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熱帯魚・観賞魚の水合わせ方法!水温合わせや点滴法・使う道具を解説します!

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水合わせは、買ってきたばかりの熱帯魚や観賞魚、エビなどを水槽の水に早く慣れさせるために、水槽に入れる前に行う重要な作業です

生体が今までいたお店の水槽の環境と、これから入れようとしている水槽では水質や水温が異なりますので、そのまま入れると環境が急変して魚に負担をかけてしまいます。水合わせによって少しずつ新しい環境の水に慣れさせて、環境の変化を少なくすることで、熱帯魚たちの負担を減らしてスムーズに飼育を始めることが可能です。

今回は効果やメリット、おすすめの水合わせ用品をふまえて、水合わせ方法をご紹介します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストによるの水合わせ方法の解説


このコラムは、東京アクアガーデンに在籍するアクアリストたちの経験・意見をもとに作成しています。

東京アクアガーデンでは水槽設置・メンテンナンス業務に携わっておりますので、水合わせを日常的に行っております。設置した水槽の魚がすぐに体調をくずしては問題ですし、お客様の大切な魚を扱うこともありますので水合わせには細心の注意を払っています。

実務経験をもとに、作業ごとの所要時間や入れ換える水の量など水合わせの方法を具体的に解説していきますので、ご参考になさってください。

熱帯魚の飼い方
熱帯魚の飼い方、水槽設置手順、病気になった時の対策に関してはこちらのページをご覧ください。

水合わせってどんなこと?


水合わせは、環境の変化により熱帯魚などの生体が弱ったり、ショック症状を起こしたりしないように「水質や水温を合わせる作業」です

水質や水温はそれぞれの水槽環境で異なりますので、

  • 買ってきた熱帯魚や生体を水槽に入れる
  • 生体を別の水槽に移動させる

など、飼育環境が変わる際には水合わせを行う必要があります。

異なる水質の水槽に魚を入れると大きな負担がかかりますが、水合わせによって水質をゆっくりと近づけることで負荷を和らげることができます

水合わせの効果・メリット


水槽にすぐに入れずに水合わせをするのは手間だと感じることもあるかもしれません。しかし、水合わせを行うことで今後の飼育に関わる以下のような効果やメリットを得ることができます。

  • 水質・水温の差による生体へのダメージをなくす
  • 病気や寄生虫、害虫の持ち込みを防ぐ

生体がストックされていた水槽と自宅水槽の環境は大きく異なりますので、時間をかけて水合わせを行い、pHや水温差に慣れさせながら飼育水槽に導入します。水合わせによって導入直後のダメージを減らせるため、生体を長生きさせられる点が大きなメリットです。

また正しく水合わせを行えば、今まで生体がパッキングされていた袋の水が自宅の水槽に入ることを最小限に抑えられますので、病気を持ち込むリスクを減らすこともできます
反対に、水合わせや水温合わせが不十分だと大きなストレスやダメージを受けてしまい、導入してすぐに弱ってしまうこともあります。l

水合わせの所要時間は、水質合わせが30~60分、水温合わせが30分ほどです。水合わせの方法は簡単ですので、初心者の方でもすぐに実践できます。水槽に入れる前にしっかり水合わせを行い、スムーズに飼育を始めましょう。

水合わせの方法


水合わせの方法の基本は下記のとおりです

  1. 袋のまま水槽に浮かべて水温を合わせる
  2. 水槽の水をゆっくり混ぜる
  3. 魚のみを網ですくって水槽に導入する

この3つの工程だけですので、難しい技術は必要ありません

まずは手軽に行える基本的な方法として、水合わせキットを使った水合わせ方法(点滴法)をご紹介します。
水合わせキットが手元にない場合はカップや大きなスポイトで代用することもできますので、そちらも補足しながら解説していきます。

水合わせに使う用品

水合わせには以下の道具を使用します。始める前に用意しておきましょう。

    ■水合わせに必要なもの

  • バケツ
  • 水合わせキットまたは、カップや大きなスポイト
  • 魚を掬う網
  • プロホース(必須ではないが、あると便利)

■水合わせキット

貝沼産業 水合わせキット

水合わせには水合わせキットが便利です。
水合わせキットは、細いエアーチューブと水量を調節できるコックがセットになったもので、水を入れるスピードを調節しながらゆっくりと水合わせをすることができます。これを点滴法と呼びます。

水合わせキットのメリットは、急激に違う水質を体験させることがなく、ストレスを感じさせずに導入できることです。

点滴法では水を添加する速度はゆっくりなので所要時間は40~60分ほどかかります。

時間はかかる印象ですが、じっくり待ちまししょう。

■バケツ

イノマタ化学(Inomata-K) なるほどバケツ8L クリアーブラック 日本製 3207 30.7×28×高さ22.7cm

新しくバケツを用意する場合は少し大きめのものを用意しましょう

8~10ℓ程度の容量のものならば、水合わせだけでなく、水槽の掃除や塩水浴にも使えて便利です
2つ以上用意しておけば使い勝手も良くなります

■魚網

観賞魚用 高級ネット L 細目

熱帯魚や観賞魚、エビをすくうのに使う魚網は体を傷つけないよう、目が細く柔らかいものがおすすめです。
洗濯ネットと針金などを使って自作することもできます。

■プロホース

水作 プロホース エクストラ S

プロホースは水を抜くときに使う道具です。

水と一緒に底砂のゴミも吸い出すことができるため、普段のメンテナンスでも使う道具です。
新しい生体を導入する前には、水を換えや掃除を行って水質を整えるのがおすすめです。

水合わせSTEP1:袋のまま水槽に浮かべる

これはどの水合わせ方法でも必ず行う『水温合わせ』の方法です。

生体の入った袋を30分~1時間程度水槽に浮かべて、袋内の水温を水槽の水温と合わせましょう

導入する生体の数が多いと袋の数も多くなりますので、浮かべた際に水槽の水があふれないよう注意してください。水位が高い場合は、水換えを兼ねて水槽の水を別の容器に少し抜いておくのもおすすめです。

水合わせSTEP2:水槽の水をゆっくり混ぜる


水温合わせが終了したら、袋の水ごと生体をバケツなどの容器に移します。袋の水がこぼれないよう、深めのバケツなどの中で開封するようにしましょう。

次にバケツの水を1/3程度捨て、水合わせキットを使って捨てた分の水量だけ水槽の水を入れていきます

水合わせキットを組み立て、片方を水槽(または飼育水を取っておいた別容器)に、もう片方を生体の入ったバケツにセットします。飼育水を少し吸い上げ、バケツ側に水が出てきたらコックを使って水量を調節しましょう。

水はゆっくり少しずつ入れることで、生体がショック症状を起こさず水槽の水に慣れていきます。水槽の水を一度に入れてしまうと、水質が急変して生体に負担をかけてしまうため注意してください。

水を入れるスピードが遅いことで生体に悪影響が出ることはありません。繊細な魚やエビなどの場合は、ポタポタと一滴ずつ時間をかけて水を入れることもあります。この方法を点滴法といいます。

点滴法はヒーターやろ過器などが設置された水槽から、水温調節もすんでいる飼育水を点滴するのが一般的です

通常、問題になることはほとんどありませんが、冬季の場合は水合わせに時間をかけると、水合わせ容器側の水温が下がってしまうことがあります
エアコンなどで室温を暖かくしておけば万全ですが、室温調整が難しい場合は、水合わせ容器を水槽用ヒーターで加温するのがよいでしょう。

ジェックス オートヒーターミニ SH10 (コンパクト水槽用観賞魚用ヒーター)

ただし、プラスチックのバケツはヒーターの電熱線が触れると溶けてしまう可能性があるため注意してください。
必ず安全カバーの付いたヒーターを使い、電熱線がバケツに直接触れないように設置します。加温中は異常がないか定期的に確認してください。

また、プレコやエビなどの酸欠に弱い生体の場合は、エアレーションしてあげると負荷が和らぎます

水作 水心 SSPP-3S 1個 (x 1)

  1. バケツの水を1/3程度捨てる
  2. 水槽の水をゆっくり入れる

この作業を3、4回繰り返して水質を合わせます。

点滴法でない水合わせ方法

ニッソー メンテスポイト スリム 1個 (x 1)

水合わせキットの代わりにカップや大きなスポイトなどを使って水合わせすることもできます

水温合わせが終わったら、水槽の水をカップやスポイトで少しずつ加えていきましょう。水合わせキットのように勝手に水が流れるわけではないため手間はかかりますが、問題なく水合わせできます。

ただし、ワイルド種(野生の生体)やエビのような水質に敏感な生体の場合は、慎重に水合わせを行う必要があるため、キットや後述するエアーチューブを使った点滴法がおすすめです。

水合わせSTEP3:魚のみを網ですくって水槽に入れる


最後に生体のみを水槽に入れて水合わせは完了です。

袋の水にはさまざまな菌が入っています。ほとんどが水槽の常在菌ですが、導入して間もない生体たちは新しい環境で落ち着かず調子を崩しやすいので常在菌であっても持ち込まないのが鉄則です。水を一緒に入れてしまわないように生体だけ網ですくって入れてあげましょう。水槽に入れた後も魚の様子を確認することが大切です。

余裕があれば水温合わせの後に、もう一つ別の水槽を用意して1~2週間ほど生体の様子を見た後に飼育水槽に移す方法がより安全です。
もともと生き物を飼育していなかった新しい水槽では、隔離してから導入する必要性はありませんが、魚を追加する場合は十分に体調を確認する必要があります。

病気や寄生虫の持ち込みを予防するためです。
この期間に病気などを発見した場合は、薬浴を行います。

この方法を『トリートメント』といいます。

トリートメントの方法や病気の症状については、こちらの記事で詳しく解説しています。

点滴法をセット商品なしで行うには


水合わせキットを使った点滴法をご紹介しましたが、

  • バケツ
  • ピンセット
  • エアーチューブ

この3つのみで点滴法を行うこともできます。

どれも水槽を管理していれば持ち合わせていることが多いものですので、水合わせキットを用意できない場合にもおすすめです。

キットなしの点滴法STEP1:ピンセットでエアーチューブを固定する


はじめにエアチューブの端を飼育水の中に挿し込み、バケツ側に向かって垂れ下げます。
そしてエアーチューブと水槽のフチをピンセットで挟んで固定します。

ピンセットは水草用のものや、普通のものでも問題ないです。

下から引っ張っても簡単には抜けない程度に固定しましょう。エアーチューブが届く位置にバケツも用意しておきます。

キットなしの点滴法STEP2:サイフォンの原理で水槽の水を入れる

エアーチューブとバケツを準備したら、固定したエアーチューブの端(バケツ側)を軽く吸いこむとサイフォンの原理で水が流れ出します。チューブをずっと吸っていると水を飲んでしまいますので、水が近付いてきたら口から放すようにしてください。

サイフォンの原理については、こちらの記事をご覧ください。

キットなしの点滴法STEP3:エアーチューブを結んで水流調整をする


水合わせキットではコックで水流を調節しますが、エアーチューブの場合は結んで加減します

上の画像のようにポタポタ少しずつ垂れる程度に結びましょう。エアーチューブは弾力性があるため比較的強く結ばないと、勢いよく水が流れてくるため注意してください。

水がゆっくり垂れますので他の作業をしてしまいがちですが、目を離した隙に水があふれてしまわないよう定期的に確認する必要があります。

まとめ:熱帯魚・観賞魚の水合わせ方法!水温合わせや点滴法・使う道具を解説します!


今回は熱帯魚や観賞魚などの水合わせ方法をご紹介しました。

水合わせをすることで、水質や水温の差による生体へのダメージを減らすことができます。熱帯魚を購入して迎え入れたり、水槽の魚を移動させたりするときに必要な作業ですので、行うようにしましょう。

水合わせの方法は簡単で用意するものも少ないため、初心者の方でも心配ありません
じっくり、焦らず待つことで大きなメリットを得ることができます。

正しい方法で水合わせできれば魚を長生きさせられる確率が上がるだけでなく、病気を持ち込んでしまうリスクも減りますので、ぜひ、実践してみてください。

水合わせについて良くあるご質問

魚の水合わせとは?

購入してきたばかりの熱帯魚や観賞魚などの生体を、飼育予定の水槽の水質・水温に慣らすことです。
まずは水槽にパッキング袋ごと浮かせて水温を整え、次に飼育水を少しづつ添加して水質の差をなくします。
どの魚種やエビも水質・水温の急変でダメージを受けるため、導入時には必ず行います。

水合わせの効果とメリットとは?

  • 水温差によるダメージを減らす
  • 水質差によるストレスを減らす

これらは、魚飼育を始めるうえで大きなメリットです。水合わせをせずに導入すると強いストレスを与え、病気や衰弱などの不調を引き起こします。
水合わせには道具と40~60分ほどの時間が必要ですが、メリットのほうがはるかに勝ります。

水合わせに必要なものを教えてください

  1. 10L程度のバケツ
  2. 水合わせキット、またはコップやスポイトなど
  3. 魚を掬う網

主に必要なのは、この3点です。水合わせキットはあると、より低刺激な水合わせ(点滴法)が行えます。
水質変化に敏感な魚種やエビ類を導入する際には、点滴法がおすすめです。

水合わせを行う際の注意点とは?

水温合わせの時間が短いと、水温差があまり解消されず生体にストレスを与える原因になります。
また、水合わせを行う場合は必ず設備やレイアウト配置をすべて終えて水をはり、『あとは生体を導入するだけ』の状態にしておきます。
水温も水槽用ヒーターなどで適水温に整えておくことが大切です。

 

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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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