マジックリーフとは!効果と使用方法から、好む熱帯魚・生き物を紹介
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枯れ葉のようにも見える、マジックリーフ。
見聞きしたことはあるものの、「いつもの落ち葉とは違うの?」「どんな風に使うの?」「どの魚が好む?」など、こんな風に思うアクアリストの方も多いでしょう。
そんなマジックリーフですが、実はさまざまな効果が得られる葉っぱなのです。
今回は、マジックリーフについて詳しく解説していきます。使用方法はもちろん、効果の高い魚種や生き物も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにマジックリーフを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
マジックリーフは、アクアリウムを始めるとはじめて目にする機会があるアイテムです。
名前を聞いて興味を持っているものの、「どんな葉っぱなのか、実はよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、マジックリーフについてを解説します。
マジックリーフとは
マジックリーフとは、モモタマナ(コバテイシ)という熱帯樹木の葉を乾燥させたものです。
卵型の特徴的な葉をしており、日本国内では沖縄県、小笠原諸島の暖かい地域でしか見られません。別名で「アンブレラリーフ」や、実も食べられることから「トロピカルアーモンドリーフ」とも呼ばれます。
マジックリーフは、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされ、古くからお茶や化粧品として親しまれてきました。
水に入れても崩れにくく、さまざまな効果があることから、アクアリウムでも使用されています。
マジックリーフの効果
マジックリーフの効果を紹介します。
どんな効果があるのか理解して、マジックリーフの凄さを感じてみてください。
飼育水をブラックウォーターにできる
マジックリーフは、飼育水を自然にブラックウォーターにできます。これにより、南米の川のような水質を再現でき、特に南米原産の熱帯魚の体調を整えやすくなるのです。
マジックリーフには「タンニン」が豊富に含まれており、この成分が水に溶け出すことで抗菌作用を発揮します。また、繁殖促進効果があるのも嬉しいポイントです。
フミン酸などの腐植酸も含まれており、飼育水を軟水にしてブラックウォーター化します。
添加剤と比べると、ゆっくりと溶け出すため、ある程度の期間効果が期待できるでしょう。
ブラックウォーターについては、こちらのコラムも参考にしてください。
色揚げ効果がある
マジックリーフには、熱帯魚の色揚げに効果もあるとされています。特にアピストグラマなどの赤い体色を持つ魚に対して、鮮やかな発色を引き出す効果が高いです。
マジックリーフの成分が水中に溶け出し、ブラックウォーター化することで、保護色機能が高まります。すると赤みが強くなり、色揚げにつながるのです。なお、底砂としてソイルを併用するとさらに効果的でしょう。
アピストグラマ以外にも、赤系のベタやラスボラなど、赤味の強いコイ科の魚にも高い効果があります。
繁殖率が上がる
マジックリーフを使用することで、飼育水が生息地の水質に近づき、繁殖を促す効果があります。
熱帯魚を繁殖させるためには、まず健康に育てなくてはいけません。同時に、その魚が好む環境を作り上げることが大切です。マジックリーフを使用すれば、自然と現地の水質に近づき繁殖しやすくなります。
また、マジックリーフの成分が水に溶け込むことで、弱酸性の水質が得意なベタやカラシンなどは、ケガが治りやすくなるようです。結果的に魚のストレスも減り、繁殖しやすい状態が整います。
マジックリーフの使用方法
マジックリーフの使用方法を紹介します。
さまざまな効果が期待できるマジックリーフですが、間違った使い方をしては逆効果です。正しい使い方で、マジックリーフの効果を引き出しましょう。
飼育水にそのまま投入する
マジックリーフの使い方は、基本的に飼育水にそのまま投入するだけです。
最初は水面に浮いていますが、時間が経つと水を吸収して徐々に沈み、底に落ちていきます。砂底の上にマジックリーフが沈む様子は、現地の川底のようで、ナチュラルなレイアウトになるでしょう。
また、大きすぎる場合はカットしたり、ちぎったりして調整すると、より扱いやすくなります。
ただし、投入量には注意が必要です。入れすぎるとpHが大きく下がり、逆効果になります。
そのため、最初は少量から始め、飼育水が薄い茶色になるよう様子を見ながら調整するのがよいでしょう。
パックで抽出してもOK
マジックリーフは、直接水槽に投入するだけでなく、パックに詰めて抽出する方法もおすすめです。
マジックリーフをそのまま飼育水に入れると、バクテリアの働きで徐々に分解されて朽ちていきます。シュリンプなどは柔らかくなった葉を好んで食べますが、魚メインの水槽の場合は朽ちた葉の回収が手間になることも。
そのため、水質のブラックウォーター化が目的であれば、マジックリーフを細かくカット・粉砕してお茶パックに詰めて抽出し、その水を飼育水に添加すると管理が容易です。
マジックリーフを好む熱帯魚・生き物
マジックリーフを使用すると効果的な熱帯魚や生き物を紹介します。
マジックリーフを好む魚種には、使うだけで体調が整って飼育が上手くいくこともあるため、ぜひ活用してください。
ベタ(改良品種・ワイルド種)
ベタは、改良品種からワイルド種まで幅広く飼育されていますが、デリケートなヒレや皮膚を持ち、皮膚炎などの病気にかかりやすい魚です。
マジックリーフを使用することで、ベタにとって理想的な環境が作り出せます。同時に殺菌効果によって、デリケートなヒレや皮膚が保護され、美しさを保ちやすいです。
また、ワイルドベタは止水域で枯れ葉が溜まるような環境を好むので、繁殖しやすい環境に近づきます。
ちなみに、ベタ用のコンディショナー『SUMA タンニン』も同様の効果を得られるため、使いやすいほうを選びましょう。
小型シュリンプ
小型シュリンプにとっては、マジックリーフは水質調整だけでなく、餌としても活用できます。マジックリーフは分解されると柔らかくなるため、小型シュリンプが好んで食べるのです。
また、マジックリーフの下は、稚エビにとってよい隠れ家になるので、生存率が高くなるでしょう。
ただし、小型シュリンプは酸性に傾きすぎるとよくありません。ブラックウォーター化させないのがポイントです。濃くなりすぎないように、マジックリーフの使用量を抑えるなど調整しましょう。
細かくカットして投入すると、過度な水質変化を防げるのでおすすめです。
オトシンクルス、プレコ、コリドラス
オトシンクルスやプレコ、コリドラスなどの底生性の魚にとって、マジックリーフは自然な餌としても役立ちます。
餌付けが難しいオトシンクルスも、マジックリーフを入れておくと食べることが多いです。
少しずつ水槽に入れておけば、安心して栄養補給ができる環境が整います。人工餌料へのつなぎや、非常食として活用するとよいでしょう。
アピストグラマ
アピストグラマは、繊細で美しい体色が魅力です。しかし、環境が整わないと本来の発色をせず、美しい姿が楽しめません。
マジックリーフを使いブラックウォーター化することで、アピストグラマが好む環境に近づき、色が揚がりやすくなるでしょう。
また、同時に繁殖の成功率を高めることも可能です。アピストグラマは、ペアが揃えば比較的産卵までは上手くいきますが、孵化や稚魚の育成で失敗してしまうことも。
マジックリーフを使用して現地の環境に近づけることで、成功する可能性がアップします。
アピストグラマの繁殖に力を入れる方には、「ピートモス」や「ヤシャブシの実」もおすすめです。
アロワナ
アロワナはもともと植物豊かな環境に生息するため、枯れた植物によって生息地もブラックウォーターです。そのため、飼育下においても、マジックリーフを使用してブラックウォーターを再現することで、アロワナの体調を整えやすくなります。
特にデリケートで飼育が難しい、ブラックアロワナの稚魚〜幼魚の飼育におすすめです。
とはいえ、マジックリーフを入れることによって、水質を変化させることになります。調子が悪いと感じたら、ブラックウォーター化する前に、まずは昇温して様子を見るのがよいでしょう。
カニ、オカヤドカリ
カニやオカヤドカリは雑食性で、さまざまな餌を食べます。
人工飼料にもよく餌付きますが、自然な餌を再現するためにマジックリーフを与えるのも有効です。ただし、メインの餌としてではなく、あくまで補助的な要素として取り入れるのがよいでしょう。
また、マジックリーフはカニやオカヤドカリにとってよい隠れ家になります。自然下では、落ち葉の下に隠れていることも多いので、自然を再現したレイアウトを作るのもおすすめです。
カラシン
カラシンは、アマゾン川をはじめとする南米原産の魚なので、マジックリーフを使うことで自然に近い環境で飼育できます。現地の水質に近づけることで、コンディションが整い、色揚げ効果も期待できます。
また、カラシンの仲間は繁殖が難しいものが多いですが、ブラックウォーターにすることで産卵を促し、繁殖率がアップしやすくなります。
一方で、水草を育てている場合には注意が必要です。ブラックウォーターにすることで光が遮られ、水草が枯れやすくなります。カラシンは水草と一緒に育てることが多いですが、その場合は適度なバランスを保つようにしましょう。
まとめ:マジックリーフとは!効果と使用方法から、好む熱帯魚・生き物を紹介
今回は、マジックリーフについて解説しました。
マジックリーフは自然にブラックウォーターを再現でき、さまざまな熱帯魚や生物の飼育環境を作り上げるのに適しています。
現地の環境に近づけることで、体調が整い、色揚げ効果や繁殖を促す効果が高くなるのです。
飼育が難しい、繁殖が難しいとされる魚種も、マジックリーフを使用することで、繁殖率を上げられることがあります。
ピカピカの水で鮮やかな水草をバックに泳ぐ魚の姿はきれいですが、ブラックウォーターの中で現地に近い姿で泳ぐ姿にもまた違った美しさがあるのです。
マジックリーフにはさまざまな効果がありますので、コラムを参考にぜひ導入を検討してみてください。
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