
水草には水上葉と水中葉がある!?それぞれの違いや特徴、扱い方について
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水槽の中を美しく彩ってくれる水草には、様々なものがありますが、水草の中には「水の外で育つ姿(水上葉)」と「水の中で育つ姿(水中葉)」の両方の形態を持つ種類もあります。
こちらのコラムではそんな水上葉と水中葉の、なぜアクアリウムようなのに水上葉で売られていることがあるのか、などについて解説していきます。
どちらにもメリット・デメリットがありますし、ご自分の希望に合ったものをお選びいただくヒントにしていただければ幸いです。
目次
水草の水上葉と水中葉とは
自然界を生き抜くために姿を変えたもの
私たちの目を楽しませてくれる水草は、そもそも自然界に生えているものを採って来て増やしたりしているものな訳ですが、そういった水草たちは自然界ではどんな生活をしているのでしょう。
水草は植物ですから光合成をしないと生きていけません。
しかも、自然界では水辺の水位は上がったり下がったりすることがあるので、水草の種類によってはそれに対応できるようになっています。
水が少なければ、水面から葉を上に出すこともありますし、水が多ければ水面より下で生活をできるように葉を生え変えることで、厳しい環境下でも生き抜いていけます。
水上葉と水中葉の違いは何?
最も大きな違いは、何と言っても見た目です。水上葉は風圧や重力、紫外線に耐えるため、濃い緑色でガッシリとした草姿になりますが、水中葉は浮力を受け、強い紫外線もないので、鮮やかな黄緑色や赤、繊細な細い草姿をしていることが多いです。
水上葉の状態で保つには、葉を水面から上に出すように管理する必要がありますし、水中葉にする場合は、水草全体が水面より下になるように植えつけて育てます。
つまり、ビオトープなどでは水上葉になりやすく、水草水槽では水中場の状態である、と言えます。
水上葉から水中場になるには、一度枯れたような姿になります。そこから、新芽として水中葉が生え始めます。生えそろうまで時間は必要ですが、一度順応してしまえば長く根付いてくれます。
水上葉と水中葉のコラボも美しい!
水中場と水上葉は、一方に限定しなければいけないものではありません。実は水上葉と水中葉を、一緒に楽しむことも出来ます。
水上葉と水中葉のコラボレーションです。水中葉だけだと「水槽内」で物語が完結する雰囲気ですが、水上葉を加えることで、世界観が広がります。こんな楽しみ方も水上葉&水中葉のコラボならではです。
販売されているものには水上葉が多め
今や通信販売で様々なものが手に入る時代ですが、通販サイトでは水中葉よりも水上葉のほうが、取り扱いが多いです。なぜわざわざ水上葉で販売しているのか、その理由をご紹介します。
水上葉で販売するメリットは3つ
配送中に傷むことを避けるため
水中葉は、そもそも水中で生育してきたものです。通信販売で水中葉を購入したことがある方はご存知だと思いますが、水草を湿った紙などで包み、さらにビニールなどで包まれて運ばれてきます。家に届いたときには、何らかの原因で水草が弱ってしまうことも考えられます。
しかし水上葉は空気中で生育したものなので、普通の植物の苗のようなものですから、空気中を運搬されてきても水草のダメージが少なく済むのです。
手持ちの水槽の環境に適した水中葉が得られる
水槽によって、温度や水質などは微妙に異なります。水上葉で入手し、水中でそれを育てることで、その水槽の環境に順応した水中葉が生えてきますので、よりよいかたちで水草を楽しめます。
スネールを持ち込みことを防ぐため
水中葉として育成されたものには、スネール(水槽に生育する巻貝の総称)の卵などが、気がつかないうちに付着している場合があります。スネールは放っておくと、爆発的に増えます。駆除はとても大変ですので、水槽に持ち込まないのが一番です。水上葉であれば、スネールが付着している危険性はかなり低いでしょう。
スネールのしつこさはアクアリウムを楽しんでいる方なら誰しもご存知と思いますが、こちらページで詳しく解説されています。
水上葉・水中葉の使い分け方
自分で増やしたい場合:水上葉
高価な水草や、お気に入りの水草を手に入れた時に「この水草を自分でもっと増やせたらいいのに」と感じたことありませんか。そういった場合は、水上葉で育ててストックするほうが、ずっと簡単で早いです。
水上葉の特徴の一つは「丈夫であること」が挙げられます。
季節は選びますが、春から秋にかけては、水上葉がグングン成長する時期ですし、必要になる道具なども手軽なものばかりです。観葉植物などを育てるのと同じ要領です。
- 水の溜まる容器に、土と水を入れる:水は土から3センチくらいまで、ひたひたに
- 水草を植える:水上葉であれば葉を出して、水中葉であれば水に沈めて
- 弱い光の当たる場所で育てる:水切れに注意しましょう 土から3センチをキープ
- 肥料があればグングン育ちます:一般の植物用の液肥で十分です
下記の記事でさらに詳しく、水草別に解説されていますので、ぜひ参考になさってください。
維持したい場合:水上葉
大切に育てた水中葉をトリミングしてあまった茎などは、上で紹介したように水上葉にして維持すると、管理も楽です。ただし気温が下がる秋~冬は、気温を維持する設備が必要になりますので注意してください。
また、水槽内にコケが大量発生して、大切に育ててきた水中葉が枯れてしまった…というようなトラブル時にも、水上葉で維持されていれば、新たに購入しなくてもストックとして使うこともできます。
すぐに水草を楽しみたい:水中葉
水上葉は丈夫で、環境にあった水中葉に成長しやすいと解説しましたが、当然すぐに水中葉がでてくるわけではありません。
今すぐ水槽内を美しく彩りたいという方の場合は、水中葉で入手して植えたほうがレイアウトの時間を大幅に短縮できます。
実際に、東京アクアガーデンでは素早い水槽レイアウトが要求されるため、ほぼ水中葉を使用しています。
水上葉を水中葉にするときに注意したいこと
水上葉が枯れたらすぐに取り除こう
水上葉として育てられたものを手に入れた場合、それを水中に植えることになります。これまで水上葉として育ってきたので、水中葉に生え変われないこともあります。
もし10日をすぎても新芽が出てこない部分は、すぐにカットするなどして取り除きましょう。
草姿の違いに注意
最初にご紹介したように、水上葉と水中葉では草姿が全く異なる場合がありますので、水中葉になってから想像していた色と違う…と悩まないように、あらかじめ確認をしてから植え付けることをおすすめします。
ご自分のスタイルに合った方法で美しい水草ライフを
水上葉と水中葉の違い、それぞれの利点や使うときのポイントなどについてご紹介させていただきました。
どういった水草が欲しいのか、どんな水槽にしたいのか、予算は、など、様々な要素が絡んでくることですので、ご自分に合った方法で、美しい水草を楽しんでいただけたらと思います。
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