
水槽のろ過槽を自作したい!素材と構造・層数のポイントなどを解説
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水槽にろ過槽は、市販品を購入するかオーダーメイドで作製するのが一般的ですが、意外と思い通りのものが見つからないという話を耳にします。
市販品は流通量が多く入手が簡単なのが強みですが、サイズや形状がある程度決まっているため、設置してみたら微妙に合わ無かったということが起こりやすいです。
一方オーダーメイドならば希望に合わせて細かい仕様まで指定することができますが、こだわればこだわるほど高額になってしまいます。
コストを掛けずに水槽にぴったりのろ過槽を用意したい…そんなときは、ろ過槽を自作してみてはいかがでしょうか。
ろ過槽作りなんて難しそうと思われるかもしれませんが、実はポイントさえ押さえれば、ホームセンターで手に入る素材を使って誰でもろ過槽を作ることが可能です。
このコラムでは、水槽のろ過槽を自作する方法として、素材選びや構造のポイントなどをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽のろ過槽を自作するポイントを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽のろ過槽は飼育している魚や水槽のろ過スタイルなど様々な要因によって、最適なものが変わります。
市販品やオーダーメイドで用意するのももちろん良いですが、こだわり派の方ならば自作してみるのもおすすめです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽のろ過槽を自作するポイントを解説します。
ろ過槽自作のメリットと基本ポイント
ろ過槽を自作するのは少し手間がかかりますが、その分既製品にはないメリットが満載です。
ろ過槽の設置を考えているならば、ぜひ自作も視野に検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、ろ過槽を自作するメリットや基本的なポイントをご紹介します。
自作ろ過槽ならではのメリット
ろ過槽を自作する大きなメリットは、
- コストを抑えられる
- カスタマイズがしやすい
の2点が挙げられます。
まずコスト面では自作する場合、予算に合わせて素材や大きさを自分で選べるため、市販品やオーダーメイドに比べてかなり安く製作することができるでしょう。
お金をかけて丈夫に仕上げたほうがよい部分、簡易的に仕上げても問題ない所を切り分けて材料を用意していくと、使い勝手とコスパの両立ができます。
また、水槽のレイアウトや飼育している生体に応じて、容量や構造を自由にカスタマイズできるのも自作の大きな魅力です。
作製する時点の仕様に合わせられるのはもちろん、将来的に水槽をグレードアップを考えたときにも自作であれば柔軟に仕様を変更できます。
例えば、ろ材の種類を増やしたいとなった場合、層を増やすなどの対応が可能です。
自分で作ったろ過槽ならば構造をしっかり把握できるので、メンテナンスが必要になった際も修理やパーツ交換がスムーズに行えるでしょう。
自作する際におさえておきたい基本ポイント
ろ過槽を自作する上で、一番不安に思うのが安全性についてではないでしょうか。
確かに接続が甘かったり構造が間違っていたりすると、せっかく作ったろ過槽もうまく機能しない可能性があります。
ここからは、ろ過槽を自作する上で押さえておきたい基本的なポイントをご紹介しますので、確認してみましょう。
水漏れ対策や安全性の確認はしっかり行う
自作ろ過槽で心配な水漏れのリスクを回避するには、材料選びと施工がとても大切です。
まず、ろ過槽の本体になる容器は十分な高さと強度を持ったものを選びます。ろ材を詰めると内部の水圧が高まって破損することがあるため、しっかりとした板厚で作られているのが条件です。
設置前には必ず水漏れテストを行い安全を確認してください。
また、ろ過槽の中をセパレーターで区切って層を作るときは、一度仮止めをして水の流れに問題がないかをチェックしましょう。
構造を誤ると水があふれる原因になりますので、確認してから本固定をすると失敗を防げます。
配管やホースは、塩ビボンドとコーキング剤を使ってしっかりと固定し、さらにホースバンドで抜け落ちを防止しておくと、かなり強度が増します。
最後に、万が一水が漏れてしまったときに備えて、ろ過槽の下に受け皿や防水シートを敷いておくなどの安全対策も行いましょう。
ウールボックスは必須
ろ過槽の構造で必ず取り付けていただきたのが、ウールボックスです。
ウールボックスはウールマットを敷き詰めて落水地点に設置するもので、飼育水のゴミや汚れを物理的に取り除いてろ過槽本体に混入するのを防いだり、落水をコントロールしたりといった重要な役割を担います。
大きさはろ過槽全体の1/3程度を目安に、市販のプラスチック製のカゴや小型のプラスチックケースを加工して作るのが簡単です。
メンテナンス性の高さも重要
長期的に使用を続けることを考えると、メンテナンスがしやすい構造にするのも良いでしょう。
例えば、開口部を広く設ければ掃除の時に中までしっかり手を入れて掃除ができますし、ろ材の取り出しも簡単です。
また、フタが取り外しがしやすいというのも意外と重要で、作業の時の細かなストレスが軽減されるので、定期的なメンテナンスもしやすくなります。
ろ過槽のフタは、水の蒸発や撥ねを防ぐ役割もあります。ろ過槽の開口部に合わせたサイズのフタを必ず乗せておきましょう。
工夫次第で安価なアイテムも使用可能
コストを抑えてろ過槽を作りたいときは、安価な素材を組み合わせていくのがおすすめ。このようなときに役立つのが100円ショップです。
例えば、100均で販売されているプラスチック製カゴや、虫かご、タッパーは、底面に穴を開けるなどの加工をすればウールボックスとして使用できます。サイズ展開が豊富なので、ろ過槽のサイズに合わせたものを用意するのにもぴったりです。
最近は、アクリル板やプラダンなどろ過槽作りに使えそうな素材がどんどん増えています。仕切りに使う程度ならば、5mm程度の薄めのアクリル板でも十分なので、一度100円ショップを覗いてみてはいかがでしょうか。
ただし、部品を接着する時に使うコーキング剤などは、成分や強度に不安があるため、実績のあるメーカーの製品を使うことをおすすめします。
ろ過槽に使用できる容器の選び方
ろ過槽の本体として使用する容器には、いくつかの選択肢があります。
使用する素材によってコスト、耐久性、ろ過能力などが変わってくるので、理想に合わせたものを選びましょう。
ここでは、ろ過槽として使用する容器の選び方について解説します。
素材別の特徴と注意点
自作のろ過槽は、基本的に市販の容器を組み合わせて作り上げていきます。その方が水漏れの心配が少なく丈夫だからです。
ろ過槽の本体の容器として候補になるのが、
- プラスチック製のコンテナ
- アクリル水槽・アクリルケース
- ガラス水槽
- 塩ビ製容器
の4種類で、それぞれ素材ごとに特徴があります。
プラスチック製のコンテナ
プラスチック製のコンテナやボックスは、一番安価で軽量な上に加工がしやすいので、コストを抑えたいときや加工にあまり自信がないときにおすすめの素材です。
サイズが豊富でフタ付きの製品も多いので、ほとんどそのままで使用できるのもメリット。
ただ、薄手の製品は強度不足でゆがみやひび割れが生じることがあるため、劣化が見られたら交換するなどの対策が必要でしょう。
アクリル水槽・アクリルケース
アクリル水槽やアクリルケースは透明度が高く、内部のろ材や水の流れが見やすいことが利点です。
しかし、加工には専用の道具や接着剤が必要で、プラスチック製品より扱いが難しいことも。傷がつきやすく、価格が高めである点もデメリットです。
ガラス水槽
ガラス水槽は重量があるため安定性が高いのが魅力ですが、重くなりやすいので、水槽を含めた総重量と床の耐荷重を確認する必要があります。また、ガラスも穴あけなどには特殊なツールが必要で加工が難しいです。
塩ビ製容器
塩ビ製は軽量で頑丈ですが、加工の手間がかかるため、自作するにはあまりおすすめはできません。
ただ、塩ビはオーダーメイドでは定番の素材で、東京アクアガーデンのオーダーメイドろ過槽でも塩ビ製が人気です。
ろ過槽の構造を説明したページです。ろ過槽のオーダーメイド制作も、設計から承ります!水槽にぴったりのろ過システムを構築いたします。
サイズ選択のポイント
ろ過槽のサイズは、水槽の横幅の約2/3程度が目安です。
例えば90cm規格水槽(W90×D45×H45cm)にろ過槽を設置する場合、横幅60cmの容器がろ過槽に適しています。
ただ、目安はあくまで目安で、実際は収納スペースとの兼ね合いでサイズを決めることも多いです。
水槽用クーラーなどを設置している場合は特に、キャビネット内の空きスペースを量ったうえで設置可能なろ過槽のサイズを計算しましょう。
限られたスペースを有効に使うため、配置を具体的にイメージすることが大切です。
また、飼育する生体の種類や数によってハイスペックなろ過システムが求められる場合は、ろ過槽も目安より大きくする必要があることもあります。
ろ材の種類や量、ろ過槽の層数なども考慮しながら、十分なろ過性能を確保できるサイズを選んでください。
自作ろ過槽の層数について
ろ過槽は層数によって、入れられる機材やろ材の数が変わります。
一番基本的な構造が、
②ポンプ室
の2層で、飼育スタイルによってはこれだけでも十分なろ過能力を確保できます。
より効率的なろ過を目指すならば3層構造がおすすめで、
②ろ材2
③ポンプや機材
というように複数種類のろ材や機材を配置できます。また、水槽の状況に合わせて中に入れるろ材の量や機材の種類を変更することも可能。例えばプロテインスキマーを設置したり、ポンプ室に水槽用ヒーターを入れて水槽内のスペースを広くしたりといった、カスタマイズができるのも魅力です。
上底はメンテナンス性の向上に効果的
沈殿した汚れを掃除しやすくするため、ろ過槽の底には上底(スノコ)の設置が推奨されています。
上底にはパンチング板という、安定性と耐久性が高い無数の穴が空いたを使用するのが一般的ですが、値段が高めなのがネック。コストを抑えて自作したいときは、浅めのプラかごを裏返して設置するという方法もおすすめです。
上底がなくても運用は可能ですが、設置することでメンテナンス時のストレスがかなり軽減されます。工夫をしながら、自分に合ったろ過槽を作り上げていきましょう。
まとめ:水槽のろ過槽を自作したい!素材と構造・層数のポイントなどを解説
ろ過槽を自作するメリットや基本的なポイント、おすすめの構造などを解説しました。
コストと機能性のバランスが取れた理想のろ過槽が見つからないときは、ろ過槽を自作するのがおすすめです。
身近な素材を使って低コストで作製できるため、水槽の仕様にぴったりのろ過槽を手に入れることができます。
長期運用で水槽の状況が変化した時にも、自作ならば変化に合わせてカスタマイズできるのもメリットです。
また自作ろ過槽で大切なのは安全性の確保です。素材選びから始まり、設計、接着・固定としっかりと考えて制作しましょう。
万が一水漏れした際の対策もあわせてしておくとより安心できます。
自作をするのは、作る過程も楽しいものです。ぜひ自分好みのろ過槽を作ってみてください。
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