メダカの飼い方
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メダカとは!特徴・生態・好む環境と初めての飼育で行いたいポイント

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メダカは日本の河川にも生息する、とても身近な魚です。近年のメダカブームも相まって、実際に飼育したことのある方や、飼い方を知っているという方も増えています。

しかし、私たちが目にするメダカの多くは人間に飼育されているメダカであり、野性のメダカが「どんなところに生息しているのか」や「どんな餌を食べているのか」といった、基本情報を知らないことも多いのではないでしょうか。

メダカ本来の特徴や生態は、飼育環境を整えるときや餌選びなどに役立ちますので、知っておいて損はありません。

今回は、意外と知らないメダカの特徴や生態をご紹介します。飼育するときのポイントも合わせて解説しますので、ぜひご覧になってみてください。

プロアクアリストたちの意見をもとにメダカの生態や飼育のポイントを解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

  • メダカは飼育しやすい小型淡水魚!日本の水質・環境にぴったりの魚だよ。カラフルな改良メダカも育てやすい!
  • メダカの寿命は約1年半~5年!飼育環境や餌の頻度、繁殖活動、個体差によって寿命は変わるよ!
  • メダカの餌は『人工飼料』『プランクトン』『活餌』がある!グリーンウォーターやタマミジンコは繁殖時に最適な餌!
  • 原種メダカには『キタノメダカ』『ミナミメダカ』の2種類がいる!野生のメダカは大変貴重な存在だよ。むやみな採集は厳禁!
  • アクアガーデンおすすめ!はじめてのメダカ飼育ポイント

誰もは一度は目にしたことのある、身近な観賞魚であるメダカ。近年ブームとなっていますが、生態や特徴を知らないこともあるのではないでしょうか。
メダカの基本的な情報は、適切な飼育環境を整える上で有益な情報ばかりですので、今一度確認しておきましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、メダカの生態や好む環境と飼育のポイントを解説します。

メダカとは


メダカの基本的な情報ということで、まずは以下の4つをご紹介します。

  • 特徴
  • 生態
  • 住んでいる地域
  • 好む環境

メダカをより深く知れるのはもちろんのこと、飼育につながる情報を合わせて解説していきますので、確認してみてください。

メダカの特徴

(めだか)黒メダカ(12匹)

メダカは、ダツ目メダカ科メダカ属の淡水魚です。

漢字では”目高“と書きますがこれは、体に対して大きく張り出している目が名前の由来になっています。

日本に生息する淡水魚のなかでも小型で、成長の仕方は次のとおりです。

  • 生後半年~1年:1cm
  • 1年~1年半:2~3cm
  • 2年以上:3cm以上

あくまで目安になりますので、大きな個体では4cmを超えることもあります。寿命は2~3年ほどですが、環境が良いと5年近く生きるメダカもいます。

体色は黒~灰色、薄い茶色などで、やや平たい頭部と背中に入る黒い線が特徴です。
目や口が上向きについているため、水面に浮いているものを食べやすい体になっています。見た目のとおり視力が良く、魚類ではあるものの顔で個体を判別できるといわれています。

また、メダカは、オスとメスで体型やヒレの形状が異なります

  • オス:スマートな体型、尻びれが四角形、背びれに切れ込みあり
  • メス:丸みを帯びた体型、尻びれが三角形に近い、背びれに切れ込みなし

上記のように明確な違いがあるため、よく観察してみると見分けることが可能です。


メダカの生態

メダカは、流れの緩やかな河川や用水路などに生息する淡水魚です。基本的には淡水で生活していますが、水質に適応する能力が高いため、海水と淡水が混ざり合う汽水域に棲むメダカもいます。

明るい時間に活動する昼行性の魚で、夜になると泳ぎを控えて体を休めることが多いです。単体で泳ぐことはほぼなく、群れを作って水面に近い上層付近を泳ぎます

食性は雑食性で、植物性から動物性のものまでなんでも食べます。その中でも野生のメダカが特に好んで口にするのは、

  • 植物プランクトンや動物プランクトン
  • コケや小さな水草
  • 赤虫やボウフラなどの小型生物
  • 小さな水生昆虫

といったものたちです。

水温が18度を超えて日照時間が長くなると繁殖を始めます。野性下では、水温と日照時間が適している4~9月が繁殖期です。
普段は温厚なメダカですが、繁殖期はやや気が荒くなる傾向にあり、オス同士でケンカをすることもあります。

卵は水温25度程度の環境であれば10日ほどで孵化します。卵がかえるまでの日数は水温が低くなるほど長くなります。

メダカの住んでいる地域と種類

野性のメダカは日本に広く分布しており、みつけて捕まえればそのまま飼育することも可能です。
ここからは、日本国内でメダカが生息している地域と種類、海外のメダカについて解説します。

日本国内の分布

日本国内には、以下の2種類メダカが各地に生息しています。

  • ミナミメダカ:主に本州の太平洋側、東北~南西諸島
  • キタノメダカ:主に本州の日本海側、東北~北陸地方

ミナミメダカの方が分布域が広いため、目にする機会も多いです。この2種類を総称して『ニホンメダカ』と呼ぶこともあります。

北海道は本来、野生メダカの生息地ではありませんでしたが、人の手で移入された個体が定着している地域があります。

海外のメダカたち

(熱帯魚)クラウン・キリー(4匹) 北海道・九州航空便要保温

メダカの仲間は日本だけでなく、海外にも数多く生息しています。
以下の種類は、日本でも観賞魚として流通している馴染み深いメダカです。

  • クラウンキリー
  • ランプアイ
  • インドメダカ
  • オリジアス・ウォウォラエ
  • ノソブランキウス・ラコビー

海外に幅広く生息していることもあって体色や体型は多種多様ですが、小型で目が特徴的な点は日本のメダカと同じです。

また、国内外問わず、メダカの仲間は総じて森林や植物・水草が豊富な地域に生息しており、種全体の特徴として植物や水草との相性が良いと考えられます。

海外のメダカについては、こちらの記事をご覧ください。

メダカが好む環境


メダカは日本の河川や湖沼、田んぼ、水路など幅広い水辺で見かけますが、次のような環境を好んで生息しています

  • 流れが緩やかな場所や止水域
  • 植物や水草が豊富で隠れ家が多い場所
  • 水温が極端に上昇・低下しない場所

速い流れが得意ではないため、たとえ河川などでも流れが緩やかになる場所を住処にすることが多いです。
また、水深が浅かったり、植物や水草が多かったりする場所は、中~大型の捕食者が侵入しにくいうえに隠れ家に困ることも無いため、メダカにとって住みやすい環境といえるでしょう。

水温が30度以上になる場所は好まない

メダカの好む水温は25度前後、特に消耗もなく適応できる水温は~30度程度と考えられています。水温が低くなると冬眠するため、低温には強い魚です。
一方高水温にはやや弱く、水温が35度を超えるような場所では命の危険にさらされることもあります。

また、日本では一年を通して水温が変動しますが、季節の変化に適応したメダカ達は、水温の違いから繁殖期を感知したり、冬眠の準備に入ったりといった生きるための行動を起こします
健康な体を作るためにも水温の変化が欠かせません。メダカは幅広い水温にも上手に適応できる器用さを兼ね備えた、丈夫な魚と言えるでしょう。

初めてのメダカ飼育で行いたいポイント


メダカ本来の特徴や生態を学んだところで、ここからはそれらの情報をふまえて、初めてのメダカ飼育でおさえたいポイントをご紹介します。

最初に飼育できる匹数や日光浴について、餌の与え方や飼育環境など、ちょっとしたコツですが、飼い始めの失敗を防ぐためには欠かせないことをまとめていますので、ぜひご一読ください。

室内でも屋外でも飼育可能


メダカは環境の変化に強い丈夫な魚で、飼育するのに強い水流を必要としません。そのため、室内の水槽はもちろん、ろ過フィルターを使わない屋外でも飼育することができます

飼育容器も一般的な水槽やビオトープだけでなく、発泡スチロールの箱や睡蓮鉢でも問題ありません。ただ、メダカは蒸れた環境が得意ではないため、風通しの良い場所で飼育することがポイントです。
風が通りやすいと、水面が波立つことで酸素が水中に溶け込みやすくなりますので、酸欠のリスクが少なくなります
メダカは酸欠に強い魚ですが、酸素がある方が健康状態を維持しやすいのは間違いありません。

室内の水槽飼育では通気性を確保しにくいため、小型のろ過フィルターを使ったり、エアレーションしたりして飼育しましょう。

はじめは2~3匹から飼育を始めよう

まずは、飼育を始めたばかりの頃に入れられるメダカの数についてです。
水槽の大きさにより最終的に飼育できる匹数は異なりますが、最初はどの水槽であっても2~3匹から飼い始めると良いでしょう。

というのも、立ち上げたばかりの環境は、水をきれいにしてくれるバクテリアが少なく、水質が安定しづらい傾向にあります。そのような状態でメダカをたくさん入れてしまうと、フンや餌の食べ残しで水が汚れやすくなってしまうからです。

メダカは水質にうるさい魚ではありませんが、水は綺麗に越したことはありませんし、飼育し始めの頃は環境に慣れておらず、水質の急変に耐えられない可能性もあります。

2~3匹の少数飼育から初めて、徐々に数を増やしていきましょう

メダカの数の増やし方

飼育を始めてから3週間程度が飼育数を増やす頃合いです。それだけの時間があればバクテリアが十分に増えて環境が安定してきます。

3週間以上が経過し、最初に入れたメダカ達が問題なく過ごせているようならば、少しずつ飼育数を増やしていきましょう。

メダカを飼育できる数の目安は、メダカ1匹に対して水1Lです。例えば、12L入る30cm水槽であれば12匹程度飼育することができます。
ただ、目いっぱいに数を増やしてしまうと管理が行き届かないことがあります。メダカは繁殖しやすく数が増えることも考えられますので、控えめに飼育することをおすすめします。

混泳について

(エビ)ヤマトヌマエビ(10匹)(+1割おまけ) 北海道・九州航空便要保温

メダカは温和な魚ですので、小型魚やエビ、貝類などの他の生き物と一緒に飼うことができます
中でもエビ類や貝類は、水槽に付く厄介なコケや汚れを食べて綺麗にしてくれるため、おすすめのタンクメイトです。

照明や日の光を当てて日光浴をしよう


野性のメダカは昼行性の生き物だとご紹介しましたが、これは飼育する場合でも変わりません。
室内飼育では照明を使って、屋外飼育では日の光を当てて、水槽に昼夜の区別を付けましょう。昼に活動し夜はしっかり休むよう、体にリズムを付けることで、丈夫なメダカに成長します。

元来メダカと日光(照明)は相性が良く、日光浴をすることで

  • バイオリズムが整う
  • 体内で体作りを促すビタミンが生成される
  • 繁殖が促される

といったメダカに良い効果が表れます。

または、メダカと一緒に育てることの多い植物の育成にも欠かせ無いものですので、積極的に取り入れていくと良いです。

ただし、当てすぎも良くはありません。点灯・日照時間が長すぎるとコケの発生につながりますし、メダカが上手に休むことができず疲れてしまいます。光の当たる時間は一日11~13時間程度を目安に、当てすぎに注意しながら上手に付き合っていくのが、長期管理のコツでもあります。

足し水も大切なメンテナンス

室内、屋外問わず、メダカ水槽を上手に運営していく上で大切なのが足し水です。

小さなメダカを飼育する場合、容器も小型水槽やメダカ鉢などの小さなものを選ぶことが多いですが、これらの水槽は設置やメンテナンスがしやすい反面、水の総量が少なくて水質が悪化しやすいという側面があります。水が蒸発して水位が下がると、水質に影響が出てしまいやすいです。

そこで、水が減ってきたなと感じたら、足し水を行いましょう。カルキを抜いた水を蒸発した分足すだけですが、これだけでも水質が安定します。

特に屋外飼育では、水槽の掃除などは行わずに足し水だけで管理していくことになりますので、気づいたときにできるよう、バケツに水を汲んでカルキを抜いておくと安心です。
屋内飼育の場合は、足し水だけで管理することは難しいので、定期的に水換えを行ってください。

室内水槽の水換えについて

室内飼育の水槽では、定期的に掃除や水換えを行います
水換えの頻度と交換する水量は、2週間~1ヶ月に1回、水槽の1/3程度の水量が目安です。水槽の大きさやメダカの飼育数によって頻度が変わりますので、管理しながら水槽に合った回数を見つけていきましょう

また、小さな水槽ならばあまりメンテナンスをしなくても良いと考えられる方がいますが、これは間違い。実は小型水槽の方がメンテナンス頻度が上がることが多いです。
というのも、水は総量が少ないほどすぐに汚れてしまうため、小型水槽の方が水が汚れやすく、こまめなメンテナンスが必要となるからです。

見た目にはきれいなままでも、水質が悪化しているということもありますので、定期的な水換えは怠らないようにしてください

メダカ水槽の水換え頻度の決め方については、こちらの記事をご覧ください。


餌は少なめを1日1~2回ほど与えよう

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餌の与え方は、少なめの量を1日1~2回が目安です。
与えすぎると健康に悪影響ですし、水質の悪化を早めます。餌の量はメダカの数や大きさによって変わりますので、2~3分で食べきれる量を目安にして、食べ具合を確認しつつ調節します。この時、全てのメダカに餌が行き渡っているかも確認しましょう。

また、メダカは水温が低下すると食べる餌の量が減るため、春の終盤から秋の序盤までは1日2回、それ以外の寒い時期は1日1回、冬眠を始める冬は餌を与えないなど、季節に合わせて餌を与える頻度を変えることが大切です。

ただし、室内飼育で水槽用ヒーターやエアコンを使って水温を管理している場合は、この限りではありません。一年を通して同量の餌を与えてください

餌の種類について

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メダカのメインの餌としては、栄養バランスに優れた人工餌を与えます。
人工餌には、粒の小さい『稚魚用』や、エネルギー豊富な『繁殖用』など様々な種類がありますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

また、雑食性のメダカは野性環境下と同じく、ミジンコや植物性プランクトンなども餌にすることができます
ミジンコは栄養価が高く、与えると色艶の良い立派なメダカに育ちます。植物性プランクトンは、小さくて消化吸収が良いため、稚魚の餌に最適です。植物性プランクトンを豊富に含んだ水は青水と呼ばれ、飼育に活用されています。

どちらも元を購入すれば、自宅で簡単に増やすことができるため、継続して与える場合には、ぜひプランクトンの繁殖にもチャレンジしてみてください。

高水温には注意しよう

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日本の気候に慣れたメダカは、水温の変化にも柔軟に対応します。
先述した通り、水温の変化を感じさせた方が丈夫なメダカに育ちやすいため、メダカ飼育において微細な水温管理は必要ありません

ただ、35度を超えるような高水温では夏バテしてしまいますので、暑い季節には水温を下げる対策を行いましょう。

室内飼育では冷却ファンを設置したり、エアコンで室温を管理したりして水温が上がり過ぎないよう注意します。
屋外飼育では、風通しの良い場所に容器を設置し、日が当たり過ぎないようにすだれなどで日よけを作りましょう。

改良メダカの魅力

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最後に、最近ブームとなっている改良メダカについてご紹介します。
メダカといえば、やや地味なイメージがあるかもしれませんが、品種改良によって生まれた改良メダカはカラフルで、熱帯魚に引けを取らない美しさがあります。

品種が豊富で、

  • 体色や体型
  • ヒレの形状や長さ
  • 鱗の質感や光沢

など、見た目が異なる様々なメダカの中からお気に入りの1匹を見つけて飼育できるのも人気の理由です。

種類にもよりますが、基本的な飼育の仕方は普通のメダカと変わりませんし、好みのメダカを繁殖で増やせたり、品種をかけ合わせて独自のメダカを作出できたりなど、長く深く楽しめるのもメダカならではの魅力と言えるでしょう。

ただし、品種によっては体の丈夫さや注意点が普通のメダカと異なることがありますので、よく確認してから飼育を始めてください

メダカの種類や品種、特徴ごとの見分け方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ:メダカとは!特徴・生態・好む環境と初めての飼育で行いたいポイント


今回は飼育に役立つ基礎知識として、メダカの特徴や生態・好む環境と、それを踏まえた上での飼育ポイントを解説しました。

メダカは日本の河川や湖沼にも生息している魚で、流れが緩やかな場所を好み小さな生き物を食べて過ごしています。

自然環境でメダカが好む環境を参考にすると、

  • 細かい水温調整をしなくても飼育ができること
  • 植物プランクトンやミジンコを餌にできること
  • 植物や水草と相性が良く、日光浴が大切なこと

など、飼育環境でも守るべき大切な要素が見えてくることでしょう。

メダカについて理解が深まることはもちろん、飼育環境で疑問が浮かんだ際に生態や特徴をふまえて判断できますので、ぜひ、知りえた知識をメダカ飼育に活かしてみてください

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執筆者 高橋風帆

アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。

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