メダカにブラックウォーターっていいの?メリット・デメリットなどを解説
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アクアリウムでは飼育する生体に合わせた飼育水を再現するために、様々な水質の水を扱うことがあります。
その中の一つがブラックウォーターです。
ブラックウォーターは、流木や植物から溶け出したタンニンなどで茶色く色づいた、弱酸性の飼育水のことで、主にアマゾン川流域に生息する熱帯魚を飼育するときに使用します。
抗菌作用があると言われており、水質さえ合えば生息域以外の生き物でも病気予防に活用できる優れものです。
あまり一般的ではありませんが、身近なメダカの飼育にも活用することができます。
そこで今回は、メダカ飼育にブラックウォーターを使うメリット・デメリット、メダカに与える影響などについて解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにメダカにブラックウォーターを使うメリット・デメリットを解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
一部の熱帯魚飼育で使用されるブラックウォーターですが、実はメダカを飼育することも可能です。
あまり一般的な飼育方法ではありませんが、上手に活用すれば病気予防などの恩恵を受けられる可能性がありますので、飼育スタイルに応じて取り入れてみてください。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカにブラックウォーターを使うメリット・デメリットを解説します。
メダカにブラックウォーターを使うメリット・デメリット
少し特殊な飼育スタイルであるブラックウォーターですが、市販のマジックリーフやヤシャブシの実、ブラックウォーター用のコンディショナーなどを使用すれば簡単に飼育水をブラックウォーターにすることができます。
メダカを飼育することはできますが、水質や鑑賞性に影響がありますので、実践する前にどの様な効果が得られるのかを確認しておきましょう。
ここでは、メダカ飼育にブラックウォーターを取り入れるメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
飼育水をブラックウォーターにすることで得られるメリットは、
- 抗菌作用がある
- マジックリーフが生き物の餌になる
の2点です。
病気の発生を抑えたり、混泳生体の餌になったりなどの効果が期待できます。
抗菌作用がある
ブラックウォーターに含まれる腐食酸には抗菌作用があるため、病気を予防する効果が期待できます。
この抗菌作用を飼育に取り入れることができれば、魚病薬を使用せずに病気を治療したり、細菌感染を予防したりすることができるでしょう。
メダカでは、高級品種のメダカや品種改良用の親メダカなど、特に慎重に育成したいメダカの飼育をしている場合に、利用価値があると考えられます。
マジックリーフが生き物の餌になる
飼育水をブラックウォーターにする際に使うマジックリーフは、入れっぱなしにしておくと次第に柔らかく朽ちていくのですが、これがエビや微生物の良質な餌になります。
残念ながらメダカはあまり口にしないようですが、メダカと一緒にエビ類を飼育している場合は、ブラックウォーターにするついでに餌として入れておくのもおすすめです。
また、マジックリーフを食べたエビや微生物は、活性が上がって繁殖しやすくなります。
すると増えたエビ達が水槽の中のコケなどを食べてきれいにしてくれたり、微生物がメダカの餌となったりなどの、二次的効果が期待できる点もメリットと言えるでしょう。
ただし水質に敏感な品種は、ブラックウォーターにすることで起こる水質の変化に付いていけず、体調を崩す可能性がありますので導入は慎重に行ってください。
デメリット
メダカ飼育にブラックウォーターを使う場合、
- 観賞には向いていない
- 水質の変化する
などのデメリットが生じることがあります。
鑑賞性を重視した水槽など飼育スタイルによっては、かなり大きな欠点となりますので、導入前に確認しておきましょう。
観賞には向いていない
飼育水が茶色く色付くため、メダカが見えづらくなります。
綺麗にレイアウトした水槽や、見応えのある改良メダカを鑑賞目的で飼育している場合は、ブラックウォーターにすることで鑑賞性が損なわれて魅力が半減してしまうことも。
これはメダカ飼育でよく用いられるグリーンウォーターにも言えることですが、水に色が付いてしまう管理方法は、育成や繁殖に注力している場合に向いているスタイルと言えるでしょう。
水質が変化する
ブラックウォーターにすると、水質が弱酸性に変化します。
これは、ブラックウォーターに含まれるフミン酸とミネラル成分が結び付くことで起こる変化で、避けることはできません。
とはいえ、急激にpHが下がるようなことはありませんし、メダカは適応できる水質の幅が広いのであまり問題になることはないでしょう。
ただ、長期間アルカリ性よりの水質で飼育していた個体や、混泳している生き物などは弱酸性の水質に馴染めずに調子を崩してしまう可能性がありますので、注意が必要です。
また、あまり酸性に傾きすぎると水を綺麗にしてくれる硝化バクテリアの働きが鈍ることがありますので、濃度にも気を付けましょう。
ブラックウォーターを使うタイミング
ブラックウォーターのメリットをメダカ飼育で最大限に活かすには、使うタイミングがとてもに重要です。
メダカの稚魚~若魚を育成しているときや、ヌマエビを増やしたいときなど目的が合致した時にブラックウォーターを活用してみましょう。
稚魚~若魚の育成時
ブラックウォーターが持つ抗菌作用は、体力がなく病気にかかりやすいメダカの稚魚~若魚の育成に活用できます。
抗菌作用により病気の原因となる菌の活動が弱まるため、稚魚が健康に過ごせる環境を整えやすくなるのです。
また、先ほどご紹介した通り、ブラックウォーターにはメダカの餌となる微生物を増やす効果も期待できるため、稚魚の餌が極端に減ってしまう心配はありません。
ただしブラックウォーターとグリーンウォーターを同時に再現することはできませんので、稚魚は人工飼料中心で飼育することになります。
エビを増やしたいとき
ブラックウォーターを作るためのマジックリーフが、エビ類の良い餌になることはすでにお話しましたが、そもそもブラックウォーターはエビ飼育に最適な水質として知られています。
弱酸性に傾けてくれる性質がエビ類の好む水質とマッチしますし、色揚げの効果も期待できるからです。
また、ブラックウォーターに含まれるフルボ酸にはエビ類の繁殖を促す効果が期待できるため、エビの繁殖ペースを早めたいときに活用するのも良いでしょう。
メダカと一緒に飼育されることの多い、ミナミヌマエビやチェリーシュリンプにももちろん効果がありますので、必要に応じて導入してみてください。
ちなみに、ヤマトヌマエビは汽水域で繁殖する性質があるため、淡水ではブラックウォーターにしても繁殖することはありません。
ブラックウォーターは必ず使わなくても良い
結論から言うと、ブラックウォーターはメダカ飼育に必須と言うわけではありません。
抗菌作用は確かに魅力的ですが、稚魚飼育では病気予防よりも餓死対策の方が優先度が高いため、ブラックウォーターよりもグリーンウォーターの方が有用です。
エビ類を飼育している場合は、ブラックウォーターの恩恵を受ける機会が増えますが、エビの餌や水質調整は他のものでも代用できますし、メダカメインで考えた場合、わざわざ鑑賞性を損ねてまでブラックウォーターにするメリットは少ないでしょう。
何よりマジックリーフを使ってブラックウォーター化するとコストがかかりますし、濃度を維持する手間も増えます。
メリットデメリットを天秤にかけると、メダカ飼育においては有用性はあるものの効率的な活用方法があるわけではありませんので、飼育スタイルの一つという位置づけで頭の片隅に置いておくのがおすすめです。
まとめ:メダカにブラックウォーターっていいの?メリット・デメリットなどを解説
今回はメダカ飼育にブラックウォーターを使うメリット・デメリットについてご紹介しました。
ブラックウォーターが持つ抗菌作用を上手に活用できれば、稚魚~若魚期の病気を予防するのに効果的です。
またブラックウォーターはエビの繁殖を促す効果がある上に、マジックリーフがエビや微生物の良い餌になるため、エビが増えてコケ取り力が上がったり、微生物がメダカの餌になったりなどの二次的効果も期待できるでしょう。
ただメダカが見えにくい、水質が変わるなどデメリットもありますので、病気の予防やヌマエビの繁殖に重点を置きたい場合には、選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
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