性転換する魚?!オス・メスが変化する観賞魚5種!飼育できる種類を紹介

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人間をはじめとする多くの動物は、基本的に生まれたときに授かった性別から変化することはありません。
しかし、自然界には性別を変える、性転換する生き物がいます。
魚の中にもこの不思議な習性を持つものがおり、群れや周囲の環境に合わせてオス・メスを変えて野性を生き抜いてきました。
性転換は自然の中でより多くの子孫を残し、種を発展させていくための一つの手段なのです。
今回のコラムでは、性転換する魚にスポットを当てて、飼育できる性転換する魚5種のご紹介と、性別を変える理由などを解説します。
目次
プロアクアリストたちの意見をもとに性転換する観賞魚5選を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
魚の中には厳しい自然の中で種を残し続けるため、性転換をして群れを守る習性を持つ魚種がいます。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、性転換する観賞魚5選を解説します。
性転換する魚!オスメスが変わるの理由と仕組み

人間は性別が自然に変化することが無いため、性転換をすると聞くととても不思議な感じがするかもしれません。
しかし、意外にも自然の中で環境に合わせて性転換する生き物は多く、魚類、爬虫類、エビ類のほか、牡蠣などの貝類の中にも性転換をする品種がいます。
ここでは、魚が性転換する理由や仕組みを解説します。
子孫をたくさん残す生存戦略
魚が性転換をする大きな理由として、子孫を残し続けるための生存戦略があります。
天敵に囲まれた自然の中で多くの子供を産み育てていくには、強く体の大きな個体と優先して交配していくのが有利です。
このことから、群れの中で序列を決めて状況に応じて性転換をし柔軟に交配していると考えられます。
転換の仕方は魚種や環境によって異なる
性転換の仕方にはメス→オスに転換する種と、オス→メスに変化する種があり、それぞれ交配や群れの作り方によって傾向があります。
生まれたときはすべてがメスで成長後に一部がオスに転換する魚種は、オスが広い縄張りの中で複数のメスと交配する、いわゆる一夫多妻制の習性を持つ魚種です。
一方、オスからメスに変化する魚種は、たくさん卵を産むことができる群れの中で一番大きな個体がメスに、二番目に大きな個体がオスになり、番を作って交配する習性がある魚達に多いタイプ。
どちらも、よりたくさんの子孫を残すために性転換をしていることは同じですが、環境や習性に合わせて変化の仕方が異なるのが興味深いです。
性転換は水槽の中でも観察可能!
性転換をする習性は、水槽の中でも観察できます。
多くの魚種は繁殖をするために性別を変えることから、繁殖に適した環境を整え相性の良さそうなペアを作ってあげるのが条件です。
上手く進めば、体が大きくなったり体色やヒレが変化したりといった、性別に関わる身体的変換を見ることができるでしょう。
ただし、性転換をするということは繁殖して稚魚が生まれる可能性があるということです。
興味本位で繁殖して飼いきれなくなるというようなことがないよう、下準備をしっかりしたうえで行うようにしてください。
性転換する観賞魚5種

性転換は、淡水魚・海水魚に関わらず幅広い魚種にみられる習性です。
ここでは、個人でも飼育ができる魚種の中から性転換する魚を5種類ご紹介します。
クマノミの仲間
アニメ映画のキャラクターとして人気のカクレクマノミを初めとしたクマノミの仲間は、全員がオスとして生まれたのち、群れの中で一番大きな個体がメスに性転換する魚として知られています。
クマノミは一夫一妻制で仲良くペアで暮らしているため、体の大きな個体がメスになったほうが優れた卵をたくさん産める=子孫を残しやすい、というのが性転換の理由です。
ちなみに、一度メスになった個体がオスに戻ることはなく、もしメスが何らかの理由でいなくなってしまった場合は、二番目に大きな個体がメスとなり群れが維持されていきます。
ソードテール
ソードテールは、環境によってメスがオスに性転換することがあると言われています。
ただ元々成熟が遅い魚な上に、生まれつきオスとメスが分かれていることから、成長が遅れていた個体がオスに変化したように見えただけではないか(性転換はしていない)という説が根強くあるほど、性転換は稀なこと。
状況として、オスがいなくなってしまったなど群れの存続が危ぶまれるときに、体の大きなメスの尾ビレが伸びて、オスの体つきに変化し繁殖できるようになることがあるようです。
ちなみに、ソードテールの改良品種であるプラティも性転換する可能性があると言われています。
ハナダイの仲間
多くのハナダイの仲間は、メスとして生まれ成長して繁殖できるようになると、群れの中で強く長生きしている個体がオスに性転換します。
ハナダイのオスとメスは色や模様の違いで見分けられますが、稀に性転換の途中、両方の特徴を持った状態が観察できるのが面白いところです。
先程も触れた通りメスからオスに変化するタイプは、一夫多妻制の魚たちで、優れたオスの遺伝子を多くのメスに分け与えた方が子孫が繁栄しやすいとの考えから、体の大きな個体がオスに転換します。
ホンソメワケベラ
海水水槽のクリーナーフィッシュとして活躍するホンソメワケベラは、本来はオス1匹とメス数匹で群れを作って生活する習性があります。
オスはメスよりも体が一回り大きくお腹がスッキリした印象です。そして、オスが死ぬなどして不在になると群れの中のメスのうち、一番大きい個体がオスに性転換します。
あまりないケースですが、何らかの理由で単身のオス同士が出会った場合は体の小さな方がメスに変化して繁殖することも。
オス同士で争うのではなく共生して繁栄していく、非常に優れた生存戦略と言えます。
ブルーヘッドラス
カリブ海などに生息するベラの仲間ブルーヘッドラスも、全てがメスとして生まれ、状況に合わせて一部の個体がオスに変化します。
この魚の性転換で特筆すべきなのが、そのスピード。最短で約10日で性転換を完了します。
他の魚種は変化が完了するまで大体3週間ほど掛かるのが普通なので、ブルーヘッドラスがいかに速いかがわかるでしょう。
性転換のスピードが速いことで、タイムラグを減らし効率的に繁殖ができます。
メダカも性転換する?!

性転換する魚をご紹介してきましたが、実は、近年の研究により日本人にとても馴染み深いメダカも性転換する可能性があることが分かってきました。
ここでは、メダカが性転換する仕組みやメリットをご紹介します。
メダカが性転換する仕組みは、他の魚の習性を理解する上でも参考になるはずです。ぜひご覧ください。
飼育環境下では条件を満たすと性転換することがある
メダカを飼育する環境で緑色の光を照射していると、メスがオスになることがあるという研究結果が発表されて、話題になりました。
性転換したとされる個体は、オスの外見上の特徴である切れ込みのある背ビレに、四角い尻ヒレを持つようになり、精巣も形成されたとのこと。
また、 孵化する直前のメダカの卵黄を除去するとメスだった個体がオスになることがある、という説も提唱されており、こちらは孵化後の重要な栄養源である卵黄を失った不利な状況を、より生存・繁殖率の高いオスになって改善しようという、生存本能に沿った変化と考えられています。
ちなみに性転換したオスと通常のメスの組み合わせから産まれる子供は、全てメスになります。
メダカの性決定は染色体の組み合わせで決まり、その様式は人間と同じ「オス=XY」「メス=XX」です。
環境要因によりXXだった個体がオス化しても染色体まで変化するわけではないため、性転換オスとメスの組み合わせではY染色体を持たず、全ての子どもはXXのメスになるというわけです。
野性メダカの性転換について
野性のメダカでも、全体の約1%前後の割合で性転換した形跡がみられるというデータが発表されています。
野性のメダカの場合、孵化後の栄養状態や水温、光の当たり方など様々な環境要因のストレスによって性転換が引き起こされるようです。
特に孵化から5日程度の栄養状態は性決定と深く関係があり、この時期の栄養が不足していたメスは、他よりも高い割合でオスに変化すると言われています。
性転換のメリット
なぜメダカが性転換するのか、はっきりした理由は解明されていませんが、おそらく他の魚種と同様に生存戦略の一つとして性転換をしている可能性が指摘されています。
メダカの場合はメス→オスへの変化が確認されていますが、これは体が小さく産卵で大きく体力を奪われる危険があるメスでいるよりも、体格が良くてリスクの少ないオスでいる方が生き残りやすいと考えられるからです。
生き残りやすく子孫を残しやすいというのは、生き物として最大のメリットではないでしょうか。
まとめ:性転換する魚?!オス・メスが変化する観賞魚5種!飼育できる種類を紹介

今回は性転換を行う観賞魚について解説をしました。
自然の中には性転換をして生存率を高める生き物がいます。魚類ではカクレクマノミやソードテールが性転換をすることで知られており、より子孫を多く残すために性転換をして種を繁栄させてきました。
魚類の性転換の傾向としては、オスが複数のメスを交配する種の場合メス→オスに、基本的に一匹ずつで番になる種はオス→メスに転換するケースが多いです。
また、メダカは緑の光を当てたり孵化後の栄養状態を調整したりすることで、比較的簡単に性転換が観察できる可能性があります。
飼育している生き物の新たな一面は、本当に興味深いもの。
性転換の習性は環境を整えてあげれば水槽でも観察できるので、ご興味ある方はぜひ挑戦してみてください。
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