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庭の一角や軒下に置くイメージが強いビオトープですが、ちょっとした工夫だけで高層マンションのベランダでも楽しめます。
眼下に立ち並ぶビルを眺めつつ、足元で泳ぐ魚や青々と茂る水草・水生植物を観察することもできます。住居スペースを圧迫することがないというメリットに引かれて、ベランダでビオトープを始める人も少なくありません。
そこで、今回はベランダでビオトープを楽しむために、作り方はもちろん、用意するものやおすすめのアイテムをご紹介します。
目次
ベランダでビオトープを始めるには
ベランダでビオトープを始める前に、以下の2点を決めるようにしましょう。
- 必要なものを用意する
- 置く場所
ベランダの大きさはもちろん、飼育したい魚や水草・水生植物によって必要なものが異なります。また、ベランダでも場所によって日照時間が変わるので、その点も考慮して置く場所を検討しましょう。
この段階でしっかり決めておくと失敗するリスクを抑えることできます。
用意するもの
ベランダにビオトープを作る際に用意するものは以下の6つです。
- 飼育容器
- 底砂
- バケツ(10L以上)
- 魚、水草、水生植物
- すだれ
- メダカなどを入れる場合は餌
基本的にろ過フィルターや照明を必要としないので、手軽に始められるのも大きな魅力です。具体的な選び方は後ほどご紹介します。
直射日光が当たる場所につくろう!
ビオトープを作る場所は、時間帯によって日光が差し込む方が良いです。
生体の体調が安定しやすかったり植物の育成に必要だったりとメリットが多いですし、植物プランクトンが増えやすい環境になるため、魚の餌の供給にもつながります。
ただ、長時間日光が当たると水温が上昇したりコケが生えやすかったりするので、一定時間で日陰になる場所がおすすめです。
そうでない場合は、すだれなどを使用してうまく陽射しを調整しましょう。
ベランダビオトープの作り方
ここからは、ビオトープの作り方や飼育容器、底砂の選び方をご紹介します。
難しい工程はないので、初心者の方でも安心して作ることができます。
容器は軽くて水量の多いものを選ぶ
飼育容器は軽くて水量の多いものがおすすめです。
重いものはベランダの耐荷重の心配があるうえに持ち運びにくいため、搬入の難易度が高くなりがちです。また、水量が多い方が水質は安定しやすいので、極端に小さなものは扱いが難しくなります。
ベランダの大きさとビオトープに割けるスペースを考慮して決めるとよいでしょう。発泡スチロールやプラ船が簡単に入手できて扱いやすいのでおすすめです。
底砂は赤玉土がおすすめ
底砂は「赤玉土」がおすすめです。
安価で手に入りやすいので、大きな飼育容器に敷く場合でもコストを抑えることができます。また、多孔質な構造がバクテリアの住処になるといったメリットも。
ろ過フィルターを使わないビオトープでは底砂に定着するバクテリアの水質浄化能力がとても重要です。根を張りやすいことから、水草や水生植物の育成をメインにしたい場合にもおすすめします。
数回バケツで洗って濁りが薄まったら、水草や水生植物を植え込むのであれば5cm程度、そうでなければ底面が隠れる厚さを敷きましょう。
導入時には濁りは完全になくなることはありませんが、次第に落ち着いていきます。
水はベランダの日光でカルキ抜きしよう
底砂を敷いて水草や水生植物を植え込んだら水を注いでいきます。
カルキ抜きした水でも問題ありませんが、バケツに汲み置きして日光に当てつつ2~3日置いておくとカルキを除去することができます。ビオトープの横に置いておくだけでよく、水温を合わせる手間も必要ありません。
植物だけであればそのまま育成を楽しめますが、魚を入れる場合は水を入れてから2~3週ほどの間はこまめに水を換えましょう。立ち上げ直後はアンモニアがたまりやすく魚に適した水ではありませんが、時間が経過するにつれてバクテリアが増え水質が安定します。水はすべてを交換する必要はなく、1/5~1/3程度で十分です。
設置から3週間ほど経っても生き物たちが問題なく餌を食べている場合は、バクテリアの繁殖がうまくできた状態です。
植物はこまめにお手入れしよう
植え込む植物はこまめに手入れして背丈を調節するようにしましょう。
あまり伸びすぎると水面を覆って日光を遮り、下層の植物が枯れてしまう原因になります。枯れると水質が一気に悪化するので、要注意です。また、殖えすぎると魚が泳ぎにくくなってしまうため、取り除く必要があります。
うまく維持できると水中や底砂の栄養を吸収して、水の富栄養化を防ぐ効果が期待できます。お手入れが面倒な場合は、間引くだけで数を調節できる「ホテイソウ」や「アマゾンフロッグピット」といった浮き草もおすすめです。
すだれはビオトープの必須アイテム!
「すだれ」はベランダのビオトープに欠かせないアイテムです。
- 日差し、風雨避け
- 夏の暑さ対策
といったリスクを減らすことができます。また、鳥やヤゴ(トンボ)といった天敵の侵入を防いだり隠れ家になったりといった効果も。
1つ用意しておくと、多岐にわたって活躍する便利アイテムです。
日差し・風雨避けに最適!
すだれがあると、過剰な日差しや風雨を防ぐことができます。
強すぎる日差しは魚のストレスになったり、植物の葉焼けにつながったりと、デメリットになることも少なくありません。すだれを使うと日照時間を調節できるので、1つは用意しておくと良いでしょう。
また、風雨によってゴミが入ったり、多量の雨水で水質が変化したりといった悪影響を防ぐ効果も期待できます。ただ、湿気が多い環境(梅雨時期など)ではカビが生えやすいため、定期的に天日干しすることをおすすめします。
夏の暑さ対策のマストアイテム
すだれは夏の暑さを防ぐために欠かすことができないアイテムです。
室内とは違って日光の影響を受けやすいビオトープでは、夏場の高水温に注意しなければいけません。ひどい場合は魚や植物が全滅してしまう事態にもなりかねませんが、すだれがあればそのリスクを大幅に下げることができます。
飼育容器に乗せるだけと、とても簡単なのもおすすめの点です。入手する際は、飼育容器の幅を測り、ひと回り大きいすだれを用意するようにしましょう。
ベランダにビオトープを作ろう!作り方をご紹介!マンションでも作れます
ビオトープはマンションのベランダでも十分楽しむことができます。
「住居スペースを圧迫したくない」「庭がないから」と諦めていた人はベランダにビオトープを作ってみてはいかがでしょうか。
いつもの景色が癒しの空間に変わるはずです。
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