砂利の洗い方!プロ直伝の洗い方と汚れを落とすコツ、砂利の性質を大公開
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アクアリウムショップやホームセンターのペットコーナー、100円ショップなど、金魚や熱帯魚商品でさまざまな砂利を販売しています。しかし、購入した砂利をそのまま使っていませんか?
砂利は一度洗ってゴミや細かいかけらを落としてから、水槽に入れる必要があります。
今回は東京アクアガーデンでよく使用している大磯砂とサンゴ砂の洗い方、そしてソイルや田砂などさまざまな砂利や底砂の種類と特徴について解説していきたいと思います。
目次
砂利の種類ごとの洗い方
アクアリウムに使用する砂はさまざまな取水があります。どの砂も使用方法は一緒だと思っていませんか?
実はそれぞれの砂利によって洗い方が異なるんです。
今回は東京アクアガーデンでよく使用している「大磯砂」と「サンゴ砂」について洗い方をご紹介していこうと思います。
大磯砂の洗い方
基本的に、大磯砂は購入後に水道水で洗浄してから水槽内に入れます。これはなぜかというと、大磯砂は、ごみや汚れが付いているからです。
大磯砂を洗浄するために必要な道具は、15リットルくらいのバケツと、砂利スコップです。砂利スコップはホームセンターの園芸コーナーで販売されているものではなく、アクアリウム用の水切り機能が付いているものがおすすめです。
大磯砂を洗う作業手順は次のようになります。
大磯砂の洗い方手順
大磯砂はこちらのものを使用します。
今回使用したバケツはこちらになります。
手で洗っても良いですが、荒れてしまったり、傷がついてしまうので砂利スコップを使うことをおすすめします。
最初にバケツに3分の1程度大磯砂を入れます。
バケツに水道水を注ぎます。
砂利スコップで注ぎ洗いをします。
1回目はかなり汚れが出ます。
汚れた水を捨てて、綺麗な水を入れて再び砂利スコップで洗います。
水道水をバケツに入れても汚れが出ないようになるまで繰り返します。10回程度注ぎ洗いをし、バケツの水が透明になれば完成です。完成した砂利は、使用する水槽か他のバケツに移し空にし、残りの砂も洗っていきます。
サンゴ砂の洗い方
サンゴ砂に関しても、そのままだとゴミや汚れが付いていることが多く、そのまま使用することができないものがほとんどです。
ただし、販売時に「バクテリアが付着している」ライブサンドや、一部のアラゴナイトサンドで洗浄不要と書かれているものはそのまま使用できます。
一般的なサンゴ砂も大磯砂のようには水道水で洗浄して使用し、サンゴ砂を洗浄するのに用意するも大磯砂と同じく15リットルくらいのバケツと、砂利スコップだけです。
サンゴ砂を洗う手順
今回使用するサンゴ砂はこちらになります。
大磯砂と同じようにバケツに3分の1程度サンゴ砂を入れます。
水道水を注ぎ、砂利スコップで注ぎ洗いをします。
パウダー状の細かいサンゴ砂は、水を排水する際に一緒に流れてしまう可能性があります。
慎重に水を排水することは勿論ですが、排水口に目の細かいネットを装着し、サンゴ砂が流れないようにしましょう。
排水口のネットに引っかかったサンゴ砂は、最後に回収し水槽に入れましょう。
10回程度注ぎ洗いをし、バケツの水が透明になれば完成です。
※サンゴ砂の種類やメーカー、ロットによっては水の濁りがなかなか取れないものもあります。そのような場合でも、水でできる限り透明となるまで洗浄し使用しましょう。
また、なかなか濁りが取れないサンゴ砂があった場合、次回使用する際は商品を変更すると良いでしょう。
完成したサンゴ砂は使用する水槽か他のバケツに移し空にし、残りの砂も洗っていきます。
砂利の種類ごとの性質
さて、ここからは一般的にアクアリウムで使用されることの多い底砂の種類と、その性質について解説していきます。
今回ご紹介する砂利を表でまとめるとこのような形になります。
それではそれぞれの性質などを解説していきましょう。
大磯砂
大磯砂はアクアリウムでは定番の底砂です。多くは直径2~3mm程度の小さな石の集団だが、様々なサイズが売られています。何度も繰り返し洗うことが可能で半永久的に再利用ができます。
性質
元々は海岸にある砂利を採取したもので、貝殻などの自然由来成分が溶け出して、水質をアルカリ性に傾ける性質があります。長く使用していると、その性質は薄れていく傾向にあります。
色々な種類の生き物の飼育で使用することができますが、粒が大きいうえに重いので、プロホースで底床掃除を行ったときに、巻き込んで吸い込みにくいと言うデメリットがあります。
しかし粒が大きいということは、すなわち粒同士の隙間が大きくなるので、嫌気層ができにくいというメリットもあります。さらに粒の大きさから、底面フィルターとの相性が非常によいです。
洗いやすさ
粒が大きいのでとても洗いやすいです。
バケツに入れて水道水でガシガシと洗えるし、粒が大きく重いため、洗った水を流す際に一緒に流れ落ちにくい。
洗っている時に濁りが出ますが比較的落としやすく、粒の大きさによってはザルを使うと簡単に洗うことができます。
ソイル
ソイルは土を粒状に焼き固めたもので、指で簡単に潰せるほど脆いです。そのため長期間使用していると水中で形が崩れ、2年に一回程度リセット作業が必要なので、再利用不可。
性質
水質を弱酸性に傾ける性質があり、多孔質なのでバクテリアが定着しやすいという特徴があます。そして水草との相性がよく、本格的な水草水槽をする場合はソイル一択でしょう。
ソイルには「吸着系ソイル」、「栄養系ソイル」の二種類があります。
吸着系はその多孔質の性質から、水中の有害物質を吸着する性質があります。
栄養系は水草の成長に必要とされる窒素やリン、ケイ素などの栄養素が豊富に含まれているという特徴があります。 しかしその分コケが生えやすいので、立ち上げ初期は余剰に含まれる栄養分を取り除く意味でもこまめな水換えが必須です。
洗いやすさ
ソイルはとても脆いため、水で洗ってしまうと崩れてしまい泥水のような状態になってしまいます。そのためソイルは洗わずに、直接水槽内にセッティングしていきます。
田砂(ボトムサンドなど)
田砂は大きいものでも粒は1mm程度で底砂の中でも極小、プロホースで底床掃除をした際、ゴミと一緒に細かい砂を一緒に吸い込んでしまうことが多いです。
特徴
細かく適度な重さがある為、クーリーローチなどのドジョウ系の魚は夜など潜って寝やすく、コリドラスなどの底性の生体は、大磯砂よりも底に落ちてきたエサを食べやすいです。
粒には角がなく、このような底性魚のヒレやひげを傷つけにくく、粒が細かいため水草が根を張りやすいという特徴があります。
ソイルや大磯砂、サンゴ砂と違い水質に影響を与えることがなく、粒同士の隙間が小さい為、嫌気性バクテリアが繁殖しやすいです。
大磯砂やソイルと違い白に近い茶色なので、明るい印象を与えるレイアウトを作りやすい。
洗いやすさ
田砂はとても細かいので、細かいので、水を流した時に一緒に流されていきやすいです。
バケツでガシガシと洗えるが、「粒が細かい=粒同士の隙間が少ない」ため、手が入り難く底からかき混ぜようとすると力のいる作業になります。
そのためホースからの水流でかき混ぜるか、一度に洗う量を少なくして洗うとよいです。
何度洗ってもなかなか濁りが取れないのは、田砂に含まれる粘土質が原因。
ある程度落とせたら、立ち上げ時の濁りは抑えられる(濁ることには濁る)ので、完全に濁りを取りきる必要はありません。
サンゴ砂
サンゴ砂は自然で自生している骨格のあるサンゴが白化して、波力や生物の作用によって細かくなったもの。 極小サイズからろ材に使われる大型サイズまでさまざまなものがあります。
特徴
ほとんどがカルシウム由来の成分で出来ており、溶けだして水質をアルカリ性に傾ける性質があり、水槽で使用する場合、アルカリ性の水質を好むシクリッドの水槽で使用することが多いです。
粒自体は多孔質で、バクテリアの住処になります。田砂と同様、極小サイズになると嫌気層ができやすく、プロホースでの清掃時は一緒に吸い込んでしまうことが多いので注意が必要です。
サンゴ砂は白色のため、水槽レイアウトに使用すると明るいイメージを作れますが、汚れやコケがとても目立ちます。
プロホースでの掃除はかなり大変なので、アクアガーデンでは海水水槽で使用する場合はマガキガイなどの生体に掃除の大部分を任せることが多いです。
多孔質の性質を利用し、海水水槽では2~3cm程度のサンゴ砂(砂ではないが、商品名は砂となっている)をオーバーフロー水槽のろ過槽でろ材として使用します。
サイズに関わらずほとんど劣化しないので、汚れさえ落とせば長く使うことができます。
洗いやすさ
粒の細かいものは田砂と同様、隙間が少ないので力仕事になります。しかし田砂より軽い(比重が小さい)ため、水に流されやすく、粒の荒い・大きいものは田砂と同様、比較的洗いやすいです。
田砂と違い、サイズに関わらず粒の角が取りきれていないものが多く、手を入れてガシガシ洗うと怪我をしてしまうこともあるので注意してください。
また、サンゴ砂でも特に細かいものはロットによって品質のばらつきが大きく、色味が違ったり、汚れが多かったり、不純物が多かったりということがあります。
いくら洗っても濁りが取れないロットの物もありますが、これは採集地の違いによるものとされています。
ガーネットサンド
サンガーネットサンドは、商品名どおり「ガーネットの細かい粒」でできています。元々は工業用で、サンドブラストという砂を吹き付けて研磨する工程に使われていて、サイズは様々で0.5㎜程度のものが使用されやすい傾向にあります。
透明感のある赤褐色が中心で黒いのもあり、自然物なのでロットによって多少色にバラツキがあります。
特徴
比重はとても大きく、プロホースで吸っても簡単には巻き込まれないので、メンテナンスしやすいです。そのため泳いだ時に大きな水流を起こすアロワナやポリプテルスなどの水槽にも使用できます。
また、これらの生体はフンが多く底床を汚しやすいが、プロホースでの清掃がしやすいので相性がよく、大型魚をベアタンクで飼育していて、生体の色落ちが気になって導入する方もいるそう。
鉱物なので水質に影響を与えるともいわれていて賛否両論ですが、私の少ない経験上では問題ないように感じていますし、チャームも水質に影響なしと明記しています。
粒は小さですが鉱石を粉砕して制作するため角が非常に多く、底性魚の皮膚やひげを傷つけてしまうこともあります。とても硬く頑丈なので、半永久的に使用できる底砂です。
洗いやすさ
ガーネットサンドは田砂と同様に粒子が細かいため、ガシガシと洗うには力が必要です。そして角が鋭いため、素手で洗うと怪我をする恐れあるので注意してください。
濁りは比較的取れ易く比重も大きいので、ホースからの水流で一気に撹拌し上澄みを流せば簡単に綺麗になります。このとき水槽で作業すると、水槽内を傷つける恐れがあるので必ずバケツで作業しましょう。
とても重たいため少しずつ洗うと楽ですが、その重さからバケツの角に砂が残りやすいので地味にストレスを感じてしまいます。
まとめ: 砂利の性質をよく理解して使用前に洗って汚れをきれいに落とそう!
さて今回は東京アクアガーデンでよく使用している田砂とサンゴ砂の洗い方、そして底床に使用されることの多い砂利の種類や特徴をご紹介しましたが、どうだったでしょうか?
砂利は材質によって水質を変えてしまうので、使用するときは生き物に合わせたものを選ぶ必要があります。
そしてただ水で洗うといっても砂利の種類によっては、角があって手を傷つけてしまうことがあるので、十分に注意して洗いましょう。
砂利や底砂それぞれの色や特徴を生かした水槽レイアウトを考えるのも楽しいですよ!
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