質や魚への効果は緩やかですが生き物の体に負担を掛けずにすむので、本来の健康な姿を鑑賞しやすいのではないかと感じます。
飼育水が着色しないのもメリットです。
サステナブルな飼育を続けるために
エコなアクアリウムを実践しようとする心がけはとても素晴らしいものです。
しかし、無理に押し通して、飼育者や飼育している生き物の負担になってしまったら継続が難しくなってしまいます。
サステナブルな飼育は一時だけでは成り立ちません。一つ一つは小さなことでも続けていくことで、本当の意味でのエコに繋がるのではないでしょうか。
すぐに実践できるエコな水槽管理ポイント
機材やアイテムを変えることでエコなアクアリウムが実行できるとお話してきましたが、普段何気なく行っている水槽管理にも、意識したいエコなポイントがあります。
例えば、大量に水を消費する水換えは環境負荷の大きな要因ですが、ろ材や水草の浄化効果で水質を安定されたり、魚の飼育数を少なめに保ったりなどすることで、水換えの頻度を大幅に下げることができます。
また、
- 水槽用ヒーターの設定温度を魚が快適に過ごせる範囲で低めにする(25~28℃が適温ならば25℃に設定する)
- 自然光を取り入れて照明の点灯時間を短縮する
といった工夫もエコなアクアリウムに有効です。
このような水槽管理で意識できるポイントは、お金を掛けずにすぐに実践できるものばかり。続けやすい所から軽い気持ちでチャレンジしていくのが継続していくコツと言えます。
ただし、エコ=節約だけを目的とするのではなく、自然の力を積極的に利用して生態系を整えるという基本的な視点は忘れないようにしましょう。
まとめ:エコなアクアリウムで目指す環境にやさしい・サステナブルな熱帯魚飼育
エコなアクアリウムは、環境に配慮しながら熱帯魚との暮らしを楽しむ新しい飼育スタイルです。
近年高騰を続ける水道代や電気代の節約にもつながるため、サステナブルな飼育を取り入れてみてはいかがでしょうか。
代表的なのは、省エネタイプのLED照明や高性能なろ過フィルター・ろ材、ソーラーパネル式のエアポンプなどの機材を導入する方法です。コストはかかりますが、消費エネルギーや水の使用量を確実に削減できます。
水質を維持するには、水草や硝化バクテリアが持つ自然の浄化作用を最大限に活用するのも良い方法です。
また、水槽管理の面では水槽用ヒーターの設定温度を見直したり、自然光を取り入れて照明の稼働時間を減らしたりといった工夫をするのも良いでしょう。
いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずはできる範囲から少しずつ取り入ることで、地球にも生き物にも優しく飼育者にもサステナブルなアクアリウムを実現できます。
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