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水草は淡水アクアリウムを彩るレイアウト生体ですが、水槽導入前には、ある程度の前処理が必要です。
それは、害虫や農薬を持ち込んでしまうリスクがあるからですが、前処理は実際のところ手間だと感じられます。
そこでおすすめなのが組織培養水草です。
組織培養水草とは寒天や液状の培地によって無菌状態で育成された水草のことを指します。
土などを使用せずに管理されているので、農薬や害虫の心配がありません。
そのため、エビなどの薬物に弱い生物がいる水槽にも安全に導入できます。
このコラムでは、組織培養水草について特徴とメリット・デメリット、おすすめメーカーなどをご紹介します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに組織培養水草について解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
組織培養水草は、その安全性の高さからアクアリストたちの支持を集めるアイテムです。
水中に植え付けるだけでなくミスト式での育成にも向いており、密度の高い水草レイアウトを作りやすくなるため、本格的なネイチャーアクアリウムに挑戦したい方にもおすすめ。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、組織培養水草について解説します。
組織培養水草とは?
「培養」というと少し敷居の高いものを想像しますが、組織培養水草は取り扱いが簡単で、勝つ非常に安全性の高いアイテムです。
まずは特徴や選び方などをご紹介します。
組織培養水草の特徴
水草は通常、水中などで栽培されたものが流通していますが、組織培養水草はカップに入った寒天や液体の培地で栽培されています。
基本的に無菌状態で管理されており、もともと他の生き物がいない環境で育成するため農薬を使用せずにスネールやプラナリアなど有害生物の混入を防いでいるため安全性が高いです。
また、水に含まれるコケ(藻類)の胞子なども持ち込む心配がないので、残留農薬や有害生物の除去を目的とした前処理も必要ありません。
組織培養水草の取り扱いと選び方について
組織培養水草はいわば「新品」のような状態の水草であるため、状態が悪いものを目にすることはほぼ無いでしょう。
しかし、出荷されてからは、温度管理ができていないと水草が弱ってしまうこともあります。
そのため、購入時にはしっかりと状態を確認し、できるだけ葉などが元気なものを選びましょう。
カップの中では半水中葉の状態にキープされているので、水中に植え付けてもスムーズに育成できます。
組織培養水草のメリット・デメリット
組織培養水草は、無菌状態で育成されていることからメリットが多くありますが、その一方でやや高価であるなどデメリットも少し存在します。
メリット
農薬不使用なのに害虫の心配がない!
組織培養水草は無菌状態で管理・培養しているので、有害生物を寄せ付けない・駆除するために農薬を使用する必要がありません。
そのため、農薬に対する耐性が低いエビ類などがいる水槽にも安心して導入できます。
また、水草水槽で問題になりがちな、スネール(貝)の混入が防げるのは大きなメリットです。
スネール対策としては有名な処理剤『水草その前に・・・』でのトリートメントが挙げられますが、組織培養水草ではその工程が必要ないので手軽さを感じられるでしょう。
水草水槽はもちろん、些細なことで環境のバランスが崩れることがある、ボトルアクアリウムにもおすすめです。
有害生物の混入の心配がない
前述したように、組織培養水草は無菌状態で管理されています。そのため、スネールやプラナリア、水ゲジなどの有害生物はもちろんのこと、水草の育成において避けられないコケの胞子に至るまで、お手元に届くまでの時点で混入している心配がありません。
よって、通常の水草であればほぼ必須とも言える、「水草その前に」などによる前処理を行う必要がありません。
また、ある程度の期間なら冷蔵庫内で保管が可能なので、ストックとしても活躍します。
半水中葉で管理されているので育成がスムーズ
水草は種類によっては、水上の環境に適応した「水上葉」と、水中に適応した「水中葉」を持つものが存在します。
もし、購入時に水上葉を多く展開している水草だった場合、その水草を水中で育成すると水中葉へと移行させることになりますが、この時に育成環境や水草の状態が悪いと枯れたり溶けてしまう恐れがあります。
その点、組織培養水草であれば、非常に高湿度の環境で培養されており「半水中葉」の状態で入手できるので水中葉への移行がスムーズに行えます。
デメリット
通常の水草と比較すると高価
一番のネックとなるのが価格面と言えるでしょう。
組織培養水草は通常栽培のものよりも総じて高価です。
また、1カップに入っている水草量も少なめなので、水槽サイズにもよりますがかなりコストがかかることがあります。
カップに入っている状態は、まだ育ち始めの段階です。そのため、ボリュームが少なく、成長後にどれほどの密度になるのかがイメージしにくい点も扱いにくいポイントと言えます。
また、普通の水草と比べて前処理は楽ですが、組織培養水草は培地に植えられたままカップに入った状態で販売されています。
そのため、培地が付着したまま投入すると水槽内のバクテリアや菌類の養分になるため、培地を水道水で洗い落としてから導入しましょう。
取り扱っている店舗が少ない
通常栽培の水草と比較すると取り扱っている店舗が少なく、お好みの種類または組織培養水草そのものの入手が難しい場合もあります。
最近は、ネット通販でも比較的簡単に購入できますが、メーカーによっては特約店でしか扱っていない場合もありますので、まだまだ入手のハードルはあると言えます。
そして、現状では組織培養水草の種類はまだ少ないのもデメリットの一つでしょう。
しかし、近年では植物育成用照明の進歩が目覚ましく、これからは組織培養水草はもっと増えていくと考えられます。
供給が増え、身近な存在になるのもそう遠くはないかもしれません。
組織培養水草のおすすめメーカー
組織培養水草のおすすめメーカー(ブランド)をご紹介します。
トロピカ 1-2-GROW !
デンマークの水草ファーム、Tropica(トロピカ社)で生産されている組織培養水草で、100種以上のラインアップがあるなど水草の種類が充実しています。
クリプトコリネやハイグロフィラなどの育成しやすいものから、キューバパールグラスやウォーターローンなどの高難易度のものまで、色々な水草が取り揃えられています。
高価な水草ではありますが、ボリュームは多めなのでコスパは悪くないです。
スリーパドマ 組織培養GROWOW!
Sreepadma(スリーパドマ)はインドのファームで、高品質でコスパの良い組織培養水草を販売しています。
まだ新しい会社ですが、大きなシェアを持ち、組織培養水草の一大ブランドとして日本でも人気があります。
組織培養の施設を拡大するなど、勢いのあるアクアリウムファームです。
今後も、新しい水草の種類の流通が増えていくことでしょう。
ADA BIOみずくさの森
日本国内でのネイチャーアクアリウム・水草育成のパイオニアであるADAも、組織培養水草を生産・販売しています。
ADAから発売されている組織培養水草ブランド「BIOみずくさの森」は、60種類以上の水草種を販売しており、国内随一と言えるでしょう。
なにより、1カップ内の水草量が多めなのがうれしいところです。
しかしながら、ADAは自社製品の通販を行っておらず、特約店での販売のみですのでご注意ください。
その他の組織培養水草
上記でご紹介したメーカー、ブランド以外にも、組織培養水草は様々なものが販売されています。
Amazon、楽天など大型の通販サイトで多く出品されていますので、お好みの水草を探してみてください。
まとめ:組織培養水草とは!無農薬・安全な培養水草のメリットやおすすめメーカー
組織培養水草とは培地を用いて、無菌状態で培養した水草のことを指します。
無菌状態で培養しているので、農薬を使用していないのにもかかわらず、スネールなどの有害生物が付着している危険がありません。
そのため、エビ類などの生物がいる水槽にも、前処理なしに安心して導入できます。
取り扱いも簡単で、水槽への導入前に寒天培地を洗い落とすだけで、そのまま植えたり活着させることが可能です。
管理が行き届いている分、通常の水草と比較するとやや高価ですが、従来の水草導入時の問題点を解消しつつ、非常に状態の良い水草が手に入ります。
皆さんも組織培養水草を導入することで、水槽レイアウトにより深みを持たせてみてはいかがでしょうか。
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