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水槽まわりにゴキブリを発見!アクアリウムのプロが発生原因と対策を解説

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ゴキブリはその生命力と繁殖力の強さから、都市部でもよく見られる代表的な害虫です。
アクアリウムを運用している方の中にも、水槽周りにゴキブリが発生して頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。

豊富なエサ・暗くて暖かい水槽台の内部など、水槽の周辺にゴキブリが発生する理由は、その場所がゴキブリにとって快適な環境になりやすいからです。

ここでは、水槽まわりにゴキブリが発生する原因とその対策について解説します

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽のゴキブリ対策を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

お風呂場・水道などゴキブリは比較的水のある場所で目撃することが多い害虫です。
水分に含まれるちょっとした養分すらも餌にすることができる強靭な虫なので、水槽回りにも現れます。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽のゴキブリ対策を解説します。

水槽まわりのゴキブリについて

水槽まわりにゴキブリを発生させない、あるいは発生した場合に効果的な対策を取れるようにするためにも、まずは発生しやすい種類などについて把握しておきましょう。

水槽周りに出没しやすいゴキブリの種類

※注意!※
この項目では実写のゴキブリ画像が掲載されています。
苦手な方はご注意ください。

ゴキブリは全世界に3000~4000種類いると言われていますが、水槽の周辺に出没しやすい種類は限られます。

ここでは、水槽の周辺に出没しやすいゴキブリの種類をご紹介します。

チャバネゴキブリ

家庭内でよく出没するゴキブリN0.1です。
元々はアフリカに自然分布していたと考えられていますが、現在では船舶や航空機によって世界中に運ばれ分布域を拡大しました。

成虫でも体長1.0~1.5cm程度の小型のゴキブリで、国内に生息している種類で最も個体数が多いと言われています。
成長速度と世代交代が早いせいか、薬物耐性を得ることもある厄介な種類ですが、動きは遅いです。

クロゴキブリ

都市部のゴミ置き場などでよく見かける、チャバネゴキブリと並ぶ一般的な種類です。
成虫の体長は3~4cmほどで、名前の通り黒光りする体が特徴です。

特筆すべきはその行動速度で、身に危険を感じるとあっという間に逃げてしまうので、対処しようと殺虫剤などを取りに行っている間に見失うこともよくあります。

また、その俊敏さが恐怖心を煽るため、人間にかなり嫌われているゴキブリ種です。

ワモンゴキブリ

成虫の体長は4.5~5.0cm程度に達する、家屋に出没し得るゴキブリとしては国内最大級の種類です。
特徴は胸部に入る黄褐色の模様で、沖縄県や小笠原諸島などの温暖な地域を好み、本州ではあまり見かけません。

しかし、ビルの地下など冬でも温度と湿度が高い場所に住み着いていることもあり、本州の都市部でも家屋へ侵入するケースがあります

ゴキブリは繁殖しやすい害虫

ゴキブリは雌雄異体なので、通常時は繁殖にあたってオスとメスが必要です。
しかし、周囲にオスがいない場合、メスは単為生殖に切り替えることが可能とされています。そのため、1匹のメスがいるだけで増殖してしまう恐れがある驚異的な生き物です。

ゴキブリも昆虫なので、基本的には卵生の繁殖形態を持ちます。
中には卵胎生のものもいますが、屋内に出没する種類に関しては気にする必要はありません。
ゴキブリは卵鞘(らんしょう)と呼ばれる、がま口のカプセル状の入れ物を作成して卵を保護します。

卵鞘には種類にもよりますが10~50の卵が入っており、すぐに産み落とす種類もいますが、卵がふ化する直前までメスが体に保持する種類もいます。
また、卵鞘内は乾燥や薬物に対して耐性を得ているので、駆除するには物理的に潰すなどの処理が必要です。

この時点ですでに、恐るべき存在と言えるでしょう。

ゴキブリの習性!負の走光性

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夜間に街灯などの光源に、昆虫類が集まっている様子を見たことがある方は多いと思います。このような光に集まる性質を「正の走光性」と言い、その逆に光を避ける性質を「負の走光性」と言います。ゴキブリは後者の「負の走光性」を持っており、暗い場所を好みます

そのため、ゴキブリを発見した際に普通の室内灯などで照らすと、隠れてしまうので注意してください。
逆に言うと光が当たらない場所に逃げ込むので、そこに追い込むことも可能です。

ゴキブリを含む昆虫類は主に紫外線を光として認識しているので、ゴキブリを探すときは赤外領域に近い赤色の光を点けると便利でしょう。

水槽まわりにゴキブリが発生しやすい原因

水槽周りにゴキブリが発生する原因は、水槽の周辺はゴキブリにとって快適な環境にあるからです。

  • 暖かく多湿である
  • 狭くて暗い
  • 餌が豊富にある

水槽の周辺ならゴキブリも飲用水には困りません。また、冬でも困るほどの低温にはなりませんし、周辺機器が発する熱で暖を取ることも可能です。

それから、水槽の周囲は周辺機器類とそのコードや電源で、狭くて暗い隠れ場所が豊富にあるうえに、熱帯魚類の餌はゴキブリも食べられるので栄養源も豊富です。
以上のことから、水槽周りはゴキブリにとって快適な環境の条件を満たしやすいといえます。

ゴキブリを発生させないためには、前述したゴキブリが好む環境を作らないようにすることが重要です。

つまり、水槽の周囲が

  • 低温で乾燥している
  • 開けていて明るい
  • 餌がない

などの状況になっていれば良いのです。
これらの条件の内、低温や明るさなど達成が難しい項目もあるので、とにかくゴキブリの餌となるものがない状態を作るのが手っ取り早いです。

水槽の周辺でゴキブリが発生しやすい場所と対策

基本的に水槽回りでゴキブリは生活しやすいといえます。
ここでは具体的な撃退法や特に出現しやすい注意したい場所を解説します。

注意!水槽まわりでは殺虫剤が使えない!

水槽まわりでは、生き物に影響が出るため、バルサンなどの殺虫剤は使えません。

そのため、ゴキブリ用捕獲器(ゴキブリホイホイなど)が活躍します。

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また、殺虫成分ではなく温度で退治するタイプの殺虫剤も使いやすいです。

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ゴキブリを発生させないために、水槽の周囲はもちろんのこと、屋内とその周辺を清潔に保つことを心がけましょう。

水槽台の内部・下部のゴキブリ対策

周辺機器を入れるための収納が付いているタイプの水槽台は、ゴキブリが好む条件をすべて満たしてしまいます。
特に、オーバーフロー水槽で水槽台の内部にろ過槽を設置していると、湿度が上がりやすいので注意してください。

ゴキブリは淡水はもちろんのこと、海水も含有される塩分・ミネラルすらも生きる糧にしてしまいます。
また、水槽からはねた水には目視できませんが、熱帯魚などから由来する有機物が含まれており、これもゴキブリの養分になります。

水槽台の内部も下部もこぼした餌や飼育水はきちんと片づけて、水拭きをした後は乾拭きをするなどしてしっかりと乾燥させましょう。

また、4つ足のキャビネットタイプの水槽台など、床と水槽台の間に空間ができるものも、ゴキブリの棲家になりやすいので注意が必要です。
水槽台と床との隙間は暗いうえに、こぼした餌や有機物が含有された飼育水が入り込みやすく、ゴキブリを引き寄せやすいので注意です。

ゴキブリは人の抜け毛や繊維クズといったものまで餌にしてしまうので、しっかりと掃除をしておくことが重要です。

水槽台の下部など手が入らない場所も、クリーナーや掃除機で清潔に保ちましょう。

ろ過フィルター内のゴキブリ対策

上部フィルター内部のウールマット部も、ゴキブリにとっては快適な環境になります。
湿度の面は言うまでもなく周囲も暗いうえに、常に餌となる有機物が含まれた飼育水が供給されるので、栄養面でも申し分ないのです。

しっかりフタを閉めていれば侵入を防ぐことができますが、ちょっとした隙間から入り込むことも。

見落としがちなのが外部フィルターのモーターヘッド部です。

特に、排熱のための隙間が空いているタイプのモーターヘッドは注意が必要で、1mm×1cm程度のわずかな隙間でもチャバネゴキブリなどの小型の個体は侵入する可能性があります。

ヘッド部の内部はモーターが動作しているので温かく、水を循環させているのである程度の湿度もあります。
ここを根城にして外(と言っても屋内ですが)で餌を調達できれば、ゴキブリは生活に困らないのです。

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上部フィルターの場合は定期的にろ過槽を開けて内部の状態をチェックし、ウールマットの交換やフタを掃除しておきましょう。
外部フィルターのモーターヘッド部も同様です。ヘッド部の隙間は排熱のために塞ぐことはできないので、定期的に内部の状態を調べましょう。

それから、フィルターの場合はいずれも、その周辺を清潔に保つことが重要です。
そもそも、ゴキブリを屋内へと引き寄せない環境が整っていれば、ゴキブリがフィルター内部に侵入することはありません。


電源タップ、排水場所のゴキブリ対策

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複数の機器に電源を供給するための器具で、プラグの差込口が並ぶ構造をしていますよね。
しかし、ゴキブリの死骸やフンなどが入り込むことでショートを起こす危険があります。

電源がある=機材がある周辺は廃熱で暖かいので、ゴキブリが好みやすい環境と言えるでしょう。

飼育水を排水する場所も、ゴキブリが発生しやすい場所の1つです。

洗面所のシンクや風呂場、ベランダや庭など、人によって飼育水を排水する場所は様々だと思いますが、前述のように飼育水にはゴキブリの養分となる有機物が豊富に含まれいるので、ゴキブリを引き寄せてしまいます。

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電源タップの場合は、差込口を保護するためのカバーや、養生テープなどで使用していない差込口を塞いでしまうことが1番です。
排水場所に関しては、やはり清潔に保つことが重要で、飼育しを流した後はきちんと水道水で洗浄し、なるべく濡れたままの状態にならないよう乾燥させると良いでしょう。

餌のケースや袋のゴキブリ対策


熱帯魚などの餌が入った容器の中もゴキブリにとっては絶好の環境です。
人工飼料の袋はチャックで密封できるものも多いですが、少しでも隙間があるとゴキブリは侵入してしまいます。

また、アロワナなどの大型肉食魚を飼育している方の中には、餌用にコオロギやデュビアを飼育している方もいると思います。そのような生餌用の飼育ケースも、ゴキブリにとっては理想的な環境にあるので侵入してしまいます。

人工飼料の容器はしっかりと密閉することが重要で、餌をこぼした場合はそのままにしておかず、速やかに片づけましょう。
人工飼料は匂いがするので、ゴキブリを引き寄せてしまいます。

自動給餌機も、しっかりフタをしましょう。

生餌ケースの場合は、ケース自体に対策を講じるよりも住環境を良くすることが重要です。
すなわち、人が住む場所を清潔に保つということで、フィルターの場合と同じくゴキブリが家屋に侵入して来なければ、生餌のケースに侵入することもありません。

ちなみに、デュビアは「アルゼンチンモリゴキブリ」の通称なので、デュビア自体がゴキブリの1種です。

ゴキブリ対策は予防が重要

ゴキブリは代表的な害虫ということもあり、各社がこぞって駆除するための新商品を発売しています。
しかしながら、ゴキブリの駆除剤の多くは、水槽で飼育される水生生物にも悪影響を与えてしまいます。

写真のバルサンも、熱帯魚がいる部屋では使用禁止です。殺虫スプレーなども飼育水に溶け込んでしまうと、エビなど弱い生物から死んでしまいます。

水槽周りのゴキブリ対策はゴキブリが発生してから対処するのではなく、ゴキブリを発生させないことを念頭においてください。
そのためには、住環境を清潔に保ちゴキブリが住みにくい環境を整えることが重要です。

まとめ:水槽周りのゴキブリの発生原因と対策法について

ゴキブリはその働きから「森の掃除屋」とも呼ばれ、生態系においては重要な役割を果たしています。
動物の体毛のような多くの生物が養分として利用できないものも食べて分解し、排泄することで微生物が利用できる有機物へと変換しており、ゴキブリ自身は小動物のタンパク源となるからです。

しかしながら、体内にはサルモネラ菌などの病原性細菌を保有しており、病原体のキャリアになり得る点で人間とは相性が悪いことも事実です。

上手く住み分けるためにも、ゴキブリを寄せ付けないように水槽の周囲はもちろんのこと、屋内とその周辺を常に清潔に保つようにしましょう。



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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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