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水槽の厚みとは!メリット・デメリットから最適な厚みを考える

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水槽を選ぶ時に見落としがちなのが、水槽の厚みです。

初めて水槽を購入するケースでは、板の厚みまで考えて水槽を選ぶ方はそれほど多くないでしょう。

しかし、水槽は板の厚みによって、耐用年数や強度、重量が変わります。また、飼育する魚種によっても最適な水槽の板厚が異なる場合もあるのです。

このコラムでは、水槽の板厚を厚くするメリット・デメリットから、オーダーメイドの水槽設置事例まで、板厚について幅広くご紹介します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の厚みについて解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水槽の厚み(板厚)について、東京アクアガーデンの設置事例も交えながら深掘りするコラムです。

単純に「水槽の板が厚ければ良い」というわけではなく、設置するシーンに合わせた最適な板厚を選ぶことが大切です。東京アクアガーデンでは、板厚がある特注水槽の製作・設置した実績が多数ありますので、ぜひ参考にしてください。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の厚みについて解説します。

水槽の厚みとは

水槽の厚みとは、水槽の板厚のことを指します。

メーカーや水槽の製造方法によって水槽の板厚はさまざまですが、基本的に板が厚いほど頑丈な水槽になるでしょう。一方、板厚が薄めの水槽は、接着面の幅が狭いため耐用年数は短くなる傾向があります。

ただし、薄めの板で作られている水槽にもメリットがあるのです。
例えば、角が丸いカーブガラス加工の施された水槽などは、工場で大量製造されています。そのため、板厚が薄めに作られていますが、軽量で扱いやすいです。

ここからは、水槽の厚みのメリット・デメリットについて、詳しくみていきましょう。
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水槽の板厚はあったほうが良い?メリットをご紹介

まずは、水槽の板に厚みがあるメリットについてご紹介します。

水圧に強くなる

水槽の板に厚みがあることで、水槽の内側からの水圧に強くなります。また、地震による揺れやゆがみに対する強度も上がるため、耐震性の面でも信頼できるでしょう。

水圧は重力にしたがって内側から膨らむように水槽全体にかかりますが、板に厚みがありしっかりしていると、その力を抑えられるのです。このような水圧による水槽の変形は、主にアクリル水槽で起こります。

アクリル水槽は、年数が経過するにつれて水圧によって次第に膨らんでいきます。これは、「吸湿膨張」というアクリルの性質によるものです。板厚が薄いアクリル水槽では、経年により顕著に膨らみ、接着面にヒビや剥離が生じる危険があります。

また、板厚の水槽は、衝撃にも強いという点も大きなメリットです。

水槽で魚を飼育していると、振動や音などに驚いて水槽壁面に突進してしまうことがあります。

特に大型のナマズや古代魚、錦鯉などは突進時の力が強いため、水槽本体に大きなダメージを与えかねません。板厚の水槽であれば衝撃を受け止めてくれて、水漏れや接着面にダメージが生じる危険性を軽減してくれるのです。

このような背景から、大型魚を飼育する場合には、水槽の板厚を忘れずにチェックしましょう。

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耐用年数が長い

板厚がある水槽は耐用年数が長く、長期的に見てコスト面でもメリットがあるのです。

板の厚みがあると接着面の幅も広がり、強固な水槽を組み立てられます。つまり、水圧による接着面のヒビや剥離が発生してしまう確率が減る、というわけです。

アクリル水槽の平均的な寿命は約5~7年ですが、東京アクアガーデンでは10年以上使用している板厚のアクリル水槽もあります。ガラス水槽であれば耐用年数はさらに長くなり、15年以上使用できることも。

アクリル水槽もガラス水槽も同様に、板厚なほど接着に使われるシリコンの量が多く、がっしりとした水槽に仕上がるのです。アクリル水槽では、「重合接着」という接着方法を採用することで、板厚水槽をさらに頑丈に仕上げられます。

水槽の板厚があるデメリット

水槽の板厚がある場合のデメリットについても解説します。

購入やレンタルをする前に、あらかじめ把握しておきましょう。

重量がある

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板の厚みが増せば、当然ながら水槽全体の重量が重くなります。もともと、水を入れた水槽は耐荷重が問題になることがあるほど、重たいものです。

そのため、一般住宅で水槽を設置する場合、できるだけ軽量な水槽のほうが向いています。45cmほどのサイズであれば、水圧もそれほど強くなく、板厚3mm程度でも十分長く使用できるでしょう。

水槽の設置場所を選ぶ際には、水槽のサイズだけではなく板厚も考慮に入れた総重量で検討してください。

価格が高い

水槽の板厚を厚くすると、それだけ原料費がかかります。

例えば、同じサイズの水槽でも板厚によって価格が異なるのです。
W600×D300×H360mmのアクリル水槽でも、以下のような差があります。

  • 板厚4mm:16,060円
  • 板厚5mm:23,650円

このように、水槽サイズが大きくなるほど価格差が大きくなるため、板厚は購入時の判断基準になると言えるでしょう。

水槽の板厚がある水槽事例

東京アクアガーデンでは、店舗や個人宅のご希望に合わせた最適な板厚の水槽を設置しています。

板厚が厚めの水槽設置事例を紹介しますので、参考にしてください。

ホテルの1.7mサンゴ水槽

透明感のある大型サンゴ水槽(板厚:側面15/底面15mm)の設置事例です。耐震性を高めるためにも、水槽の板厚を厚めに設定しています。

ちなみに、ガラス板は素材の特性上、やや緑がかった色合いをしています。一方でアクリルは無色のため、板厚がある水槽ではアクリルの方が透明感を損なわないのです。

水槽全体のレイアウトは、岩組の高さを抑えて視界を遮らないことにより、ホテルのエントランスホール空間の広がりを強調しています。

個人宅のオーバーフロー水槽

個人様のご自宅に組み込む形で設置した、90cmの特注オーバーフロー水槽(板厚:側面10/底面8mm)です。

横幅は90cmと超大型水槽ではありませんが、高さと奥行きが60cmあります。高さと奥行きがあると水圧も強くなることから、耐用年数を長くするという目的のもとにしっかりとした板厚で水槽を作成しました。

縦長の体型で優雅に泳ぐ「エンゼルフィッシュ」を導入するための特注品で、水槽全体も縦の長さを持たせた設計になっています。
このように、飼育する魚の特徴に合わせて、水槽や水槽の板厚を検討するのもおすすめです。

オフィスの浅型水槽

水槽の高さと奥行きはありませんが、横幅が123cmあるガラス水槽です。オフィスのミーティングスペースに設置されており、一般には市販されていない形状となっています。

細長い浅型水槽で、耐用年数をしっかり持たせるために板厚は側面・底面ともに8mmで製作しました。

東京アクアガーデンの特注水槽では、水槽の大きさだけではなく、素材や形状、板厚も自由に選択して水槽を作成できます。市販品に気に入ったものがなくても、オーダーメイドの特注水槽であれば希望に合わせて自由に設計できるメリットがあるのです。

強度の高い水槽や、形に特徴のある水槽を設置したい場合には、ぜひ東京アクアガーデンにご相談ください。

まとめ:水槽の厚みとは!板厚がある水槽のメリット・デメリット

今回のコラムは、「水槽の厚み」をテーマに、板厚があるメリット・デメリット、実際の設置事例などを紹介しました。

板厚の違いにより、水槽の耐用年数や重量、価格などが変わってきます。水槽を設置するシーンに合わせて、最適な厚みを考えてみてください。

また、大型水槽や円形水槽などを設置したい場合には、水槽を適切な厚みで設計することが重要です。東京アクアガーデンでは、特注水槽をこれまでも多数製作しており、水槽オーダーメイドの設置事例が豊富にあります。

新たに水槽設置やレンタルを検討している方は、ぜひお気軽に東京アクアガーデンにお問い合わせください。

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執筆者 Hara.kazu

子どもの頃から魚や昆虫を飼育し、アクアリウム歴は約30年になります。
グッピーやプラティ、ネオンテトラなどの入門魚飼育から始まり、シクリッドのブリーディングなどを経て、最近ではアクアテラリウムのレイアウトを楽しんでいます。

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