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アロワナの病気と対処方法!ヒレ・目・エラめくれなど症状や予防策を解説

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大きな体に豪奢な体色が魅力のアロワナ。アクアリストの憧れと称される高価な魚なこともあり、できるだけ長く飼育を続けたいと考える方も多いことでしょう。
実際アロワナは長寿な魚で、飼育環境下でも10年以上は生きるため、順調にいけばかなり長く飼育を楽しめるポテンシャルを秘めています。

しかし、そんなアロワナの長期飼育を阻むのが病気です。
アロワナは他の魚種に比べて薬に敏感なため、病気になってしまったときにできる対処がかなり限られます。
アロワナ特有の病気などもあるので、いざという時のためにしっかり病気の知識を付けて飼育に臨むのがおすすめです。

今回のコラムでは、アロワナがかかりやすい病気の種類や症状、対処方について解説します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとにアロワナの病気を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

アロワナの成魚は比較的丈夫で病気にかかりにくいと言われますが、水を汚しやすいことからふとした瞬間に体調を崩してしまう可能性もゼロではありません。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アロワナの病気についてを解説します。

アロワナがかかりやすい病気7種


アロワナがかかる病気には、他の魚種でもおなじみの白点病といった健康を害するものから、鑑賞性を損なう目だれなどのアロワナ特有の症状まで、様々なものがあります。

ここでは、アロワナがかかる主な病気を7種類とそれぞれの対処法や予防策をご紹介します。

アロワナは熱帯魚の中でも特に外見が評価される傾向があるため、健康に飼育するのはもちろん、鑑賞面に影響が出る病気もできるだけ発症させないよう気を配りましょう。

病気1:目垂れ


アロワナの目が下垂してしまった状態です。厳密には病気ではなくクセのようなもので、命に別状もありません
しかし、鑑賞性に影響が出る上に重度になると外科的手術でしか治療ができないため、気づいた段階で対策をしましょう。

アロワナが目だれを起こす原因は、単純に下に視線を向けすぎてしまったことです。
回遊する習性があるアロワナは、水槽の端でターンするために前方辺りに視線を向けがち。また、水槽の底面に照明が反射していたり、低層域に暮らすプレコやポリプテルスなどと混泳していたりすると、そちらが気になって下側を注視しやすいです。

スペースが限られる水槽内でこれらの要因が重なると、視線が固定されて目だれを誘発すると考えられます。

目だれの予防や初期治療では、できるだけ視線を上に誘導してあげることが重要です。
底物との混泳を中止する、底砂を敷く底面に艶消しブラックのスクリーンを貼って光の反射を防ぐなどの対策をすると、アロワナが下を向きづらくなります。
もし水槽自体を買い替える機会がある場合は、底面の艶消しの黒板仕様や、前面のみ透明な「4面ブラック水槽」もおすすめです。

病気2:白点病


体が大きなアロワナも、ウオノカイセンチュウ(白点虫)に寄生されると、白点病にかかってしまいます。
白点病は他の熱帯魚でも良く見かけるかなりポピュラーな病気ですが、症状の進行が早く放っておくと命に関わることもあるため、放置せずしっかり治療を行いましょう。

白点病の治療では通常魚病薬を使いますが、アロワナはエラが大きく薬を吸収しすぎてしまう危険があるため、できるだけ薬を使わずに治療をします

ウオノカイセンチュウは28℃以上の高水温に弱いので、水温を30℃以上に維持して症状が進行していないかよく確認しながら自然回復を待ちます
アロワナ自身は比較的高水温が得意なため、水温調整だけで白点病を駆除できることも多いです。

病気3:カラムナリス感染症(尾腐れ病など)


尾びれが赤く充血した後に、ボロボロと崩れるように消失してしまう尾ぐされ病は、カラムナリス感染症の特徴的な症状の一つです。
カラムナリス菌という水中の常在菌に感染することで起こる病気で、感染箇所によって口ぐされ病、エラぐされ病と名前が変わります

一度感染するとあっという間に進行して重篤化する危険な病気なので、初期段階で治療を始めることが重要です。

カラムナリス菌に感染する原因は、主に水質の悪化によるストレスです。
そのため、尾ぐされ病の症状が見られたら、まずは水換えをして水質を改善させましょう

その上で、『グリーンFゴールド顆粒』などの薬を使った治療を行います。

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アロワナに魚病薬を用いるときは、規定の1/5~1/3程度の濃度になるよう添加量を調整し、様子を見ながら治療を進めてください。

また、薬浴中は必ず絶食させることも重要です。
食事にかかる体力を抑えて治療に専念させることで、治りがはやくなり薬浴期間を短縮させることができます

病気4:エロモナス感染症(松かさ病・穴あき病など)


鱗が逆立つ松かさ病や体表が充血して鱗がはがれてしまう穴あき病は、どちらもエロモナス菌が原因で起こる感染症です。
観賞魚では金魚がなりやすい病気として知られていますが、アロワナも水質悪化からのストレスを抱えていると発症する可能性があります

エロモナス菌由来の病気は重篤な症状を引き起こすものが多く、感染すると体力や免疫力が落ちて様々な病気を併発するため、兆候が見られたら早急に治療を始めましょう。

松かさ病や穴あき病の場合も、まずは水換えをして水質を改善しますろ材の汚れも原因となるため、こちらもしっかり掃除をしましょう。

病気の治療は『グリーンFゴールド顆粒』を使った薬浴です。
アロワナの場合は既定の1/5~1/3ほどの濃度に調整した薬液で、水温を30℃以上まで上げて薬浴をしてください。

病気5:エラめくれ


エラが少しずつめくれあがってしまう症状です。
通常はエラ蓋が閉じていて中の赤い部分が見えることはありませんが、エラめくれになるとエラがめくれあがって中が露出した痛々しい姿になってしまいます

エラめくれは鑑賞性を著しく損なうのはもちろんのこと、症状が進行すると酸素が取り込みづらくなって、酸欠や活性の低下につながることもあるため注意しましょう。

エラめくれの原因も、また水質の悪化とストレスにあります。
特にアロワナの体長に対して水槽が小さめだとストレスから症状が出やすくなるため、ゆったりと泳げる大きな水槽を用意してあげることが大切です。

また、エラめくれになってしまったら悪化させないように、こまめな水換えで水質を維持します。症状が進行しているときは、外科的手術を行うことも検討してみてください。

病気6:水カビ病


水中の真菌に感染することで発症するのが水カビ病です。
傷があるアロワナが感染しやすく、感染すると患部に白い綿のようなカビが付着するようになります。

先にご紹介した穴あき病と併発することが多く、この場合は完治させるのに根気が必要な厄介な病気です。

水カビ病の予防としては、まず体に傷をつけないこと、また傷ができてしまったときはいつも以上に水質に気を使いきれいな状態を保つことが重要となります。

水カビ病になってしまったら、『グリーンFリキッド』を使った薬浴が有効です。

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水換えをして水質を改善してから、他の病気と同じく規定の1/5~1/3程度の濃度になるように薬を添加してください。治療中は絶食も忘れず行いましょう。

薬を使わずに、患部の水カビを直接ピンセットで取り除く治療法もありますが、アロワナが暴れてしまってかえって傷つけてしまう危険があるため、様子を見ながら無理の範囲で行ってください。

病気7:アロワナエイズ

アロワナエイズは進行が速く感染力が強い恐ろしい病気です
アロワナエイズは、感染力が非常に強い恐ろしい病気です。
初期段階では患部がやや黒ずんで見える程度ですが、症状が進行するにつれて、

  • 体表に水ぶくれができる
  • 頭部がこぶのように隆起する
  • 鱗が溶ける・松かさ病のように逆立つ

といった痛々しい姿になっていきます。

また、進行がとても早くあっという間に症状が変化していくため、初期の黒ずみを見逃がさないことがとても重要です。

発症してしまったときは水温を30℃以上に上げて、『グリーンFゴールド顆粒』を使って、既定の1/5~1/3程度の濃度で薬浴をします。
初期段階であればこれで回復する可能性がありますが、中期以降まで進行していると回復は難しく、命を落としてしまうことも珍しくありません。

アロワナエイズに限った話ではありませんが、初期に治療を開始できるかどうかで生存率が大きく変わります。病気の予兆を見逃がさないよう、アロワナに異変がないか毎日観察しましょう。

アロワナの病気予防策


薬が苦手で治療方法が限られるアロワナ飼育では、病気を予防することが何より大切です。

先に述べた通り、多くの病気は水質悪化によるストレスが原因で発症します。まずは水換えをしっかり行いましょう。底砂やろ過フィルター、ろ材も、汚れていると菌の温床となるため、定期的に確認し必要に応じて掃除や交換を行います。

エラめくれや鱗に症状が出る病気は、エアレーションと水流をアロワナの体に直接当てることで抑制できますので、吐き出し口の位置や角度を調節してみてください。

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また、病気の原因となる細菌や寄生虫は高水温に弱い傾向があるため、常に水温を高めに維持することで病原体の増殖を防げます。
アロワナは高水温に強く35℃程度までは適応できるため、調子が悪いと感じたら水温を30℃以上に上げて様子を見るのが良いです。

最後に、アロワナに小赤などの生餌を与えている場合、餌用の生体が病気や寄生虫を水槽に持ち込む可能性があります。
少し手間はかかりますが、できるだけ信頼できるショップで購入する、トリートメントをしてから与えるといった工夫をしてからアロワナに与えると安全です。

まとめ:アロワナの病気と対処方法!ヒレ・目・エラめくれなど症状や予防策を解説


写真協力:アロワナ専門店AROMANIA 様

今回はアロワナがかかりやすい病気7つと、予防法や対処法を解説しました。

熱帯魚の中でも長寿なアロワナですが、エラが大きく、魚病薬を吸収しすぎてしまうため、病気にかかると治療が難しいです。
まずは、病気にしないよう水質管理やメンテナンスを徹底しましょう。

もし病気になってしまった場合は、濃度を既定の1/5~1/3程度になるように薄めた薬液を使って薬浴を行います。病気の種類によっては水温を30℃以上まで上げるのも有効です。

どんな病気でも、早期に治療が開始できれば治癒する確率がかなり高まります
異変を見逃がさないよう、日ごろからアロワナの様子を観察し、病気の兆候を見逃がさないようにしましょう。

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執筆者 アクアガーデン

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