ミジンコを増やしたい!基本の増やし方とミジンコを増やすアイテム7選
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プランクトンの一種であるミジンコ。栄養価が高く、飼育水を汚しにくいことから、メダカやさまざまな観賞魚の稚魚のエサとして活用されています。
最近はネット通販で簡単に購入できるようになりましたが、定期的に与えるのであれば、ミジンコは自宅で増やすのがおすすめです。
今回のコラムは、取り組みやすいミジンコの増やし方を解説していきます。ミジンコを増やす際に役立つアイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにミジンコの増やし方を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
今回は、ミジンコの効率的な増やし方のヒントを紹介するコラムです。
「小さいミジンコを増やすのは難しそう」「手間がかかるなら買った方が早いかも」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ちょっとしたコツを押さえれば、ミジンコは誰でも簡単に、それほど手間もかけずに増やせるのです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ミジンコの増やし方を解説します。
ミジンコを増やす方法
ミジンコを効率的に増やす方法を紹介します。
上手に管理すれば、爆発的に増えてくれるでしょう。3つのポイントを紹介しますので、参考にしてください。
栄養豊富なエサを与える
最初のポイントは、栄養豊富なエサを与えることです。エサ不足、栄養不足ではしっかりと増えてくれません。
ミジンコのエサとしては、以下のようにさまざまなものがあります。
- グリーンウォーター
- ドライイースト
- 専用の餌料
- 培養液
- 鶏糞
このようなエサでよく増えますが、与えすぎると飼育水を汚してしまうことがあるため、適量を心がけましょう。
専用餌料やドライイーストは、水1〜2Lに対して耳かき〜小さじ1杯でも十分に増えます。また、鶏糞は安価で効果も大きいですが、どうしても飼育水が臭うのがデメリットです。
それぞれエサで、入手のしやすさやコスト、メリット・デメリットが変わってくるので、ご自身に合ったものを選んでください。
水温・水質を適正に維持する
ミジンコは20~25度の水温でよく増えます。また、太陽光が十分に当たる環境が望ましいです。
しかし、近年の夏場は猛暑となり、水温が上がりすぎて繁殖が思うようにいかないこともあります。そのため、暑い時期はなるべく風通しがよく、涼しい場所にミジンコの培養容器を設置しましょう。
冬場は、水温を保つために室内に培養容器を設置するのがおすすめです。特に加温しなくても、日当たりのよい窓際に置けば増えていきます。
また、同じ飼育水のままだと、ミジンコは増え続けられません。約3週間ほどで飼育水をすべて入れ替え、リセットする必要があります。順調に増えていたミジンコが、急に増えにくくなった場合、水質の悪化が原因の可能性が高いです。一度リセットして再度育てましょう。
ミジンコの基本的な飼育管理方法については、こちらのコラムも参考にしてください。
適度に間引く・種類を変える
ミジンコは、環境さえ整えば爆発的に増えることもあるでしょう。しかし、数が増えすぎると培養環境を維持できず、酸欠になったり水質悪化になったりして、あっという間に全滅してしまうこともあります。
そのため、週に1回の水換えと、適度に間引きをしましょう。網などで間引きながら、6〜7割程度の匹数に維持できるようにすると、ミジンコの繁殖期間を延ばせます。間引きと言っても、毎日少しずつエサとして与えるだけでも十分です。
なお、良質なエサとして人気のタマミジンコは、およそ1〜2週間で寿命を迎えます。タイリクミジンコであれば、寿命が約40日と比較的長いです。上手に増やせない場合は、ミジンコの種類を変えてみるのもよいでしょう。
ミジンコを増やすアイテム7選
ミジンコを増やす際に役立つアイテムを7つ紹介します。
効率よく増やせたり、作業も楽になったりするのでぜひ活用してください。
クロレラ水
『クロレラ水』は、ミジンコの定番餌です。
栄養価が高く、ミジンコの増殖速度も速くなります。飼育水に加えたら、よく日光の当たる場所で培養しましょう。
水換えの時、もしくは飼育水の色が薄くなってきたら追加します。
デメリットとしては、長期保存が効かないことです。開封後、冷蔵庫で1か月ほど保存できるので、使いきれる量のものを購入しましょう。
ムックリワーク
『ムックリワーク』は、ミジンコやインフゾリア培養におすすめの餌料です。
ミジンコのエサとなる植物プランクトンのエサとなり、ミジンコの繁殖を促します。鶏糞よりも臭いがないので、取り扱いもしやすいでしょう。
原料となっているカニ殻に含まれるキチン質によって放線菌が活性化し、水質改善も期待できます。
ただし、飼育水に対して極少量で効果があるため、小さな容器で培養する場合は注意してください。製品量が多いため、使い切れないことも考えられます。
たくさん培養したい方にとっては、非常にコスパがよくおすすめです。
カミハタ ミジンコ増殖エキス
『カミハタ ミジンコ増殖エキス』は名前のとおり、ミジンコの繁殖のために開発された培養液です。
毎日飼育水に添加するだけで、ミジンコの増殖を促せます。10Lに対して1mlを添加するので、それ以上水量で培養する方におすすめです。
ミジンコ増殖エキスはクロレラ水と違って、常温保存できます。開封後6カ月保存できるのも嬉しいポイントです。
やや高価ですが、一度に使用する量は少なく長期保存もできるので、実際はコスパがよいでしょう。
カミハタ ミジンコ畑
『カミハタ ミジンコ増殖畑』は、簡単にミジンコを培養できる培養キットです。
プラスチックケース、専用土、専用ネット、ミジンコのエサがセットになっているので、これだけでミジンコの培養がスタートできます。そのため、ミジンコ培養初心者にもおすすめです。
ミジンコ畑での培養は、一般的なミジンコの培養とは少し違い、土を敷いて培養するのが特徴です。ミジンコは田んぼによく発生しますが、田んぼをイメージした土を用い、ミジンコが好む環境を作って培養します。
エサも専用のものを1週間に1粒与えるだけなので、とても簡単です。
もちろん定期的な水換えや管理は必要ですが、手軽に始めてみたい方には特におすすめのアイテムですよ。
カミハタ みじんネット
『カミハタ みじんネット』は、ミジンコをすくうための専用ネットです。ミジンコを魚に与えるときや間引き、リセットのときに活躍します。
ミジンコは身体が小さく、思いのほか脚が折れやすいです。エサとして与える場合はよいですが、リセットして再び種親とする場合には、極力ダメージを少なくしなければなりません。
みじんネットは凹凸の少ない編み方をしており、ミジンコにダメージを与えにくいのがメリットです。
せっかく増やしたミジンコですから、専用のネットを使って丁寧に扱いましょう。
カミハタ みじんこの卵
『カミハタ みじんこの卵』は、名前のとおりミジンコの乾燥卵です。
田んぼなどに生息するミジンコは、冬場の水がない時期は、乾燥して乗り切ります。そして、再び水が張られると孵化する、という特徴があるのです。
この性質を活かしたものが、カミハタ みじんこの卵です。
使い方は簡単で、飼育水を20~25度に設定し、そこにみじんこの卵を投入すると孵化します。カプセルに入っているので使いやすいですし、必要な時にいつでも増やせるのがメリットです。
しかし、いくら休眠しているとはいえ、時間が経つと孵化率が下がります。製品に記載されている出荷日から、3か月以内を目安に使用しましょう。
発泡スチロール箱
ミジンコは環境さえ整えられれば、どんな容器でも培養可能です。
しかし近年は、夏場の猛暑などで水温が上がりすぎ、増殖が安定しないこともよくあります。室内に設置できればよいですが、そうはいかない方も多いでしょう。
そんな時は、発泡スチロール箱がおすすめです。
発泡スチロール箱であれば、地面からの温度も伝わりにくく、暑い時期の水温の上がりすぎを防げます。また、少し気温が低い春先や秋口などは、日中に温まった飼育水が夜間に低下するのを防ぐこともできるのです。
直接発泡スチロール箱に水を張ってもいいですし、小さな容器に水を張り、それを箱の中に入れてもよいでしょう。発泡スチロール箱に限ったことではありませんが、全滅防止のために複数の容器で培養し、リスク分散するのもおすすめです。
発泡スチロール箱は、1つ用意しておくとなにかと便利ですよ。
まとめ:ミジンコを増やしたい!基本の増やし方とミジンコを増やすアイテム7選
今回は、ミジンコの増やし方や役立つアイテムについて解説しました。
ミジンコを上手に増やすコツとして、まずは栄養豊富なエサを与えましょう。また、水温・水質を適正に維持しつつ、適度に間引いたり種類を変えたりすることもポイントです。
ミジンコは上手に管理すれば爆発的に増える半面、何かをきっかけに全滅してしまうこともあります。安定的に増やせるように、今回紹介したコツやアイテムを試してみてください。
効率的にミジンコを増やせるようになれば、アクアライフもより充実するでしょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひこちらもご覧になってください。
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