水生昆虫の飼育方法!タガメ・ゲンゴロウ・ミズカマキリなど8種類を紹介

投稿日:2026.07.04|
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個性的な泳ぎや動きを披露してくれるタガメやゲンゴロウなど水生昆虫は、陸上の昆虫や魚とは一味違う独特な魅力を持った生き物です。
水草などと一緒に水槽で飼育することも可能で、水棲昆虫を使ったアクアリウムは非常に個性的な仕上がりになることでしょう。
その一方で「飼育が難しいのでは」と感じる場面が多いのも事実で、魚やエビと同じ感覚で飼うと失敗しやすい生き物でもあります。
とはいえ、種類ごとの特徴を理解し適した環境を整えれば、初心者の方でも飼育に挑戦しやすいです。
今回は、水生昆虫の基本的な知識や飼育環境を解説します。タガメ・ゲンゴロウ・ミズカマキリなど代表的な8種類とヤゴについて種類ごとに詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに水生昆虫の飼育方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水生昆虫を飼育してみると、水草の間を泳ぎ回る姿やじっと獲物を待つ様子など、魚とは異なるユニークな魅力に気づかされます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水生昆虫の飼育方法を解説します。
水生昆虫とは

水生昆虫とは、一生または幼虫期など一部の期間を水中で過ごす昆虫の総称で、日本では主に池や田んぼ、用水路、湿地などの身近な水辺に生息しています。
基本的には肉食傾向が強いですが、タガメなど水中で獲物を捕食するものから、ガムシのように植物質と動物質をバランスよく食べる雑食性のものまで、種類によって微妙に食性が異なるのが特徴です。
また、呼吸法にも違いがあり、水面から空気を取り込んだり体に空気をまとったりと品種によって様々なので、飼育する種類に合わせて、呼吸のしやすい環境を整えてあげる必要があるでしょう。
ルールを確認してから採取・飼育をしよう
ゲンゴロウなどの一部の水生昆虫は生息数が激変しており、種類や地域によっては採取や販売が規制されている場合があります。
飼育を始める前に、入手方法や地域のルールを十分に確認することを徹底してください。
水生昆虫の飼育方法!必要なアイテムと環境

水生昆虫を飼育するには、適切なアイテムを揃えて環境を整えてあげることが大切です。
魚を飼育するアクアリウムやカブトムシなどの陸生昆虫の飼育とは勝手が異なるため、必要な情報を事前にしっかり確認しておきましょう。
水生昆虫を飼育するのに必要な設備
水生昆虫を飼育する場合は、以下のアイテムを準備しましょう。
- 蓋つきの水槽やプラケース
- ろ過フィルターやエアレーション
- 流木や石など足場になるレイアウト素材
蓋つきの水槽やプラケース
飼育容器は30cm程の小型水槽や大きめのプラケースがおすすめです。
水生昆虫の多くは飛んだり跳ねたりして水槽から出てしまうリスクがあるため、通気性を確保しつつピッタリとしまる蓋を必ず設置してください。
飛び出し事故を防ぐ意味では、プラケースの方が管理がしやすいかもしれません。
ろ過フィルターやエアレーション
ろ過フィルターやエアレーションを設置すると、水質を維持しやすくなります。
ただし、水流が強すぎると生体に負担をかけてしまうため、穏やかな投げ込み式やスポンジフィルターなどを選定するのがおすすめです。
流木や石など足場になるレイアウト素材
水面付近で酸素を取り込む品種の場合は、水草や流木、石などで足場を作り、水面まで無理なく上がれるレイアウトを組んであげることが重要です。
水草が豊富な環境を好む種類も多いため、隠れ場所やつかまる場所を意識してレイアウトをすると、ストレスなく過ごしやすくなります。
また、水深が深すぎるのも体力を消耗してしまうため、品種に合わせて浅めを心がけましょう。
単独飼育が基本!
水生昆虫は肉食性の強い種類が多く、魚やエビとの混泳には基本的に向きません。小魚やミナミヌマエビを同じ容器に入れると、餌として捕食されてしまうことがあります。
また、同じ種類同士、昆虫同士でも共食いをすることが珍しくないため、安全に育てるためにも飼育容器に一匹の単独飼育で管理しましょう。
種類別!水生昆虫の飼育方法!8種+1

ここからは、飼育ができる水生昆虫としてタガメやゲンゴロウなど代表的な8種類と、番外編としてヤゴの飼育方法をご紹介します。
それぞれの特徴や飼育のコツにも触れていきますので、飼育前に確認してみてください。
タガメ
日本最大級の水生昆虫として知られるタガメは、強い前脚で獲物を捕らえる肉食性の昆虫で、小魚やカエル、エビなどを捕食します。
水槽でも迫力のある捕食行動を観察できますが、餌になる生き物を入れっぱなしにしておくのはあまりよくないので、餌の時間に合わせて生き物を投入するといった管理はしっかり行いましょう。
飼育容器のサイズは30〜45cmを目安に、流木や水草を入れて落ち着いて待ち伏せできる場所を作ると管理がしやすくなります。呼吸のため水面までの導線も確保してください。
なお、日本固有のタガメは希少性が高く、地域や入手方法によっては規制や保護の対象になる場合があります。ルールに不安があるときは、飼育用の流通している一回り大きなタイワンタガメを購入するのがおすすめです。
ゲンゴロウ

ゲンゴロウは、丸みのある体で水中を活発に泳ぎ回る水生昆虫です。
後ろ脚をオールのように使って泳ぐ姿は、類を見ないユニークな動きで見ているだけで楽しめます。
飼育する際は30cm前後の水槽やプラケースに水草や流木を入れて、落ち着いて休憩できる環境を整えてあげるのが良いでしょう。
一見大人しそうに見えますが、飛んで移動する習性があるため、蓋は必須です。特に夜間や水換えの最中は脱走しやすいタイミングなので十分注意してください。
餌は冷凍赤虫や餌用コオロギ、沈下性の肉食魚用フードなど。幼体のうちは動く生餌のほうが反応がよいですが、慣れれば様々なものを食べるようになるので餌付けは比較的簡単です。
マツモムシ

マツモムシは背中を下に仰向けになって泳ぐ、なんとも不思議な習性をもつ水生昆虫です。
普段は水面の近くでじっとしている大人しい虫ですが、何かが落ちると素早く反応して捕食体制に入る二面性を持っています。
飼育環境では浮き草を少し入れてあげると落ち着きやすいですが、水面が覆われてしまうと呼吸や移動の妨げになるため、適度な量になるよう調整してください。
食性は肉食性が強く、メダカや各種昆虫類、ボウフラなどを好んで食べます。冷凍赤虫もピンセットでユラユラと動かすと食べてくれることが多いです。
注意点として、マツモムシは人の手を刺すことがあります。移動させるときは素手で掴まずに網やカップを使うと安全です。
ミズカマキリ

細長い体とカマキリのような前脚を持つミズカマキリは、水草や枝につかまってじっと待ち伏せし、近づいた小魚や昆虫を捕らえます。
呼吸管を水面に出して呼吸するため、飼育する際は水面まで届く足場を作ってあげることがポイントです。水深がありすぎると呼吸がしづらくなるので、枝や流木の高さを調整しながらレイアウトするとよいでしょう。
餌は冷凍赤虫やメダカ、ミナミヌマエビ、小さな昆虫などです。
動く餌の方が断然反応が良いので、飼育者の扱いやすさとミズカマキリの食べやすさのバランスを見ながら、餌を選定していきましょう。
タイコウチ

タイコウチは、平たい体と長い呼吸管を持つ待ち伏せ型の水生昆虫です。
浅瀬の底の方でじっと待ち、獲物が近づくと素早く前脚で捕らえます。
泳ぎ回るタイプではないため、飼育環境でも水深を浅めに管理することを意識してください。底面には、水草や石、流木などを入れて身を隠せる場所を作ると、落ち着いて待ち伏せする様子が観察できます。
餌は動きのあるものに反応しやすいため、ヨーロッパイエコオロギなどの小さな昆虫を中心に、冷凍赤虫などの活餌もピンセットで軽く動かすと食べてくれることが多いです。
ガムシ

ガムシはゲンゴロウに似た丸いフォルムが印象的な昆虫ですが、性質は少し異なります。
ゲンゴロウほど俊敏に泳ぐタイプではなく、植物質や藻類や柔らかい水草、沈下性の餌、動物質の餌など様々なものを食べる雑食性。
飼育する際はヌマエビ用の餌、ゆでた野菜、柔らかい水草、冷凍赤虫などが与えられるので、生きた餌に抵抗のある方や初心者でも飼育がしやすいでしょう。
一方で、食べ残しには注意が必要です。野菜や人工飼料が水中に残ると水質が悪くなりやすいため、食べきれる量を少しずつ与え、残った餌は早めに取り除いてください。
コオイムシ
コオイムシはメスがオスの背中に卵を産み付けて、そのまま孵化させる変わった繁殖行動を取ることで知られています。
水中のごく浅い場所を好み水深5cm程度あれば飼育できるので、小型のプラケースでも管理がしやすいでしょう。
水深が浅めでも、呼吸で水面に上がれるよう水草や浮草で掴まれる場所を作ってあげてください。
餌は冷凍赤虫やメダカ、ミナミヌマエビ、小さな昆虫などを与えます。冷凍赤虫の場合はやはり、ピンセットで動かして与えるのが効果的です。
また、水槽内で繁殖も狙えますが、ペアで飼育するときはお互いの相性や共食いに注意してください。卵を背負ったオスは刺激に弱くなることがあるため、必要以上に驚かせない管理も大切です。
単に観察目的であれば、単独でも十分に魅力を味わえます。
アメンボ

川や用水路などに良く浮かんでいるアメンボも、水中で生活する水生昆虫の仲間です。
基本的に水面に浮かんでいるため、飼育容器は開口部の広いプラケースなどがおすすめ。
水中を泳ぐ種類とは異なり水深はそれほど必要なく、代わりに水面を広く開けておくとユニークな移動をじっくりと観察できます。少量の浮き草を浮かべて休憩場所を作ってあげるのもよい方法です。
ただし、アメンボも脱走することがあるため、蓋は必ず設置しましょう。
水流には弱いため、ろ過フィルターを使う場合はごく弱いものを選びます。餌は小さな昆虫、コオロギの幼虫、乾燥赤虫など、水面で食べやすいものを少量ずつ与えてください。
番外編:ヤゴ
アクアリウムではビオトープに混入する厄介者として扱われるヤゴですが、本来はトンボの幼虫であり、別容器に移してあげれば立派な観察対象として飼育できます。
ただし、種類によって大きさや飼育期間、羽化のタイミングが異なるため、まずは種類の特定から始めましょう。
餌には小魚やヌマエビ、冷凍赤虫がおすすめです。
羽化が近づいてきたら水量を徐々に減らしていき、水中から水上移動できる導線を確保します。流木や棒など、ヤゴが登りやすいものを水面から20cm以上出るように設置すると、羽化の失敗を防ぎやすくなるでしょう。
羽化の瞬間は他の生き物では味わえない感動にあふれています。運よく羽化に立ち会えたならば、ぜひ時間をかけて観察してみてください。
まとめ:水生昆虫の飼育方法!タガメ・ゲンゴロウ・ミズカマキリなど8種類を紹介

水生昆虫の飼育について解説しました。
水生昆虫は水中や水面で少し変わった昆虫の総称で、それぞれがユニークな生態や行動を持っています。
水中を活発に泳ぎ回るもの、浅瀬で大人しくじっとしているもの、水面に浮かんで移動するものなど習性が異なるため、飼育する際は品種の特徴をよく理解したうえで環境を作りましょう。多くの種類は脱走の心配があるため、水槽には必ず蓋をしてください。
餌は肉食性が強く生きた昆虫や小魚、冷凍アカムシなどが中心ですが、ガムシのように水草や藻なども食べる雑食性の品種もいます。こちらも種類にあわせて餌を用意しましょう。
肉食性の強い種類は混泳に向かないため、単独飼育を基本とします。
水生昆虫は身近な水辺にいる生き物でありながら、魚とは違ったおもしろさがあります。種類ごとの特徴を知り、無理のない環境を整えながら観察を楽しみましょう。
ほかにもさまざまなコラムがありますので、ぜひそちらもご覧ください。


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