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アクアリストの悩みのうち、かなり上位に来るのが「コケ対策」です。
コケのなかでも黒髭コケは、目立つため美観を損ねやすいうえに、硬いので除去しにくいと困った存在です。
今回は、黒髭コケの除去方法と、生やさないための対策方法を解説します。
ポイントは物理的に取ることと、飼育水の総硬度(GH)を下げることです。
スッキリ退治し、二度と生えてこない水槽を目指しましょう。
目次
水槽に生える黒髭コケの対策を動画で解説!
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厄介なコケをきれいにする対処法を音声付きで解説します。
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黒髭コケとは
まずは、黒髭コケについて知っておきましょう。
上の写真のような、黒くてフサフサしたヒゲのようなものが集まっているコケです。
水流が当たりやすい、水草のフチに生えてくることが多く、黒いのでとてもよく目立ち、水槽の美観を損ねる厄介なコケです。
そして水流の強いところによく生える傾向にあります。
また、コケは水質が悪化している、光の量が多すぎる水槽に発生しやすいので、黒髭コケもそれに準じます。
黒髭コケの撃退法
「生えてしまった黒髭コケを除去する」方法について説明します。
- ヘラなどで物理的にこする
- 水換えをこまめにする
- 抑制剤や木酢を使う
- お掃除生体を使う の4点です。
ヘラなどで物理的にこする
黒髭コケはかなり強く付着していますので、水槽の壁面、パイプなど硬いものに付着している部分は、ヘラなどで物理的にゴシゴシとこすりとりましょう。
こちらのジラコヘラは多くのアクアリストに愛用されているヘラです。
持った感じは硬いのですが、先端部分は適度なコシがあり、コケをこそげ取るのに向いています。
ヘラでこすり取っても原因を取り除かないと黒髭コケはまた生えてきますが、まずは総数を減らすことが大切なので、こすり取れるところは取りましょう。
ただし、水槽の壁面や、シリコン接合部に傷をつけないように注意してください。また、アクリル製の水槽はガラスに比べて傷がつきやすいのでヘラでこすることはおすすめしません。
水換えをこまめにする
黒髭コケに限らず、すべてのコケは水質悪化(養分過多)がスイッチとなり繁茂します。
具体的には、水にコケの栄養となる成分であるリンやカルシウムが増えると、栄養を吸収してどんどんコケが生えてしまうのです。
それを防ぐには、頻繁な水換えが効果的です。黒髭コケがどの程度繁茂しているかにもよりますが、重度な場合は週に2回ほど水を換えてください。それを2週間ほど続けると徐々に効果が表れてきます。
抑制剤や木酢を使う
こちらのような、リン酸を化学的に除去してくれるアイテムを使うのも一つの手です。
ただし効果が見込めるのは一時的ですから、やはり根本を変えていく必要はあります。
また、pH除去剤の種類によっては、リン酸などの酸性物質が急激に除去されて、水質がアルカリ性に傾くことがあります。
水量が少ない60cm以下の小型水槽には向きません。使用量は必ず守り、こまめに水換えを行いながら使用するのがおすすめです。
こうした水質調整剤はメンテナンスを行いながら、サポート的な位置づけで使用しましょう。
コケに直接効果のある、木酢液を使うのも有効です。
特にヘラでこすれない柔らかいパーツや、水草に生えてしまった黒髭コケを除去するのに役立ちます。黒髭コケに直接、ハケや筆で塗り枯らしましょう。黒い色が茶色に変わっていれば効果が出たと考えて大丈夫です。
注意点としては、
- pHが低くなる
- 臭いがキツイ
ということです。木酢液は酸性の液体なので、多用すると水槽の水のpHを下げてしまいます。
使った後は水換えを行い、pHが正常かどうかチェックしましょう。
また、水槽環境には強力なところがありますので使い過ぎに注意することと、煙のような酸っぱいような臭いがする液体なので、使う時はよく換気を行ってください。
お掃除生体を入れる
黒髭コケは、サイアミーズ・フライングフォックスが良く食べます。
ヌマエビなどもコケ掃除が得意なのですが、黒髭コケを好んで食べてくれるのは、サイアミーズ・フライングフォックスだけです。
ただし、
- 最終的には、そこそこ大きくなる(最大15cmほど)
- 草食性なため、水草も食べてしまうことがある
- ジャンプする力が強いため、水槽から飛び出てしまうことがある
の3点に注意して飼育し始めましょう。
コケがなくなったら、植物性のエサを与えることで水草の食害を減らすことができます。
また、フタをすることで飛び出しを防止できます。
黒髭コケの予防策
こちらの項では、黒髭コケが発生しないための予防策を解説します。
とても頑固なコケなので、まずは「発生しないような環境」を整えることが大切です。
発生後に必死に除去し終わっても、発生しやすい環境のままではまた発生してしまいますので、しっかり根本を理解し、予防していきましょう。
飼育水のGH(総硬度)を低く保つ
飼育水のGHとは、飼育水内に含まれるミネラル分の量を指します。
黒髭コケは紅藻類と呼ばれる種類で、紅藻類は一般にカルシウムを好みます。ですから飼育水のGHを下げることで黒髭コケが好まない環境を作り出すことができます。
GHは下のようなアイテムで計ることができますので、定期的に調べて上昇していたら水換えを行いましょう。
容器にとった水槽水に試薬を注ぐだけで結果がわかる便利なアイテムです。
レイアウトの石を減らす
上で説明した通り、黒髭コケはカルシウムを好みます。
ですから水槽内にカルシウムが溶け出すような石、岩石、サンゴ砂などを使うことを控えると予防になります。
ソイルを使う
GHを上げない対策として、水草水槽の底砂にはソイルがおすすめです。
ソイルは土を焼き固めたものなので、カルシウム値(GH値)が上昇せず、黒ひげコケの発生を抑制できます。
もちろん、飼育生体によってはソイルが向いていないこともありますので、生体の種類によって導入するかは決めましょう。
基本的に、金魚、コリドラスなど、底砂をつつく性質のある魚には向きません。
RO水を使う
RO水というのは、水をRO膜という特殊なフィルターでろ過した、ミネラルを含まない純水です。
水道水やミネラルウォーターには、微量のミネラルが含まれています。このミネラルを栄養として黒髭コケが繁茂します。ミネラルなどを除去したRO水を使えば、他のコケの発生も抑制することができるのもメリットです。
ただし、初期費用が掛かるため、予算で導入は決めましょう。
まとめ:黒髭コケ対策まとめ!頑固で落としにくいコケの撃退法を解説します!
アクアリストたちを悩ます、頑固な黒髭コケの除去方法・発生させない予防策について解説しました。
- 生えてしまったら全力で除去(ヘラや木酢液で撃退!)
- 除去が終わったら、もう生えてこないように予防策を!(総硬度を下げて生えにくい環境に!)
この2本立てが効果的ですので、ポイントを抑えた水槽管理で綺麗に保ちましょう。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
リン酸除去剤はPHを上げるデメリットがありますが、何故記載されないのでしょうか。
ご指摘いただきありがとうございます。該当箇所に一部加筆を行いました。
リン酸除去剤はメンテナンスを行いながら使用すれば、大きな問題にならないですが、木酢液は過剰添加した場合の危険性が高いため、詳しく記載しておりました。
何卒よろしくお願いいたします。