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水棲カメの長期飼育とは!長生きなカメたちをよりよく飼育する方法

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「亀は万年」という言葉があるように、長寿な生き物であるカメの仲間。
実際に1万年生きることはありませんが、ペットショップで販売されているカメの多くはとても長生きします

そんなカメの中でも、アクアリストに人気なのが水棲カメです。イシガメやクサガメなどは目にする機会も多いでしょう。

ペットショップで販売されているカメは、500円玉サイズの小さなものも多くいます。非常に可愛らしく、「ついつい購入してしまった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただし、カメを飼育する上で、長寿ということを忘れてはいけません。

そこで今回は、水棲カメの長期飼育について解説します。水棲カメにやってはいけないことや、より長生きさせるためのポイントも紹介しますので、水棲カメ飼育の参考にしてください。

プロアクアリストたちの意見をもとに水棲カメの長期飼育についてを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

どんな生き物であれ、「生き物を飼育する=終生飼育する」ということが大前提です。
中でも水棲カメは長生きすることから、長期で飼育することになるでしょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水棲カメの長期飼育についてを解説します。

水棲カメは長寿な生き物!長期飼育の心構え

水棲カメは、適切に飼育すれば十年以上生きる長寿な生き物です。

例えば、ペットとして人気のミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は、20〜30年、環境次第では40年近く生きることもあります。

カメを迎える際は、長い寿命を理解し、最後まで責任を持てるかしっかり考えましょう。

また、種類によっては成長すると予想以上に大きくなります。飼い始めたばかりの子ガメは数cmほどですが、成長して甲長20cm以上になれば、90cm以上の水槽が必要になることもあるのです。

小さな水槽で飼い続けると、カメがストレスを感じたり、健康を損ねたりする原因になります。カメの成長を見越し、適切なサイズの水槽や設備を準備しましょう。

さらに、水棲カメは犬や猫のように鳴いたり、感情を分かりやすく表現したりしません。もちろんそのうえで、毎日の餌やりや健康チェック、週1回程度の水換え、フィルター掃除など、継続的なお世話が必要です。

寿命と成長、継続的な世話の必要性などを理解してから、水棲カメの飼育を開始しましょう

水棲カメに快適な環境を作ろう!設備とメンテナンスのコツ

水棲カメの飼育における、環境づくりやメンテナンスのコツを紹介します。

カメが快適に暮らせるよう、環境を整えることが大前提です。

水棲カメの水質管理

水槽の水を清潔に保つことは、水棲カメの健康維持に欠かせません。水が汚れると病気のリスクが高まり、カメの寿命にも影響します。

特に、カメのフンや食べ残しから発生するアンモニアは有害で、水質悪化の原因になります。
これを分解するのが、ろ過フィルター内に生息するバクテリアの役割です。バクテリアはアンモニアを毒性の低い硝酸塩へと変えますが、硝酸塩も蓄積すると水質が悪化するため、定期的な水換えが必要になります。

カメは魚よりも水を汚しやすいため、フィルターのろ過能力だけに頼らず、水換えをメインにして水質管理を行いましょう。基本的には、フンや食べ残しを見つけたらすぐにクリーナーポンプで吸い出し、水換えをするのが望ましいです。

とはいえ、ベストなタイミングでの水換えは難しい場合もあります。
水槽のサイズやカメの数によりますが、最低でも週1回、3分の1程度の水を入れ替えてあげましょう。水槽が小さい場合や水質の悪化が早い場合は、こまめに換水するのがおすすめです。

こちらのコラムでは、カメにおすすめのろ過フィルターを紹介しています。

水温管理と日光浴

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水棲カメは変温動物であり、外気温や水温に影響を受けるため温度管理が重要です。

水温が適切でないと活動が鈍ったり、体調を崩したりする原因になります。カメが快適に過ごせる水温は25℃前後であり、季節に応じた対策が必要です。

冬場は水温が下がりすぎるとカメの動きが鈍くなり、食欲不振や消化不良を引き起こすことがあります。そのため、冬は水槽用ヒーターを設置し、水温を一定に保つことが大切です。
一方、夏場は水温が上がりすぎると水質の悪化が早まります。夏はできるだけ28℃以下を維持するよう心がけましょう。直射日光の当たる場所に水槽を置かない、冷却ファンを使う、換水の頻度を増やすなど、工夫してみてください。

また、水棲カメにとって日光浴(甲羅干し)は欠かせません。紫外線(UVB)を浴びることでビタミンD₃が合成され、カルシウムの吸収が促進されます。

これにより、甲羅や骨が健康に成長し、くる病などの病気の予防が可能です。さらに、甲羅を乾燥させることで、細菌やカビの繁殖を抑える効果もあります。

水槽内には必ず陸地を設置し、カメが自由に日光浴ができる環境を整えましょう。屋内飼育の場合、日光の代わりにUVBライトを使用し、1日8〜10時間照射することで、自然の日光浴と同じ効果を得られます。

水棲カメにやってはいけないこと

水棲カメを飼育する上で、やってはいけないことを2つ紹介します。

『大きくなったから放流』は絶対NG!

カメが大きくなり、飼育が難しくなったとしても、川や池への放流は絶対にしてはいけません。

外来種を野外に放すことは法律で禁じられており、生態系にも悪影響を及ぼします。
また、飼育されていたカメは野生で生きていけるとは限りません。人間が与える餌に慣れている個体は、自力で食べ物を見つけられず、餓死や病死してしまう可能性が高いです。

カメを飼う際は、終生飼育が大原則です。どうしても飼えなくなった場合は、信頼できる飼い主を探す、ペットの引き取りを行っている団体に相談するなど、適切な方法を選びましょう。

水換えや掃除の頻度を減らす

水棲カメは丈夫な生き物ですが、環境の悪化が続くと皮膚病などの病気にかかるリスクが高まります。

「長く飼育していて安定しているから、今日は水換えをしなくても大丈夫だろう」といった考えで、水換えや掃除の頻度を減らすのは危険です。頻度を減らしてしまうと、水質悪化とカメの持つ免疫力のバランスが崩れ、病気リスクを上げてしまいます。

そもそも、水棲カメはサルモネラ菌などを持っているので、水質悪化はダメージを与えやすいのです。

カメの調子が悪い場合は、水換えだけでなく日光浴の環境を見直すことも検討してみてください。水質が悪化するとカメの抵抗力が落ちますが、日光浴の時間を確保することで免疫力を維持しやすくなります。

日頃からカメの様子を観察し、食欲や動きに異変がないかを確認する習慣をつけましょう。

水棲カメを長生きさせるケア

水棲カメを長生きさせるためのケアのポイントを紹介します。

もともと長寿な水棲カメも、上手にケアすることでより長生きしてくれるでしょう。

餌食いを確認する

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水棲カメの健康管理において、餌をしっかり食べているかの確認は非常に重要です。食欲は体調のバロメーターの一つであり、急に食べなくなった場合は、何らかの異変が起きている可能性も考えられます。

また、水棲カメは餌に飽きてしまうことがあるのです。同じものを与え続けると食いつきが悪くなることがあるため、たまに餌の種類を変えてみると食欲の維持につながります。
例えば、主食となるペレットタイプの餌に加えて、乾燥川エビなどをおやつとして与えると良いでしょう。

最近では、水棲カメ向けのバリエーション豊かな餌が販売されています。ミネラルを豊富に含む『セラ ラフィ』や、カメが楽しみながら食べられる『GEX カメのごちそうパン』『ごちそうスティック』などもおすすめです。

これらを適度に取り入れることで、栄養バランスを整えつつ、水棲カメが餌に飽きるのを防ぎやすくなるでしょう。

カメの餌については、こちらのコラムでも紹介しています。

水棲カメのミネラル補給・ビタミン剤について

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水棲カメは、健康維持のためにミネラルやビタミンを多く必要とします

特に、カルシウムやビタミンD₃は、甲羅や骨の成長に欠かせません。これらの栄養素が不足すると、甲羅が変形したり、骨が弱くなったりする「くる病」になったりするリスクが高まります。
そのため、日頃の餌に加えて、必要に応じた栄養補助が重要です。

基本的に、カメ専用の餌にはバランス良く栄養素が配合されています。ただし、体調がすぐれない場合や成長期の個体には、ビタミン剤やミネラル補給を追加すると効果的です。

例えば、『テトラ レプチゾル』は、水棲カメの健康維持のためにビタミン類を配合したサプリメントで、水に混ぜるだけで簡単に栄養補給ができます。また、カルシウム不足を防ぐために、餌にカルシウムパウダーをふりかけるのも良い方法です。

まとめ:水棲カメの長期飼育とは!長生きなカメたちをよりよく飼育する方法

水棲カメの長期飼育について解説しました。

いくら長寿な水棲カメとはいえ、適切な飼育をしなければ長生きしてくれません。逆に上手に飼育すればかなり長生きするので、パートナーのような存在にもなってくれるでしょう。

水棲カメの長期飼育のポイントは、水質管理と日光浴です。

大食漢の水棲カメは飼育水を汚しやすいので、ろ過フィルターに頼らずこまめな水換えをしましょう。
また、体調管理や健康な甲羅づくりのために日光浴は大切です。屋内飼育の場合でも、時折屋外で日光浴させるとより効果が期待できます。

今回のコラムを参考に、水棲カメをより長く飼育できるように工夫してみてください。



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執筆者 アクアガーデン

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