水槽照明はスマートと吊り下げどちらが良い？メリットとおすすめの水槽

アクアリウムを楽しむためのアイテムとして、水槽内を明るくしてくれる照明器具は欠かせないものの1つです。

水槽照明は、水槽の水草や魚たちを美しく見せてくれるだけではありません。
水槽内の生体の生活リズムを整えたり、水草やサンゴに必要な光を供給してくれるアイテムなのです。

今回のコラムでは、水槽用照明の中でも高い人気を誇るスマートタイプと吊り下げタイプについて、それぞれのメリットやおすすめの水槽について解説します。

プロアクアリストたちの意見をもとに水槽照明について解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

いろいろな種類が販売されている水槽照明ですが、スマートタイプと吊り下げタイプの二極化が進んでいます。
それぞれにメリットがあり、適した水槽も異なるのです。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽照明のスタイルについて解説します。

水槽用照明のスマートと吊り下げ、それぞれのメリット

水槽用の照明器具にはさまざまなタイプがありますが、現在ではLEDを利用したスマートタイプと、水槽上部に設置する吊り下げタイプ、2つのタイプが主流です。

ここでは、水槽用照明のスマートと吊り下げ、それぞれのメリットを解説します。
使用する水槽や飼育する生体に合わせて、選んだり使い分けたりする際の参考にしてください。

スマートタイプのメリット

スマートタイプの水槽用照明とは、LEDを利用して薄型・軽量を追求した照明器具です。

スマートタイプの照明ならではのメリットを、4つ紹介します。

スリムで場所をとらない

スマートタイプの最大のメリットは、スリムで場所をとらず水景の邪魔にならない点です。水槽を正面から眺めた時にほとんど視界に入らず、水景を遮るものがありません。

また、デザイン性も豊富で、部屋に合わせたインテリアアクアリウムを楽しむにはぴったりです。
スリムながら多機能な機種が多く、色調や光の明るさを自由に設定できる製品も販売されています。

最近では、専用のリモコンだけでなく、スマートフォンのアプリで操作できる製品も増えており、アクアリウム照明の可能性をさらに広げてくれるアイテムです。

軽量で設置しやすい

従来の蛍光灯タイプの照明に比べて、スマートタイプは圧倒的に薄く、軽量です。設置・移動がしやすく、フレームレス水槽も傷つけにくいため安心感があります。

地震などの際に落下してしまう可能性も考えると、より軽量な製品の方が安心ですね。

水槽の温度上昇を防げる

スマートタイプは蛍光灯タイプと比較すると、アクアリウムの大敵である発熱も防ぎやすいです。

特に夏場の温度上昇は、水槽内の魚や水草にとって命の危険が生じます。スマートタイプの照明器具を設置することで水槽の温度上昇を抑えられ、リスクを軽減できるのです。

消費電力を抑えられる

消費電力を抑えられるのも、スマートタイプのメリットです。

LEDを使用したスマートタイプの照明なら、電気代の節約につながります。照明器具を購入する際、家族にも説明しやすくなるでしょう。

寿命が長く、長期間使えてコスパが良いのもスマートタイプの特徴です。

吊り下げタイプのメリット

吊り下げタイプは、水槽上部から吊り下げて設置する照明器具です。

価格はスマートタイプよりも高めですが、こちらもたくさんのメリットがあるのでご紹介します。

上部が解放できる

水槽に解放感を生み出せるのが、吊り下げタイプの最大のメリットです。

水槽上部に照明を載せる必要が無いため、鑑賞性が高くなります。また、流木や水草など、水槽からはみ出したレイアウトも可能です。

吊り下げタイプの照明を使用すれば、水槽の枠内にとらわれず、より自由な発想でレイアウトが楽しめます。

水槽のメンテナンスがしやすい

吊り下げタイプの照明は、水槽の上部が大きく開放されているため、水槽内のレイアウトやメンテナンスが楽に行えます。特に、大きな流木や石を利用したレイアウトでは、吊り下げタイプがおすすめです。

水槽メンテナンス後に照明器具を設置し直す必要が無いため、手間も省けます。

熱や湿度の影響を受けにくい

水槽と照明器具の間に間隔が生まれるため、照明から生じる熱の影響をスマートタイプ以上に軽減できます。

また、照明器具が湿度の影響を受けにくくなるため、水槽上部に設置するよりも長期間使用できるでしょう。

スマートタイプがおすすめの水槽

スマートタイプのメリットを知っておけば、シーンに合わせて最適な照明を選べるでしょう。

スリムで軽量、見た目も美しいスマートタイプ照明が似合う、水槽のバリエーションをご紹介します。

小型水槽

コンパクトな小型水槽には、スリムで軽いスマートタイプ照明がおすすめです。
スマートタイプなら視界を邪魔しないため、水槽全体の印象を損ねることなく水槽全体を明るく照らせるでしょう。

また、小型水槽用の商品バリエーションも豊富で、水槽の大きさに合わせて選びやすいです。

小さなスマートタイプ照明でも、小型の水草水槽ならしっかり底面まで照らせます。

観賞魚水槽

スマートタイプの照明器具は、光量や色調が調整できる製品が多く販売されているため、観賞魚水槽にもおすすめです。

金魚やメダカ、ベタなどの観賞魚は、飼育のために強力な光量は必要としません。また、照明が明るすぎるとストレスを感じてしまう種類の魚もいます。

スマートタイプなら照明の強さを調整できますし、マルチカラータイプの照明を選べば好みの色彩で水槽を演出できるでしょう。
飼育している観賞魚が最も映える照明を選べる点も、スマートタイプの魅力の1つです。

吊り下げタイプがおすすめの水槽

吊り下げタイプは全体的にスマートタイプよりも価格は高めですが、価格に見合った機能やメリットを持ちます。

ここでは、吊り下げタイプの特徴を生かした、おすすめの水槽バリエーションをご紹介します。

サンゴ水槽

サンゴの水槽内育成は難易度が高く、最大の課題は光量の調整です。
サンゴの種類によっては、照明が近すぎる・強すぎると照明焼けを起こしてしまうことがあります。

吊り下げタイプなら、照明と水槽の距離を自由に調整できるため、サンゴにとって最適な位置に設置できるでしょう。

また、吊り下げタイプ用のライトは効率よく紫外線を含んでいる製品が多く、サンゴを飼育しているたくさんのアクアリストに選ばれています。

アクアテラリウム

アクアテラリウムでは、流木や石をダイナミックに組み、観葉植物が水槽からはみ出るようなレイアウトが好まれます。観葉植物などが高く成長するため、水槽と照明器具の間に空間のある吊り下げタイプが最適です。

吊り下げタイプは高い位置から水槽全体を広く照らせるため、自然な太陽光も再現できます。

また、アクアテラリウム水槽では、観葉植物や水草の枯れ葉をこまめに取り除く作業が必要です。そのため、メンテナンスのしやすさも重要なポイントになってきます。

吊り下げタイプを採用すれば、複雑に組んだ流木や石のレイアウトを崩すことなく、水換えや植物のトリミングなどのメンテナンスが楽に行えるでしょう。

まとめ：水槽照明はスマートと吊り下げどちらが良い？メリットとおすすめの水槽

今回は、水槽照明のスマートタイプと吊り下げタイプについて、それぞれのメリットとおすすめの水槽を紹介しました。

アクアリウム用の照明器具はさまざまなバリエーションが登場しており、育てている生き物や水草、水槽タイプに合わせて最適なアイテムを選ぶことが大切です。

コラムを参考にして、理想的な水槽照明選びにお役立てください。