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植物とメダカが共存する姿が美しいビオトープ。SNSなどで緑豊かな凝った作りのビオトープを見ると、自分でも挑戦してみたくなるものです。
しかし、庭がやベランダなどの屋外スペースがないからと、始める前に設置をあきらめてしまう方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、室内ビオトープです。
一般的にビオトープは屋外に設置するものですが実は室内でもビオトープを作ることが可能で、最近はマンションやアパートといったお庭がない家でも挑戦できるビオトープとして、注目を集めています。
そこで今回は、室内ビオトープの始め方について解説します。
ろ過フィルターや照明といった機材を使用できるなど、室内ならではの利点もご紹介しますので、ご覧になってみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに室内ビオトープのはじめ方を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
最近、ビオトープを室内で管理する方が増えています。
ビオトープならではの利点と、室内飼育のメリットを組み合わせた新しい飼育スタイルをぜひ実践してみましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、室内ビオトープのはじめ方を解説します。
室内ビオトープとは
室内ビオトープとは、一般的に屋外に設置することが多いビオトープを室内で楽しむ飼育スタイルです。
太陽光や自然発生するバクテリアなどの力を借りて、できるだけ自然に近いサイクルでメダカや植物を育成するというビオトープの特徴はそのまま、さらに室内ならではのメリットを取り入れることで、一年を通して美しい水景を鑑賞できます。
室内ビオトープのメリット
屋外ビオトープと室内の水槽、両方の特徴を併せ持つ室内ビオトープには、様々なメリットがあります。
ここでは、水槽や屋外飼育と比較から見る、室内ビオトープのメリットをご紹介します。
水槽やボトルアクアリウムとの違い
室内飼育で一般的な、水槽を使ったアクアリウムやアクアテラリウムと比較すると、室内ビオトープには以下のような違いがあります。
- メダカ鉢やトロ舟を使う
- 上見で観賞する
- 水槽用ヒーターやクーラーといった保温器具は使わない
- 定期的な水換えが必要ない
まず大きな特徴として挙げられるのが、メダカ鉢やトロ舟などの屋外飼育で使われる飼育容器を使用する点です。
このタイプの飼育容器は、上部が大きく解放されているので、水上に伸びる植物をレイアウトして水中と水上の両方を鑑賞できるのがメリット。
鑑賞は上から覗き込む上見が基本なので、背中に特徴が出やすい改良メダカなどをしっかり堪能できます。
飼育容器の関係から水槽用ヒーター等の保温器具は設置できませんが、比較的水量が多くて保温性が高いので、室内ならば問題になることはないでしょう。
また屋外のビオトープと同様、基本的には大掛かりな水換えはせずに足し水のみで管理していくので、メンテナンスの手間が省けるのもメリットです。
屋外のビオトープとの違い
屋外に設置したビオトープとの違いは以下です。
- ろ過フィルターや照明を使えるので、安定した環境を維持しやすい
- 外適に襲われる心配がない
- 天候や季節の変化に影響を受けない
- 越冬できる品種が豊富で、一年中緑豊かな水景を楽しめる
電源が確保しやすい室内ならば、ろ過フィルターやエアレーション、照明といった水槽用の飼育機材を気軽に使用できるので、屋外よりも水質を維持しやすいです。
外敵に襲われる心配がないのはもちろん、近頃増えているメダカの盗難被害を防ぐのにも向いています。
また、天候や季節の変化にも影響を受けにくいため、一年を通して安定した飼育ができるのも大きなメリット。特に冬の寒い季節でも、植物が枯れることなく青々とした姿を鑑賞できるのは室内ビオトープならではです。
室内ビオトープのはじめ方
室内ビオトープは、誰でも簡単に挑戦できるのが魅力です。
ここでは、室内ビオトープのはじめ方をご紹介します。
必要な容器やコツを解説しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
室内ビオトープで必要なもの
室内ビオトープを始めるのに必ず用意したいのが以下のものです。
- 飼育容器
- 生体・植物
- 底砂
飼育容器は開口部が広いメダカ鉢がおすすめ
室内ビオトープに使用する容器は、開口部が広いものならば何でも使用することができます。ただ、室内で水がこぼれてしまうと大変なので、倒れづらくて安定感のあると安心です。
- メダカ鉢・睡蓮鉢
- トロ舟
- 発泡スチロール箱
辺りが使いやすいでしょう。
インテリアとして設置するならば、陶器製のメダカ鉢が色柄が豊富でオシャレです。
トロ舟や発泡スチロール箱は見た目が野暮ったいのが難点ですが、軽量で管理がしやすいので、飼育をメインに考えるならば使い勝手が良いです。手間はかかりますが、箱を木枠で囲むなどしてデザイン性を上げれば、室内でも活用しやすいのではないでしょうか。
生体・植物は屋外ビオトープと同じでOK
室内ビオトープに入れる生き物や植物は、屋外飼育のビオトープを参考にすれば概ね問題ありません。
生き物でおすすめなのは丈夫なメダカやアカヒレ、ミナミヌマエビといったエビ類やイシマキガイなどです。
屋外よりも危険が少ないので、思い切って高級メダカを入れてみるのも良いでしょう。
植物は、定番のアナカリスや水槽では鑑賞しづらいサルビニアなどの浮き草、水上葉として育ててれば丈を延ばすグリーンロタラやミニマッシュルームなどが良い雰囲気を演出してくれます。
ただし、ホテイソウなどの強い日光を必要とする植物は室内では短期間しか維持できないケースが多いです。
水草の育成環境を確認して導入すると失敗が少ないです。
底砂は根張りの良いものがおすすめ
底砂は、吸着系のソイルや赤玉土がおすすめです。
どちらも多孔質でバクテリアの住処となるため、水をきれいに保ちやすいという利点があります。
また、根張りが良く植物が育ちやすいのもポイント。室内ビオトープは屋外と同様、植物の水質浄化効果が非常に大きな役割を果たすため、植物が元気に育つことで水質が維持しやすくなります。
植物育成用のLEDライトを活用しよう
太陽の光が入りづらい室内のビオトープでは光量が不足しやすいので、植物育成用のLEDライトを活用して日照時間を確保しましょう。
しっかり光を当てて植物の光合成が活発になれば、酸素不足や水質の悪化といったトラブルを予防できます。
植物育成用ライトでは『AMATERAS』シリーズなどの、太陽光を再現した高性能LEDライトが人気です。このタイプの照明ならば、屋外と遜色ないほど植物の育ちが良くなりますが、少々高価なので栽培する植物と予算などに合わせて選定するのがおすすめです。
ただし水槽の上に乗せて使用する照明は、ビオトープで使う容器には設置できないため、クリップ式や吊り下げ式を選びましょう。
室内でのビオトープの成功のカギは照明と言っても過言はありません。まずは、植物が健全に育つ環境を整えましょう。
室内ビオトープの設置方法
設置の仕方は屋外のビオトープと同様です。
- ソイルなどの底床材を敷く
- 水草などをレイアウトする
- 水を張って1週間ほど置いておく
- 水質が安定したらメダカなどの生き物を入れる
ポイントは、水を入れた後にすぐに生き物を入れないことです。水を張った直後は水質が不安定になりやすいので、少なくとも一週間程度置いてから生き物の導入します。
またこの時、必ず水合わせも行いましょう。
ろ過フィルターを使用する場合
ろ過フィルターやエアレーションを設置する場合は、底床材を敷いた後に飼育容器内にセッティングしましょう。
注水後、生き物を入れるまでの1週間はフィルターを空回ししておきます。
ろ過フィルターの種類は、投げ込み式フィルタ―や底面式フィルタ―がおすすめ。どちらも酸素供給量が高い上に、程よい水流を起こしてくれるので、室内ビオトープでも使用しやすいです。
ただし、底面式フィルターとソイルや赤玉土の組み合わせは目詰まりを起こす原因になるため、この場合は大磯砂を選択しましょう。
室内ビオトープで使えるアイテム
運用必須の機材以外にも、いくつかのアイテムを活用することで、より豊かな室内ビオトープを楽しむことができます。
ここでは、室内ビオトープで使えるその他のアイテムをご紹介します。
プラポット
室内ビオトープの小技としておすすめなのが、園芸用の小さなプラスチック製ポットに植物を植えこんで、鉢ごと水中に沈める方法です。
鉢を移動させるだけで簡単にレイアウトの変更や底砂の掃除などが行えますし、プラポットに植えることで高低差を作りやすくなり、レイアウトにメリハリが生まれます。
また、この方法ならば水中の底砂に植物を植え付ける必要が無いので底面式フィルターでも運用しやすいです。
深さが限られる底砂だとうまく根を張れずに成育不良になってしまいやすい植物や、横にどんどん根を延ばして繁茂しすぎてしまう植物を管理するのにも、プラポットが最適。
育成できる植物の幅が広がるので、いくつか用意しておいて損はないアイテムでしょう。
スタンド
睡蓮鉢やメダカ鉢を使用するときは、鉢用のスタンドが便利です。
鉢を室内の床に直接置いてしまうと、ドアの開閉や人が歩いたときに発生する細かい振動が魚にストレスを与えてしまう可能性がありますが、スタンドに乗せて床から離すことで解消できます。
また、鉢の種類によってはスタンドを付けたほうが安定性が増して安心です。
鑑賞面でもスタンドに乗せたほうが中を確認しやすくなりますし、デザイン性も上がるので、ぜひ活用してみてください。
室内ビオトープの注意点
魅力いっぱいの室内ビオトープですが、ならではの注意点もいくつか存在します。
- 生き物を冬眠させることができない
- グリーンウォーターでの管理には向いていない
- 蒸発や水こぼれに注意
まず、室内ビオトープでは水温が下がりきらないため、生き物を冬眠させることができません。
冬眠は体力的な危険がある一方で、乗り越えた魚はより丈夫に成長するというメリットがあります。特に、繁殖率は冬眠を経験した魚の方が格段に上がるため、繁殖や品種改良を主目的としている場合は注意してください。
また、やはり太陽光ではないことからグリーンウォーターでの管理が難しい点も留意しておきましょう。
最後に、室内ビオトープで使用する飼育容器は蓋ができないため、水がこぼれたり蒸発したりして、水位が下がりやすいです。
水量が減ると水が汚れやすくなるため、こまめに足し水をして水位を維持しましょう。
水撥ね対策には防水シートが有効で、鉢の下に敷いておけば床の汚れを防げます。
まとめ:室内ビオトープのはじめ方!容器・生き物の導入から使えるアイテム
室内ビオトープについて解説しました。
室内ビオトープは、屋外のビオトープと室内の水槽の良い所を合わせた、注目の飼育スタイルです。
外気にさらされた屋外よりも安定して管理がしやすく、室内水槽よりも手入れの手間がかかりません。
照明を活用すれば植物も問題なく育ちますし、一年を通して元気なメダカや植物を鑑賞できるのがメリットです。
インテリアとしてもおしゃれですし、癒しの空間を作り上げられます。
ビオトープを作ろうか迷っている方は、室内に設置することも検討してみてはいかがでしょうか。
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