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水槽のpHを上げる方法!プロが実践する飼育水のpH管理と解決策

飼育水の酸性・アルカリ性への傾き具合を示すpHは、魚によって得意な値があるため、できるだけ一定に管理するのが理想です。

しかし、気を付けて管理していても、ある日急にpHが低下することがあります。
水換えなどでもとに戻れば良いですが、繰り返し低下が起こるようならば、もう少し踏み込んだ対策をする必要があるのかもしれません。

そこで今回は、pHが低下する原因と上昇させる方法をご紹介します。

pHが低下すると、熱帯魚の発色が悪くなったり、食欲が低下したりといった不調が出るため、しっかり対策をして水質の安定に努めましょう。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに飼育水のpHを上げる方法を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

飼育水のpHが低下すると、熱帯魚が体調を崩してしまう可能性があるため、できるだけ一定に管理したいところです。
低下したpHは対策をすることで再び上昇させることができますので、あきらめずにしっかり解決していきましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、飼育水のpHを上げる方法を解説します。

熱帯魚の飼い方はこちらのページでも詳しく解説しています。
熱帯魚の飼い方

pH低下を抑える方法を動画で解説!

この記事の内容は動画でもご覧いただけます。

飼育水のpH低下を抑え、安定させる方法を音声付きで解説しています。

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pHはなぜ低下するの?


「熱帯魚の調子が悪そうに見えるので、水質を確認してみたらpHが下がっていた」というような経験をしたことがある方は、意外と多いのではないでしょうか。

いつの間にか起こるpHの低下の原因はなんなのか、pHの基本情報とともに解説します。

pHとは

まずは、基本のpHについて簡単に触れておきましょう。

pH(ペーハー)は水の酸性・中性・アルカリ性を表す数値です。
0~14までの値があり、7.0が中性、それよりも低いと酸性、高ければアルカリ性に傾いていると判断することができます。

日本の水道水のpHは大体6.8~8.1の範囲で管理されており、地域差はありますが、ほぼ中性です。そのため、水道水のカルキを抜いて飼育水として使用することができますし、水質に神経質な熱帯魚を飼育していない限り、水を注ぐときにそこまでpHを気にすることはありません。

pH低下の原因

アクアリウムでは、熱帯魚の種類によって得意なpHの値があるため、その数値にできるだけ近い範囲で飼育水を管理するのが、安定して飼育を続けるポイントです。
そのため、飼育を始めるときにpHを調節するのですが、最初はちょうど良い値であっても飼育を続けているうちにpHが下がっていってしまうことがあります。

pHの低下、水が酸性に傾く主な原因は、ずばり水の汚れです。

飼育水の中では、バクテリアが生き物のフンや餌の食べ残しから発生するアンモニアを分解して硝酸塩に変えてくれるのですが、この硝酸塩は分解されないため飼育水の中に溜まっていきます。
この硝酸塩がpHの低下を招いているのです。

また、バクテリアが活動する過程で発生する水素イオンも、pHに影響を与えることがあると言われています。

pHを上げる!基本の管理方法


pHをできるだけ変化させず保つには、日々の水質管理が重要です。

ここでは、pHを低下させないための水質管理術をご紹介します。

水換えが最も手軽で効果的

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まず、一番の基本ながら最も効果的なのが水換えです。

飼育水の中に溜まった硝酸塩を排出することができますし、水道水はほぼ中性なので、水換えをすることで酸性化したpHを戻すことができます。
底砂を敷いている場合は、水換えと一緒に砂利クリーナで汚れを吸い出すとより効果的です。

ただし、pHが低下しているからといって、半分以上水換えをすることは控えてください
多量に水換えしてしまうと、水質の急変についていけず弱ってしまう個体が出てくる恐れがあります。

水槽の大きさにもよりますが、1~2週間に一度、水槽の汚れ具合に合わせて定期的に水換えをすることが上手に管理を続けるコツです。

pHチェッカーで確認しよう

テトラテスト 試験紙 pH(ペーハー)(淡水・海水用)

pHチェッカーを使って水質をチェックすることも大切です。

日本の水道水が恵まれていることもあって、定期的に水換えをしていると、あまり正確なpHを測定する機会は少ないかもしれません。
しかし、魚達に異変が起こってからpHの低下に気づくのでは手遅れな場合もありますので、あまり過信せずに定期的にpHを測定するようにしましょう。

pHを測定するのにおすすめのタイミングは、水換え前です。

1~2週間に一度と言われている水換えですがpHチェッカーを使用すれば、水の汚れ具合が数値化されて、より正確に水換えのタイミングを把握することができます
測定してみて、理想の数値より±0.5程度の差が出ていたら水換えが必要です。

もし、1.0以上の差が出ている場合は早急に対処が必要ですが、この時慌てて大量に換水してしまうと、pHが急変し熱帯魚がショック症状を起こすことがありますので、注意してください。

一度に交換する水の量は変えずに水換えの頻度を増やす、というように、生体の様子を見ながら 徐々に理想の数値に近づけていきます。

pHチェッカーの種類

pHを測るには、『pHメーター』『pH測定試験薬』『pH測定試験紙』の3つの方法があります。

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pHメーターはpHを測る機械で、かなり正確な数値を測ることができる上に、水槽に取り付けて常に数値の変化を監視できるものもあります。ただ、数万円するものもありやや高価です。

テトラ (Tetra) pHトロピカル試薬 (5.0-10.0) 水質検査 テスト 総硬度 硝酸塩 亜硝酸塩 塩素 炭酸塩 PH

pH測定試験薬は、飼育水の色をpHに応じて変化させる薬剤で、水の色を見てpHを判断します。数値化されるわけではないので、ざっくりした測定ですが、日々の変化を確認するのには有用です。

LABPROX pH試験紙 リトマス試験紙 pH値測定紙 ph 試験し 酸アルカリ試験紙 ロールタイプ (ph0-14)

pH測定試験紙は、pH測定試験薬の紙版で、リトマス試験紙のようなものを想像していただけるとわかりやすいです。こちらも、色を見て判断するものですが、手軽に使用できるので普段使いにおすすめです。

pH低下を防ぐ!解決策


定期的な水換えなどをしてもすぐにpHが下がってしまう時は、一歩踏み込んだ対策が必要です。

ここからは、繰り返しpHが低下してしまう時の解決策をご紹介します。

ろ材を洗浄・を過槽を清掃する

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水換えでは飼育水に溜まった硝酸塩などを除去できますが、それでもpHが下がってしまう時は、ろ過フィルターやろ材、ろ過槽の汚れを確認してください。

水をろ過する心臓部ともいえるこれらの部分には、汚れが溜まりやすいです。汚れたままで運用しているとろ過能力が落ちて水が汚れやすくなり、pHの低下を招くことがありますので定期的に掃除をしましょう。

飼育している生き物や水槽の大きさにもよりますが、基本的には2~3ヶ月に一度が目安です。

ろ過フィルターやろ過槽の掃除は、機材を停止して行います。ポンプなどを起動したまま掃除をすると、落とした汚れが水槽内に流れ込んでしまいますので、注意してください。

ろ材を洗浄する際は、付着するバクテリアに与えるダメージを考えて、必ず飼育水を使用します。バクテリアの減少は水質に影響しますので、意識しながら掃除をしましょう。

また、古くなったろ材はこのタイミングで交換するのもおすすめです。一度に交換する量は、水質への影響を考慮して全体の半分程度に留めてください。

ろ材の中にはpHを上昇させる効果を持つものもあります。pH低下にお悩みの場合は、このようなタイプのろ材に変えてみるのも一つの手です。

pHを上昇させる効果がある物を入れる

pHを上昇させる効果のある物を水槽の中に入れることで、pH低下を防ぐことができます。
ただし、物によってはpHが上昇しすぎてしまうことがありますので、飼育している生体に合わせた水質になるよう、様子を見ながら調整してください。

ここでは、

  • サンゴ砂
  • カキガラ

の2種類をご紹介します。

アルカリ性を好む生体にはサンゴ砂を使う

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サンゴ砂にはpHをアルカリ性に傾ける性質があるため、アルカリ性の水質を好むアフリカンシクリッドなどを飼育している水槽では、サンゴ砂の使用がおすすめです。

水槽の底に敷いても良いですし、水洗いしたサンゴ砂をネットに入れてろ過フィルターに入れておいても効果があります。

ただし、サンゴ砂のpH上昇効果はなかなか強力で量の調整が難しいため、中性~弱アルカリ性を好む金魚や熱帯魚に使用するのは控えましょう

中性~弱アルカリ性を好む生体にはカキガラがおすすめ

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中性~弱アルカリ性を好む生体を飼育している水槽におすすめなのが、カキガラです

カキガラはその名の通りカキの貝殻で、こちらもネットに入れてろ過フィルターに投入します。

即効性があり、なおかつサンゴ砂と比べて上昇の仕方が緩やかなので、酸性に傾いた水を中性~弱アルカリ性に戻すのにちょうど良い効果です。

特に金魚水槽ではカキガラの働きが顕著で、pHが低下して元気を無くした金魚が、カキガラを入れたら回復した例もあります。

ただし、カキガラは中性付近までの上昇で整えてくれる、穏やかな作用の調整剤ですが、酸性傾向の水に大量に投入すると水質が急変してショックを起こすことがありますので、水室が偏りすぎている場合は少しずつ時間をかけてpHを上昇させていきましょう。

pH上昇剤の使用について

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pHを上げるのにpH上昇剤などの薬品を使用することがあります。

これらの薬品は即効性があり、使えば確実にpHを上げることができますので、新しい熱帯魚に合わせて一時的にpHを上昇させたい場合など、目的があって使用するのにはとても効果的です。

しかし、効果は一時的なものですので、繰り返しpHが低下してしまうような水槽の水質改善にはあまり向きません。
pHを上げた状態で維持するならば、低下する原因を見つけて、水換えや掃除を徹底し、水質を管理していくのが一番確実です。

pH上昇剤はあくまで補助的な役割と考えるのが良いでしょう。

また、薬剤を使用する際は必ずパッケージに記載された用法用量を守って使用してください

まとめ:水槽のpHを上げる方法!プロが実践する飼育水のpH管理と解決策


今回は、pHが低下する原因と管理する方法、上昇させる対処法をご紹介しました。

pHを安定させるには、日ごろから定期的に水換えをして、ろ過フィルターやろ材、ろ過槽の汚れにも気を配りましょう。
時々pHチェッカーを使用して水質を確認すると、安心です。

また、飼育している生体に合わせて、サンゴ砂やカキガラを使用するのと、pHを管理しやすくなります。

適切なpHを保つことは、熱帯魚の健康を守ることでもあります。pHを意識して、美しいアクアリウムを維持しましょう。

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執筆者 長嶋 美智子

トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!

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