ヤマトヌマエビは日本に昔から住んでいる、在来の小型淡水エビです。
草食性があることから、水槽に生えてしまうコケを撃退する『お掃除生体』として多くの熱帯魚水槽やビオトープで飼育されています。
様々な水槽で見かけることがあるヤマトヌマエビについて、スタッフのコメントを交えつつご紹介します!

ヤマトヌマエビの基本情報

水質 | 淡水生の小型エビ。pH6.5~7.5あたりの中性~弱アルカリ性傾向を好む。 適応可能な水温は20~28度なので、混泳相手に合わせて水温を保つのがおすすめ。 |
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サイズ | オス:3~4cm、メス:4~5cmほど。ヌマエビのなかでは大型種! |
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寿命 | 平均2~3年ほど。5年以上長生きすることも。 |
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餌 | ヌマエビ用の餌、エビタブレット、沈降性の餌、コケや水草、小さな生餌(ブラインシュリンプ) |
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混泳 | 生活圏が被らない小型魚との混泳に向いている。水草とも好相性だが、かじってしまうことがある! |
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特徴 | 西日本の河川や沼に生息している、在来の小型エビであるヌマエビの仲間です。
小型と言ってもヤマトヌマエビは、ヌマエビ類のなかでは大型で、成熟したメスは5cm以上の体長になります。
基本は雑食ですが強い草食性を持ち、水草や水槽壁面、底砂、流木などに生えてくるコケや藻類を食べてくれるため、アクアリウムにおいては「コケをキレイにしてくれるお掃除生体(メンテナンス・フィッシュ)」として各種水槽に採用されています。コケだけでなく、生物の死骸や餌の食べ残しなど水槽内のあらゆる汚れの原因を食べてくれる頼もしいエビです。
一方で、常に体を動かしながら餌を探す仕草に愛嬌があるため、小型エビのファンから可愛がられているなど、幅広く楽しめる生き物でもあります。
同じくお掃除生体として人気のミナミヌマエビより大型なため、より強力に広い範囲をきれいにすることができますが、飼育下で繁殖させることができない点には注意です。
水質にはそれほどうるさくないので、他の混泳魚にあわせて水質を管理しますが、本来は中性以上がおすすめです。体が大きく体力もありますが、他のエビと同様に薬品には非常に敏感ですので、水草は必ず無農薬のものを使用しましょう。
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東京アクアガーデンスタッフの一言コメント
一見、派手さはないヤマトヌマエビですが、良く見ると体色は様々です!
基本は透明感のあるベージュといったところですが、たまに青黒い個体がいたりもしますよ。
腹(体側部)の模様でオスメスを見分けることもできます。オスは点線・メスは破線な赤茶色の模様が入っています!
目を凝らして観察してみるのも面白いですね。
「ヤマトヌマエビは繁殖できない!」と言われますが、その理由としてヤマトヌマエビは、生まれたばかりのころは淡水域ではなく汽水域で育つことが挙げられます。
1)淡水域の河川で孵化し→2)汽水域に流れ着き→3)プランクトンを食べて育って→4)再び淡水域に遡上する、といったプロセスで成長・繁殖するんですね。
なので、淡水水槽では残念ながら繁殖することはないんです。
海外のネイチャーアクアリウム人気が高まっているため、ヤマトヌマエビも『アマノシュリンプ』という名前でジワリと人気が広がっています!
しかし、熱帯魚との混泳で気を付けなくてはいけないこともあります。
比較的大型のヌマエビですが、エンゼルフィッシュのような中型魚には襲われてしまいますし、反対に、小型魚の稚魚を襲うこともあるんです。
餌が足りないと水草の新芽を食べてしまうことも!
…私も植えつけたパールグラスをかじられてしまったことがありました。
水槽の中にコケなどの餌が無くなると水草を食べてしまうため、餌を十分に与えることで食害を抑えることができますが、それでも気になる場合は、少し小さなヌマエビのミナミヌマエビがおすすめです。
お掃除生体は、混泳相手の体長や口のサイズ、水草の有無や水槽の環境などで選ぶと良いですよ。
ヤマトヌマエビが泳いでいる水槽事例
ヤマトヌマエビは、水草水槽やネイチャーアクアリウム、ビオトープなどでも採用されています。
生活圏があまりかぶらない、ネオンテトラやラスボラ・エスペイなどの温和な小型魚との混泳がおすすめです。餌はコケや人工飼料、食べ残しや糞から発生する有機物など何でもよく食べます。給餌する場合は、エビは底層に住んでいるので沈降性~沈下性の餌を与えましょう。
水草に生えるコケなども食べることから、水草がたくさん植えつけられているレイアウトの水槽に向いていますよ。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビについて動画で解説!
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビ、どちらが混泳水槽に向いているのか?を動画で解説します!
それぞれの特徴やメリットの比較や、導入時の注意ポイントなどをご紹介していますので、エビの導入を考えている場合にも、ご参考になさってください。
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読みもの

ヤマトヌマエビについてはこちらでも詳しくご紹介しています!
東京アクアガーデン公式サイトのコラムと、アクアリウム情報サイト・トロピカにて、情報をご提供しています。
コラム
ヤマトヌマエビについての飼育方法や飼育しやすくおすすめの熱帯魚や、ビオトープ飼育、アクアテラリウムについてを解説したコラムです。トロピカに掲載した記事をさらにパワーアップした内容になっています。
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