ワイド水槽とは!メリット・デメリットと奥行きを活かした水槽事例

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水槽を眺めていると、「もう少し奥行きがあれば、レイアウトが決まるのに」「魚が泳ぐのに少し窮屈そうだな」などと感じることはありませんか?
あと少し大きな水槽だったら、と思う方も多いでしょう。
そんな「あと一歩の物足りなさ」を解消しやすいのが、ワイド水槽です。
今回のコラムは、ワイド水槽の概要から、メリット・デメリットまで幅広く解説します。
実際の設置事例も紹介しますので、ワイド水槽の導入を検討している方はもちろん、アクアリウムの幅を広げたい方もぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにワイド水槽について解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ワイド水槽とは、一般的な規格水槽より奥行きが広い水槽を指します。奥行きが広い分、水量や遊泳スペースに余裕が出やすく、規格水槽では難しい立体的なレイアウトや大型魚の飼育が可能です。
一方で、重量が増すことや掃除の手間など、事前に把握しておきたいデメリットもあります。購入前にメリット・デメリットの両方を理解しておくことが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ワイド水槽について解説します。
ワイド水槽とは

ワイド水槽とは、規格サイズよりも奥行きが広い水槽のことです。横幅が同じでも奥行き方向に空間が生まれるため、見た目の印象が変わります。
代表的なサイズとして挙げられるのは、60cmワイド水槽(W60×D45×H45cm)や120cmワイド水槽(W120×D60×H45cmなど)などです。60cm規格水槽の場合、標準サイズはW60×D30×H36cmですから、ワイド水槽は奥行きが15cm、高さが9cm大きくなっています。
この差は見た目以上に大きく、水量が大幅に増加するのです。60cm規格水槽の水量は約60リットルなのに対し、60cmワイド水槽は約110リットルと、ほぼ2倍近い容量を確保できます。
水槽を正面から眺めたとき、奥行きと高さがあるぶん迫力のある水景を楽しめるのもワイド水槽ならではの魅力です。大型魚がゆったりと泳ぐ姿や、奥行きを活かした立体的なレイアウトは、規格水槽ではなかなか再現できません。
アクアリウムをより本格的に楽しみたい方や、飼育する魚のサイズに余裕を持たせたい方にとって、ワイド水槽は有力な選択肢となるでしょう。
ワイド水槽のメリット

ワイド水槽には、規格水槽にはない多くの魅力があります。
水量の確保やレイアウトの自由度、水質の安定性など、アクアリウムをより快適に楽しむためのメリットが豊富です。
ここでは、ワイド水槽のメリットについて解説します。
水量や遊泳スペースを多めに確保できる

ワイド水槽の最大の強みは、水量と遊泳スペースを十分に確保できる点です。奥行きが広がるぶん、同じ横幅の規格水槽と比べて水量は大幅にアップします。
水量が増えれば、大型魚の飼育にも余裕が生まれるでしょう。アロワナやポリプテルスなど体長のある魚も、窮屈さを感じさせずにのびのびと泳げます。
特に体が硬い大型魚は、奥行きがないと無理な体勢を強いられ、体型が崩れてしまうことも。奥行きがあればUターンするにも余裕が出るので、健康維持にも繋がるのです。
また、中型魚を複数匹飼育したい場合にも、遊泳スペースに余裕があるため魚同士のストレスを軽減できるでしょう。
さらに、横幅自体は規格サイズと同じなので、水槽用照明など上置きの機材選びに困ることも少ないです。規格水槽用のアクセサリーをそのまま流用できるケースも多く、水槽以外の機材コストを抑えられる場合もあります。
奥行きあるレイアウトができる

規格水槽よりも奥行きに余裕があるワイド水槽は、レイアウトの自由度が格段に高まります。大胆な流木の配置や迫力のある岩組など、規格水槽では難しかった表現も実現しやすくなるでしょう。
レイアウト素材を多めに配置しても、魚たちの遊泳スペースを損なう心配が少ないです。隠れ家を増やしながら泳ぐ空間もしっかり確保できるため、魚にとってもストレスの少ない環境を作れます。
ただし、高さがあるタイプのワイド水槽は、照明の光が底面まで届きにくい点には注意してください。水草育成を考えている場合は、光量の強いライトを選ぶか、陰性水草を中心に選ぶのがおすすめです。
一方で、水中照明の設置には最適な環境といえます。アロワナなどの古代魚を飼育する際には、水中照明でより美しい体色を楽しめるでしょう。
水質が安定しやすい
水量が多いワイド水槽は、水質が安定しやすいというメリットもあります。水の総量が増えると、温度変化や水質の急変が起こりにくくなり、魚への負担を軽減できるのです。
さらに、外部フィルターやオーバーフロー式の濾過槽を併用すれば、総水量がさらにアップします。濾過能力に余裕が生まれるため、大型魚の飼育や多くの魚を群泳させる場合にもより安心できるでしょう。
水質が安定することで、水換えの頻度を多少減らせる可能性もあり、日々のメンテナンス負担が軽くなるケースもあります。
飼育する魚の数が多い方や、水質管理に不安を感じている初心者の方にとって、ワイド水槽の安定性は大きな安心材料です。
ワイド水槽のデメリット

魅力の多いワイド水槽ですが、デメリットもいくつか存在します。
重量の問題や入手のしにくさなど、規格水槽とは異なる注意点を押さえておきましょう。
ここでは、ワイド水槽のデメリットについて紹介します。
規格水槽より重量がある

ワイド水槽は水量が多いぶん、重量も増加します。奥行きや高さが大きくなると水槽にかかる水圧も上がるため、ガラスやアクリルの板厚が規格水槽よりも厚めなのが一般的です。
また、本体自体が重いことに加え、水を張った状態での重量差はさらに大きいので注意しましょう。
たとえば、60cm規格水槽の総重量が約70kgなのに対し、60cmワイド水槽は約150kg近くになることもあります。
そのため、頑丈なワイド水槽専用の水槽台は必須です。一般的な家具や棚では重量に耐えられず、事故につながる危険性があります。
さらに、搬入時にも注意が必要で、サイズによっては一人で運ぶのは難しいかもしれません。安全な作業をするためにも、人手を確保して搬入することをおすすめします。
水槽台については、こちらのコラムも参考にしてください。
市販で購入できないことが多い

ワイド水槽の難点として、入手のしにくさが挙げられます。60cmワイド水槽は比較的市販されていますが、それ以外のサイズは市販品がほとんどありません。
120cmワイド水槽や150cmワイド水槽などの大型サイズを希望する場合、ほとんどのケースで特注製作となるでしょう。大型水槽専門やオーダーメイド水槽を扱うショップに依頼する必要があり、既製品を購入するよりも費用と時間がかかります。
水槽台についても同様で、ワイド水槽のサイズや重量に合わせて設計された専用の台を、水槽本体と合わせてオーダーメイドで発注するのがおすすめです。
このように、どうしても初期費用は規格水槽よりも高くなりますが、自分だけの理想的な水槽環境を手に入れられるのは大きなメリットといえます。
掃除が大変!
ワイド水槽のメンテナンスは、規格水槽に比べて手間がかかる点がデメリットです。水量が多いため水換えの作業量も増えますし、掃除する範囲も当然広がります。
特に高さ45cm以上のワイド水槽になると、腕が底まで届かないこともあるでしょう。東京アクアガーデンでも、脚立や踏み台を使用してメンテナンスを行っています。
ガラス面のコケ掃除には、マグネットクリーナーの併用がおすすめです。水槽内に手を入れずに掃除できるため、日常的なメンテナンスがぐっと楽になります。
また、長いピンセットやホースなど、奥行きや高さに対応できる道具も揃えておきましょう。
ワイド水槽は掃除の手間は増えますが、工夫次第で負担は軽減できます。便利なグッズを活用しながら、無理のないメンテナンスをしてください。
こちらのコラムでは、大型水槽のメンテナンスについて解説しています。
ワイド水槽の事例

ここからは、実際に東京アクアガーデンで設置・管理しているワイド水槽の事例を紹介していきます。
サイズや用途によってレイアウトの方向性は大きく異なりますが、いずれも奥行きを活かした水槽ばかりです。ワイド水槽の導入を検討する際の参考にしてみてください。
150cmワイド水槽:個人宅のアロワナ水槽

W150×D90×H90cmという大型のワイド水槽で、個人宅に設置されたアロワナ水槽です。高さも奥行きも十分に確保されており、迫力のある水景が広がっています。
この水槽では、遊泳層の異なる複数の魚種を飼育しているのが特徴です。上層を優雅に泳ぐアジアアロワナ、中層付近で存在感を放つダトニオとカラープロキロダス、そして底層でどっしりと構えるポリプテルス。それぞれの魚が、自分のテリトリーで快適に過ごせる設計になっています。
中〜大型の魚種を混泳させるには、高さと奥行きの両方が必要不可欠です。オーダーメイドで製作されたワイド水槽だからこそ、実現できたといえるでしょう。
照明には水中照明を採用し、底板、背板を黒くすることで、アロワナの美しさを引き立てています。大型魚飼育の醍醐味を存分に味わえる、まさに理想的な水槽環境です。
60cmワイド水槽:オフィスの海水魚水槽

企業のオフィスに設置された、W60×D45×H45cmの海水魚水槽の事例です。60cmワイド水槽は市販品も多く、比較的導入しやすいサイズとして人気があります。
この水槽では、高さと奥行きを最大限に活かした立体的な岩組が印象的です。ライブロックを積み上げて複雑な地形を作り出しており、遠くから眺めても目を惹く仕上がりになっています。
ワイド水槽ならではの存在感が、空間の雰囲気を一気に華やかにしてくれるでしょう。
また、隠れ場所が増えることで、気が強いカクレクマノミなどの小競り合いを防ぐ効果も期待できます。魚同士のストレスが軽減され、健康的な飼育環境を維持しやすくなるでしょう。
このように、立体的なレイアウトには、見た目の美しさだけでなく実用的なメリットもあるのです。
45cmワイド水槽:薬局の水草水槽

薬局に設置された、W45×D45×H50cmの水草水槽です。コンパクトながらも奥行きと高さがしっかり確保されており、限られたスペースでも本格的な水草レイアウトを楽しめます。
この水槽の見どころは、陰性水草の密度を高めたこんもりとした水槽に仕上げているところです。アヌビアスやミクロソリウムなど、陰性水草は葉が大きい種類が多く、実は密度を出すのが意外と難しいもの。
奥行きのあるワイド水槽であれば、大きめの葉を残しながらトリミングを重ねることで、自然なボリューム感を演出できます。前景から後景にかけて奥行きを感じさせる配置も、このワイド水槽だからこそ実現できたといえるでしょう。
小型のワイド水槽でも、工夫次第で十分な見応えを生み出せるのです。
まとめ:ワイド水槽とは!メリット・デメリットと奥行きを活かした水槽事例

ワイド水槽について解説しました。
ワイド水槽とは、奥行きが規格サイズよりも広く設計された水槽のことです。規格水槽とは比率が異なるぶん、迫力のある水景を楽しめます。
メリットは、水量と遊泳スペースを確保しやすい点です。奥行きを活かして流木や岩組を立体的に組めるため、レイアウトの自由度も上がります。
外部フィルターやオーバーフロー式にすると総水量が増し、さらに水質が安定しやすくなるでしょう。
一方で、水量が増えるぶん重量は重くなり、専用台や搬入の段取りが重要になります。60cm以外は特注になることも多く、導入コストが上がりがちです。
掃除範囲も広く、高さ45cm以上では腕が届かない場面があるため、脚立やマグネットクリーナーなどの工夫が役立つでしょう。
今回紹介した事例のように、ワイド水槽を導入することで、多彩な水槽が実現できます。
アクアリウムの幅を広げてくれるワイド水槽、設置場所やコストが許せば、ぜひ導入を検討してみてください。
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