
アクアリウムの数値を測ろう!水質・照明などの単位と意味を解説!
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アクアリウムを運用するときには、さまざまな単位が登場します。
W(ワット)など、日常生活でおなじみのものから、ちょっと聞きなれない用語まであります。
水槽機材のパッケージなどにも記載されており「この単位は何を意味して、どうしてアクアリウムに必要なのか?」と興味を持っていただいた方に、アクアリウムの科学用語、単位、測定方法などについて紹介します。
安定したアクアリウム運営のために正しい知識とより深い見解を持っていただけたらと思います。ぜひご一読ください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにアクアリウムの単位を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽用照明などの機材を購入すると、Raやlmなどの専門用語的な単位が記載されています。
しかし、具体的にその数値がなんなのか、そして高ければ良いのか?低い方がいいのか?など、アクアリウム初心者の頃はわかりにくいものです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アクアリウムでよくある数値や単位などの意味を解説します。
水質に関する単位とそれぞれの意味
まずは水質に関係する単位、用語、それぞれの意味について解説します。
pH(ペーハー、ピーエイチ)とは
pHとは水の「酸性度、アルカリ性度」を示す数値です。0~14までの数字で表現され、7よりも小さい数値だと酸性(数字が小さいほど酸性度が高まります)、7よりも大きい数値だとアルカリ性(数字が大きいほどアルカリ性度が高まります)、7.0が中性という表現です。
pHという単位は、以前は「ペーハー」と発音されていましたが、現在では「ピーエイチ」が正式な発音となっています。
ドイツ語読みから英語読みに統一されたため、発音が変更になりました。しかし、単位の意味自体は変わっていません。
アクアリウムで飼育される生体や水草は、それぞれ好みのpHがあります。
淡水魚は基本的に弱酸性を好むものが多いですが、弱アルカリ性が好きという生体もいますので、各種類の特徴を知ってpHを調整してあげるのが一番良い飼育方法です。
アクアリウムのpHを調べたい時は、試験薬などを使うと良いでしょう。
NH3(アンモニア)とは
NH3(アンモニア)は、生体の排泄物や生体の死骸、水草の枯れたものなどから発生する物質です。
主に設置したての水槽や隔離水槽など、バクテリアの働きがない環境で検出されます。
数値としては0が望ましいほどに、生体にとってはかなり強い毒ですので高濃度になりすぎないように注意してましょう。
尚、NH3(アンモニア)は水に溶け込むと水をアルカリ性に傾ける性質もあります。水質を調整していないのにアルカリ性傾向があったら、水換えを行いましょう。
『6in1』など複数の数値を調べられる試験紙を使うと、アンモニアだけでなく亜硝酸濃度、硝酸濃度も一度に調べることができますので、便利です。
HNO2(亜硝酸)とは
NHO2(亜硝酸)はアンモニアが硝化菌によって変換された物質です。
アンモニアに比べれば毒性は低いですが、濃度が高くなると生体にとってはかなり有害です。こちらも水質検査薬などでモニタリングしましょう。
生体を飼育している以上アンモニアはかならず生まれますが永遠に増え続けるわけではありません。
自然界には有毒なアンモニアを分解してくれるバクテリア(微生物、細菌)がいるからです。
水槽内にそういったバクテリアが多く棲みついてくれると、アンモニアを分解してくれます。
NO3-(硝酸塩)とは
NO3-(硝酸塩)とは、上の項で説明した「NHO2(亜硝酸)」がバクテリアによってさらに分解されたものです。
硝酸塩は水草や植物の養分になりますが、コケ(藻類)の発生原因でもあるため水換えで排出しましょう。
また、硝酸塩がたまると水質が酸性傾向になり、コケ取りでおなじみの巻貝などの生体には悪影響を与えます。
定期的な水換えや掃除でpHに注目しながら水質管理を行いましょう。
KH(炭酸塩硬度)とは
カルシウム、マグネシウムと炭酸の結合度合いを示した数値です。
この数値も生体を飼育するのに望ましい範囲があり、5~10°dKHが良いとされています。この数値を大きく外れないようにしましょう。
試験薬などで数値を測定することが可能です。
GH(総硬度)とは
水の硬さを示す数値で理想値は4~6°dGHです。
水にカルシウムやマグネシウムが多い場合、「硬水」と呼びます。
日本の水道水のほとんどは「軟水」と呼ばれ、生体の飼育に向いていますが、中には硬水の地域もありますので調べると安心です。
TDS(総溶解固形分)とは
水の中に含まれているミネラルの量を示す数値です。
水道水のカルキを抜いて水槽に使う方が多いですが、住環境によってTDSの値が変わってきます。
水換えをしないと蒸発によって水だけが失われ、TDSの数値が高まります。
TDSは水換え時期を知るための数値の一つと言えるでしょう。
比重とは
比重とは「比べた重さ」という意味そのもので、純粋な水に比べてどのくらい重いかを示す数値です。
意識するのは海水水槽の海水を調整する時がほとんどではないでしょうか。海水水槽の海水比重は1.024~1.025が一般的な範囲とされています。
ここで注意したいのは、「水は温度によって体積(=かさ)が変わる」ということです。水は冷たい時は体積が小さく、温かい時は大きくなります。よって、水槽用の海水を調整する時は「飼育したい水温で」調整することが大切です。
塩分濃度とは
水の中に含まれる塩分の濃さを示す数値です。この数値は水温が変化しても変わりませんので、そこが比重と異なる点です。
「比重じゃなくて塩分濃度を測定して海水を調整すればいいのでは?」と考えられますが、塩分濃度は比重よりも、正確な測定がやや手間です。
比重の測定は「重さを比べる」だけなので比較的簡単に行えます。
そのころから、家庭での海水調節は比重計を使うことがほとんどなのです。
照明・機材に関する単位とそれぞれの意味
W(ワット)とは
アクアリウム用品におけるW(ワット)は、消費電力を示しています。
日本の家庭に送られてくる電気のほとんどは100Vで、W(ワット)を見ることで電流(A、アンペア)をどのくらい使用するかという目安に使うことのできる数値です。
W(ワット)が小さいほど、省エネルギーな機器であると判断できます。
A(アンペア)とは
1秒間に流れる電流の量を示す数値です。
一度に使用できる機材の上限であり、ブレーカーが落ちるのを防ぐためにも、住宅のAを超えないように使用しましょう。
大きな水槽用ヒーターなどが必要になる大型水槽であるほど、気を付けたい数値です。
nm(波長)とは
光の波長を示す長さの単位です。
光というのは実は波です。その波が長いものが青い光、波が短いものが赤い光として私たち人間の目には見えています。
サンゴや水草は赤や青の光を好むので、青や赤の波長が少ない「LED照明」はサンゴや水草の育成に不向きと言われていました。
ですが最近は改良されて「波長のバランスが良いLED照明」も販売されるようになりました。
そのため、最近では「そんなに神経質になる必要はなく、ルクス(ルーメン)を基準に選べばよい」という意見が多数を占めています。
Lm(ルーメン)とは
光源から出ている光の量を示す単位です。詳しくは次のLx(ルクス)で一緒に説明します。
Lx(ルクス)とは
照らされた場所にどのくらいの量の光が当たるかを示す数値です。
ルーメンと区別するのがわかりづらい単位ですが、
- ルーメン:その照明器具からどのくらいの量の光が出るか
- ルクス:その照明器具からどのくらいの光が当たるか
と区別して考えます。
ルーメンは単純に「その機器がどのくらいの光を放つか」と言えるのですが、ルクスを正確に測定しようとすると「光源から〇〇cm離れたところで、水槽のフタはない状態で、水は入っていて」など条件が非常に複雑になってしまいます。
離れたりフタがあれば、光が弱くなるのは当然ですので、現在では照明器具の強さを示す単位としてルーメンのほうが多く使われています。
ただ、ルクスのほうが一般的に馴染み深いからか、ルクス表記もあります。
Ra(演色性)とは
照明器具からの光に照らされたものが、自然光との近さを示す数値の単位です。
一般的な蛍光灯でRa=50程度とされています。最近ではRa=90以上というような高性能なLEDライトも販売されています。
K(ケルビン)とは
K(ケルビン)とは光の色を示す数値です。明るさを示すものではないので注意しましょう。
太陽光は5000Kほどと言われています。水槽用ライトとしては7000Kを超えるとかなりクリアに見えますが、5000K以下だとやや黄色っぽく見えてしまうことがあります。
まとめ:アクアリウムの数値を測ろう!水質・照明などの単位と意味を解説!
アクアリウム用品に用いられる単位、使われる用語などについて解説しました。
意味や数値が示す水槽環境への影響を理解し、水質を維持するのは、アクアリウム管理のスキルのひとつです。
手間はかかりますが、美しいアクアリウム作りにとって大切な知識ですので、日々のメンテナンスや、新しい機材を購入する際などの参考にしていただければ幸いです。
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