水槽に手を入れても良いのか？水槽への影響と怪我をしたときの対処法

アクアリウム初心者の方には、「水槽に手を入れても良いの？」「水槽の水は人の身体に影響はないの？」そんな疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

水槽のメンテナンスの際、手を入れなければ作業ができないことがほとんどです。人の手が水質や生き物に与える影響、そして水槽の水が私たちに与える影響とさまざまな点で不安に思うかもしれません。

そこで、そもそも水槽に手を入れても良いのか。もしも水槽に手を入れる場合はどんなことに気をつけたら良いのかを解説します。

手に怪我をしている時の対処方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

手を水槽に入れてもいいのか？

水槽のメンテナンスは、基本的に手を入れなければ始まりません。

それでは、水槽に手を入れるときはどのようなことに注意したらよいのでしょうか。

水槽に手を入れるとき、注意すべき点を解説します。

清潔な手ならOK！

手洗いをして清潔な手であれば、水槽に手を入れても問題ありません。

水槽の管理やメンテナンス、レイアウト変更や水草のトリミングなど、水槽に手を直接入れる機会は多いです。その場合、事前に手を洗い清潔にしてから作業を行ってください。

神経質になりすぎる必要はありませんので、水槽に外部からの汚れを入れないように意識してみましょう。

ハンドクリームなどを付けた手はNG

ハンドクリームなど、化学物質を付けた手は水槽に入れないようにしてください。ハンドクリームなどの成分は、魚たちにとって有害となる可能性が高いからです。

ハンドクリームに似たものではワセリンもあります。ワセリンは外部フィルターの潤滑剤として塗られることもあり、問題ないと思う方もいるかもしれません。しかしろ過フィルター用と医療用、保湿用のものとは純度や成分が違う可能性があるので、手に塗った状態で水槽に入れるのはおすすめしません。

もしもハンドクリームやワセリンを塗った手でメンテナンスする場合は、事前に十分に手洗いをしましょう。

補足ですが、外部フィルターにワセリンを使用する場合は、人体用のものではなくメーカーの純正品をおすすめします。

殺虫剤を触った手もNG

殺虫剤や防虫剤を触った手は、絶対に水槽に入れないでください。

エビ類をはじめ、水質に敏感な生き物は、殺虫剤のちょっとした影響で死んでしまうこともあります。殺虫剤には水に溶けやすいものも多く、水槽のある部屋でワンプッシュ使用しただけで死んでしまった事例もあるほどです。

もしも水槽に入れた手に殺虫剤成分が残っていれば、全滅する可能性もあるので注意しましょう。

家庭用防虫剤でよく使用される「ピレスロイド系防虫剤」は、動物に比較的安全と言われています。しかし水に溶けやすく水生生物には有害ですので、触った後はやはり十分に手を洗いましょう。

人間の手が水槽に与える影響

そもそも、人間の手が水槽に入ることで生き物や水質に与える影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

根本を理解しておくことは、非常に大切です。そこで、人間の手が水槽に入ることで与える影響について紹介します。

手の汚れが入るが基本的には無害

水槽に手が入ることで与える影響として、まずは前述の通りに手についた汚れが水中に入ってしまいます。しかし、手についているのがちょっとした汚れや砂埃程度であり、生き物が健康であればそれほど恐れる必要はありません。

もともと水槽内にはさまざまな雑菌がいますし、生き物たちには免疫力があるからです。ちょっとした手の汚れでは、ほとんど影響がないでしょう。

しかし、化学物質は避けなくてはいけません。最悪の場合は死んでしまう恐れがありますので、注意してください。

いずれにしてもどんな状況であれ、水槽に手を入れる場合は、事前に手を洗うと安心できます。

頻繁に入れると魚のストレスになる

水槽に頻繁に手を入れすぎると、生き物たちのストレスになる可能性があります。

小さな生き物たちにとっては、私たちの手が目の前に現れるのはとても脅威です。さらにメンテナンスする際は手だけでなく、ホースやスポンジなどメンテナンス道具も水槽に入るので余計にストレスとなるでしょう。

ストレスは生き物たちの免疫力にも影響を与えるので要注意です。水替えは定期的に必要ですが、水草のトリミングなど、生き物の状態に深く関わらない作業であれば、1か月に1～2回などと頻度をきめて最低限の回数で管理するのをおすすめします。

怪我をしている手は水槽に入れないほうがいい？

水槽に手を入れることで、生き物たちに影響を与えることはわかりましたが、反対に私たちの身体には影響はないのでしょうか？

ここでは、水槽に手を入れることで、私たちにどんなことが影響あるのか解説していきます。

雑菌に感染することがある

手に怪我をしている場合に傷口から雑菌が侵入し、感染症にかかる可能性があります。

感染する可能性のある細菌としてエロモナスが挙げられますが、通常は人間の体温でほぼ感染しません。しかし体調などによってはリスクが上がるので注意してください。

また水槽に手を入れた後、そのままの状態で飲食をすると、口から雑菌が侵入して下痢をするなどの症状が出る可能性もあります。

いずれにしても、傷口に水槽の水を触れさせない、食事の前に手を洗うなどの対応をしていれば、感染の恐れはほとんどないので安心して大丈夫です。

怪我があるときはビニール手袋を使おう

手に怪我をしている場合は、ビニール手袋をしたり、掃除グッズを活用してと、直接水槽の水に触れないように対策をしましょう。

水槽内にはさまざまな雑菌が潜んでいます。ほとんどは影響がないですが、傷口の状態や、体調によってはなんらかの影響があるかもしれません。

そのため、怪我をしている時に作業する場合は、ビニール手袋をすると、水槽の水に触れないのでおすすめです。

また、水槽に手を入れなくてもコケ掃除ができるマグネットクリーナーと呼ばれるグッズや、柄の長いスクレーパーも準備しておくといざという時に役にたちます。

ただ、水替えなど生き物のコンディションを整えるために必要な作業以外は、無理せず怪我が治ってから行ったほうが安心です

マグネットクリーナーや掃除グッズについては、こちらのコラムも参考にしてください。

水槽に手を入れたら石鹸で洗おう

ごく当たり前のことですが、水槽に手を入れた後は、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。

前述したように、水槽にはさまざまな雑菌がいて、人間の体内に入れば感染症にかかるリスクがあります。手洗いをすればそのリスクは限りなく少なくなるので、手を洗ってください。

また水槽に入った手で、家の中のあちこちを触ると、自分自身以外にも影響が出る可能性もあります。特に免疫力の弱い小さなお子様やお年寄りがいる家庭では、より注意が必要です。

水槽に手を入れた後は必ず手を洗うようにすれば大丈夫ですので、安心してください。

まとめ：水槽に手を入れても良いのか？水質への影響と怪我をしたときの対処法

水槽に手を入れても良いのかどうかについてご紹介しました。

清潔な手を水槽に入れるのは、特に問題ありません。しかしハンドクリームや殺虫剤などの化学物質は生き物を殺してしまう恐れがあるので注意しましょう。十分に手を洗った状態で水槽に手を入れれば大きな問題ないので安心してください。

しかし水槽に手を入れることは、生き物たちに少なからずストレスを与えます。メンテナンス作業は必要ですが、必要以上に手を入れることはやめましょう。

いずれにしても、注意すべきことを守ればお互いに大きな影響はありませんので、神経質になりすぎなくても大丈夫です。

水槽のメンテナンスについては、こちらのコラムも参考にしてください。