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アクアリウムではRO浄水器を利用することがあります。
海外では、熱帯魚水槽に浄水器で精製した水を使用することはポピュラーですが、日本は家庭用水道水をそのまま飲めるまで水質が良いため、浄水器を使用するのはごく一部の方に限られている傾向が見受けられます。
ではその一部の方がなぜRO水を利用しているのか。その理由の大半は、コケを抑制させる目的で利用していることでしょう。
しかし、RO浄水器で精製されたRO水を使うことは、飼育生物によって良くも悪くもなる場合があります。
飼育生物によってはRO水を利用することで残念ながら調子を崩してしまう可能性があるのも事実です。
しかし、適正にRO水を利用すれば大変重宝できる機材であり、水槽内の生き物へ抜群の効果を見せてくれます。
RO浄水器で精製されたRO水の特徴から、メリット・デメリット、熱帯魚水槽におすすめのRO浄水器まで、解説いたします。
目次
RO水とは?
RO浄水器で精製されたRO水とは、簡潔に言いますと水道水をろ過して限りなく不純物を取り除いた精製水のことを指します。
ろ過の仕方は、水道水にRO浄水器をセットし水を流します。浄水器を通った水は非常に目の細かいメンブレンという逆浸透膜を通過し精製された水が出てくるという仕組みです。
大抵のRO浄水器は、水道水に含まれている約95パーセントの不純物を除去できます。
このRO水は海水魚やサンゴなど海の生き物を飼育するのに非常に向いています。
不純物が無く、質の良い人工海水を作りやすいからです。
RO水を使用するメリット
RO水を実際に利用する際におけるメリット・デメリットについて解説していきましょう。
RO水を利用するメリットはこの2つです。
- コケの抑制
- 水質の安定
RO水のメリット1:コケの抑制
冒頭でもお伝えしましたが、RO水を利用する一番のメリットはコケの抑制です。
水道水にはコケの栄養素となるリン酸塩やケイ酸塩、硝酸塩などの栄養塩が含まれています。
RO浄水器を利用すれば、この栄養塩のほとんどを除去できてしまいます。
そのため、RO水を使うとコケの発生を抑制できるということとなります。
RO水のメリット2:水質の安定
コケの抑制ばかりに目を奪われがちですが、RO水を利用すると水質が安定しやすくなることも大きなメリットです。
なぜなら、水道水の水質状況は1年中安定した水質でないためです。
水槽内の生き物にとって、良い水質の時もあれば悪い水質の時もあります。
水道水の水質が悪化している場合は、溶存不純物(TDS)が多くなるため、水換えする度に溶存不純物に含まれる栄養塩を注ぐこととなり、結果としてコケの発生を斡旋することになってしまいます。
ところが、RO水を利用すればそんな問題も解決できてしまうのです。
RO水を使用するデメリット
コケの抑制、水質の安定と良いことが目立ちますが、残念ながらデメリットもあります。
デメリットは大きく2つあります。
- 費用の問題
- 微量成分の除去
RO水のデメリット1:費用の問題
まず、RO水を利用する際に頭を悩ませるのが費用の問題でしょう。
入門編のRO水機器でも大体2万円ほどの初期費用が必要になります。
また、ランニングコストとして水道代もかかります。
なぜなら、RO浄水器を通した水のほとんどが捨て水となり、精製される水はごく一部となるからです。
水道代というランニングコストがRO浄水器を購入する時に躊躇してしまう一番の理由かもしれません。
機材を選ぶ際は、この精製水量も考慮するようにしましょう。
RO水のデメリット1:微量成分の除去
メリットのところでもお伝えしましたが、RO水は溶存不純物をほとんど取り除いてしまうため、生き物にとって有益な栄養も取り除いてしまうことになります。
特に、アマゾン川などに生息するネオンテトラなどの淡水熱帯魚に利用することはあまりおすすめできません。
水道水の中に含まれる生き物にとって有益な栄養とは、いわゆるミネラルです。
魚はエラからミネラルを吸収し、尿から大量に排水する生理機能をもっています。
ミネラルがほとんどない水で飼育してしまうと、ほんの少しのミネラルを取り入れるために生理機能が常時フル回転してしまい、魚の体に過度な負担をかけてしまうこととなります。
当然ですが、これが続けば奇形になる、または、衰弱する、最悪な場合死んでしまうといった可能性があるのです。
しかし、淡水魚とは異なり海水魚はRO水で飼育することに向いています。
その理由は、人工海水に必要な栄養分が含まれているため、純水に近いほうが、混じりけの無い最適な飼育水が作れるからです。
しかし、フィルターには限界があります。塩素テスターを定期的に使い、交換時期を確認しながら使いましょう。
塩素が検出されたらフィルター交換時期です。
メリット・デメリットをお伝えしたところで、おすすめの浄水器をご紹介いたします。
熱帯魚水槽用RO浄水器・おすすめ3選
マーフィード社: エキスパート マリンZ
最もポピュラーな浄水器です。
溶存不純物の除去率95パーセントありながら、非常にコンパクトなサイズです。
別売りの『RGダッシュ』という製品をつけることで不純物を限りなく100パーセント除去にすることができるカスタマイズ性も魅力です。
アクアギーク社: クロノスレイン
アクアリウム上級者から非常に人気のある浄水器です。
最大の特徴は1日あたり680リットル以上の豊富な精製水を生み出す能力があり、水槽の設置時や、すぐに大量の水換えがしたいときにとても便利な浄水器です。
金額はやや高価ですが、金額と価値を比較すれば納得できます。
マーフィード社:エキスパート 150
RO水浄水器のハイエンドモデルです。
ファイバーカーボンフィルターとマリンメンブレンフィルターの効果で不純物のほとんどない純水がつくれます。
サンゴ飼育や海水魚飼育に特におすすめですが、小型シュリンプなど水質に敏感な淡水生体にも使用できます。
まとめ:熱帯魚水槽にRO浄水器を使う!今さら聞けないメリット・デメリット
いかがでしたか。RO水の特徴から、実際使用するメリット・デメリット、おススメ機材までご紹介しました。
私としては、サンゴ水槽を管理するならRO水はおすすめです。
やはり、コケの栄養塩を減らして管理できることは非常に大きなメリットです。
デメリットである精製時に発生してしまう捨て水は、確かに勿体無く感じてしまうでしょう。
そのため、排水は少しでも利用すると良いでしょう。お風呂用や洗濯用に取っておくなどして上手に利用できると良いです。
ちなみに、たまにいただく質問なのですが「RO水を飲むことはできるのでしょうか?」ということです。
メーカー説明にも記載がありますが、RO水は飲むことは控えましょう。
RO水は不純物がほとんどなく綺麗なので飲んでも安心とおもうかもしれません。
しかし、ミネラルが無いため人間が飲んでも美味しく感じません。
自然の山奥の綺麗な川の水を飲むと美味しいと感じるのは、ミネラルが豊富だからです。
そして、体調を崩す可能性があります。
では、素敵なアクアライフをお過ごしください。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
ビオトープに水道水を使うには、どんな方法がございますか?
PO水を作るには、費用がかかりすぎる。
ビオトープには、汲み置きした水道水を1~2日ほど日光にさらして、カルキを抜く方法がおすすめです。
バケツに汲み置きしておくだけでカルキが抜けます。特に調整剤は添加しなくても問題ありません。
RO水は水草に必要な養分も濾してしまうため、海水魚水槽向きの機材です。
カルキ抜き方法については、こちらのコラムもご参照ください。
・【プロが実践する】水道水の正しいカルキ抜きの方法とは!要する時間などを解説!
https://t-aquagarden.com/column/chlorine
よろしくお願いいたします。