水草水槽で増やした水草を売ってみよう！おススメ水草TOP５！

日頃から水草水槽を管理し定期的にトリミングをしている方は、このようなことを思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
「トリミングした水草を、ただ捨てるのはもったいない」

確かに、再生する可能性の高い水草をただ捨ててしまうのはもったいないです。
しかし、水草をストックしておく水槽にはもう空きが無い場合はどうしたら良いのでしょうか。

このような悩みから今ブームとなっているのが、自家栽培した水草のネット販売です。
余った水草をネット販売すればお小遣い稼ぎになりますし、水草育成のスキルも上がって一石二鳥です。

このコラムでは水草を売ることのメリットや販売しやすい水草の種類などをご紹介していますので、ぜひお役立てください。

プロアクアリストたちの意見をもとにご紹介

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

アクアリウム業界に携わり15年以上の実績がある東京アクアガーデンは、水草の育成にも精通しております。

自家栽培した水草をネット販売するメリットや、販売に向いた水草の種類、販売する際に水上葉で育てる利点などについて解説をしていきますので、水草水槽をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

水草を売る！？

スマートフォンの普及とともに、フリマアプリや個人でのネットショップの開設が大きな流行を見せています。
販売サービスを通して、ネットで物を買う時代から物を売る時代に変化し、商品さえあれば『誰でも売る側の人間』になれるようになりました。

アクアリウムも例外ではありません。余った水草も育成すれば、立派な商品です。

以下からは自家栽培した水草をネット販売するメリットについてご紹介していきます。

お小遣い稼ぎができる

水草をネット販売するメリットとしてまず挙げられるのが、お小遣い稼ぎができるという点です。
単価はわずかかもしれませんが、継続をすることでなかなかの利益を生むこともあります。

増えすぎた水草を再利用できる

水草をネット販売するメリット2つめは、増えすぎた水草を再利用できるという点です。
再生する可能性のある水草をただ捨ててしまうのはもったいないですが、立派に育ててネット販売すれば購入者に再利用してもらうことが可能となります。

処分に困っていたり、捨てるのがもったいないというお悩みも、販売すれば解決です。

水草育成のスキルが上がる

水草をネット販売するメリット3つめは、水草育成のスキルが上がるという点です。

ゆくゆくは販売することも意識して水草を栽培・養殖することで、自然と水草にとって良い環境を整えることができるようになり、育成のスキルがアップします。
結果的に自分の水槽のレベルアップにもつながる点は、大きな魅力ではないでしょうか。

栽培・販売しやすい水草 TOP5

さて、ここからはネット販売に向いている水草を、ランキング形式で5種類ご紹介していきます。

ラインナップは以下の通りです。

販売に向いている理由や、増やし方のポイントなどを解説していきます。

1位 ショートヘアーグラス

水中で育てるには少しコツのいるショートヘアーグラス。語順を逆にして、ヘアーグラスショートとも呼ばれています。

ショートヘアーグラスを美しく育てるには、高光量の照明と二酸化炭素の添加が必須です。
しかし育成が難しい分、草原のように広がったショートヘアーグラスは非常に見応えがあります。

ショップで購入をするとやや値が張る印象ではありますが、その美しさからニーズは多く、育てがいのある水草です。

ショートヘアーグラスの増やし方

ショートヘアーグラスを増やしたいときは、水上で育てると管理が楽になります。育て方は以下の通りです。

1. プランターや発泡スチロールにソイル（栄養系だとなお良い）を敷きます。
2. ソイルがひたひたになるくらいまで水を入れます。
3. ショートヘアーグラスを等間隔に植えます。
4. ソイルの表面が乾いてきたら水を足しましょう。

一度植えてしまったら、あとはほぼ放置でも構いません。
水が減ったら足し水をするのが理想ですが、もし忘れてしまっても慌てる必要はありません。ショートヘアーグラスには、ソイル表面がカラカラになってもしぶとく生き残る生命力があります。

十分に日光の当たる場所に置いておくと、夏場であれば1～2ヶ月でくらいで、プランターを覆い尽くすぐらいに増やすことができるでしょう。

植え付けるソイルは栄養系のものがおすすめですが、吸着系ソイルを使用する場合は、固形肥料を追加するとしっかり育成することができます。

2位 キューバパールグラス

まるで絨毯のように底床に広がるキューバパールグラス。
こちらも育成難易度が高いうえに高価なので、なかなか手が出しにくい水草です。

キューバパールグラスは栄養系ソイル+二酸化炭素+高光量で上手く育つといわれていますが、水の硬度やpHまで影響してくるので、水中で増やすのにはコツがいります。

そんなキューバパールグラスも簡単に増やせる方法を、以下からご紹介していきます。

キューバパールグラスの増やし方

キューバパールグラスは以下の手順で増やすことができます。

1. 水槽にパウダータイプの栄養系ソイルを敷きます
2. ソイルがひたひたになるくらいまで水を入れます。
3. キューバパールグラスを1～2cmくらいの塊になるようほぐして、等間隔にソイルに置いていきます。
4. 水槽にラップを張り、完全に密閉します。
5. 照明(水草水槽用の高光量のもの)を設置し、12時間/日くらい点灯しましょう。
6. 週に一回、ラップを外し換気しましょう。

いわゆる『ミスト式』と言われる栽培方法です。
水槽を密閉して照明の熱で中を温めることで、水が蒸発して水蒸気が発生します。水槽の中は高温多湿となり、水上でありながら水中のような環境を作り出すことが可能です。

注意点として、高温多湿の環境はカビが生えやすくなります。時々ラップを外して適度に換気をしてください。
また多湿の環境を保つため、乾いている部分があったら霧吹きで水やりをしましょう。

うまく密封ができていると、このように水槽面に水滴がつきます。

1～1.5ヶ月で、このくらいに増やすことができます。

ミスト式は準備にやや手間がかかりますが、しっかりと根を張らせ増やすことができるため、パールグラス系の水草には特におすすめです。

3位 グリーンロタラ

グリーンロタラも、上手く育てることができれば密度の高い大きな群生になります。
その様子を『緑の雪崩』と表現する人がいるほどの迫力です。

グリーンロタラは非常に丈夫で増えやすいため、水草の栽培や販売が初めての人にもおすすめです。

二酸化炭素+高光量の設備で育てると、光合成で発生した酸素が一条の筋となって水面へ上がってゆく美しい姿を見せてくれますが、もちろん二酸化炭素なしでも十分に育ちます。

グリーンロタラの増やし方

1. プランターや発泡スチロールにソイル(栄養系だとなお良い)を敷きます。
2. ソイルがひたひたになるくらいまで水を入れます。
3. グリーンロタラを植えます。（適当でも大丈夫）
4. ソイルの表面が乾いてきたら水を足しましょう。

ショートヘアーグラスと似ていますが、グリーンロタラも水上で増やすことができます。
水中で育てる場合は、照明と二酸化炭素の添加があると増えるスピードが早いです。

低温に弱いので、水上・水中どちらの方法で育てる場合も、冬場は室内に入れて管理しましょう。

水上で育てたロタラはまれに、小ぶりの花を咲かせることがあるようです。

4位 ウィローモス

レイアウトの定番、ウィローモス。

流木や岩に巻きつけて活着させると、時間の経過による自然の風合いを出すことができるため、根強い人気のある苔の一種です。

初心者から上級者まで親しみやすいウィローモスですが、買うとなると意外に高価。
そんなウィローモスも、トリミングした分は捨てずに増やして販売してみましょう。

ウィローモスの増やし方

ウィローモスは水中で育成するのがおすすめです。

1. ウィローモスをハサミなどで約1cmに切ります。
2. 水槽(バケツでも可)に飼育水を入れ、そこにウィローモスを入れましょう。
3. 1ヶ月に1回程度水換えをします。

ウィローモスは切ったところから伸びる習性があるため、最初になるべく多くの切断面を作っておくのがポイントです。
照明は無くても育成できますが、当てるとさらに成長を促進させることができます。

また、この方法は水中の栄養分で水草を育成しますので、水道水ではなく栄養が豊富な飼育水を使うのがポイントです。

ちなみに、同様の手順で南米産ウィローモスも増やすことができます。南米産ウィローモスはウィローモスよりも高価な水草ですので、育成に慣れてきたらチャレンジしてみてください。

5位 アナカリス

金魚藻と呼ばれる水草の代表、アナカリス。

ライトグリーンが美しいアナカリスは、金魚のオヤツやメダカの産卵場所など、様々な場面で活躍する優秀な水草です。

丈夫で成長の速いので初心者でも育成がしやすく、一度購入すれば増やし続けることができます。

アナカリスの増やし方

アナカリスは以下の方法で増やすことができます。

1. 水槽(バケツでも可)に飼育水を入れ、そこにアナカリスを入れましょう。
2. 1ヶ月に1回程度水換えをします。

なんとアナカリスはウィローモスのように細かくカットする必要もなく、飼育水に入れておくだけで増やすことが可能です。
ウィローモスの場合と同様に水中の栄養分で育てる方法なので、水は飼育水を使いましょう。また、照明を当てると育成スピードを上げることができます。

アナカリスは育成が簡単で誰でも増やすことのできる水草のため、販売する場合の相場はかなり安くなります。しかし、たくさん増やしてコンスタントに売ることができれば、安定した利益を生み出すことができるため、水草販売初心者からベテランの方まで、幅広くおすすめできる水草です。

水草を水上で育てるメリット

先程ご紹介した1～3位までの水草は、水上で育てる方法をご紹介しましたが、実は流通している水草のほとんどは、水上化させることができます。

なかでも水上葉として育てやすい水草は以下の通りです。

水中に生息する水草をあえて水上で育てるのにはいくつか理由があります。

まず挙げられるのがコケ対策です。
水中で水草を育てようと思うと、必ずと言って良いほどコケが生えてきます。ガラス面だけでなく、時には水草の表面にコケが生えてしまうことも。
水上で育てればコケの心配はかなり軽減されるので、より美しい状態で水草を増やすことができます。

また、水上で育てている間は水換えをしたりろ過フィルターを設置する必要が無いため、維持・管理費の軽減にもつながります。

スネールなどの心配が要らないのも、水上で育てるメリットのひとつです。

まとめ：水草水槽で増やした水草を売ってみよう！おススメ水草TOP５！

今回は、トリミングした水草を効率よく増やして販売する方法をご紹介しました。

アプリや販売サービスを通じて、誰でも簡単に商品を販売できる時代。余った水草も上手に増やすことができれば、立派な商品となります。

水草を効率よく増やすポイントは、種類に合わせて水上化することです。
水上では、カビやスネールの心配が少ない安全な水草を育てることができます。水上葉であれば水ごとパッキングしなくてよいので、発送の際の梱包も簡単に済ませることが可能です。

水草のネット販売はちょっとしたお小遣い稼ぎになったり、育成スキルが上がったりなどのメリットも豊富です。
皆さんもトリミングした水草をそのままゴミ箱に捨てるのではなく、水草の栽培・販売に挑戦してみてはいかがでしょうか。