ビオトープの高水温対策!メダカやヌマエビたちを暑さから守ろう!
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改良メダカから人気に火が付き、現在もブームが継続しているメダカ。日本の気候でも飼育できることから、ビオトープなどの屋外飼育にもおすすめの魚です。
しかし、いくら日本の気候に慣れているからといって、油断してはいけません。
近年の日本の夏は経験したことのない暑さに見舞われることも多く、外気温に影響を受けるビオトープでは特に、水温や水質の変化に気を配る必要があります。
高い気温下では水温もかなり上昇するため、魚や水草が弱ってしまう前に、きちんと暑さ対策をしておきましょう。
そこで今回は、ビオトープの高水温対策ということで、水温上昇を和らげるポイントや、足し水の重要性などを解説していきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにビオトープの高水温対策を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ビオトープは自然に近い環境でメダカを飼育できることから、おすすめの飼育方法ではありますが、外気温の影響を受けることから、夏場の水温管理が必須です。
といっても、クーラーは使用できませんので、日を遮ったり足し水をしたりしながら、上手に水温を管理していきましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、夏の暑さからメダカやヌマエビを守る、ビオトープにおける高水温対策についてを解説します。
真夏は日光が強すぎる!
皆さんもご存知の通り、日本の真夏は日差しがかなり強く気温も高いです。
屋外に設置したビオトープも、気温の上昇とともに水温が上がることが予想されますが、では一体、水の温度が上昇するとどんな影響がもたらされてしまうのでしょうか。
まずはビオトープの水温上昇による良くない影響として、
- 生き物がバテてしまう可能性が高い
- 水草が増えすぎる・枯れることがある
- 水の蒸発が早く水質が不安定に
という3つのリスクについて解説していきます。
生き物がバテてしまう可能性が高い
まずは生き物がバテてしまう可能性が高いというリスクについて。
夏場の屋外に設置した水槽は、暑さ対策を何もしなかった場合、34~36℃程度まで水温が上昇してしまいます。
メダカに限らず多くの水生生物は30℃を超える高水温ではバテてしまい、体調不良を起こして病気にかかるケースも少なくありません。
水草が増えすぎる・枯れることがある
続いては水草が増えすぎる・枯れることがあるというリスクについて。
ホテイアオイなどビオトープで定番の水草は高水温に強いため、驚くほどのスピードで増殖します。
しかしその影響で密度が上がりすぎ、蒸れによって多くの葉が傷んでしまう恐れがあるのです。
また、高水温下では植物プランクトンの一種であるアオコが大量発生してしまうため、景観が損なわれてしまったり、生き物たちが酸欠になるリスクも上昇してしまいます。
水の蒸発が早く水質が不安定に
生体と水草の双方に悪い影響を与えてしまうのが、水の蒸発により水質が不安定になりやすいという問題です。
外気温が上昇するとビオトープ内の水が蒸発する速度も早くなるため、水中の養分や汚れなどが瞬く間に濃縮されてしまいます。
結果的に水質が急変・悪化してしまったり、悪臭や藻類の繁茂などのリスクにもつながってしまうため、注意が必要です。
ビオトープの高水温対策
ここまでビオトープの水温上昇による良くない影響について解説してきましたが、どのように対策をすれば、上述したようなリスクを防ぐことができるのでしょうか。
ビオトープの高水温対策ということで、
- すだれ・水草を活用する
- 日陰に移動する
- 発泡スチロールを使用する
という基本的な3つの対処法についてご紹介をしていきます。
すだれ・水草を活用する
まず定番なのは、すだれや水草を活用するという方法です。
置き場所の都合上、どうしてもビオトープが直射日光に晒されてしまう場合は、日除けとしてすだれを立て掛けましょう。
すだれは日差しを防ぐだけでなく、雨風や越冬の際の凍結対策にも使えるので、一年を通して重宝するアイテムです。
また、日光の差し込む方角に背の高いミズトクサなどを植え付けるのもおすすめです。
水草が日陰となって、水温の上昇や水質の変化を緩和させることができます。
日陰に移動する
続いてご紹介するのは、日陰に移動するという方法です。
可能であればビオトープの置き場所を、夏の間だけでも日陰に移動させましょう。
ベランダなど、どうしても日中は太陽光が差し込む場所に置いている場合は、先程ご紹介したすだれなどを活用して、日陰を作るのもおすすめです。
発泡スチロールを使用する
最後にご紹介するのは、発泡スチロールを使用するという方法です。
緩衝材として使用されることの多い発泡スチロールは、実は断熱性にとても優れています。
夏場は発泡スチロール箱そのものを飼育容器として使用することで、保冷対策を行なうことができるのです。
すだれと同様、発泡スチロールも冬場の凍結対策にも役立てることができるため、ビオトープを始めるのであれば、ひとつ持っておくと安心です。
足し水の重要性
屋外に設置したビオトープは基本的には水換えをせず、その代わりに足し水を行ないます。
ここでは足し水の重要性として、
- 水質維持は足し水で行なう
- 足し水は汲み置きがおすすめ
以上2つの視点から解説をしていきます。
水質維持は足し水で行う
ビオトープは基本的に、足し水によって水質を維持します。蒸発して減った分の水を、適宜足し水で補いましょう。
足し水は暑い季節だけでなく、冬場に関しても、生き物や植物にとっての生命線となります。
また、水槽は水の量が多ければ多いほど保温(保冷)性が上がります。
もし気温の急上昇や、日中と夜間の気温差に偏りを感じてきたら、全体的な水量を増やして水温を保ちやすくするのがおすすめです。
足し水は汲み置きがおすすめ
足し水に使用する水は、バケツに汲み置きをしてカルキ抜きしたものを使うのがベストです。
カルキ抜き剤を使用した水を足してしまうと、水が蒸発した際にどうしても薬剤の成分が濃縮されてしまうため、場合によっては生体によくない影響を与えてしまう恐れがあります。
自然のサイクルを再現することを重視したビオトープでは、トラブルを防ぐためにも、汲み置きした水を足して水質を調節してあげましょう。
ビオトープは風通しを意識して設置しよう
夏季のビオトープでトラブルを減らすためには、風通しを意識した場所を選んで設置することも大切です。
風通しの良い場所に設置しておけばそれだけでも蒸れのリスクを減らせますし、風によって多少でも水面が波立つことで、水中に酸素を送り込むこともできます。
空気が停滞した場所ではどうしても蒸れやカビなどのリスクが上昇してしまうので、可能な限り風通しの良い場所にビオトープを設置し、自然なサイクルの清浄化を図りましょう。
まとめ:ビオトープの高水温対策!メダカやヌマエビたちを暑さから守ろう!
今回はビオトープの高水温対策ということで、水温上昇を和らげるポイントや、足し水の重要性などについて解説をしてきました。
酷暑の続く日本の夏場は、いかにしてビオトープの水温上昇を緩和させるかが、長期飼育のポイントとなってきます。
すだれや水草、発泡スチロールなどを活用したり、日陰で風通しの良い場所に設置したりするなどの工夫をして、酷暑を乗り切りましょう。
夏場でも生き生きとしたメダカや水草を眺められる、ビオトープは自宅に作れる癒しのスポットです。しっかり水温や水質を管理して、ビオトープライフをお楽しみください。
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このコラムへのコメントやお悩み相談に届いた質問の回答
夏場の高水温化対策として、水槽の中に小さな氷を2~3粒入れたりするのは
駄目でしょうか?
氷を入れてしまうと、水温が急激に変化してしまいます。
すると生き物にダメージを与えてしまうため、氷を入れるのは避けましょう。
シンプルですが日陰を作り、水換え頻度を多くするのがおすすめです。
こちらのコラムもご参照ください。
・水槽を冷やせ!2024年夏のアクアリウム冷却対策方法!手軽なのはどれだ
https://t-aquagarden.com/column/cooling_aquarium
よろしくお願いいたします。