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魚を繁殖させるためには、卵を産み付けるための産卵床が必要不可欠です。
産卵床は魚が産卵しやすい形状になっていたり、安心して卵を産める隠れ家の役割をしたりするため、使うことで繁殖効率が大幅に上がることもあります。
ただ、種類があまりに豊富ですので、「どれを使っていいかわからない」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、産卵床の種類や特徴・メリットなどをご紹介します。
おすすめの産卵床8選も合わせてご紹介しますので、産卵床をお探しの方は、ぜひ、ご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに産卵床の種類やメリットとおすすめ8選を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
メダカや金魚などの卵を産む品種の繁殖には必須のアイテムである産卵床。
産卵床には様々な種類がありますが、魚の種類や飼育環境によって使いやすいものが異なります。産卵がしやすく、また卵が回収しやすいものを選びましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、産卵床の種類やメリットとおすすめ8選を解説します。
産卵床とは
産卵床とは、その名の通り魚が卵を産み付ける場所で、繁殖には欠かせないものです。
産卵床が無くても産卵をすることはありますが、あえて産卵床を入れる理由は、卵を適切に管理して稚魚の生存率を上げることにあります。
というのも、水槽の中で魚が産卵したら、卵を回収し、別容器で孵化~稚魚の育成を行うのが望ましいからです。
卵や稚魚は成魚に比べてとても弱く繊細なため、成魚に食べられてしまわないように隔離して、別容器で大切に飼育する必要があります。
卵や稚魚を隔離するには、卵の状態で回収してしまうのが一番早いのですが、産卵床がないと卵が水槽内で散らばったり、底に沈んだりするため、回収することが難しくなります。産卵床を入れていれば高確率で卵を産み付けますので、産卵床ごと回収できて簡単です。
産卵床には、化学繊維を使った『人工産卵床』と、水草や植物を利用する『天然素材の産卵床』の2種類ありますが、魚の数や飼育スタイルで使い分けるのが効果的です。
人工産卵床と天然素材の産卵床については、後ほど詳しく解説します。
おすすめ産卵床8選!タイプとメリットも解説
ここからは、人工産卵床と天然素材の産卵床から、おすすめの産卵床を8種類ご紹介します。
産卵床ごとの特徴やメリットも解説しますので、魚を繁殖させたかったり、今よりも繁殖効率を上げたかったりする場合には、ぜひご覧ください。
人工産卵床
人工産卵床は、化学繊維をもとに作られた産卵床で、扱いやすいのが特徴です。
水草などを産卵床として使うと、環境が合わない場合に枯れてしまうことがありますが、人工産卵床にはその心配がありません。
また、パーツを分解して掃除できるものも少なくないため、卵の孵化を邪魔する雑菌やコケの発生を防ぎやすいのも大きなメリットです。
最近のメダカブームの影響から、メダカ向けの製品が数多く販売されていますが、
- 形状やサイズ
- 魚の習性
- 水流などの飼育環境
などに大きな違いがなければ他の魚にも使用できます。
浮上タイプ:GEX メダカ元気 卵のお守り産卵床
メダカの産卵床として有名な浮上タイプの産卵床です。
メダカのように上層~表層を中心に泳ぐ魚の繁殖には、水面に浮く産卵床が効果的です。
水面に浮かんでいることから、産卵の確認と卵の隔離が簡単に行えるのも大きなメリットといえます。
また、卵が産み付けられるスポンジ部分には抗菌作用のある特殊繊維が使われているため、卵の孵化率を下げるカビや雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
浮きとスポンジ部分は取り外して掃除できますので、衛生的に管理しやすいのも嬉しい点です。
沈下タイプ:コトブキ工芸 暮らしにメダカ すずなりメダカ産卵床 沈下
メダカ用の沈下タイプの人工産卵床です。
浮上タイプの産卵床や水草を入れていても、産み付けきれずに落ちてしまった卵や、予想外の所に産み付けられて沈んでしまった卵を、水底キャッチしてくれる優れもので、繁殖効率を上げたい場合におすすめです。
単品でも使えますが、浮上タイプと併用すると卵の取り損ねが大幅に減ります。
隠れ家タイプ:サンミューズ メダカの産卵用とんねる ミニ
棕櫚(しゅろ)というヤシ科の植物の繊維をステンレスリングで固定したトンネル状の人工産卵床です。
隠れ家の役割も果たすので、メダカたちが安心して産卵しやすくなります。
トンネルの内側だけでなく、底側に卵を産み付けることできますし、沈下タイプとして使うことも可能。
また、付属のワイヤーで吊り下げることで、設置する場所や水深を調節することができる、とても使い勝手の良い産卵床です。
マルチタイプ:キョーリン きんらん
金魚の繁殖に定番の産卵床で、水になじむと柔らかくなるのが特徴です。
魚が産卵する際に体を寄せても擦れて傷付いてしまう心配がありませんし、繊維が水中で広がりやすいため採卵率が高いです。
産卵床に使われているビニロンは強度が高く、長期間使いつづけられるのも大きなメリットでしょう。
金魚の飼い方や金魚水槽、必要なもの、金魚の種類、エサ、病気対策など金魚飼育を完全解説!水槽レンタルサービスをおこないアクアリウム情報メディア「トロピカ」を運営する東京アクアガーデンが経験を元に金魚の飼育方法を徹底解説します。
天然素材の産卵床
水草や浮草といった天然素材の産卵床には、人工産卵床とは違った特徴があります。
レイアウトとして配置している水草をそのまま産卵床として使用することができますし、魚達が自然に近い形で産卵することが可能です。
増やしやすい水草ならば、増えて余った分をストックしておいて複数の容器に使うことができます。
また、水草には水が汚れるペースを遅らせる効果がありますので、産卵床として利用しつつ水質に配慮することもできて一石二鳥です。
万能タイプ:マツモ
マツモは、メダカや金魚といった魚の産卵床として定番の水草です。
- 浮草で卵が回収しやすい
- 繁殖力が高い
- 葉が柔らかく魚体に優しい
など、産卵床としての条件がそろっています。切ってもすぐに生えてくる繁殖力の高さを活かして、卵が産み付けられた部分だけを切り取って隔離すると手間がかかりません。
広範囲タイプ:ウィローモス
流木や岩に活着させて使用することの多いウィローモスですが、実はそのまま水槽に入れておくだけでも育成が可能な水草です。
水底に沈む性質があるので、アカヒレなどの卵をばら撒いて産卵する魚種の産卵床に向いています。
細かく密に広がる葉は落ちてきた卵をしっかりキャッチしてくれるので、採卵率を上げたい時にはウィローモスを敷き詰めるように配置するのがおすすめです。
繁殖力が高い水草ですので、卵が付着した場所で切って隔離したり、増やしつつ複数の水槽や飼育容器に使い回したりすることもできます。
回収しやすいタイプ:ホテイソウ
ホテイソウはメダカの産卵床として有名な浮き草で、葉が水面に浮きますので簡単に卵を回収できます。
水中に広がる根が産卵場所になりますが、色が黒いことから薄黄色の卵を見つけやすいのもメリットの1つです。
メダカの隠れ家として優秀で水質浄化能力も高いですが、育成に光量が必要ですので、日光が当たる屋外飼育の産卵床におすすめです。
マルチタイプ:棕櫚(しゅろ)
棕櫚の木の皮は、繊維が細くしっかりしているため魚の産卵床としてよく使われます。
メダカの養殖をしている専門店で使用されることも珍しくありません。
水質に影響することがほとんどなく、環境の変化に敏感な魚にも使用できます。
メダカや金魚はもちろん、テトラ類などの熱帯魚の産卵床にもおすすめです。
棕櫚の皮の形から円形状に成型されたものまで種類が多いため、魚や飼育生体の習性によって産卵しやすい形状を選ぶこともできます。
産卵床を使う魚
ここからは、産卵床を使う魚や生体をご紹介します。
メダカや金魚だけでなく、熱帯魚や小型シュリンプまで解説しますので、ご覧になってみてください。
メダカや金魚などの観賞魚
メダカや金魚などの品種改良が盛んに行われる魚種では、産卵床を使う確率が高いです。
品種改良では繁殖効率を上げることが重要ですので、専用の産卵床も数多く販売されています。また、あまり一般的ではありませんが、錦鯉を養殖する際にも産卵床が使われます。
アピストグラマなどの熱帯魚
『アピストグラマ』などの熱帯魚の繁殖では、陶器製のシェルターが産卵床になります。
ケーブスポウナーと呼ばれる産卵方式で、シェルターや流木の裏など外敵から見つかりにくい場所に産卵して卵を守ります。アピストグラマの他に、プレコの仲間の繁殖にも産卵筒と呼ばれるシェルターを使うことが多いです。
番外編:小型シュリンプ
産卵床は、卵を産み付けない生き物の繁殖率にもかかわることがあります。
小型シュリンプの稚エビやグッピー・プラティなどの卵胎生メダカの稚魚の繁殖には、ウィローモスやマツモが隠れ家として使用されることも少なくありません。
安心できる場として機能するだけでなく、稚エビや稚魚が食べる微細なコケ・微生物が付着しやすいため餌場にもなります。
卵を回収したら
産卵床から回収した卵は、適切な水温で管理しましょう。このとき、カビの発生には特に注意してください。
卵にカビが生えると孵化率が大きく下がりますし、他の卵に移ってしまうことも少なくありません。死卵や無精卵はカビやすいため、早い段階で見分けて取り除きましょう。
死卵や無精卵は2日程度で白く濁り始めますので、卵の状態を確認しつつ除去していきます。
カビを防ぐためには、殺菌効果のある魚病薬の『メチレンブルー』を使う方法も効果的です。
飼育水が薄く色付く少量を添加することで、防カビ効果が期待できます。
まとめ:産卵床とは!メダカ・金魚・熱帯魚に使える種類と特徴・おすすめ8選
今回は、産卵床の種類や特徴・メリットなどについてご紹介しました。
産卵床は、産卵する魚たちの繁殖には欠かせないアイテムで、使うことで産卵状況の確認や卵の隔離を簡単に行うことができます。
産卵床には種類があるため、
- 人工産卵床:枯れることがなく分解してメンテナンスしやすい
- 天然素材の産卵床:増やして多数の飼育容器に使い回せる
などの特徴を把握したうえで、飼育環境や飼育スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
産卵床の有無によって繁殖率が大幅に変わることもありますので、魚を繁殖させたい場合には、ぜひ、活用してみてください。
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