
CO2添加の添加方式特集!5つの方式のメリット・デメリットを解説
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本格的な水草水槽を作り上げるためになくてはならないのがCO2添加装置です。
植物が光合成をするときに必要なCO2を水中に添加する機材で、水草の成長を促進したりより色鮮やかにしたりといった効果が期待できます。
一方で、CO2添加装置は専門的な機材であるため、導入するハードルが高く感じられることもあるでしょう。
CO2を添加する方式の種類が複数ある上にそれぞれの違いが分かりづらい点も、難しく感じさせる理由です。
そこで今回はCO2の代表的な添加方式を5つ、それぞれのメリット・デメリットと合わせてご紹介します。
簡単に扱える方式や、安価で挑戦しやすいものなど初心者の方にぴったりな方式も多いので、ぜひご自分に合ったCO2添加器を見つけてみてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにCO2添加の添加方式を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
それぞれ特徴のあるCO2添加の方式は、水槽の管理スタイルに合わせて選ぶのが一番です。
CO2添加装置は扱いが難しいと思われることも多いですが、方式によっては簡単に扱えるものもあるので、初心者の方も気軽に挑戦してみましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、CO2添加の添加方式を解説します。
水槽のCO2添加方式5つ
水槽のCO2添加には以下の5つの方式があります。
- 強制添加方式(高圧ボンベ式)
- 発酵式
- 化学反応式
- タブレット・リキッド式
- 自然溶解方式(簡易ボンベ式)
初心者の方が気軽に使えるものから、プロが使うやや高価なものまで様々です。
ここではそれぞれの方式の特徴やメリット、デメリットを解説します。
強制添加方式(高圧ボンベ式)
一番ポピュラーなのが強制添加方式(高圧ボンベ式)です。
高圧ボンベからCO2を放出して拡散器で水中に溶解させる仕組みで、圧力調整ができるため添加量を細かく管理できます。
CO2の供給が安定しているので、小型から大型まで幅広い水槽に対応可能です。
メリット:CO2ボンベで安定した添加が可能!
強制添加方式の最大のメリットは、長期間にわたり安定してCO2を供給できるところです。
圧力が損なわれることがほぼないため、使用期間に関わらず一定の量を添加し続けることができます。
また他の方式と比べて添加効率が良いので、CO2添加の恩恵を感じやすいでしょう。
小型水槽から大型水槽まで水槽サイズに関わらず設置できる汎用性の高さもポイントで、本格的な水草水槽を目指すアクアリストから多くの支持を集めています。
デメリット:接続が複雑
設置に必要な部品が多く接続が複雑なことから、強制添加方式は使う人を選ぶ面があります。初心者の方だと、特にややこしく感じるかもしれません。
初めての場合は必要なものを一つずつを集めていくのは大変なので、ボンベや添加器がすべてセットになった製品を購入するのがおすすめです。
また、ボンベを定期的に交換する必要があるため、ランニングコストが他の添加方式より高くつくことも。添加ペースを掴むまでは予定よりも早くボンベを消費してしまうこともあります。
適した添加ペースは水槽ごとに違うので、経験を積みながら感覚を掴みましょう。
発酵式
酵母と糖類にぬるま湯を入れて発酵させた際に発生するCO2を水槽に添加するのが、発酵式です。
初期費用が安くて仕組みが簡単なので、初心者の方でも取り入れやすいでしょう。
一方で、CO2を大量に発生させたり蓄圧したりすることはできないため、45cm以下の小型水槽におすすめの添加方式といえます。
メリット:コスパ最強!手軽にCO2添加ができる
発酵式は、低価格で気軽にCO2を添加できるのが最大の利点です。
メーカーから発酵式専用のセットが販売されていますし、エアチューブやペットボトル、酵母、糖類などの材料を自分で揃えて装置を自作することもできます。
発酵式で対応できるのは45cm以下の小型水槽までですが、特別なものを準備しなくても挑戦できるので「CO2添加を試してみたい」という方に特におすすめです。
デメリット:温度で添加量が変わってしまう
酵母菌の発酵を利用していることから、設置場所の温度にCO2の発生量が左右されてしまうの最大の難点です。
発酵式の仕組みでは15~30℃の間でCO2が発生しますが、発生量のピークは25℃を超えてから。
気温が低いと発酵が滞ってCO2の添加量が減ってしまうため、特に冬場は設置場所の気温にも気を配る必要があるでしょう。
また、発酵が終わったらCO2は発生しなくなるため、定期的に培地(中身)を作り直して再発酵させなければならないのも少し手間です。
化学反応式
化学反応式は、クエン酸と重曹の水溶液が触れたときにCO2が発生する化学反応を用いて、CO2を添加する仕組みです。
発酵式と仕組みが似ていますが、化学反応式は温度に左右されないので年間を通して安定してCO2を添加できます。
メリット:ランニングコストが安く、添加量が調整できる!
化学反応式の一番の魅力は、何と言ってもランニングコストが安いことです。
最初に専用のステンレスボンベを用意する必要はありますが、中身が無くなっても材料を充填すればボンベはそのまま再利用できますし、ボンベが大きいので一度満タンまで充填したらそこから2ヶ月は継続して添加が可能です。
CO2を発生させるためのクエン酸と重曹は100円ショップでも購入できるほど安価な素材なので、とにかくコストパフォーマンスが良いでしょう。
コツを掴めば添加量の調整量も簡単なので、初心者の方はもちろん本格的な水草水槽にも対応可能。
長期に渡って継続してCO2添加を続ける水槽に特におすすめです。
デメリット:初期費用が高め
化学反応式はランニングコストが安い一方で、初期費用がやや高めです。
専用のステンレスボンベセットの値が張るため、初めて導入する時は少し躊躇するかもしれません。
また、強制添加式と同様に接続が複雑で部品の組み立てや設置に手間がかかるため、初心者の方にはハードルが高く感じられることがあります。
タブレット・リキッド式
今回ご紹介するCO2添加方式の中で、一番手軽で簡単なのがこのタブレット・リキッド式です。
やり方は、市販されているCO2タブレットや添加剤を水槽に直接投入するだけなので、誰でも気軽にCO2添加に挑戦できます。
ただ、CO2の発生量が限られているので、大型水槽では添加量が不足してしまう点にはご注意ください。
メリット:飼育水に投入するだけで添加可能
タブレット・リキッド式は、飼育水に投入するだけで簡単にCO2を添加できる手軽さが最大のメリットです。
CO2タブレットや添加剤を購入してくれば、他に必要なものはありません。
専用の機材や面倒な接続が不要で初期費用も抑えられるので、初心者の方でも気軽にチャレンジできます。
手軽にCO2添加の効果を体験できるのでお試しでCO2を添加してみたいときや、大量のCO2を必要としない水草を育成する水槽に最適です。
デメリット:水質変化がある
タブレット・リキッド式は添加量の微調整ができず、製品や量によっては水質に影響が出る可能性があります。
そのため、エビ類を始めとした水質や薬品に敏感な生体をしている水槽では、添加した後に影響が出ていないかをよく確認する必要があるでしょう。
不安な場合は別の添加方式を採用した方が安心です。
また、CO2添加量が少なめなのでたくさんの量を添加したいときや、大型水槽にはおすすめできません。
このような特徴から超小型水槽やボトルアクアリウムなどの他の方式が利用しにくい環境で、代替案として採用されることが多い方式と言えます。
CO2の影響については、こちらのコラムも参考にしてください。
自然溶解方式(簡易ボンベ式)
自然溶解方式(簡易ボンベ式)は、専用のボンベと拡散筒を使ってボンベ内のCO2を水に自然に溶け込ませるCO2の添加方法です。
設置が簡単で初心者でも扱いやすい上に、30~60cm程度の中型水槽まで対応できるので幅広い水槽で活用できるでしょう。
メリット:添加器を使う方式の中では最も手軽!
機材を使ってCO2を添加する方式の中では、自然溶解方式(簡易ボンベ式)が一番手軽な方法と言えます。
添加方法は、CO2が入っった専用のボンベと水中に設置した拡散筒をチューブで繋ぐだけといたってシンプルなので、初めてでも困るようなことはないでしょう。
接続は簡単ですが、タブレットや添加剤よりも多量のCO2をしっかり添加できるので、本格的な水草水槽や60cmクラスの中型水槽でも十分に活躍します。
デメリット:ランニングコストが高い
デメリットとしては、ランニングコストが高めな点が挙げられます。
自然溶解方式で使う専用のCO2ボンベが1本1,200円と高圧ボンベに比べて高額なため、継続的に添加していると割高感が否めません。
また、この方式が対応できるのは30~60cm程度の水槽に限られるため、大型水槽や強力なCO2添加が必要な水草の育成は難しいです。
これらの特徴から、コストパフォーマンスを重視する場合や長期的な運用を考えているときは、別の方式を検討することをおすすめします。
CO2添加が必要な水槽とは
水草にはCO2添加が必須と言われることもありますが、実は水草を育成しているからと言ってすべての水槽にCO2添加が必要というわけではありません。
また、飼育状況によっては海水魚水槽でもCO2添加が必要となる場合もあります。
ここでは、CO2添加が必要な水槽を解説します。
水草の育成がメインのレイアウト水槽
最もCO2添加の効果を得やすいのが、水草をたくさん育成するレイアウト水槽です。
CO2はすべての水草の光合成を促進して、成長を助けてくれます。
ミクロソリウムなどの陰性水草はCO2がなくても育成可能ですが、添加することで葉の色や形が見違えるほどに美しくなることも。
また、水草の光合成が活発になると水中の養分を吸収して酸素を生み出してくれるため、水質浄化の効果も高まるでしょう。
ただし、水草の量が少ない生き物の飼育がメインの水槽では、CO2添加が原因で酸欠や水質の変化を引き起こすことがあります。
飼育している魚の特性や水草の量、種類など様々な事情を総合的に考えて、CO2添加を行いましょう。
カルシウムリアクターを設置したサンゴ水槽
海水水槽でも、カルシウムリアクターを使用する場合にはCO2添加器が必須です。
主にサンゴ水槽で使われるカルシウムリアクターは、リアクター内でCO2と海水を使って化学反応を起こし、メディア(石灰など)を溶解してカルシウムを発生させる仕組みですが、カルシウムリアクター本体にはCO2を発生させる機能がないため、CO2添加器を使って別途CO2を添加する必要があります。
どんなサンゴにも効果がありますが、特にカルシウムを多く必要とするミドリイシなどのSPSを育成する水槽では、カルシウムの安定供給がポイントなため、CO2添加器とカルシウムリアクターを正しく併用することが重要です。
まとめ:CO2添加の添加方式特集!5つの方式のメリット・デメリットを解説
CO2添加の添加方式について解説しました。
本格的な水草の育成に欠かせないとされるCO2添加器は、専門性が高く難しそうなイメージがありますが、実は初心者でも挑戦できる取り扱いが簡単な方式もたくさんあります。
小型~中型水槽でとにかく手軽に効果を得たいならば、製品を水槽に入れるだけで簡単にCO2を添加できるタブレット・リキッド式、もう少し添加量を増やしたいときは接続が簡単な発酵式や自然溶解方式(簡易ボンベ式)がおすすめです。
大型水槽やたくさんのCO2を必要とする水草を育成しているときは、添加量が安定している強制添加方式(高圧ボンベ式)や化学反応式が使いやすいでしょう。
添加方式は水槽の大きさや水草の種類、目的に合わせて選択すると効果を得やすいです。
まずは簡単なものから始めて、効果が実感できたらより上位の方式に移行するのも良いでしょう。
この機会にぜひCO2の添加に挑戦してみてください。
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