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サンゴ砂とアラゴナイトの違いとは!海水水槽の底砂それぞれのメリット

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海水魚水槽で使用する底砂は熱帯魚用のものと異なり、かなり種類が限られています。
代表種として挙げられるのが、「サンゴ砂」「アラゴナイト」
これらの底砂を海水に浸しバクテリアを定着させたもの「ライブサンド」と呼びますが、ではサンゴ砂とアラゴナイトの違いは一体何なのでしょうか。

今回は意外と知られていないサンゴ砂とアラゴナイトの違いそれぞれの底砂を使用するメリットなどを解説していきます。
マリンアクアリウム初心者の方や底砂選びに迷っている方などは、是非このページを参考にしてください。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにサンゴ砂とアラゴナイトの違いを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

サンゴ砂とアラゴナイトは一見、よく似た底砂です。
どちらもミネラルやカルシウムが豊富、というところまで同じなのですが、飼育水への影響んはやや違いがあります。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、サンゴ砂とアラゴナイトの特徴や違いを解説します。

サンゴ砂とアラゴナイトとは?

海水用の底砂はサンゴ砂のほかに「ライブサンド」が挙げられますが、こちらはサンゴ砂やアラゴナイトを海水に浸し、水質の安定に働くバクテリアを添加した底砂を指します。

ではそもそも、「サンゴ砂」や「アラゴナイト」とは一体何なのでしょうか
その点についてわかりやすく解説していきますので、よく確認しておきましょう。

サンゴ砂はサンゴの死骸

ジュン (JUN) プラチナリーフサンド 超極細タイプ 5kg

サンゴ砂とはその名の通り、砂状になったサンゴを利用した底砂です。
と言っても底砂にするため生きたサンゴを採集するのではなく、すでに死んでしまい波風によって風化したサンゴを集めて商品にしています。

自然の砂浜から採取されているので不純物が混ざっていることが多いですが、きちんと洗ったサンゴ砂はとても美しく、細かいタイプのものは白い砂浜を再現するのにぴったりです。

アラゴナイトは貝などの化石

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アラゴナイト炭酸カルシウムでできた殻や骨格を持つ貝や石灰藻の化石のことで、それを細かく砕いて砂状にしたものを指します。

「アラゴナイト」と単に検索すると、水槽の底砂ではなくパワーストーンの紹介サイトが多く表示されるでしょう。
実はアラゴナイトは炭酸カルシウムが結晶化した鉱物としても知られ、和名でアラレ石と呼ばれています。

底砂として販売されているアラゴナイトはサンゴ砂より価格は高めですが、溶解性が高くミネラルを飼育水に供給しやすいという特徴があります。

サンゴ砂のメリット

海水水槽の底砂に使用するサンゴ砂には、

  1. 幅広い生体の水槽に適用可能
  2. サイズが豊富でろ材としても使用できる

という2つのメリットがあります。
ひとつずつ解説していきますので、よく確認しておきましょう。

幅広い生体の水槽に適している

カミハタ アラガミルク 120ml

サンゴ砂もアラゴナイト同様、ミネラルを豊富に含んでいます
ただしそのミネラルが水中に溶け出す速度が緩やかなため、海水魚はもちろん、中性~アルカリ性の水質を好むメダカやアフリカンシクリッドなどの淡水魚に使用することも可能です。

ミネラルが緩やかに溶けるということは、その分水質を安定させる効果が長く持続するということ。
そのため、まずは水質調整剤を使用して好みの水質に調整し、サンゴ砂の効果でその水質を持続させるという方法がおすすめです。


サイズが豊富でろ材としても使える!

サンゴ砂はパウダー状のものからサンゴの形状がそのまま残っているような粗いものまで、豊富なサイズ展開で販売されています。
パウダータイプは砂に潜って生息するチンアナゴなどの飼育に、粗目のものはヤドカリやカニなどの飼育といった具合に、飼育する生き物によって臨機応変に使い分けることができるのです。

さらに、中目以上の大きさのサンゴ砂は多孔質でバクテリアが棲みつきやすい性質を利用して、海水水槽のろ材として活用するといった方法もあります。
形が崩れなければ半永久的に使えるので、海水魚水槽のろ材にかかるお金を節約したいのであればかなりおすすめです。
是非試してみてくださいね。


アラゴナイトのメリット

さてここからはアラゴナイトを底砂として使用するメリットということで、

  1. ミネラルなどを安定して供給できる
  2. コケや汚れの原因となる物質がほとんど含まれていない

こちらの2点について解説をしていきます。

ミネラルなどを安定供給できる

アラゴナイトはサンゴ砂よりも柔らかく脆いという性質を持ちます。
しかしその分溶解性が高くミネラルや微量元素を水槽内に素早く供給できるため、それらの成分を必要とするサンゴや海水魚の健康をアシストしてくれる商品だと言えます。

特にサンゴは飼育水からミネラルを取り込んでいるため、水中のミネラルが不足すると開きが悪くなり、死滅してしまうことも少なくありません。
このような事態を防ぐためにもアラゴナイトなどミネラル供給量が豊富な底砂を使用して、必須のミネラルを常に安定して供給できるような状態にしておくことが重要です。

もちろんミドリイシなどSPSに分類されるサンゴは大量のカルシウムを消費しますので、底砂の効果に頼るだけではなくカルシウムリアクターの導入も検討しておきましょう。

また、アラゴナイトもサンゴ砂同様に多孔質構造をしているため良性バクテリアが繁殖しやすく、水質の安定・維持にも役立つのも嬉しいポイントです。


コケ・汚れの原因物質が少ない!

水槽内にコケが発生し水を汚してしまう原因のひとつに、水中に含まれるリンや窒素の濃度の高さが挙げられます。
これらの成分が水中に残留するとコケ(藻類)の栄養になってしまうため、バクテリアによる分解や水換えが追いつかないとコケが生えやすくなるのです。

そのような事態を防ぐ対策としておすすめなのが、アラゴナイトの使用です。
アラゴナイトは水を汚す要因となるリンや窒素の含有量がかなり少ないため、メンテナンスによる負担を大幅に軽減できます。

リンや窒素は魚の餌や排泄物に含まれサンゴの生育にも悪い影響を与えてしまうため、そういった成分を含まない底砂を選ぶことは水を綺麗に保つだけでなく、サンゴを健康に育てるのにも得策と言えるでしょう。

水槽全体のバランスを考えて選ぼう!

ここまで「サンゴ砂」「アラゴナイト」両方のメリットをご紹介してきましたが、あえて両者のデメリットを挙げるとしたら、水槽に導入する前にはかなり念入りに洗わなければならないということです。
サンゴ砂もアラゴナイトも自然採取したものを商品化しているため不純物が混ざっている可能性があり、洗わずに使用すると飼育水の濁りの原因にもなってしまいます

一方、洗浄が不要であらかじめバクテリアが添加されている「ライブサンド」は海岸や海中で採取したものをパッキングしていることがあり、水槽の立ち上げを早くしてくれます。
しかし、バクテリア以外の細菌が入る可能性があることと、厚く敷きすぎると硫化水素が発生しやすくなる点には注意です。

どのような底砂にもメリット・デメリットが存在しますので、自分がどんな水槽を目指しているのか、底砂にどんな効果を期待しているのか、水槽全体のバランスを考えて選ぶことが大切と言えるでしょう。

まとめ:海水水槽の底砂!サンゴ砂とアラゴナイトはどう違うの?それぞれのメリット

今回は海水魚水槽の底砂として定番の「サンゴ砂」と「アラゴナイト」について、その違いや使用する上でのメリットについてご紹介してきました。

両者とも原料や成分の溶解性に違いはあるものの、どちらの底砂を使わなければならないという明確な基準があるわけではありません
飼育する魚の種類や底砂に期待する効果によって選び方が変わってくるので、まずはどんな水槽を目指しているのかをきちんと整理してみましょう。

砂粒の細かさなどによっても選ぶ基準が変わってきますので、気になる方は以下の記事も参考にしてみてくださいね。



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執筆者 アクアガーデン

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