アクアリウムコラム
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水槽の水は飲めるのか?飲んではいけない理由とカルキ抜きした水を解説

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アクアリウムをしていると「水槽の水って飲めるのかな?」「ろ過しているからきれいだよね?」と、ふと考えたことはないでしょうか。

また、メンテナンス時などにうっかり口に水が入ってしまい、不安に感じた経験がある方もいるかもしれません。

結論から言うと、水槽の水は飲んではいけません。一見きれいに見える水槽の水には、さまざまなリスクがあるからです。ただし、必要以上に怖がる必要もありません。

今回は、水槽の水やカルキ抜きした水が飲めない理由をはじめ、どんな時に飲んでしまいやすいか、口に入ってしまったときの対処方法などを解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の水は飲めるかについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

基本的に飼育水は飲まないことが大前提です。飲用と飼育は目的が異なり、管理基準も異なります。

カルキ抜きした水や、水槽で飼育している魚やその他の生き物が生活する水は、パッと見ただけではきれいに見えます。しかし、飲用に適していないのには理由があるのです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の水は飲めるかについて解説します。

水槽の水が飲めない理由

水槽の水が飲めない理由を解説します。

一見きれいに見える水槽の水に、どんなリスクが潜んでいるのか理解しておきましょう。

水槽の水質とバクテリアの関係

水槽の水は見た目には透明で、一見きれいに見えますが、その中には魚のフンや餌の食べ残しなどが多く含まれているのです。また、これらを分解するための、無数のバクテリアが存在します。

これらのバクテリアはあくまで水槽内の飼育環境を保つためのものであり、飲料水として安全とは限りません。たとえろ過装置を使っていても、目に見えない有機物や病原菌が含まれる可能性もあるのです。

そのため、水槽の水は生体を飼育するための専用のものとして扱い、飲用とは明確に分ける必要があります。

バクテリアについては、こちらのコラムも参考にしてください。

有害物質と病原菌のリスク

水槽の水には、魚やエビなどの飼育生体が生活する中で発生する、有害物質が含まれている場合があるのです。例えば、魚のフンや餌の食べ残しが分解される過程で発生するアンモニアや亜硝酸は、人間にとって有害な恐れがあります。

さらに、水槽内には病原菌や寄生虫が潜んでいる可能性も。飲み水として口に入れた場合、これらの菌などによって腹痛や下痢などの体調不良を引き起こすケースがあるのです。

実際、プロが定期的に水質管理している水槽でも、飲料水としての基準を満たすことはほとんどありません。きれいに見える水槽でも、実はこのように高いリスクがあるのです。

カルキ抜きを行った水は飲めない!

水槽の水が飲めない理由を解説しましたが、水槽に入れる前にカルキを抜いた水も飲めません

ここでは、カルキ抜きをした水が飲めない理由について2つ解説します。

カルキ抜き剤の成分が入ってしまう

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水道水には消毒用の塩素(カルキ)が含まれていますが、魚やエビを飼育する際は塩素を中和する必要があります。そのため、水道水を水槽に入れる前には、カルキ抜き剤を使用するのが一般的です。

ハイポや液体の中和剤などさまざまなカルキ抜き剤がありますが、これらには塩素を中和する化学成分として『チオ硫酸ナトリウム』が含まれています。

ただし、このチオ硫酸ナトリウムは、人間が飲用することを想定して作られたものではありません。少量であれば大きな影響がないように思えるかもしれませんが、誤って口にすると体調不良を引き起こすリスクがあります。

また、カルキ抜き剤には他の添加物が含まれている場合もあり、飲用としての安全性は保証されていないのです。そのため、カルキ抜きを行った水を飲むのは避けましょう。

RO浄水器の水はおいしくない

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アクアリウム用の高性能ろ過装置として「RO(逆浸透膜)浄水器」があります。

この装置は水中の不純物をほとんど除去できるため、繁殖目的の魚や水質に敏感な生体を飼育する際に使われることが多いです。しかし、このRO浄水器で作られた水は、人間が飲むのには適していません。

RO浄水器は不純物だけでなく、ミネラルもほとんど除去してしまいます。そのため、飲料水としては味が非常に薄く感じられ、おいしさを感じにくいのです。

さらに、アクアリウム用に調整されたRO水には、生体の健康を維持するための成分が添加されている場合があります。これらの成分は、人間の飲用には適していないので、やはり飲まないほうがよいでしょう。

RO水については、こちらのコラムも参考にしてください。

水槽の水が口に入ったら

水槽の水が口に入る例と、水が口に入ったらどうしたらよいのかについて解説します。

大きなトラブルになることは少ないので、落ち着いて行動しましょう。

水槽の水が口に入る例

水槽の水が口に入る例を紹介します。

水槽やその周辺で作業をしていると、ふとした時に口に水が入ってしまうこともあるでしょう。どんな時に口に入りやすいのかを理解しておくと、防ぎやすくなります。

外部フィルターの呼び水で!

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外部フィルターの起動時に行う「呼び水」では、ホースを口にくわえて息を吸い込み、水の流れを作る作業をします。このとき強く吸い込みすぎると、水槽の飼育水が勢いよく飛び出し、思わず口の中に入ってしまうことがあるでしょう。

最近では、呼び水機能を備えたフィルターも開発され、口で吸う必要がない機種も多いです。このような機種を活用したり、呼び水作業を慎重に行ったりして、飼育水が口に入るリスクを回避しましょう。

こちらのコラムでは、呼び水不要の外部フィルターも紹介しています。

水が跳ねた!

水槽のメンテナンス時や生体をすくう際、飼育水が大きく跳ねることがあります。

この跳ねた水はなかなかの勢いがあるため、濡れるだけでなく口に入ってしまうこともあるでしょう。特に、大型の生体をすくうときや、勢いよく水を注ぎ込んだときには、水が飛び散りやすくなります。

水が跳ねないようにするために、水槽内での作業はスムーズにかつゆっくりと行うことが重要です。丁寧な作業を心がけることで、水跳ねを防ぎやすくなります。

基本的には様子見でOK

気を付けていても、水換えや掃除中に、うっかり水槽の水が口に入ってしまうことがあるでしょう。

少量であれば、すぐに病院に行く必要があるケースはまれです。まずは口をしっかりすすぎ、体調に変化がないか様子を見てください。

ただし、気分が悪くなったり、腹痛や下痢などの症状が出たりした場合は、速やかに医療機関に相談すると安心です。

何よりも、水槽の水が口に入るリスクを回避できるように注意しましょう。
作業時には専用器具を使用し、作業後は手洗いやうがいをするのがおすすめです。専用器具はアクアリストが作業しやすいように開発されているので、思わぬ事故も防ぎやすいですよ。

常日頃から衛生面に気を遣うことが、アクアリウムも人間も健康を保つ秘訣と言えます。

まとめ:水槽の水は飲めるのか?飲んではいけない理由とカルキ抜きした水を解説

水槽の水は飲めるのかどうかについて解説しました。

水槽の水は一見きれいに見えても、多くのバクテリアや有害物質が含まれているため、飲用には適していません。ろ過装置を使用していても、目に見えない病原菌や有機物が残る可能性があり、安全とは言えないので飲まないようにしましょう。

カルキ抜き剤を使用した水やRO浄水器で処理した水も、人間の飲料水としては適していません。特にカルキ抜き剤には化学成分が含まれているので注意が必要です。

また、外部フィルターの呼び水やメンテナンス時の水跳ねなど、作業中に水槽の水が口に入るケースもあります。少量であれば大きな問題になることは少ないですが、体調に異変を感じた場合は医療機関に相談するのが安心です。水槽内での作業には専用のメンテナンス道具などを使い、丁寧に行いましょう。

とは言え、アクアリウムは楽しむことが一番です。水槽の水を飲用にしなければそれほどリスクはないので、過度に怖がらず楽しみながら作業してください。



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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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