アクリル水槽の魅力!水槽サイズごとのメリットとおすすめ設備も紹介
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観賞魚を飼育する水槽は、一般的に「ガラス水槽」と「アクリル水槽」の2つです。
ガラス水槽はホームセンターなどでも販売され、多くの方がイメージする水槽ではないでしょうか。
一方、アクリル水槽は店頭で販売されていることが少ないです。「大型水槽向け」「ベテランアクアリスト向け」といったイメージが強く、自分には無縁と感じる初心者の方もいるでしょう。
しかし、アクリル水槽にはガラス水槽にはないメリットも多く、飼育する魚や環境によっては初心者の方にもおすすめできる水槽です。
今回は、アクリル水槽の魅力について解説していきます。水槽サイズごとのメリットや、アクリル水槽におすすめの設備も紹介しますので、水槽選びにお役立てください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとにアクリル水槽の魅力を解説
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽を選ぶ際には、飼育する生き物や環境に適した水槽を見つけるのが一番です。
今回紹介するアクリル水槽と、広く普及しているガラス水槽には、どちらにもメリットとデメリットがあります。「ガラス水槽しか使ったことがない」という方は、アクリル水槽ならではの魅力に触れてみてください。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、アクリル水槽について解説します。
アクリル水槽とは
まず、アクリル水槽とはどんなものなのかを紹介します。
ガラス水槽は使っている方も多いため、イメージも湧きやすいでしょう。ガラス水槽との違いも紹介しますので、参考にしてください。
透明度が高く軽量・割れにくい
アクリル水槽は、ガラス水槽のような特有の緑みがないため透明度が高いです。透明度が高いことで、照明を落とした部屋でも観賞性が良いという特徴があります。
また、ガラス水槽と比べると軽量で、割れにくいという特性もあります。ガラスよりも衝撃に強く、割れても飛び散らないことから、地震などの災害時により安心です。
このような理由から、ホテルや飲食店などではアクリル水槽を採用しているところが多くあります。
ただし、アクリルはガラス水槽と比べて傷がつきやすい面もあり、注意が必要です。小さな傷が積み重なることで、透明度が損なわれてしまいます。とはいえ、アクリルを研磨することで透明度を回復させられるので、安心してくださいね。
比較的自由なサイズ・形状で水槽を作れる
アクリル水槽はガラス水槽よりも、制作できる水槽サイズや形状の自由度が高いです。
大型水槽は水量が多い分、水圧も大きくなり、厚い板厚が求められます。アクリルであれば板厚が厚くなっても、最終的な重量はガラスよりも軽くなることもあり、大型水槽のほとんどがアクリル製です。
実際、東京アクアガーデンで制作している水槽でも、150cm以上の大型水槽はすべてアクリルで制作しています。
また、円柱水槽や台形水槽など、特殊な形のものは基本的にすべてアクリル製です。実験用の特殊な形状の水槽やイベント用の水槽など、ガラス水槽で作れなくても、アクリル水槽であれば作れます。
ただし、アクリル水槽にはフランジ(リブ)がつくため、開口部がやや狭くなる点には注意しましょう。特に特殊な形状の水槽を作る場合は、メンテナンス性も考慮する必要があります。
こちらのコラムでは、さらに詳しくアクリル水槽とガラス水槽との比較を紹介していますので、参考にしてください。
アクリル水槽サイズごとのメリット
アクリル水槽のサイズごとのメリットを紹介します。
大型水槽のイメージが強いアクリル水槽ですが、小型水槽にもメリットが多いです。小型~中型水槽を設置したい方も、ぜひ参考にしてください。
小型水槽(30~45cm)
小型のアクリル水槽は、とにかく軽量なことが魅力です。また、水量が少ないので、フランジ(リブ)の幅が狭く、メンテナンスもしやすいというメリットもあります。
アクリル水槽は大抵の場合、フランジに配管を通すための穴がついているため、外部フィルターなども使いやすいでしょう。
また、サイズや形状の自由度が高いアクリル水槽は、小型水槽だからこそ感じられるメリットもあります。
「この隙間に水槽を置きたい」「幅は無いから高さのある水槽が欲しい」という場合にも、アクリル水槽であれば、ある程度対応・制作可能です。もし、置き場所などの問題で水槽設置を諦めていても、アクリル水槽であれば実現できるかもしれません。
中型水槽(60~120cm)
60~120cmの中型水槽は、大型水槽と比べるとまだ軽いとはいえ、ガラス水槽ではそれなりの重量になります。90cm水槽ともなると、重さの関係で置ける場所も限られてくるので、重量を軽くできるアクリル水槽は有力な選択肢となるでしょう。
海水魚水槽の場合には、ろ過槽や水槽用クーラーなど、水槽以外にもさまざまな機材が必要になります。やはり重量がかさむので、軽量なアクリル水槽はおすすめです。
また、海水魚やサンゴ水槽には、高いろ過能力が求められます。オーバーフロー水槽であればクリアできますが、アクリル水槽であれば細かな調整がしやすいでしょう。そのため、オーバーフロー水槽を設置したい場合にもアクリル水槽がおすすめです。
オーバーフロー水槽については、こちらのコラムも参考にしてください。
大型水槽(150cm~)
水槽サイズが大きくなるにつれ、板厚も厚くなっていきます。板厚があっても、アクリル製であれば透明度が損なわれないことも大きなメリットです。圧迫感も少なく仕上がるため、観賞性が求められる水族館の水槽は、アクリル素材の水槽が多く採用されています。
また、アロワナなどの大型魚には大型水槽が必要ですが、大型魚のパワーはとても強いです。何かの拍子に暴れることもあり、ガラス水槽であれば割れてしまう可能性も考えられます。
そのため、大型魚を飼育するアクアリストは、割れにくいアクリル水槽を使用することが多いです。特にアジアアロワナなど、色揚げを重視する魚種では、最初から底面や背面を黒いアクリルにする方もいます。このような加工ができるのも、アクリル水槽ならではのメリットです。
アクリル水槽におすすめの設備
ここでは、アクリル水槽におすすめの設備を紹介します。
アクリル水槽だからこそ使用したいものを紹介しますので、アクリル水槽を設置する場合はセットで導入しましょう。
樹脂製のフタ
アクリル水槽のフタには、塩ビ製やポリカーボネートなどの樹脂素材性のものが最適です。
同じアクリルでフタを制作してしまいがちですが、アクリルは熱や湿気でたわむので注意しましょう。
また、せっかくアクリル水槽で軽量化したのであれば、重いガラス製のフタも避けた方が良いです。大型魚用の水槽であれば、ジャンプしたはずみで割れてしまうこともあります。
それに対し、塩ビなど樹脂素材性のフタは軽量で、問題になるほどたわむことも少ないです。アクリル水槽の軽量さを活かすためにも、樹脂のフタを使用しましょう。
なお、樹脂製のフタは水槽と一緒にオーダーできますが、自分でカットして作ることもできます。
メラミンスポンジ
メラミンスポンジは、アクリル水槽のコケ掃除を行うときの定番アイテムです。
ただし、アクリルは柔らかいため、どうしても小傷はついてしまいます。メラミンスポンジを使用する際は、水中でスポンジを動かすことで水槽が傷つくのを防げるのでおすすめですよ。生き物による傷は避けられませんが、人の手による傷は極力抑えましょう。
傷といっても、水を張ることで目立たなくなる程度のため、東京アクアガーデンでのアクリル水槽の掃除は、メラミンスポンジと樹脂製のヘラで磨いています。
こちらのコラムでは、傷がついたアクリル水槽の修復方法を紹介していますので、あわせて参考にしてください。
バックスクリーン
傷がつきやすいアクリル水槽には、ぜひバックスクリーンを使用しましょう。
バックスクリーンは、水槽の雰囲気を大きく変えるレイアウトアイテムとしてだけでなく、光を遮る保護剤としても活躍します。
たとえば、部屋に入り込む光でコケが生えやすい場合などには、その方向にバックスクリーンを貼り付けることで軽減できます。コケが減ればコケ掃除の頻度も少なくなり、水槽を傷つける原因も減らせるのです。
また、傷ができてしまった場合でも、バックスクリーンを貼ることで傷を目立たなくさせられます。
なお、アクリル水槽は特注なら色板での製作も可能です。普通のアクアリウムでは透明なアクリルでの製が多いため、このような一般的なシーンでもバックスクリーンは活躍します。
まとめ:アクリル水槽の魅力!水槽サイズごとのメリットとおすすめ設備も紹介
今回は、アクリル水槽の魅力をはじめ、サイズごとのメリットやアクリル水槽におすすめの設備を紹介しました。
アクリル水槽には、透明度が高く割れにくい、自由なサイズ・形状で作れるなどの魅力があります。また、アクリル水槽はサイズごとのメリットも豊富で、周辺設備も活かすことでさらに便利に使えるのです。
ただし、アクリル水槽ならではのデメリットもあり、ガラス水槽の方が向いているシチュエーションもあるでしょう。
まずは、どこの場所に水槽を設置して、どんな生き物を飼いたいのかを考え、条件に適した水槽を探すのがおすすめです。水槽を設置する際は、アクリル水槽とガラス水槽どちらも選択肢に入れたうえで検討してみてください。
ほかにも水槽に関するさまざまなコラムがありますので、ぜひこちらもご覧くださいね。
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