アクアリウムの流木特集!水槽レイアウトにおすすめの種類を解説・ご紹介
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流木の用途は幅広く、熱帯魚飼育だけでなく両生類や爬虫類飼育、ネイチャーアクアリウムなどでも使われています。
ひとくちに流木と言っても「自然流木」や「枝状流木」、「スタンプウッド」「ブラックウッド」などといった種類があり、性質も若干異なっているのです。
流木のなかには、アク抜きなどの前処理を必要とする種類もありますが、他のレイアウト材では代わりにならない無二の存在と言えるでしょう。
アクアリウム初心者でも、種類とそれぞれの特徴を知ることで、理想のレイアウト水槽を作りやすくなるのです。
今回はアクアリウムで使用されることの多い、流木の種類について説明してきます。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに流木の種類をご紹介
このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
アクアリウムなどで使用する流木には、さまざまな種類があります。
形状の違いや色の違うことで、実は性質も若干異なっているので「レイアウトしたらアクがすごい」と感じてしまうことも。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、流木の種類と特徴・注意点を解説します。
自然流木
流木の種類を大きくわけると、まず「自然流木」と「枝状流木」、「スタンプウッド」「ブラックウッド」に分けることができます。
自然流木は、河川や湖・沼などで見ることのできる、太く自然な形状のものが多い傾です。
繊細さではなく、力強さを表現したいときや、大胆なレイアウトをするときに向いている流木で、人の手で成型されているものと比べると、自然みのある演出を行いやすいです。
ネイチャーアクアリウムやワイルド種の飼育水槽レイアウトにピッタリな形状のものが多い傾向にあります。
河川などから自分で採取した自然流木を水槽レイアウトに使用することもできます。
枝状流木
「枝状流木」はその名前のとおり、枝部分が目立つ流木です。
30cm程度の小型水槽なら、ひとつでもレイアウトに使用することができ、大型水槽で使用するのであれば、他の流木などと組み合わせることで、迫力を出すことができ枝の間を泳ぐ熱帯魚の姿を見ることもできます。
枝状流木はさらに「ブランチウッド」「ホーンウッド」「スマトラウッド」と3つの種類に細分化されます。
ブランチウッド
ブランチウッドは木の根もとに近い部分の流木ですが、根もと部分や枝の先端には人工的な切り口があることが多いため、水槽レイアウトで使用する際には、先端を丸く削ったり、隠すといた工夫を行うと自然に見えます。
やや水に浮きやすく、水に漬けておくなどの下処理をおこなっても、沈まないことがあります。
石などの重りなどを使用して水中にとどまらせるようにしましょう。
見た目としては、枝分かれが細かく、うねりが多くみられるので水槽内に広がりのある木の演出をするのにぴったり。
水槽の中央に置くのもよいですし、両端に置いて独特の躍動感を演出してみるのもよいです。
水槽レイアウト的には小型水槽やアクアテラリウムなどにおすすめな流木です。
ホーンウッド
枝状流木の中でも特に木の幹や鹿のような動物の角に似た形状をしたものを「ホーンウッド」といいます。同じ形のものはひとつとしてなく、形状が豊富であることとナチュラルな質感で人気の高い流木です。
ブランチウッドと比べると枝の数が少なめで、複数本組み合わせたレイアウトが定番となっていますが、小さめの水槽なら、これ1本でインパクトが出ます。
大胆で力強い雰囲気を作りたいときにピッタリな流木で、古代魚の中でもポリプテルスといった小型のものや、プレコ、アピストグラマといった熱帯魚の水槽におすすめです。
スマトラウッド
「スマトラウッド」は、流木の中心から放射状に枝が広がっている枝状流木。
色合いが自然でウィローモスなどの活着性の水草が自然に馴染みやすいです。
ブランチウッド同様に、水槽レイアウトで使用すると浮くことがあります。アク抜きと本体内の空気抜きは時間をかけて行い、どうしても沈まないのであれば重りを使い沈めましょう。
独特な形状から、水槽レイアウトでは凸型にピッタリなので、水槽の中央に大胆に設置するのがおすすめ。
水槽の端に設置するなら、斜めに傾けるなどして三角レイアウトを作ることも可能です。
スタンプウッド
「スタンプウッド」は切り株状の流木で、サイズは大小さまざま。
切り株といっても中央部分が空洞になっているものや、木の根もとという形状から、安定感があるため滝や河川といった自然を再現するのにピッタリ。
テラリウムやパルダリウムに使われることが多いですが、熱帯魚水槽では森をイメージした水槽を作るのに向いています。
枝状流木などと比べると、生き物が引っかかる部分が少ないため、ベタのようにヒレが大きく長い熱帯魚の水槽にもおすすめです。
ブラックウッド
「ブラックウッド」とひとまとめにされることが多いですが、「オールドブラックウッド」や「ブラックウッド」という材質があります。
名前のとおり、色が全体的に黒いのが特徴で以前はADAなどで販売がありましたが、今は市場での流通が少ないため、希少価値が高くなっています。
色が黒いため他の流木と比べると迫力があり、インテリア水槽に使用すると芸術的な仕上がりになることも。
水に沈みやすいので重りを付けて浮かないようにするといった工夫をすることは少ないのですが、ほかの流木のように煮沸処理を行うことには向いていません。
ブラックウッドの中には黒い色素の「タール」が大量に含まれているのですが、実はこのタール魚などの生き物に対して有害な成分です。
熱を加えることで溶けだしてしまうので、煮沸消毒を行うと鍋一杯に黒いタールがにじみ出てきて最悪の場合使えなくなってしまいます。
ブラックウッドのアク抜きは、アク抜き用の薬剤を使用するか、時間をかけて水にさらしましょう。
それでもアクは出てくるので、活性炭を濾過槽に入れてアクを吸着させるのがおすすめです。
ブラックブランチ
「ブラックブランチ」はブラックウッドの中でブランチウッドの形状をしている流木のこと。
基本的なレイアウトでの使い方は、一般的なブランチウッドと同じです。
パルダリウムなどで使用する場合、コケ類やシダ類とのコントラストが美しく、熱帯雨林をイメージしたレイアウトなどにも向いています。
ブラックホーン
「ブラックホーン」はブラックウッドのホーンウッド形状の流木です。
こちらも使い方は一般のホーンウッドとは変わりありませんが、色が黒いので丘の流木と組み合わせると遠近感などを出しやすいです。
まとめ:アクアリウムの流木特集!水槽レイアウトにおすすめの種類を解説・ご紹介
今回はアクアリウムで使用する流木の種類と、その特徴について解説してきました。
それぞれの特徴をよく知ることで、自分の作ろうとしている水槽レイアウトにピッタリな流木を探すことができるでしょう。
流木は中に空気が入っている状態だと、水中に入れたときに浮く・きちんと沈まないといったトラブルが起きます。
水に漬け置きをするとアク抜きとともに、流木内の空気を抜くことで対処できますが、どうしても沈まない・浮く場合は重りを使って固定しましょう。
ブラックウッドだけは煮沸ができないので、アク抜きは専用の市販薬を使い、空気抜きも一緒に行いたいのであれば水に長期間つけておきます。
また、それでもアクが抜けきるわけではないので活性炭を濾過槽に入れて吸着しましょう。
それぞれの特徴をしっかりと把握し、お気に入りの流木を見つけて、インテリアにもなるような素敵なレイアウト水槽を作ってください。
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