ボトルアクアリウムの保温術！ベタなどの熱帯魚や水草を寒さから守る

ボトルアクアリウムは、水槽よりも小さな容器の中で、水草を育てたり、ベタやメダカ、熱帯魚などを飼育する方法のことです。
ボトルアクアリウムは、水槽よりも水量が少ないため、秋～春は水温の変化が起こりやすくなります。

冬にボトルアクアリウムで、保温の必要なベタや熱帯魚、そして水草などを育てている場合は、水温が低下しすぎないように、ボトルアクアリウムを暖める必要があるのです。

今回は、ボトルアクアリウムの保温術につて、ご紹介させていただきます。

プロアクアリストたちの意見をもとにボトルアクアリウムの保温術を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

秋～春にかけては、熱帯魚にとって大変厳しい季節です。
水温が下がりすぎると熱帯魚は命の危険にさらされるため、保温対策を行うようにしましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ボトルアクアリウムを温める方法を解説します。

水草や熱帯魚の適正水温について

ボトルアクアリウムのように、水量が少ないために、気温の影響を受けて水温が不安定になりやすい環境では、飼育している熱帯魚や、ベタ、育成している水草には負担がかかりやすくなります。

ボトルアクアリウムに限らず、アクアリウム水槽において、水草や熱帯魚を育成する場合には、適正水温を一定にしておくことが大切です。

飼育生体別の適正水温の目安

メダカ	15～28度
ベタ	25～27度
その他小型熱帯魚	24～27度
水草	18～27度

育成している熱帯魚や水草の種類にもよりますが、水温は最低でも22℃以下に下がらないように気を配る必要があり、ベタのような熱帯魚やメダカの場合でも、通年で元気に育てるためには、24～26℃程度の水温に保つ必要があります。

水量の多いアクアリウム水槽ほど、温度変化が少ないですが、ボトルアクアリウムのような水量の少ない容器では水温の変化が激しくなりやすいです。

ボトルアクアリウムの保温術を紹介！それぞれのメリット・デメリットとは

猫や犬などの哺乳類は、自分で体温を作ることができます。
しかし、魚は変温動物で環境の温度で生活しています。つまり、水温によって体の活性が変わるため、水温管理は大切な飼育ポイントの一つです。

特に冬季のように、水温の下がりやすい環境で飼育されている熱帯魚やベタには、ストレスがかかりやすくなり、熱帯魚や水草が弱る原因になります。
そんなときこそ、ボトルアクアリウムの保温術の登場です。

ここでは、ボトルアクアリウムの保温術について、詳しく紹介していきます。

保温法1：エアコンや暖房器具を使う

ボトルアクアリムを置いている部屋を、エアコンなどの暖房器具を使って、24時間暖めておけば、気温や水温の変化が少なくなり、ボトルアクアリウムを保温することができます。

• 室内も、ボトルアクアリウムも、両方、保温することができる。
• 室内の温度変化の影響を受けにくくなる。

などのメリットがあります。
その反面、

• 電気代や、燃料費がかかる。
• 暖房ヒーターの種類によっては、火災の危険性がある。

などのデメリットもあることを理解しておきましょう。
しかし、飼育者の生活環境も暖かくなるので、一石二鳥の保温法です。

保温法2：パネルヒーターを敷く

パネルヒーターを使用することで、ボトルアクアリウムを保温することができます。
爬虫類用の四角いものでも保温は可能ですが、丸い容器にはボトルにぴったりの丸形がおすすめです。

• 場所を取らず、ボトルアクアリムの下に敷くだけで保温できる。
• 小さなボトルアクアリウムでも、保温できる。

手軽に使用できますし、エアコンよりも連続して使用しても電気代が安いです。

• 防水タイプでないパネルヒーターの場合は、上に防水シートを敷く必要がある。
• ボトルアクアリウムの底面素材や底砂を挟んで保温するため、水槽用のオートヒーターほど、温まらない場合がある。

こうしたデメリットもありますが、使い勝手はいいです。ただ、底面から温めるため、エアコンと比べると水温は均一に温まりにくい点には注意しましょう。

保温法2：発泡スチロールなど断熱材を活用する

メダカなど低水温に強い魚種の場合は、ボトルアクアリムを発泡スチロールを活用するだけでも冬越しは可能です。
ボトルを保温材でできた箱の中に入れるだけでも、ある程度は水温低下を防ぐことができます。

• 電気を使わずに、コスパ良く保温できる。
• 停電時でも問題なく保温できる。

メリットは電気を使わないことです。これによりどんな状況でも保温を続けられます。

• 加温するわけではないので、熱帯魚には不向き。
• 観賞性が下がる。

また、断熱材で容器を囲うため、観賞性は大きく下がります。

保温法4：水槽用ヒーターを設置する

使用するには、開口部の大きく、深さがある容器であることが条件になります。

• 効率よく、ボトルアクアリウムを保温することができる。
• ベタ用の水槽用ヒーターであれば、ボトルアクアリウムにも設置しやすい。

水槽用ヒーターには、確実に保温できるというメリットがあります。

• 水槽用ヒーターの配線やコードがボトルアクアリム内で目立ちやすく、レイアウト性を損ないやすい。
• 水量が少ない容器では使用できない。

デメリットは、加温機材のため使用法が適切でないと危険が伴うことです。

別の飼育容器を用意するのもおすすめ

冬季のみ、少し大きな水槽に、熱帯魚や水草を移して育成する方法です。
ボトルとは別に水槽が必要なことや、ボトルアクアリウムを再度始める場合は、もう一度ボトルアクアリウム内を作り直す手間ががかかるのが難点ではあります。

しかし、この方法は水量も確保しやすく無理なく保温環境を作れるため、魚たちのコンディションを保ちやすいです。

その他には、ボトルアクアリウム内で、飼育している熱帯魚が大きくなりすぎた場合には、もっと大きな水槽に移動させる必要も出てくるかもしれませんね。この場合は、保温に限らず、速やかに大きめな水槽を準備しましょう。

まとめ：ボトルアクアリウムの保温術！ベタなどの熱帯魚や水草を寒さから守る

アクアリウム初心者の方でも始めやすく、人気のある、ボトルアクアリウムの冬の保温術をご紹介しました。

ボトルアクアリウムでは、ベタのように単体飼育が推奨される熱帯魚や、ネオンテトラなどの小型の熱帯魚、メダカなどの淡水魚の飼育が人気です。また、水草だけのビオトープのようなボトルアクアリウムの育成を楽しんでいる方も多いです。

しかし、ボトルアクアリウムは管理が難しい部類の飼育方法です。
冬季の到来を機会に、少し大きな水槽飼育へ切り替えてしまうのもおすすめと言えます。

気温の下がりやすい冬時期は、それぞれのボトルアクアリウムにあった保温術で温めてあげてください。