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魚を薬浴した後の対処法!養生方法と水槽に戻すタイミングを解説

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魚が病気にかかってしまったとき、治療として魚病薬を使った薬浴を行いますが、意外と盲点なのが治療を終えた後のアフターケアです。

人間も病み上がりは体のだるさが残っていて普段通りの生活ができないことがありますが、これは魚たちにも言えること。症状が落ち着いたからといって、すぐに元気いっぱいの状態になるというわけではありません
また、薬浴をしていた環境からいきなり普通の飼育水に戻してしまうと、水質の変化についていけずに再び体調を崩してしまうことも考えられます。

病気の再発を防ぎ元通りの健康な体を取り戻すには、薬浴後のケアがとても大切です。

そこで今回は、魚の薬浴後の対処法を解説します。
再発を防ぐための基本的なケア方法から水槽に戻すタイミングまで詳しくご紹介しますので、ぜひこの記事をお役立てください。

プロアクアリストたちの意見をもとに魚の薬浴後の対処法と水槽に戻すタイミングを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

薬浴が終わり病気から回復したからと言って、すぐに元の水槽に戻してしまうのはとてもリスクが高いです。
薬浴後の魚たちはまだ体調が万全というわけではないので、個別にしっかりケアをして元気を取り戻してから少しずつ元の環境に慣らしていきましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の薬浴後の対処法と水槽に戻すタイミングを解説します。

魚の薬浴後はどうしたらいい?


魚の薬浴は基本的に薬の説明書きに沿って進めていけば良いので誰でも行うことができますが、意外と盲点なのが薬浴後のケアについてです。

病気から回復したらついそのまま本水槽に戻してしまいたいところではありますが、ほかの魚も暮らす本水槽では病魚への細かいケアが難しい上に、弱っているところにストレスが掛かって再び体調を崩してしまう可能性も。

確実に病気を完治させるためには、薬浴後もしばらくは個別に管理するのが適切です。

ここでは、薬浴を終えた後の対処法について解説します。

養生法1:しばらく隔離を続ける

薬浴をするとき、大抵の場合は魚病を隔離して治療を行いますが、薬浴を終えた後もすぐに本水槽には戻さずしばらくの間は隔離を続けましょう
病気の種類や症状にもよりますが、少なくとも3日~7日ほどは隔離して観察を続けるのがおすすめです。

薬浴をすると一見病気の症状が落ち着いたように見えますが、ここで無理をして本水槽に戻すと環境の変化やストレスで、病気が再発してしまうことがあります。
特に白点病などの感染力が強い病気の場合は、病原体がまだ体内に潜んでいる可能性もあるため要注意です。状況によっては、7日以上に隔離が長引くことも想定しておきましょう。

観察期間中はなるべく静かで落ち着ける環境を用意し、こまめに水質や魚の様子を確認しましょう。
万が一再発の予兆を感じたら、もう一度治療をしてしっかりと治すことが大切です。

養生法2:こまめに水換えする

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治療を終えた魚を養生させるときは、こまめに水換えを行って清潔な環境を保ちましょう
水換えには、魚のフンなどの汚れを取り除いて水質の悪化を防ぐのはもちろん、魚の交感神経を刺激して自己治癒力を高める効果も期待できます。

水換えの頻度は、餌を与えているならば毎日~2日に一回程度が目安ですが、まだ体力が回復していない時期ですので、無理をかけないように慎重に行ってください。
また、水換えによる水質の変化は魚に負担を掛けやすいので、一度に換える水の量は少な目を心がけます。

いずれにしろよく魚の様子を確認しながら状況に応じて回数を変えるなど、臨機応変に対応することが大切です。

養生法3:塩水浴で様子を見る

0.5%塩水浴用 原塩 300g(60cm水槽用)

薬浴後のケアとして塩水浴も有効です。

塩水浴には魚の浸透圧調節機能をサポートする働きがあり、体力の温存や回復に効果的。特に金魚やメダカ、ベタなどの魚種に対しては高い回復効果が見込めます

ただし注意していただきたいのが、塩水浴はすべての魚に実施できるわけではないという点です。ネオンテトラなどの南米原産の熱帯魚に代表されるように塩分を苦手とする魚種もいるため、必ず対象の魚種の特性を確認してから行うようにしてください。

ちなみに、塩水浴用の塩水で薬浴を行うと薬効をさらに高めることができます

養生法4:餌は控えめにする

薬浴中は絶食が基本ですが、治療が終わったら少しずつ餌を再開することができます

しかしだからと言って、いきなり大量の量を与えたり、元気になって欲しいからとこってりした餌を与えたりするのは止めましょう。
先程も解説した通り薬浴明けの魚は、病み上がりの満身創痍の状態です。そこに無理に餌を食べさせると、消化に体力を消耗して回復が遅れてしまいますし、消化不良などを起こしたら大変危険です。
また食べ残しが多いと水が汚れて、魚に負担を掛けてしまう可能性もあります。

そのため、養生中に餌を与える場合はごく少量の餌から始めて、様子を見ながら量を調整するのが良いでしょう。与える餌もなるべく消化に良い、魚に優しい餌を選びます。

病魚の回復を促すには、適切な量の餌と清潔な環境が欠かせません。無理に餌を与えるのではなく、魚の体調に合わせた対応を心がけましょう。

養生法5:水温変化に要注意

テトラ (Tetra)デジタル水温計 ブラック BD-1 水温計 アクアリウム 熱帯魚 メダカ 金魚

養生中の魚にとっては、ささいな水温の変化も負担になります。
水槽用ヒーターを使用していれば問題ありませんが、水槽用ヒーターなしで管理している場合は、季節や環境、昼夜の寒暖差などで水温が激しく変化することがありますので、いつも以上に水温の確認を怠らないようにしましょう。

特に病気療養中の金魚やメダカは、低水温には比較的強いですが高水温には弱く、30℃を超えるような状況になると大きなダメージを受けてしまう可能性があります。

仮に水槽用ヒーターを使用していても、やはり外気温が激しく変化するような環境はあまり療養に向いているとは言えないので、隔離水槽は一日を通して水温が安定しやすい室内に設置するのがおすすめです。

また、こちらは薬浴中の話になりますが、主に寄生虫対策用の魚病薬の中には、水温28℃以上では使用できない成分が含まれているものがあります
薬浴中も水温の管理には十分に注意しましょう。

薬浴後に本水槽に戻すタイミング


無事に薬浴を終えて病気が完治した後、いつ水槽に戻せば良いのかは多くの方が悩むポイントです。
タイミングを間違えると、水槽に戻した後病気が再発してしまったり、混泳相手との競争に負けて弱ってしまったりする危険もありますので、しっかり時期を見極めましょう。

ここでは、薬浴後に水槽に戻すタイミングの目安をご紹介します。

症状が再発しないとき

水槽に戻す目安としてまず一番に確認しなければならないのが、本当に病気が治ったのか、再発する可能性はないのかということです。

薬浴をして症状が落ち着いたように見えても、薬をやめた途端に再び体調を崩してしまうことも少なくありません。これは、病気が治ったのではなく薬の効果で一時的に症状が治まっていただけだと考えられます。

このようなケースの場合は、薬浴後の隔離期間中に異変がみられることが多いので、少なくとも3~7日間はしっかり様子を確認し、体調を見極めるようにしてください。
特に、白点病や赤斑病、エラ病、ポップアイ、松かさ病などの病気は再発しやすく、進行すると治療が難しくなるため、本水槽へ戻すタイミングの見極めがとても大切となります。

慌てて水槽に戻しても再発してしまってはせっかくの治療が無駄になってしまいます。再発しないことを確認できたタイミングで落ち着いて水槽に戻すのが賢明です。

泳ぎが元気になったとき

泳ぎが元気になってきたら順調に回復してきている証。本水槽に戻すことを検討し始めて良いタイミングです。

魚が元気になったと判断できるポイントは、

  • 泳ぎがしっかりしていて、良く動くようになった
  • 各ヒレがピンと張っていて状態が良い
  • 餌に反応するようになった

などで、この状態ならば体力も戻ってきているので、本水槽に戻しても混泳魚に追いやられてしまうようなことなく、馴染んでいけるでしょう。
反対に、底でじっとしていたり、泳ぎが弱々しかったりといった様子が見られるときは、もう少し隔離水槽で個別にケアをしてあげたほうが良いです。

餌をしきりに欲しがるとき

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食欲が戻ってきたら、かなり元気になったと考えてよいでしょう。
そもそも体調が悪い魚は、餌を欲しがりませんので、餌をしっかり食べれるようならば本水槽に戻しても問題なくやっていける可能性が高いです。

例えば、金魚が見せる”餌くれダンス”は、活発に動く体力の消耗が激しい動作なので、これがみられるということはそれだけ体力がついて元気になっている証拠と言えます。

ほかの魚種の場合も、

  • 餌を与えたらすぐに近寄ってくる
  • 餌をしっかり食べている
  • 消化できている

といった行動を目安に、食欲が戻ったことが確認出来たら本水槽に戻すことを検討してみてください

もし病気が再発したら


本水槽に戻した後で再び体調を崩すようなことがあっても、慌てずに基本的な治療を守って対処しましょう。落ち着いて適切に対応すれば、再び症状を抑えることが可能です。

再発の兆候が見られたらすぐに病魚を隔離容器に戻して、症状の確認を行います
前回と同じような症状ならば、必要に応じて薬浴などの治療を開始してください。

もし、前回とは異なる症状が現れているならば、水槽内に何らかの原因が潜んでいる可能性が高いです。

この場合は、病魚の治療と並行して水槽内の環境改善に取り組みましょう。
水槽内に同じ症状の魚がいないかを確認した後、水質の確認や水槽のメンテナンスを徹底して行い、原因を探ります。
白点病といった感染力の高い病気の場合は、水槽全体を薬浴することも検討してみてください。

まとめ:魚を薬浴した後の対処法!養生方法と水槽に戻すタイミングを解説


魚の薬浴後の対処法を解説しました。

薬浴を終えたからと言って、魚の治療が終わるわけではありません。
薬浴後の魚は体力がかなり落ちた状態で、再発のリスクを抱えている可能性も高いです。

健康を取り戻すため、まずは隔離水槽で個別にケアをしてあげましょう。
養生中は、水温変化に注意しながらこまめな水換えを行います。餌やりを再開する場合は、消化に良いものを少量から始めてみてください。
体力の回復には塩水浴も効果的です。

3日~7日程度時間をおいても再発する様子が見られず、食欲や泳ぎが戻ってきているようならば、本水槽に戻すことを検討しても大丈夫です。

薬浴後の養生期間は、病気の完治を確認したり体力を回復したりする大切な時間です。適切なケアをして魚の健康を取り戻しましょう。

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執筆者 アクアガーデン

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