ピンポンパールとは!特徴と寿命、飼い方からパールスケールの品種まで
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手まりのように丸々とした体型と、真珠状に輝く美しい鱗をもつピンポンパール。
数ある金魚品種の中でも特に女性や子どもに人気で、金魚専門店ではもちろん、やや大型のアクアリウムショップであれば、ほぼ間違いなく販売されています。
そんなピンポンパールですが、実は飼育難易度が高めの金魚でもあるため、幼魚のうちに病気を患ってしまうことが少なくありません。
せっかく飼い始めたピンポンパールを長生きさせるためにも、今一度、適切な飼育方法や、かかりやすい病気について学んでみるのはいかがでしょうか。
今回のコラムでは、ピンポンパールの特徴や似た品種、病気を防ぐために重要な飼育管理方法などについて解説していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにピンポンパールの品種と特徴、飼育方法や病気について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
丸っこくて愛らしい見た目が人気のピンポンパール。しかし、この特徴的な体型から、泳ぎが苦手で消化不良を起こしやすく飼育難易度は金魚の中でも高めです。
ピンポンパールを健康に飼育するためには、消化不良を予防する飼育環境を整えることを意識しましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ピンポンパールの品種と特徴、飼育方法や病気についてを解説します。
ピンポンパールとは
まずはピンポンパールの見た目の特徴や、意外と知られてない成長後の体長、長生きした際の寿命や、似た品種についてご紹介をしていきます。
特徴・体長・寿命
ピンポンパールは『珍珠鱗(ちんしゅりん)』という名前の金魚の別名で、昭和30年代に中国から日本へ輸入されてきました。
今では『パールスケール』や『ピンポンパール』という通称のほうが一般的です。
真珠のように輝く鱗が特徴的なお魚で、丸い体型と黒目が愛らしく、特に女性や子どもから人気があります。
そんなピンポンパールですが、しっかりと飼い込めば最大10~13cmほどと結構大型に成長することは、あまり知られていません。
飼育難易度が高く、幼魚のうちに病気を患い命を落としてしまうことも少なくないのですが、無事に寿命を迎えることができれば、5~6年は長生きできます。
なかには10年以上長生きした例も報告されているようです。
ピンポンパールが病気になりやすいのは、輸入される過程で体表を保護するぬめりが薄くなり、怪我や病気にかかりやすくなるからと言われています。
また、特異な体型の影響で泳ぎが苦手なことや、骨格的に消化不良を起こしやすいことなど、元々、病気に弱い特徴を持ち合わせていることも要因の一つです。
ピンポンパールに似た金魚
続いては、ピンポンパールに似た形質・特徴をもつ金魚ということで、
- ちょうちんパール
- 高頭パール
- 浜錦
これら3品種についてご紹介していきます。
ちょうちんパール
まずは『ちょうちんパール』という品種について。
ちょうちんパールはピンポンパールと非常によく似た体型のお魚で、パール状の鱗をもちます。
ただし、ピンポンパールが三つ尾や四つ尾といった遊泳に不向きな尾ひれをもつのに対し、ちょうちんパールはフナ型なのが大きな違いです。
若干ですが遊泳力が高いため、飼育難易度はちょうちんパールのほうが下がります。
金魚の飼育が初めてで、珍珠鱗の品種を購入したいと検討中の方は、まずはちょうちんパールから飼い始めてみるのがおすすめです。
高頭パール
続いてご紹介するのは、『高頭パール』。
こちらはピンポンパールと同様の体型・鱗に加え、頭部に肉瘤が発達する品種のことを指します。
肉瘤は傷つくとしぼんでしまい、元の形状には戻らないため、水槽内のレイアウトに尖ったものがないかどうか十分に確認をしましょう。
泳ぎも得意ではないため、混泳させる場合は同種同士やピンポンパール、オランダ獅子頭など、似た体型の品種を入れるのがおすすめです。
浜錦
続いてご紹介するのは、『浜錦』です。
こちらの品種は先程ご紹介した高頭パールをもとにして改良され、頭部の肉瘤が水疱状に発達した個体を選別・固定化することによって誕生しました。
高頭パールとの区別がつきづらい品種ですが、高頭パールは透明鱗、浜錦は普通鱗を持つため、鱗の形や透明感で判別することができます。
浜錦もやはり遊泳力が低く、水疱状の肉瘤もデリケートなため、飼育難易度はかなり高めです。
ピンポンパールの飼育方法
続いてはピンポンパールの飼育方法についての解説です。
おすすめの水槽や適水温、ピンポンパールに向いている餌や水槽レイアウトについてご紹介をしていきます。
飼育は難しい?!おすすめの水槽
まずはおすすめの水槽について。
ピンポンパールは金魚のなかでも泳ぎがかなり苦手な品種なので、水深をあまり深くしないで飼育をしましょう。
ただし病気にかかりやすいという特徴もあるため、水量は多めに確保できたほうが、状態が安定しやすいです。
以上のことから、ピンポンパールには縦長(ハイタイプ)の水槽ではなく、普通規格または高さのないロータイプの水槽を用意するのが適切と言えます。
具体的には30cmキューブ水槽や45cm規格水槽で、単独もしくは2~3匹飼育するのが理想的です。
水温管理が大切!
続いてはピンポンパールに適した水温について。
ピンポンパールは骨格的に消化不良を起こしやすい体型をしており、それに起因する体調不良にもなりやすい傾向があります。
水温が低下すると消化機能が弱まってしまうため、水槽用ヒーターを設置し、23~25℃の水温に保つよう心掛けましょう。
ピンポンパールの餌
続いてはピンポンパールにおすすめの餌について。
遊泳力の低いピンポンパールには、ゆっくりと底面へ落ちていくような沈降性の餌がおすすめです。
捕食しやすいように、小粒タイプのものを与えてやりましょう。
消化に優れたものだと尚良いです。
ピンポンパールに向いている水槽レイアウト
続いてピンポンパールに向いている水槽レイアウトについてですが、
- ベアタンク+スポンジフィルター
- 背が低い水草orアクセサリー+大磯砂+投げ込みフィルター
このどちらかの組み合わせがおすすめです。
泳ぎの邪魔にならないように、空間を広く設けるような配置を心掛けましょう。
ピンポンパールほど泳ぎが不得意な金魚の場合、ろ過フィルターから生まれる水流で疲弊してしまう場合があります。
上部式フィルターなどの使用は避け、スポンジ式や投げ込み式フィルターを設置してあげましょう。
ピンポンパールがかかりやすい病気
最後にピンポンパールがかかりやすい病気について解説をしていきます。
風船病・水泡症
ピンポンパールが罹患しやすい病気としてまず挙げられるのが、風船病、水泡症です。
これは他の金魚の『松かさ病』と同じ症状で、ピンポンパールのようなパールスケール(真珠状の鱗)の魚の場合は、鱗に水ぶくれが発生します。
風船病、水泡症の原因はエロモナス菌という常在菌への感染です。適切な環境、健康な個体であれば感染することはありませんが、ろ過フィルターの目詰まりや底砂の汚れ、水換え不足などによって水質悪化して菌が増殖したり、怪我やストレスなどでピンポンパールの免疫力が低下していたりすると感染し、命に関わる重大な症状を引き起こすこともあります。
設備の点検や底面の掃除、水換えなどはこまめに行ない、病気のまん延を防ぎましょう。
転覆病
浮力を調節する器官に不具合が生じる転覆病も、ピンポンパールが発症しやすい病気として挙げられます。
体を斜めや真横にして水面付近に浮いていたり、もしくは水槽の底面で苦しそうに横たわっているようなときは、転覆病だと見て間違いないでしょう。
転覆病の原因としては、水温の低下による消化不良や、浮き袋の損傷などが関係していると言われています。
消化を助けるためにも、ピンポンパールを飼育する水槽の水温は23~25℃を保つように心掛けましょう。
消化不良にならないように管理しよう!
ピンポンパールの病気を予防し長生きさせるためには、水温調節が重要となってきます。
適水温に保つことができれば消化不良による転覆病の予防になりますし、消化機能を維持できれば免疫力を保つこともできるのです。
水温を安定させれば水質も安定してくるため、エロモナス菌の増加による風船病を防ぐことにもつながります。
ピンポンパールを飼育する際は、水の汚れだけでなく、水温の変化にも着目していきましょう。
まとめ:ピンポンパールとは!特徴と寿命、飼い方からパールスケールの品種まで
今回はピンポンパールの特徴や似た品種、病気を防ぐために重要な飼育管理方法などについて解説をしてきました。
真珠状に輝く美しい鱗をもつピンポンパールは、愛嬌のある泳ぎ方からもわかるように、遊泳力がやや低いお魚です。
消化不良を起こしやすく、それに起因する体調不良にもなりやすいため、水槽用ヒーターを設置してきちんと水温管理を行ないましょう。
美しさと可愛さを兼ね備えたピンポンパールを、ぜひ皆さんの手で長生きさせてあげてください。
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