ブラインシュリンプの孵化と増やし方!小さな魚への与え方を解説
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小さなエビの仲間にあたるブラインシュリンプは、アクアリウムでは稚魚や小型魚の餌として知られています。
特に、餓死に注意しなければならない稚魚の餌として非常に優秀で、栄養価が高いので、稚魚を短期間で大きく育てたい時には積極的に与えていきたい餌と言えるでしょう。
また、生餌でありながら卵の状態ならば長期保存が可能な点も特徴の一つ。使う分だけ孵化させて魚に与えることができるので、無駄がありません。
孵化させるのが手間なときは、魚のサイズに合わせて冷凍タイプやフリーズドライを使用するのもおすすめです。
ここでは、ブラインシュリンプの種類や卵から孵化させる方法、魚への与え方などを解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにブラインシュリンプの孵化方法や魚への与え方を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
栄養豊富なブランシュリンプは、大きく育てたい稚魚や、食欲が落ちている成魚に与えることができる嗜好性の高い餌です。
乾燥した卵の状態で販売されており、孵化させて使えばいつでも新鮮なブラインシュリンプを魚に与えることができます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ブラインシュリンプの孵化方法や魚への与え方を解説します。
ブラインシュリンプとは?
アクアリウムでは、メダカの稚魚や小型熱帯魚の餌として扱われることの多いブラインシュリンプ。
まずは、ブラインシュリンプの特徴や餌としてのメリットをご紹介します。
塩水に住むエビやカニの仲間
ブラインシュリンプは、別名アルテミアやシーモンキーとも呼ばれるエビやカニの仲間です。
成長しても体長は15mm程度の小さな生き物で、アメリカや中国にある塩湖(薄い塩水の湖)に生息しています。
栄養豊富で嗜好性が高い最良の餌
ブラインシュリンプは魚に与えると、とても栄養豊富な餌となります。
インフゾリアに比べると少しサイズが大きいので、産まれてから数日が経過した稚魚や小型の熱帯魚に最適です。
特に稚魚に与えると成長スピードが格段に上がって、餓死の危険がある時期を短縮することができます。
また、生餌で嗜好性が高いので、人工餌をあまり食べたがらないアベニーパファーなどの飼育にもおすすめです。
乾燥卵は長期保存が可能
保存がきかず管理が難しいと言われる生餌ですが、ブラインシュリンプは乾燥した卵の状態ならば長期保存が可能です。
耐久卵と呼ばれるこの卵は環境の変化に強く、乾燥しているときは休眠状態にありますが、ひとたび水に浸けると活動を再開して孵化する性質を持ちます。
ただ、孵化した後のブラインシュリンプは他の生餌と同様にあまり保存がききません。塩水環境ならば数ヶ月生きることもあるようですが、餌として使用できるのはせいぜい数日程度、淡水の水槽に入れた後は1日待たずに死んでしまいます。
健康なブラインシュリンプはピンク~オレンジ色をしているので、魚に与えるときは色を目安に元気なものを与えるのがおすすめです。
ブラインシュリンプの種類
ブラインシュリンプは主に、
- 卵
- 冷凍
- フリーズドライ
の3タイプが販売されています。形状によって使い方や栄養価が異なるので、飼育している生き物や使うタイミングに合わせたものを選びましょう。
卵
最も多いのが、卵で販売されているタイプ。
卵を自分で孵化させる手間はかかりますが、生きている状態で魚に与えることができるので、一番栄養価が高く嗜好性も抜群です。
また、孵化直後の小さな幼生から成長したブラインシュリンプまで、好きなタイミングで餌にできるのもメリットで、魚の口の大きさに合わせて餌を用意することができます。
特に口が小さい稚魚に与えられるブラインシュリンプは幼体だけなので、稚魚飼育で使用するときは卵から育てましょう。
冷凍
成体のブラインシュリンプをキューブ状に凍らせたタイプです。
冷凍アカムシなどと同じく、必要な分を解凍して魚に与えます。
生きているブラインシュリンプには劣りますが、それでも栄養価はかなり高いので、魚を大きく育てたいときやスタミナをつけたいときなどに与えるのがおすすめです。
ただ、動かないので生餌を好む魚にはやや物足りない可能性がある点と、サイズが大きいので稚魚には向かない点には注意してください。
フリーズドライ
成体のブラインシュリンプをフリーズドラィ加工したものです。
乾燥しているので、生きたブラインシュリンプに比べて保存がききます。キューブ上に固まっている場合は、ほぐしながら魚に与えましょう。
3つのタイプの中で一番手軽に与えられるのが魅力ですが、栄養価・嗜好性ともにやや劣る印象です。
また、冷凍タイプと同じく成体のブラインシュリンプを使用しているので、成魚向けの餌となります。
ブラインシュリンプを孵化させる方法
ブラインシュリンプの栄養価の高さを最大限に活かすのであれば、少々手間でも卵からかえして与えるのがおすすめです。
ここからはブラインシュリンプを孵化させる方法を解説します。
ブラインシュリンプは、道具を揃えて環境を整えてあげれば誰でも簡単に孵化させることができます。子供の自由研究にもおすすめなので、ぜひ挑戦してみてください。
ブラインシュリンプを孵化させるのに必要なもの
ブラインシュリンプを孵化させるためにはまず、以下のものを用意してください。
- ブラインシュリンプの卵
- 飼育容器(孵化器・プラケース・ペットボトルなど)
- エアレーション
- 水温計
- 塩水
- スポイント
- こし器やフィルターなど
ブラインシュリンプの卵
ブラインシュリンプの卵は、アクアリウムショップはホームセンター、インターネット通販で購入できます。
飼育容器
飼育容器を新しく用意するならば、ブラインシュリンプを孵化するための飼育セットを購入するのがおすすめです。
エアレーションを設置するためのチューブや、卵の殻と幼生を分けるためのこし器が付属しているので、孵化や孵化後の処理が簡単にできます。
ただ、特に飼育容器に決まりはないので、家にあるプラケースやペットボトル、タッパーなどでも代用可能です。
エアレーション
孵化器やペットボトルなどの深い容器でブラインシュリンプを飼育する場合は、エアレーションを設置します。
水深を浅くして少量のブラインシュリンプを孵す”皿式”と呼ばれる方法の場合は、エアレーション無しでも孵化させることができますので、容器に合わせて準備してください。
皿式については後述します。
水温計
水温を28℃に維持することで卵の孵化率が格段にアップするため、水温を確認するための水温計を用意しましょう。
塩水
ブラインシュリンプは塩水の環境で孵化します。
- カルキを抜いた水道水(1L)
- 食塩(20g)
を混ぜ合わせて塩分濃度2%の塩水を用意しましょう。
水道水のカルキは市販のカルキ抜きを使うか、沸騰させる、バケツに汲んで日光の下に置いておくなどの方法で抜くことができます。
スポイト
孵化したブラインシュリンプを吸い上げる際にあると便利です。
こし器やフィルター
孵化した後、卵の殻とブラインシュリンプを分離するのに使用します。
孵化器ならば付属している製品も多いです。
上記のようなブラインシュリンプ専用のこし器を使うと簡単ですが、自宅にあるコーヒーフィルターでも代用できます。
ブラインシュリンプを孵化させる手順
用意が出来たら、さっそくブラインシュリンプを孵化してみましょう。
基本的な手順は以下です。
- 飼育容器に塩分濃度2%に調整した塩水を入れる
- 卵を入れる(水1Lに対して約1gの卵量が目安)
- エアレーションをしながら、水温28℃を維持する
順調に進めば、卵を入れてから24時間程度で孵化します。
少量ならば皿式がおすすめ
皿式はタッパーなどの底が浅い容器に水と卵を入れて孵化させる方法で、少量の卵をかえしたいときにおすすめです。
水量が少ないので、エアレーションがなくても問題ありませんし、水温も維持しやすいので、より手軽にブラインシュリンプの孵化に挑戦できます。
ブラインシュリンプを孵化させるポイント
ブラインシュリンプを上手に孵化させるポイントはズバリ、水温と光です。
まず水温について。
ブラインシュリンプの一番孵化率が高いと言われている水温が28℃ですので、孵化するまでできるだけこの水温をキープしましょう。
水槽用ヒーターなどを設置できたらそれが一番確実ですが、取り付けられないときは、水槽用のライトの近くに置いておくと照明が発する熱で水温を維持することができます。
二つ目のポイントが光です。強い光量が必要というわけではないのですが、まったく光が当たらないと孵化しないことがあります。
この光量が必要という点からも、やはり卵を入れた容器は水槽用ライトの近くに置いておくのがおすすめです。
これらのことを意識しても孵化しない場合は、卵が古くなっている可能性が考えられます。
購入してから日が経っている卵を使っている場合は、新しく買い直してから再チャレンジしてみてください。
ブラインシュリンプが孵化したら
卵が無事に孵ると、水中にぴょこぴょこと泳ぐブラインシュリンプが確認できるようになります。
ここからは、ブラインシュリンプが孵化した後の処理方法と、魚への与え方、保存方法などを解説します。
殻と幼生を分ける
ブラインシュリンプが孵化したら、卵の殻と幼生を分離しましょう。
水面に浮かんでいるオレンジの粒々が卵の殻なので、スポイトを水中に入れて幼生だけを吸い上げます。
ブラインシュリンプは光に集まる習性があるので、容器の側面にライトを当てて集まってきたところを吸い上げるとスムーズです。
ふ化したブラインシュリンプの与え方
魚に与えるときは、スポイトですくったブラインシュリンプをこし器やフィルターに移し、軽く水洗いしてから、水槽に投入するだけです。
塩水が水槽に入るとあまり良くありませんので、水洗いは忘れずに行いましょう。
水面近くに上がってこれる魚ならば、入れるだけで食べてくれます。
水槽の底にいるコリドラスなどに与えたいときは、水槽のガラス面からライトを当ててブラインシュリンプを底近くまで誘導してあげてください。
孵化後の飼育について
ブラインシュリンプは、孵化した後も環境を維持すればそのまま飼育することができます。
飼育を続ける場合は、塩分濃度2%の塩水にエアレーションを設置した飼育容器を用意して、スポイトですくった幼生を入れておきましょう。
餌には、小麦粉やきな粉、パン粉などを少量与えます。ただ、これらの餌は水を汚しやすいので与え過ぎには注意してください。
まとめ:ブラインシュリンプの孵化と増やし方!小さな魚への与え方を解説
今回は、小型魚や稚魚の餌に最適なブラインシュリンプについて解説しました。
ブラインシュリンプは塩水の湖に生息する、甲殻類の仲間です。
体長は最大で15mm程度、栄養分が豊富で嗜好性が高いので、アクアリウムでは生餌として親しまれています。
冷凍タイプやフリーズドライタイプも販売されていますが、新鮮なブラインシュリンプを与えたいときは、乾燥卵から孵化させるのがおすすめです。
最近は、子供の自由研究や飼育体験にブラインシュリンプを孵化させる方も多いです。
皆さんもぜひ、ブラインシュリンプの孵化に挑戦してみてください。
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